本県では、多くの日本語指導が必要な外国人生徒(令和2年5月1日時点で262名、15言語)が県立高校で学んでおり、在籍者数は全国的にも多い状況となっています。県教育委員会では、これまで、外国人生徒が多数在籍する飯野高校等への母語による学習支援や進路相談等を行う外国人生徒支援専門員の配置、日本語を学ぶ授業の開講、やさしい日本語を使って国語、社会、理科などの各科目を教える「取り出し授業」の実施により、外国人生徒が日本語で学ぶ力を身につけるための支援に取り組んできました。
令和3年度は、日本語指導が必要な外国人生徒が社会生活で必要な日本語の力(話す・聞く・読む・書く)を身につけるとともに、日本の社会制度、日本の生活文化に関することについて理解を深められるよう、「日本語学習クラブ」を開始します。
1 内容
・ 「話す」「聞く」「読む」「聞いたことや読んだことをまとめて書く」活動を通じて、来日後間もな
い外国人生徒が、高校生活の早い段階で、日本語能力試験N3相当の日本語能力を実践的に身につけ
る。
・ キャリア教育の視点を含めた日本語学習教材である「日本語学習で未来を描く~高校生版みえこさん
の日本語ワークシート~」(公益財団法人三重県国際交流財団が作成)を活用して、進学や就職に必要
なことを学んだり、労働条件や税金などの職業に関する知識を身につけたりする。
・ 地域で働いている外国人の先輩を招いて、将来の進路について考える。
・ 日本の年中行事や防災など、日本の生活文化について理解を深める。
※ 本クラブへの参加生徒は日本語能力試験を受験するよう働きかけ、できるだけ多くの生徒が日本語能
力試験N3に合格できるようにする。
※ 本クラブの取組を参考に、来年度以降は、各校で日本語指導の充実を図る。
2 参加者
・ 飯野高校 36名(1年生22名、2年生7名、3年生7名)
・ 飯野高校以外の生徒はオンラインで参加します。現在各高校に照会中で、5月20日(木)を募集締
切としています。
※ 本クラブの取組を録画し、参加生徒はいつでもどこからでも、オンデマンドで動画を視聴し、日本語
の学習ができます。
3 講師
・ 公益財団法人三重県国際交流財団が派遣する講師
・ 県教育委員会所属の日本語指導アドバイザー
4 実施スケジュール
放課後の年間30回実施
ガイダンス 5月13日(木)15:50から
第1回 5月24日(月)15:50から16:50まで
第2回 5月31日(月)15:50から16:50まで
第3回 6月 7日(月)15:50から16:50まで
第4回以降、放課後に毎月5回程度実施する予定
※ 飯野高校 多文化共生棟 1F 学習支援センターで、第1回(5月24日)日本語学習クラブの様
子の取材が可能(新型コロナウイルス感染防止のため、事前に御連絡ください。)
5 日本語指導モデルの作成
(1)日本語指導が必要な外国人生徒が在籍する県立高校の教職員を対象に、本クラブで使用する教材を
使った日本語の指導の方法について、教職員研修会を今年度4回開催し、日本語指導担当教職員が、来
年度以降も各校の日本語の授業や個別指導で活用できるようにする。
(2)本クラブの動画や教材のアーカイブを作成し、来年度以降、日本語指導が必要な外国人生徒が在籍す
る高校において活用できるようにする。