伊賀地域高等学校の再編活性化策について
1平成17年度協議会のまとめに対する考え方
平成18年9月、「平成17年度伊賀地域高等学校再編活性化推進拡大協議会〈協議のまとめ〉」(以下「協議のまとめ」という。)において、平成21~23年度を目途とした高等学校再編の姿として(A)(B)両案を併記した提言がなされた。
当地域の状況は「協議のまとめ」にも記載のとおり、現在、小学校就学前の子どもたちが中学校を卒業する平成27年度以降はさらに減少が進むことが考えられ、現在0歳の子どもが中学校を卒業する平成33年頃には、伊賀地域の必要学級数は28学級程度になると考えられる。
したがって、今から10~15年後には、施設設備の耐用年数などの課題も視野に入れながら、伊賀地域の高等学校を4校程度に再編し、学校の活性化を図る必要がある。
そうした将来を見据えつつ、「協議のまとめ」で提案された(A)(B)両案を比較すると、(A)案で提案されている新普通科高等学校の新設は将来的な展望が見通しにくいなどの課題が多い。
県教育委員会としては、平成21~23年度を目途とした再編活性化策は、新総合専門高等学校を創設するとともに他の高等学校は特色化を図りながら、伊賀地域全体の高等学校の活性化を図ろうとする(B)案の方がより適切と考える。
なお、協議会における論点に関する県教育委員会の考えは、以下のとおりである。
2論点に対する考え方
(1)専門高等学校の再編
専門高等学校の再編については、協議会や「広く意見を聴く会」の議論においても、できる限り早い時期に農工商を統合して新総合専門高等学校の設置を進める意見で概ね一致している。
県教育委員会としては、生徒に魅力のある生き生きとした新しいタイプの総合専門高等学校を「平成21年度」に開校できるよう、具体的な検討を行っていくこととする。
(2)普通科高等学校の再編
中学生や保護者の普通科志向への対応については、伊賀市、名張市双方の生徒が行き交う実態もあり、今後、名張地区を含めた伊賀地域全体の普通科の学級数に配慮する必要があると考える。
(3)あけぼの学園高等学校
あけぼの学園高等学校については、名張地域から生徒の半数が通学しており、学年2学級規模の小規模な学校で定員を満たせないこともある一方、不登校ぎみの生徒も含め、多様な生徒にきめ細やかな指導ができる学校であるという意見が協議会等で出さ・黷トいる。
県教育委員会としては、当分の間、再編は行わないものの、今後いっそう減少する中学校卒業者数や生徒の学習ニーズを見極めながら再編していくこととする。
(4)名張地域の高等学校
名張地域の高等学校については、他地域への流出が多いことから、それぞれの高等学校の独自性や魅力化を今まで以上に図らねばならない。
また、名張地域の中学校卒業者数は今後急激に減少することが予想されるので、学科の拠点化や普通科高等学校2校を1校に再編するなど、その時期に備えた具体的な活性化策を検討していくこととする。
3その他
(1)近鉄伊賀線について
当地域の高等学校のあり方と関連する近鉄伊賀線の存続については、地元市と鉄道事業者間で協議がなされているところである。存続形態によっては、定期運賃の改定などが予想され、子どもたちの通学状況にどのような影響を及ぼすことになるのか、今後の協議を見守りたいと考える。
(2)今後の進め方
県教育委員会及び各県立学校においては、協議会でのこれまでの議論と「協議のまとめ」を尊重しながら、地域から一層信頼される魅力ある高等学校をめざして伊賀地域高等学校の再編活性化を推進していく。
そのため、今後、平成18年度協議会を設置して、(1)新専門高等学校創設にかかる進行管理、(2)10年~15年後の4校の姿の具体化と活性化策、(3)4校に至るまでの各高等学校の活性化策などの諸課題について、地域の意見を聴きながら検討を進めることとする。