昭和57年9月に開館した県立美術館は、令和4年度に開館40周年を迎えるため、これを記念した企画展などを開催していきます。
1 記念企画展の開催
(1)開館40周年記念 宇田荻邨展
格調高く清澄な京洛風景で知られる宇田荻邨(うだてきそん 1896-1980)は、京都画壇を代表する日本画家。およそ40年ぶりとなる今回の回顧展では、荻邨の代表作に加え、画家の思考の跡をたどることのできる大下絵や写生帖、郷里・松阪とのつながりを示す作品を展観し、いまなお多くの人々を魅了してやまない荻邨の芸術世界に迫ります。
会期:令和4年4月23日(土)~6月19日(日)※前売券販売中
(2)開館40周年記念 いわさきちひろ展-中谷泰を師として
美しく清らかな色彩で終生こどもの姿を描き続けた画家・いわさきちひろ(1918-1974)。ちひろが絵本画家として歩みはじめる以前の模索期にあたる時期に、三重県松阪市出身の洋画家・中谷泰(なかたにたい 1909-1993)が大きな影響を与えたことはあまり知られていません。本展では、両者の結びつきを作品や資料をもとにたどります。
会期:令和4年7月16日(土)~8月28日(日)
(3)開館40周年記念 岡田米山人と半江展
岡田米山人(おかだべいさんじん 1744-1820)とその子半江(はんこう 1782-1846)は、江戸時代後期、大坂を舞台に活動した文人画家で、父子は米屋を営むかたわら独力で書画を学びました。伊勢国津藩がその才能を認め、藩の役人に採用したほどの実力をもつ三重ゆかりの画人を紹介します。国内においては、およそ半世紀ぶりとなる米山人と半江の展覧会です。
会期:令和4年9月23日(金・祝)~11月6日(日)
2 他の主な取組
(1)生誕100年 元永定正展〔特集展示〕
三重県伊賀市出身で、具体美術協会での活動や絵本画家としても知られる元永定正(もとながさだまさ 1922-2011)の生誕100年を記念した特集展示を行います。また、出身地・伊賀との関りにも焦点をあて、元永定正の表現の源流をさぐります。
会期:令和4年9月6日(火)~12月11日(日)
(2)西洋美術へのまなざし-開館40周年を記念して〔企画展示〕
これまでに築きあげてきたコレクションは、日本画、油彩画、版画、水彩画、素描、彫刻など6000点以上に上ります。このなかから、西洋美術を中心にコレクションの傑作をご紹介します。また、三重県とバレンシア州の姉妹提携30周年を記念し、スペイン美術も特集します。
会期:令和4年11月19日(土)~12月11日(日)
(3)記念式典
開館月の9月に始まる「岡田米山人と半江展」の開催前日に、開館40周年の記念式典を予定しています。
日時:令和4年9月22日(木)14時から
場所:県立美術館エントランスホール
※終了後、「岡田米山人と半江展」の内覧会を行います。
※詳細については、後日、資料提供をさせていただきます。
【参 考】
1 県立美術館の沿革
昭和47(1972)年11月 県文化財審議会から「県立美術館の建設について」答申
昭和54(1979)年1月 県文化財審議会から「県立美術館の基本構想について」承認
昭和55(1980)年3月 美術館資料選定評価委員会を設置し、作品収集を開始
昭和57(1982)年8月 三重県立美術館ボランティア「欅の会」発足
三重県立美術館「友の会」発足
9月 三重県立美術館開館(初代館長・陰里鐵郎就任)
昭和58(1983)年3月 財団法人三重県立美術館協力会設立
平成14(2002)年10月 開館20周年増改築工事(平成15年10月竣工)
平成15(2003)年11月 リニューアル開館
平成28(2016)年4月 6代館長速水豊就任
平成30(2018)年4月 一部指定管理者制度(施設管理等)導入
2 主要施設
・企画展示室(1,066㎡・1階部分の4室)
・常設展示室(792㎡・2階部分の3室)
・柳原義達記念館(480㎡・主に柳原義達氏から寄贈された作品を展示)
・県民ギャラリー(430㎡・エントランスホールの北側)
・講堂(240㎡・地下入口西側、約150席)
・美術情報室(109㎡・柳原義達記念館の西隣)
美術関係図書の閲覧、美術情報(データベース)の提供など
・美術体験室(94㎡・講堂の前)
ワークショップ、美術講座、団体鑑賞前の事前説明等に利用