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平成26年01月06日

県と市町の地域づくり連携・協働協議会

「膝づめミーティング」(桑名地域)の概要

1.開催日時

平成18年7月21日(金)
14:30~17:30

2.開催場所

桑名シティホテル

3.出席者

桑名市長、いなべ市長、木曽岬町長、東員町長、知事 ほか

桑名地域の「膝づめミーティング」
桑名地域の「膝づめミーティング」

4.知事挨拶

膝づめミーティングは、知事に就任しましてから毎年開催させていただいておりまして、今年は4回目ということになり、年々定着してきたと思っております。こういう機会に皆さん方からご意見をいろいろいただいて、県政にとりましては最大のパートナーであります市町長の皆さんと、三重県の将来に向けて取り組みをさせていただきたいと思っております。今、市町村合併等も進展しましたので、69の市町村が29市町という形になりました。そのような変化のある中で、今、県の総合計画「県民しあわせプラン」の戦略計画が3年目の最終年度でございます。従いまして来年からの次期戦略計画の策定に向けて準備を進めていますで、皆さんからいただいた意見を次期戦略計画の中に生かしていきたいと思っています。

桑名地域につきましては、今活発な経済状況、また、観光という面からも伊勢志摩に並ぶ、あるいはそれ以上に活況を呈しており、そういう点では大変うれしいことであります。産業全体を見ましても三重県をリードしていただいているのではないかと思います。逆にむしろ人手不足であるとか、いろいろな課題が出てきており、各市町におかれましても、そういう取り組みの方が大きな課題になっているのではないかと思います。

道路ネットワークの整備につきましては、皆さんが熱心に取り組んでいただきました第二名神等につきましても、大きな前進が図られていると思っておりますが、特に四日市北から北勢までの東海環状自動車道につきまして、早期整備をお願いしていくということが、この地域の経済の活性化のためにも大変大きなことだと思っておりますので、是非一緒に今後も整備促進の取り組みをしていきたいと思っています。

県政全般のことについてお話をさせていただきたいと思います。まず資料1をご覧ください。

これは今の三重県政全体の姿を図に示したものでございます。右側にあります「地域主権の社会の確立」というのが今の時代背景からいきますと、めざすべき地域社会のあり方と思っています。その中で県政そのものにつきまして、誰のため、何のため、どういう三重県を、どのように、というような考え方から県政運営の3本の基本姿勢を持ちまして、今展開をしようとしております。

どういう三重県をということにつきましては、県民しあわせプランに基づきまして戦略計画があるわけですが、この中で重点プログラムを含めました施策などをやっているところでございます。

どのようにということについては、これの柱となっているのはみえ行政経営体系で、これに基づいて、今地方分権の流れがございますので、私ども県の立場から国、市、町、県民、といったものを図の中に描きながら、それぞれにどのような大きな課題があるかということで書いたものが、分権化の推進、あるいは個の確立、補完性の原理、行政能力の向上ということです。これは市町にとってもそれぞれ同じお立場だと思いますが、地域主権の確立のためには県民に対しても、それぞれ個の確立を図ってもらい、少なくとも行政に甘えるという表現がつくようなかたちでのものは、これからだんだん厳しい状況になり許されないということになりますので、そういった意識の変革を求めていかなければならないと思います。市町も含め、補完性の原理に基づいて、県の役割というものをしっかり果していきたいと思っています。県ではこの行政能力を向上させるために、みえ行政経営体系というマネジメントシステムを行っているところですが、その特徴としては継続的な全体最適化、危機管理や環境マネジメント、あるいは経営品質向上活動といったものをマネジメントのベースに置いています。また、率先実行取組については、各室長までそのようなものを持ちながら自分達のミッション、進行管理というようなかたちで行っています。

最近は定数問題あるいは人件費等のコスト削減の要請が非常に強い状況です。そういう中で限られた人材でしっかりやっていくためには人材を育成していく、資質を向上して能力を高めていく、このことが大事であり、このようなことを中心にみえ行政経営体系をさらにグレードアップしていこうと考えているところであります。

その下に「新しい時代の公」と「文化力」というのがございます。「新しい時代の公」につきましては、旧来のエクセレントガバメントからガバナンスの仕組みを県の全体の仕組みにしていこうという考え方で、これは総合計画の中でも打ち出しており、すでに平成16年から取り組みをしてきています。ニューパブリックガバナンスと呼んできているところですが、先般知事会へ行きましたときに竹中大臣に「小さな政府というような形の行政改革ではだめ、質の行政改革をやらなきゃだめ。」という話をしましたところ、竹中大臣は「小さな官。豊かな公」という表現をしておりました。すでに「新しい時代の公」、ガバナンスという考え方は、表現は新しい公とかいろいろありますが、かなりほかの自治体や、あるいは国でもそういった考え方が相当広がり、今後定着していくのではないかと思います。三重県においてはどのようにやっていくのかという仕組みのベースに「新しい時代の公」、ニューパブリックガバナンスを置いているところです。

左側の「文化力」ですが、先般5月に私どもが2年間かけてきた「文化力」についての考え方をまとめました。「みえの文化力指針」というものでございます。次のページに「文化力」の考え方のポイントがございます。これまではどちらかというと、効率性やスピード、コストに力点がおかれていました。しかしながら、社会ではひずみが顕在化してきており、また、価値観も多様化してきています。市町におかれても感じられていると思いますが、今の行政はこういったひずみを解決するにも、なかなかうまく対応しきれない。そのような時代に今きているのではないかと思います。そういう中で政策のあり方について、何かもっと工夫できないか、方向付けができないだろうか、あるいは、ものさしを付加できないか、という中で注目したのが文化です。文化は、長い時間をかけて育まれてきた智恵と工夫の結晶であり、暮らしの営みの履歴ともいえるものです。その「文化」というものは、定義としては「生活の質を高めるための人々のさまざまな活動及びその成果」、としてありますが、簡単に言えば人の生き様、生き方という広い観点でとらえております。その文化は下に書いてありますように、「文化の持つ、人や地域を元気にし、暮らしをより良くしていく力及び人や地域が持っている人々を引きつけ魅了する力」、こういった力を持っており、それを総合的な力として「文化力」ととらえて政策に生かしていく、ということで取り組んでいます。文化というものは、人が心豊かに生きるための一人ひとりの力「人間力」、たくさんの人の力が集まって地域の魅力や価値を高める力「地域力」、さらに人間力や地域力の源泉になる新しい知恵や仕組みを生み出す力「創造力」、こういった三つの側面があること着目しました。これらをいろいろな政策を考える場合に、こうした視点から考えて、これを高めていくことができるということが、三重県の「文化力」を高めていくことになるんではないかと考え、政策を立案する際のツールとしてこれを何とか組み立てようとしたところです。これまでの政策が種々の課題に対する対処療法的なものとするならば、「文化力」は中長期的に社会全体の体質を改善し、健康な社会づくりを目指すものと思っています。地域主権の社会の構築のためには、「新しい時代の公」、ニューパブリックガバナンスとならんで「文化力」が基本になるものと考えています。下にありますように、そういうなかで三重県を振り返ってみますと、豊かな文化を有しております。そういう三重県において、「文化力」でこころを元気にし、地域を元気にし、産業を元気にするということによって、未来の三重というものが歴史と文化の息づく「こころのふるさと三重」、「暮らしを楽しむ三重」、「知恵が響きあう三重」、こういった三重をつくることができるのではないかと考えています。

次のページですが、これは県職員向けの政策ツールですが、市町においても「文化力」の考え方の参考にしていただければと思います。これは職員の発想を転換するということが一番の狙いです。その際、真ん中に点線枠で囲ってあるところに、三つの「わ」と書いてあります。先程申し上げた、人間力、地域力、創造力の三つの力に、三つの「わ」というものに着目しましてツールを考えたところです。三つの「わ」とは、①ストックの活用・循環、②交流・連携、③多様性と調和、こういったもので三つの「わ」という視点をあげました。それをマトリックスの表にしたものが九つのヒントです。いろいろ議論して今回こういうかたちでまとめ上げました。これからこういう考え方を政策のベースにおきながら、次期戦略計画の政策の見直しを行ってまいりたいと考えています。すべての政策について「文化力」をベースにということを考えています。どういう三重県をという政策面のベースに「文化力」を、どのように行っていくのかという運営の仕組みそのもののベースには「新しい時代の公」を、というかたちで進めていこうとしております。

4ページの「県民しあわせプラン」次期戦略計画策定方針をご覧ください。まず基本方針については、「新しい時代の公」と「文化力」、これを考え方の2本柱として計画を組み立てていくこととしています。県民しあわせプランは 10年先まで見越した基本的な総合計画であります。そこの5つの基本政策は変わるものではありませんが、考え方の2本柱として「新しい時代の公」と「文化力」を持ってやっていくということでございます。

二つめに広域的な県土づくりの方向というのがございます。これにつきましては、これまでの生活創造圏のエリアについては、今後市町を中心とした地域で担っていただくことが大事であると考えており、県はこれを支援する役割を担うという考え方を基本にしています。その上で、県土を支えるそれぞれの地域の振興方向を念頭において、本編の施策・事業を地域毎に取りまとめた「地域編」というものを作成して、地域での取り組みとの連携をよりわかりやすくしていきたいと考えています。

三つめの計画期間ですが、これまでの戦略計画は3年間でありましたが、次期戦略計画については、4年間と考えています。

なお、この膝づめミーティングもそうですが、いろいろな方法により、各市町長をはじめ、県民の皆さん方のご意見を計画に反映していきたいと考えています。今後のスケジュールにつきましては、9月に計画の素案を提示し、さらに議論を積み重ね11月に中間案を示し、パブリックコメントにかけていく予定です。5ページにそのスケジュールが図示してありますが、来年4月に統一地方選挙がありますので、次期戦略計画につきましては、選挙後の6月の議会での議論のうえ正式に決定するというかたちになると考えています。

次に「国の財政構造改革について」ですが、先般知事会がございましたので、若干報告をさせていただきたいと思います。心配をしておりました骨太の方針などの今後の自治体に関わる国の施策の方針ですが、5月、6月は大変心配をしておりました。市町長の皆さんには、5月26日に「三重県自治体代表者会議」及び「三重県地方分権推進連盟」において、三重県が全国に最もさきがけて緊急集会をもちまして、「今後の地方分権改革についての緊急提言」を決議し、国に対し提言したところです。その後、自民党での議論、あるいは参議院等での議論など、その後の経緯がございましたが、我々の動きが影響をもたらし、今度の骨太の方針の内容については、少し和らいだかたちになっているのかなと思っています。しかしながら、具体的な中身については、まだまだこれからのことでございます。見れば見るほど厳しさが予想され、特に人件費の問題や人員削減についてはかなり厳しい状況です。是非、今後も地方分権の推進のために、地方の自主性・自立性を増し、健全な今後を目指すために、皆さんと一緒に連携していきたいと思います。

また、道州制についてですが、第28次地方制度調査会が、道州制の導入が適当という内容でまとめられ、また、先の国会では「道州制特区推進法案」というものも提出されております。知事会においても道州制の議論をやろうということで、特別委員会で推進を目指すべきだという案がまとめられました。しかし、先般、知事会全体の議論でもいろいろな意見が出されました。三重県としての考え方は、道州制については選択肢の1つではあるけれども、国の地方分権の取組・議論がまだ十分ではない。特に地方から見た場合に道州制のメリット、デメリットの議論もまだこれからであり、今後しっかり議論していくべきであり、今、推進をめざすというようなものではないという意見を持ち、いろいろ議論をし、知事会で今後さらに議論をしていきましょうという話に落ち着いたところです。知事会の動きも含めていろいろ申し上げました。後ほどいろいろと意見交換をさせていただきたいと思います。

市町行財政室長

今後の国の財政構造改革につきまして、現状の報告をさせていただきます。お手元の資料2をご覧ください。

現在の国の改革の状況としまして、ご承知のとおり昨年度の三位一体の改革により、4兆円の補助金改革と3兆円の税源移譲については決着いたしました。今年度につきましては、地方交付税の改革が政府の進める構造改革の焦点となっておりました。特に地方交付税総額の削減の問題が5月から6月にかけて焦点になり、地方側が強い懸念を示していたところです。また、竹中総務大臣から新たな地方分権改革の工程表が提唱され、新型交付税の導入、地方債発行の自由化、再生型破綻法制の整備などが具体化に向けて検討される見込みとなっています。さらに、5月に行政改革推進法が成立しており、公営企業金融公庫が平成20年度に廃止されることが決定しています。このような状況を受け、地方6団体が「地方分権の推進に関する意見書」を内閣と国会に対し提出し、国と地方で議論が進んでいる状況です。

直近の動きとしましては、骨太の方針2006が7月7日に閣議決定されています。内容につきましては、人件費、地方単独事業を中心とする歳出削減努力を引き続き地方に要請していくことと、あわせて地方交付税につきましては、現行法定率は堅持するということが、交付税総額につきましては、地方の財政の収支の状況等を踏まえ適切に対処するといったことが明記されたところであります。地方税については、将来の税源移譲を含めた税源配分の見直しを今後検討していくということ、また、地方分権については、新たな分権一括法を推進する記述が明記されたところであります。

来年から導入するとされています新型交付税につきましては、地方の強い懸念を受けまして6月16日に総務省が見解を出しており、新型交付税自体は交付税の算定面での改革であって、交付税の財源保障機能でありますとか、交付税総額に影響を与えるものではない旨を明言しております。また、具体的な制度設計にあたっては、離島、過疎市町村など真に配慮が必要な地方公共団体に対応する仕組みを確保すること、さらに、地方債の交付税措置につきましては、過疎債等の国が約束したものについてはこれまでの交付税措置を継続していくということが明記されています。今後のスケジュールとしては、来年度から導入しまして、今後3年間で5兆円規模に拡大していきたいとしています。来年度の地方公共団体の予算編成スケジュールを念頭におきながら、現実の財政運営に支障が生じないようにこの秋から具体的な制度設計を行うとされています。

公営企業金融公庫の廃止後の対応につきましては、現在地方6団体から公庫廃止後の新たな資金調達機関としまして、全国ベースの共同資金調達機関の設立が提案されています。これを受けまして、政府においても必要な法制度を整備する方向で検討されています。ただ、現在公庫が保有しております財政基盤3.3兆円がございますけれども、これについては、未決着の状況です。

もう一つ、骨太の方針の中で明記されましたのが再生型破綻法制です。今後の新たな再建法制の見直しについて、骨太の方針で明記されました。今後様々な制度的な課題を検討しまして、この秋に制度の方向性が、3年以内に制度の整備が行われるという状況でございます。

5.意見交換

(1)県の政策課題について

桑名市長

三重県政の新しいステージにつきまして、住民の皆さん方による防犯、環境美化、福祉活動など自主的な活動が始まっており、桑名においてもそういったものが熟してきたと思っています。また、協働については、その仕組みづくりを議論いただくために、市民の方々に入っていただいて「協働会議」で検討をしており、本年度中には桑名スタイルの方向性が出ることを期待しております。そこで、県においても一層の協働のあり方についてもっと具体的に示していただき、住民に示せるようなモデルプロジェクトなどを提示するのもいいことではないかと思っています。

市町との関係に関してですが、県政推進の中で、地方分権が叫ばれて久しいわけですが、補完性の原則については理解しておりますし、明確にそういった状況になっていけばいいと思っています。現在、市町との類似業務等についても調査いただいており、整理を行っていただいておりますので、これについて進んでいけば補完性の原則がより実態のあるものになっていくと思いますが、一方では、後期高齢者の広域連合について、新たな広域行政の一つのスタイルを県からお示しいただいて進めているわけですが、今後、ごみの問題など、地域では今まで広域行政でやってきましたが、一方では補完性の原則もありますので、どのような業務を広域化していくことが望ましいのかについても指導的にお示しいただければありがたいと思っています。

「文化力」についてですが、説明はすっと読めるのですが、いざそれを考えると難しい。知事の言われる「文化力」、人間力、地域力を考えると、私の思う施策は観光かと思います。桑名市においても観光振興プランを策定したり、観光懇話会を開いて、いろいろ議論しているところですが、そこででてくる観光というのはまさに、人間力、地域力であり、「文化力」と符号してくると思っています。具体的には伊勢神宮のご遷宮の関係でいろいろ伊勢中心にやっておられますけれども、桑名も伊勢路のスタートという位置におりますので、伊勢神宮のご遷宮についても一緒にと考えておりますので、ご支援いただきたいと思っています。

「県民しあわせプラン」次期戦略計画の策定についてですが、その中で地域振興の観点から「地域編」を作成いただくということですが、桑名市も新しい総合計画が9月に出来上がる予定です。総合計画については、我々のマニフェスト化をしてきており、内容についても精査をして、財政的な裏付けもきちんとつけて、実現可能な総合計画を策定しております。そのようなところを県としても十分理解いただきたい。また、県の次期戦略計画の地域編については、市の総合計画で描いている絵と県が描く地域の絵の整合性、また、事業についても共通認識をもって策定されることは、県にとっては非常に大変なことだと思いますが、十分に地域を認識して整合性をもった形で策定していたたければありがたいと思います。

国の財政構造改革について、地方交付税の総額の確保については絶対に堅持いただきたい。また、地方債発行の完全自由化について、これも一つの見方としては、地方の事業の拡大につながるのでありがたいと思います。新型交付税の導入に関しては、緊急決議の中にもありますが、後年度の財源措置の約束をいただいて、合併特例債などの元利償還金を確実に交付税措置されるよう改めて強く要望していきたいと思います。公営企業金融公庫の廃止については、本市も下水道整備を推進しているところであり、公庫廃止後も引き続き長期で低利の資金が調達できる仕組みを構築いただきたいと思っています。今後の財政改革についてですが、県の方でも総決起大会を開いていただきましたが、県と一緒になって我々がんばっていきたいのでよろしくご指導いただきたいと思っています。

知事

協働、コラボレーションのことですが、これを当たり前の県の行政の仕組みだというふうに溶け込ますことが県としての狙いです。ようするにガバナンス機構に変えてしまうということです。そのためにどのようにするかということで、今までに実践提案事業等によりモデル事業を展開してきました。これは今も行っており、かなり定着してきたのではないかと思います。モデルプロジェクトの提示というよりも、これまでの実践提案事業について、評価、検証をしながら、より高めていきたいと考えています。多分、市民との協働については、県よりも市町の方が、実際の市民と向き合っている行政ですので、協働に関しては事業も多いと思いますので、桑名市においても協働会議等で議論された成果がどのようになっていくのか、是非県ともお互いが磨きあいながら、これを高めていくことができればいいと感じたところです。

広域での取り組みについて、県としては直接的に住民と向かい合っている市町において、いろいろな取り組みを行っていただく中で、より広域的な調整、あるいは広域的な取り組みについては、県のかかわりが強くなってくると思います。しかし、このような取り組みでも、広域連合や一部事務組合などが主体になっているものもあると思いますし、また、県が主体性を高める形もあると思いますので、課題、課題において、市町との意見交換を行い、その中で整理していくところだと思います。ただ、補完性の原理から考えますと、これはひとつの考え方、ルールを確立しながら整理していかなければならないと思います。また、それを行うことで混乱はないのではないかと思います。

「文化力」について、観光面でのご指摘がありました。「文化力」はすべての政策のベースにおくという考え方です。昨日の伊勢新聞にも載りましたが、先般、経済産業省の方で新経済成長戦略ビジョンというものがまとまり、二階大臣の手紙とともに送っていただきました。新経済成長戦略ビジョンの中に、私の方で提唱している「文化力」というものを、次の改革の先に見える日本の姿として記載させてもらった、ということが書いてありました。これにつきましては、経済産業省の人が三重県の「文化力」の取り組みについて興味を持ち、評価していただいたわけです。改革という一つのブーム、あるいは必然的にやらなければならない大事な時期でありますが、改革が目的ではなく、改革の先にどういう社会、国をつくっていくかということが大事であり、そういう意味で経済産業省の方では改革の先に見える日本の姿というものが、地域での「文化力」が高まって、そのすばらしさが十分に見えてくる、そういう日本を目指すという中で使われています。狭い意味での歴史文化、遺跡などの資源、これは広い文化の中でも象徴的に大事なものでありますが、そのような関連の面からすると、観光面での地域の文化というものは比較的わかりやすく、外からも見ていただきやすい、あるいは地域の活性化にもつながりやすいものだと思います。桑名は県内で1、2位を争う観光市であると思っています。そういう意味では伊勢路の第一の鳥居である桑名の今後の取り組みについて、県も一緒に連携していきたいと思います。

次期戦略計画の地域編については、それぞれの地域について、県の方でこういうふうにやっていきますというものではありません。県は「県民しあわせプラン」の中で実に様々な事業を展開していきます。次期戦略計画の中にも様々な事業があるわけです。もちろんそれは市町とのこれまでの話し合い、連携の中で、いろいろと事業化が進められていくわけですが、それを全体の中で示しますと、なかなか地域では見えにくいので、それを桑員地域についてはこういうものがありますよと集めなおして提示をしようと考えています。そうすることによって、桑名市やこの地域の市町の総合計画に基づいて進められようとしている事業との連携が良く見えてきますし、そういう意味で地域から見たときに、県の事業・政策について理解していただきやすいのではないか、また、それを基にこれから先のあり方というものも協議しやすいのではないか、そういう意味で地域編を策定させていただこうと考えています。

今後の国の財政構造改革についてですが、地方債発行の自由度が高まるということと、公営企業金融公庫廃止後の共同資金調達機関の設置については、逆の側面が出てくるところもありますが、これらについては今後十分に議論をして、地方にとっていいかたちにしていきたいと思っています。また、新型交付税に関しまして、すでに発行済の地方債にかかる財政措置については、国が約束をしているものでありますので、責任を持ってやらなければいけないというのは当然のことであります。

いなべ市長

先般、防災訓練を藤原町で行っていただき、ありがとうございました。いろいろと支えていただいていますことに感謝申し上げます。

「文化力」につきましては、北川県政のときには「生活者起点」の県政ということで筋を通され、野呂県政においては文化というすばらしい切り口でやっていただいていると思います。国全体としても「国家の品格」という藤原さんの著書がベストセラーになっていますが、やはり欧米の理論だけでなくて日本古来の文化、藤原さんは武士道を中心に考えておられるみたいですが、やはり三重県本来の「文化力」といいますか、特徴を活かしたもので筋を通されておられるというのは、非常にすばらしいと思っております。時代の流れに沿っていると思いますので、できるだけこれに沿った形で市政も運営させていただきたいと思っています。

その中で少し気になるのが「選択と集中」です。どうしても全てが全て出来ませんので、選択をせざるを得ない。選択と集中をするにはどこかに基準がいるのかなと思います。その基準というものが情報公開に耐えうるということも必要になってくると、傍観的な意見ですけれども思います。しかし、このことについては私は大賛成で、みなさんが均一ではなくて、特徴を持ってその中で選択し集中する、貴重な財源を有効に活用することが大事な話だと思います。

公という議論をしていただきましたが、まさに国も財政再建の方に向いています。その中で公という意味を非常にかいつまんで、いろいろな説明をいただきましたが、はっきりいうと国全体でお金がないので、公共サービスをこれから住民の皆さんで分かちあいましょう、身の丈にあったサービスにしましょう、といったことだと思っています。今まで、特にバブル、そして合併前の駆け込み事業など、身の丈にあっていなかったのではないか。それを身の丈の規模のサービスにしましょう。そのような流・黷セと思います。

その中で少し気になるのは、日本の国としてのナショナルミニマムをどこにおくのか、これを国民の皆さんも一緒に議論すべき時代だと思います。例えば、国民健康保険について、その中で保険料の未納者、料金を徴収できない、払っていない方、その人には被保険者資格証明書を発行しましょうということですが、極端にいきますと国民皆保険制度は崩れます。今後、後期高齢者医療制度を広域連合でということですが、この中でも資格書を発行して徴収するまでいくのかどうかという議論が全くされておりません。いろいろなことについて、根本の筋だけはちゃんとした議論がいると考えます。

権限移譲も同じです。地方分権ということで、できるだけ住民に近いところでサービスをするほうがいい。これはまさにその議論だと思います。しかし、我々にしますと権限のない事務はいらない。今問題なのは土地開放、工場需要、三重県として力をつけるには企業誘致が大切です。企業を誘致しようとしたときに、農用地の工場用地転用が必要ですが、それには県や、農林水産省の許可が必要ですが、それは頑として譲られない。特にある事務は、事務官1人の裁量によって、その人の認識は厳しいが、その人が転勤されると緩やかになる。そういうものではなく、実質の権限を与えていただくような議論があれば、筋のとおったまちづくりができます。しかし、それをいただけないのであればその事務は返還します。

地方交付税も同じで、財政再建のときに起債の自由発行を認めましょう、というのは国の今の方向であると聞きました。しかし、小渕総理大臣のときにバブルが崩壊して景気がものすごく落ち込んだ。そのときに国は、起債したらそれに対して補助金をつけましょう、地方交付税で算入しますからどんどん起債をしなさい。起債をして、借金をして、景気を良くするということで借金を進めたわけです。次に何をしたかというと、市町村合併です。そして合併特例債という起債を考えたわけです。合併した途端に新型交付税を導入して、不交付団体を全国で2分の1か3分の1にします。あなたの団体は不交付団体だから起債はもう終わり、関係ないです。元利償還については元に戻すというのは基準財政需要額でまかなえますよね。これは詐欺に近いです、申し分けないですけど。ですから今回起債の自由発行権を認める、起債を自由にやりなさい、株式会社と一緒ですということですが、もう本当ですよね、二度とそういう特例はつくらないでください、それならば我々は長期的なまちづくりを自らの経営理念、民間と同じ経営主体でやっていきますという思いです。

申し訳ないですけども下水道事業も同じです。三重県として特に北勢地域は下水道の普及率が低いということで、ジャンプアップ事業でもっと下水道事業を推進しなさいということで推進してきました。その結果、その下水道事業の起債残高が一般の残高をはるかに上回っています。それで四苦八苦しているわけですが、今はトレンドが変わり、借金をしたらだめですよ、もったいないですよという考えの知事が当選されましたので、借金をいかに減らすかが今のトレンドです。そのときにあなたの団体はこんなに借金があるといわれても、これは無理してでも下水道を普及しなさい、というトレンドだったわけです。それに順応したために起債残高が増えたということなんです。それを今さら起債残高が多いと言われてもどうしようもない。ですから財政構造改革を議論するときに、本当のナショナルミニマムは何ですか、やはりこれからは利益のあるところが儲かる仕組みですから、財源保障制度が何ですかということを議論していただいて、6団体には申し訳ないですが知事会がリードしているわけです。知事会の方からちゃんとした財源保障制度を担保しない限りは結局財源なんかほしくないわけです。今のままの制度の方がいいわけです。これはどうですかと言われても我々が返事しないのは、こういった玉虫色がいっぱい潜んでいるということがゆえに、感想をと述べられても、権限移譲どうですかといわれても、うかつにはのれないというのが今の現状でございます。そういう制度に対して責任の所在を明らかにしていきながら進めるべきだということを感想も含めてお願いしたいと思います。

知事

「文化力」については、地域に根ざした「文化力」を高めていくことが大事です。三重県は非常に南北に細長いですので、たくさんの地域地域の資源を発掘しながらそれに磨きをかけて、地域らしい、いなべはいなべらしい文化を引き伸ばすということが大事であり、三重県全体でもそうであると思います。

選択と集中についてですが、パイが広がっている時代から、パイが狭まっている時代に入っています。それだけに限られた資源を有効に使っていく中で、選択と集中は欠かすことができない考え方だと思います。そういう意味では基準がいるんではないかといわれましたが、まさに今ほどマネジメントのシステムが求められていることはありません。いろいろな評価制度とか、それを検証しながら、次に生かしていくことが大事であります。いろいろな取り組みがありますが、トータルマネジメントシステム、いわゆる継続的な全体の最適化を常にとの考え方で、三重県ではみえ行政経営体系をベースにして、マネジメントシステムに取り組んでいるところです。

「公」ということについて、いろいろと話がございました。非常に大事な議論のところだと思います。ガバナンスということについては、今までの行政改革がコスト面や効率性を追求するというかたちの行政改革であるとするならば、ガバナンスはまさに質の行政改革、「文化力」も質の行政改革、こういうふうに思っております。すなわちかたちの上での行政改革というのはなかなか難しいものです。今ほど小さな公ということが強調されてきますと、ナショナルミニマムはどうなのか、本当の議論どうなのか、そういうふうに思います。しかし、行き着く先はどうであれ、ない袖は振れないので縮小していかざるを得ない。その場合に縮小するだけでいいか。住民の求めるところの公共サービスというものを、いかに身軽な、小さな官を目指す中で行っていくのかということが大事であります。そういう意味での質の行革としてのガバナンスが強く求められていると思います。決して小さな政府を保障するためにガバナンスがあるわけではありません。基本的には地域主権の社会というのはガバナンスだと思っていますが、簡素で効率的な行政体を求められている中で、質の行政改革もあわせてやらなければ対応できないのではないかと思っています。そういう意味では三重県で進めています「新しい時代の公」、ニューパブリックガバナンスというのは大きな意味を持っているのではないかと思っています。

ナショナルスタンダードなのか、ナショナルミニマムなのか、いろいろな議論がありますが、少なくとも小泉内閣の中ではこういった議論が十分になされていませんし、そういう意味で格差問題が議論になってきています。いろいろな格差問題が言われていますが、今日の新聞で世界の主要国の貧困世帯の割合が出ており、日本は13%でアメリカについで2番目に高い数字でした。ちなみにフランスは6%で半分くらい、イギリスが8%、ドイツも8%くらいでした。斜め読みしてきた記事ですが、かなり格差問題は深刻になりつつあるのではないかと思います。小泉さんがアメリカ化を目指しているのであれば、十分にアメリカ型の貧富格差になったということです。日本の社会をこういう社会にしたいというのは国民の意向があったとはとても思えない。こういった議論は国をあげて、国の方でしっかりしてもらわないと困ると思っています。

総務部長

身の丈にあったサービスに合わすという話がありましたが、全体的に国の方で財源が不足しており、赤字国債に頼っているという状況があります。また、高齢化に伴って、ナショナルミニマムの話に関連しますけども、高齢化社会が一層進展していくのに伴う負担をどのように賄うのか、この二つが同時に議論されていく中で、増税なのか歳出削減なのかが一応議論され、7月7日に閣議決定された骨太の方針では、基本的になるだけ歳費を削減していく、その中には国も地方も両方でやってくれというメッセージが発せられていると思っています。最終的に消費税の増税をどのように考えていくかという国の選択を、近い将来通っていくという大きな流れの中だと思います。

非常に残念なのは、現在のサービスが身の丈にあっているかというと、実は身の丈にあっていないサービスを供給しているというジレンマにあると、そこが行政に携わる者として、県民の皆さんに話していく中で厳しい面があるわけですが、言い訳をすれば過去の経済が悪くなったときに、減税と公共事業の拡大の両方を行ってきたという財政運営のツケがきていることは否定できません。

どちらにしても、今ある結論がいいのかは検証も必要であると思うのですが、地方財政を運営する立場で申し上げますと、地方財政制度の大きな枠組みの中に、現実問題として、財源を考えて、歳出を考えていかなければならない。従来ですと税収が増えれば、ある程度は裁量性が増していく、他方で行政改革の努力すれば、その分また裁量が増えていく、ということでありましたが、これから5年間は非常に急激な角度で全体の財源が削られていきますので、従来の努力をしていても裁量は増えない。むしろ従来以上の努力をしてちょうどトントンになるぐらい厳しいと思っていますので、質の行政改革という視点も含めて、公共サービスを結局は官だけでなく住民の皆さんとやっていきましょう、ということを本気で進めていかなければならないと感じています。

知事

国の政策の失敗で今の借金を背負っているわけです。地方の借金と言っても、本当は国からそのようにやれと求められて行ったわけです。そういう意味では、過去のことについては別途整理していくべきではないか。少なくとも財政危機ということと、地方分権を地域主権の社会の確立のために進めていくということは分けて考えなければならない。これは知事会でも主張しました。ただ、国の危機的な財政改革に地方自治体は関係ないよ、とは言っていられない。もちろん国の中の一つの組織として協力しないといけない。

例えば、赤字国債の発行について考えると、全部の借金残高750兆円の中でも200兆円ぐらいで、地方の赤字国債分が50兆円か60兆円、合わせても300兆円足らずです。ほかに経済対策で無理矢理つぎ込んだような公共事業の歳費はどうなのかとか、区分の仕方はいろいろあるわけですけど、少なくとも日本の国を苦しめている悪質な癌となっている債権だけについては、枠組みの横に置いて、その議論はその議論でしたらどうか。そうするともっと真剣に地方主権の社会が、国と地方との制度の中でも見えてくると思います。ただ、横へ置いた借金は避けただけではすまないので、それを子供たちの世代に残していくわけにはいきませんから、我々が使いすぎてしまった赤字は、国民全体で負担しなければしかたがない。そうなると別途増税議論のときに消費税を上げるなら消費税の社会目的税とか何とか言っていますが、そんなこと以前に過去の失敗に対して、国民は悪くないと言っても、政治家を選んできたわけですから、そういう意味では消費税の1%2%をそういうことに限定して使いますよというふうにしてしまえば、残りの見え方が全く違うのでないかと思います。そういう議論が行われていないので、知事会で意見を述べたのですが反応がありませんでした。大変難しい問題です。

木曽岬町長

身近なことで一つ二つお話してご指導いただきたいと思います。

県と市町の関係につきまして、私がいつも職員に言っていますのは、仕事するときは住民の方々を見て仕事をしてほしい。どうしても上を、県の意見を聞こうということが多いわけです。最近、農協の総会や農業関係の婦人団体の方々と会い、これから農業はどうなるのか、という話になりました。木曽岬町は県下でも農業については先進だと思っていますが、施設運営も大変高くなっていますし、ほとんどの方が赤字になってきており、跡取りがいない状況の中で、これから農業はどうなるかという話をいつもされています。

最近耳にしたことですけれども、農産物も多くが輸入されている状態ですが、中国では人口がどんどん増えて年間1千万人ぐらい増えているようです。日本とは逆の現象が起きています。10年も経てば日本が1つできるような人口の増え方だと思います。そうなった時に中国が世界の穀物を食べてしまうということを聞いたことがございます。そうなれば農産物が日本へ輸入されてこない状態になったときに、今の農業でいいのかなという気がします。先ほども話がありましたが、農用地で規制していますから、農業をやらざるを得ないわけです。例えば、農免道路とか県道もそうですが、主要な道路を拡張するときは、道路ができて発展するからということで仕事してきたわけですが、農用地で規制されていますから発展することはない。かたや減反などいろいろな面で農業は苦しんでるわけですが、さらに跡継ぎがいないということは、荒地の農地がでてきます。農作業を放棄をしますと、再度農地に戻すときに大変な労力もかかりますし、経費もかかります。だから農地をいかにして守るかということを県の方へ提案させていただいておりますが、なかなか難しいということです。それは主要道路の両側、せめて50メートルの幅でも開発させていただけるなら、入ってくる収入で農業を守っていくことができると思っています。名古屋に近いですから坪300円から350円ぐらいで貸してほしいという方がたくさんみえます。そうすると年間に1反100万円くらいになるわけです。税金を引いても80万円ぐらい残るということで、こういうお金を使って農業を守ってもらおうと、いろいろお話するのですがなかなか認めてもらえない。ぜひともこれを国の方に働きかけていただいて、これは将来国としても大きな問題になる気がしますので、ぜひとも考えていただきたいと思います。

それから、小さいことを迅速にということを職員にいつも言っておりますが、早くやってあげれば非常に喜ばれる仕事も、遅くなればしかられるという逆の現象になる。県の方でも県道の整備などいろいろな面で、少しのことが何年もかかることがありますので、是非とも住民本位でやっていただけるようにお願いしたいと思います。

また、警察の問題ですけれども、今日、ここへ来る前にあったのですが、財布を落とされて免許証からカードまですべて無くされて、駐在へ行ったが不在だったため、桑名署へ電話をしたら署の方へ来てほしいというお話で、役場へ苦情を言ってみえたわけです。このような身近なことから迅速な処理を県の職員の方々もしていただければありがたいと思います。それから地域の自主防犯の組織ができ、その研修会において青色回転灯が法的に認められるようになったという話があったわけですが、いざとなるとなかなか大変で、簡単には許可にならないという話も聞きました。せっかく地域の方が立ち上げていただいた組織ですから、要望あったときはなるべく早く簡単な方法で認めていただけるとありがたいと思います。

次に職員の定員削減の問題でございますが、県内の市町では木曽岬町だけが増加しているということで、国や県から指摘があったようですが、実は定数からいきますとここ数年来一方的に減り、補充をせずにパートや臨時雇いで対応してきたという現実があるわけです。これがあまり長く続きますと住民サービスの低下につながるわけですから、町議会からも指摘を受けておりますので、定数まで戻さないにしても、年に1、2名は増やしていきたいと考えています。ましてや仕事量が増加していますので、これに対応するためにはどうしても増加せざるを得ない、ということで私なりに考えてやっています。仕事は頂戴して人は減らせ、と国は矛盾なことを言っていると思いますので、臨時雇いを含めての話ならわかりますが、そういうことは言わずにただ定数でと言われるのはおかしいと思っています。

次に財政の問題についてですが、最近、国の事業について随契で行っているということが報じられ、私達は唖然としたわけです。入札においても談合にならないようにといろいろ工夫しているわけですが、国自体がああいうことをされて、そのうえでお金がないお金がないと、では地方はどうしたらいいのかということになる。国のこのようなやり方は信用ならないと思っています。

最後に下水道に関する維持管理費の件ですが、先般いろいろと調査をしたところ、管理費については流域下水道の倍ぐらい必要となっています。当町では県の指導により木曽三川を渡すよりも単独でやりなさいとの話があり、町内全体を公共下水道と農業集落排水で完成させたわけですが、維持管理に非常に費用がかかっています。また改めてお願いにいこうと思っていますけれども、この差額については何とか考えていただきたいのが現状です。

総務部長

農業の関係につきまして、おそらく農業政策も国の方で、作物ごとの政策から担い手育成等に徐々に政策をシフトしていったと聞いておりますし、食料需給というものと開放経済のもとでの農産物の自由な取引とバランスや、WTOも交渉が続いているようですので、今の町長のお話については、職員の方に伝えておきます。

政策部理事

木曽岬町は以前にかなり職員を削減されたため、今職員を採用しないと、行政サービスの低下を招くということを聞いております。

総務部長

人員削減についてですが、国において閣議決定された内容の趣旨というのは、まさしく総定数、国家公務員と同じ程度の 5.7%を5ヵ年で削減しようということですが、これは人件費の削減ということにもかかってきています。人件費削減のための大きなやり方として定数削減というものがあるわけですが、それ以外にも給与構造改革も含めたところの給与制度のあり方について、国家公務員、地方公務員あわせて計2.6兆円を削減する。その2.6兆円を削減するための一つの方法とし地方公務員、国家公務員ともに5、7%削減するというものですから、定数の議論と人件費の議論の両方が示されていると思っております。確かに一律にということは、それぞれの立場もあると思うのですが、ただ、個別のケースがあるのであれば、いかに説明をするかということも必要になってきますので、きちんと説明がつくのであれば、それは説明をしていけばいいと思います。全体としての大きな流れは先ほど申し上げたとおりであり、こういうことが全国的に行われていくということを前提に、これから地方財政計画が組まれ、それに基づき地方交付税が算定されていく、このあたりはお互い十分に理解したうえで、他の面について議論できるのかということが財政面での問題になっていくと思っています。

県土整備部

下水道整備に関して、県の方から木曽岬町の方に木曽三川を渡るということで単独での整備をお願いしたという件ですが、確かに木曽三川を渡りますと莫大な費用がかかると思います。現在でも流域下水道をしている中で、維持管理費がもう少し安くならないかという話もいただいているわけですが、木曽岬町の試算をしていないのではっきりとはわかりませんが、もしも流域下水道として取り組んでいただいておれば、最終的にはそういう施設費についても住民の皆さんで負担していただくということになります。今の木曽岬町の維持管理費は高いかわかりませんが、施設も含めるとどうなのかなということもございます。今も流域下水道でできないところにつきましては、コミプラ、農集など単独で行っていただいています。また、施設の指定管理者制度ということもやっており、少しでも費用的に安くできないのかということも考えています。確かに流域下水道という大きなものをやれば、1つで管理できますが、小さい集団ごとにやれば当然小さいものについては維持費は余分にかかると思います。そのようなことで、できることがあればお願いしたいと思いますが、その分の経費をどうするかという問題については難しいことですのでよろしくお願いします。

農振地域の道路の両側50メートル幅の開発についてですが、しようと思えば用途の変更が必要であると思いますが、それをどこの範疇までするか、ここをそういうふうに利用したいとの話であればたくさん出てくると思います。確かに農業で収益をあげるよりも、町長が言われたように反100万で貸せば、後継者がいない中でわざわざ一生懸命努力して収益を上げるよりは、人に貸した方がずっといいということもあるかと思うのですが、中心市街地であればそのような線引きもされると思いますが、地域整備までできていないところまで入れようと思うといろいろな面で大変ではないかと思います。

知事

警察の駐在所の話について、警察も機構改革の中でいろいろと議論をしていると思います。木曽岬町についてどのようになっているのかはよくわからないので、ご意見があったことを警察に伝えておきたいと思います。

財政が非常に厳しい状況の中で、工事に着工しても細切れでやるというような状況があります。選択と集中により早くやって効果をあげるということも一つだと思いますが、できる地域とできない地域の問題なども生じてくると思います。従って、木曽岬町にかかるものについては、あれもこれもではなく、県との話し合いの中でどこかに集中してもらう。町の方での意向も出してもらうことも大事ではないかと思います。

財政の問題では国への不信感が先にたってしまう、まことにそのとおりだと思います。

東員町長

3点ほど伺いたいと思います。まず、三重県政の新しいステージについてですが、基本的には基本姿勢の、県民が主役、県民との協働、そして感性を磨く、ということはそのとおりであると思います。「文化力」と「新しい時代の公」を二本柱として、平成 19年度からの「県民のしあわせプラン」次期戦略計画を策定していくということですが、私どもも町民協働会議を立ち上げていろいろ議論していただいています。県政の新しいステージの図の中に、どのようにという部分の中の県民の部分について、NPOや企業、団体などがあるわけですが、これまで行政で行ってきたことというのは、住民の皆さん全部が平等とか公平とかということを主体に考えてきました。ただ、この表の県民の中で、特にNPO、ボランティアという部分は、平等とか公平には欠けるのではないかと思っています。NPO等は自分たちのやりたいことに対して入っていく、そのようなことがどんどん進展しますと、そこでは平等と公平が欠けていくのではないか、行政の部分からはみだしていく部分があるのではないかと考えます。多分このような考え方はアメリカ方式ではないかと思います。そのようなことで東員町の協働会議も何をしたらいいのか、今悩んでいます。30名ほどの町民が議論をしているのですが、県やNPOといろいろ話をしながら、今まで行政が行ってきた仕事の部分を協働でやっていかないとこれからは成り立たない。財政の問題やいろいろな課題があり、助けていただきたいので皆さんで議論して、この部分は個人・地域でやる、できないことを行政で行うということでやっています。その中で、NPOやボランティアとの関係の部分が少し難しい、うまくいくかなという部分があるので教えていただきたい。

「文化力」についてもよくわかるのですが、行政とマッチをさせていくのが難しいのではないかと感じています。今の行政はスピードとか経済効果とか、「文化力」とは相反する部分がありますので、そのあたりを町民にきちんと説明しないといけないと思っていますので教えていただきたいと思っています。

集中改革プランと職員定数の関係が出ておりますが、私ども確かに国の5.7%まではいっておりませんけど、4.7%定員をカットするということで出させてもらいました。ただ、合併していない町、しなかった町は、これまでも職員の人件費を相当削減してきていると思います。これ以上削減するということであれば、ある部分民間へいかざるを得ない、民間へ渡していく、そんな状況になってきています。当然、民間の方がよい仕事をしてもらえるのではないかという人もいますが、行政の仕事が上で民間は下だという一部の議員もおり、そうではないと議論させていただいているのですけど、今の状況で5%近く職員をカットするというこことは、厳しい状況です。ただしやらざるを得ませんので、一生懸命させていただきますけども大変厳しいかなと思っています。

交付税の関係についてですが、まだ公表されていませんが平成18年度の地方交付税の額が決まってまいりました。税収も確かに伸びておりますので、減るのはもっともなのですが、全体的に税収等も勘案しても前年度から比較すると10%ぐらいカットになってきております。そんな中また新しい交付税ということで、これ以上入り込んでくると厳しい痛手をかかえるかなと思っております。税率は堅持するということですが、そのあたりがピンときません。今はどちらかというと増税路線であり、減税ではない。定率減税の廃止や配偶者控除の部分の廃止など、税収増になっているはず。そのような中でなぜ減るのか、逆に増えてくるのではないかと思うのですが。町の増税分を引いてもなおかつカットになってきていますので、そのへんの算出方法について教えてもらいたい。現在職員に言っていますのは、5年前から交付税が減っていますので、そのときの基準財政需要額と現在の基準財政需要額の内容を検討し、それで減ってきているというのは、小さな地方政府を目指さないといけないということになりますので、どこかで改革すべきと思っています。そのように職員に指示させてもらっています。

町民保護条例について、近々町議会に提出していかなければいけない中で、防災計画と同じにできなかったのかなと思います。特に住民の避難に関することなどは同じだと感じるのですが、各市町の方々にその辺もお教えいただきたいと思います。

政策部長

行政は平等・公平を大切に仕事をするが、NPO等は自分たちのやりたいことを優先するのではないかとの話をいただきましたが、「新しい時代の公」という考え方は、多様な主体があり、それぞれの主体のいいところを生かしながら、最終的には公領域の中で必要としているものを実現していくという考え方であります。確かに行政というのは公平とか平等を大切にするところが強みであり、知事からも「公平、公正、透明を基本に、誰が何のために県政をやっているのかということ考えなさい」と常日頃から言われていますが、そういうところがいいと思っています。一方、NPOのケース考えますと、高齢者の福祉のケースの場合、1人1人のかゆいところに手の届いたサービスをしようと、逆に行政は画一的になりやすいところが、ボランタリィーな団体は非常に個別的なニーズに応えるのが得意なところを持っています。あるいは、企業が公を担っている部分が当然あるわけですが、一方では利潤を追求するじゃないかと言われますが、製品を供給する中でいろいろな生活のベースを支える役割をきちっとやっている。例えば、公共交通などを考えても、公共交通を担う企業体としてきちんとやっていこうとか、それぞれの特徴を生かしながら、地域のあり方、いい社会にしていこうということを協力しあってやっていこうというのが「新しい時代の公」だと思いますので、行政としては平等ということを考えながらも、NPOなどほかのいいところもそれぞれの特徴を生かしながらパートナーシップでやっていくことを考えていかなければならないと思います。

また「文化力」についてですが、文化ということ考えますと一人ひとりの思いが違いますので、文化そのものに県や市町がコミットするのは難しいですが、実際にいろいろな事業を行ったときに価値が出てくると考えます。住民の方から考えますと、一つのことが多面的な影響を与えてくると思います。例えば、河川の改修をするときに石積みにすべきでないかという議論があ・閧ワすが、河川ということを考えてみた場合に、水を流すということから考えればコンクリートが一番いいはずですが、一方で、川は単に水を効率よく流すということではなく、泳いだり、風景をかたちづくったり、いろいろなものがあり、それが住民の方々のいろいろな生活を支えてきているわけです。そういったものをどういうあり方がいいのか、住民の方々といろいろ話し合っていかないと難しい部分があると思います。河川の多面的なものを考えていこうというケースの場合、単に行政だけが簡単に効率的に流してしまおうと考えるのではなく、「新しい時代の公」の考え方で、本当に喜んでもらえる事業を考えていく、そういったことで「文化力」と「新しい時代の公」は非常に関係があり、最終的には住民の方に喜んでもらえるために行政が仕事していると考えれば、そういった多面的な影響を与えているということを考慮しながら仕事をしていくことが必要でないかと思いますので、行政と住民の方々、NPOなどという役割を考えていけばいいと思います。

市町行財政室長

交付税の問題ですが、平成18年度の地方交付税の予定額が決まってきています。全般的に、特に北勢の方は税収が非常に伸びていることもあり、交付税が減っております。その中でも需要額の方は、国でも様々な人件費の削減、定数の改革とかを反映してきていますので、税源移譲で一般財源化されており、需要額が増えてはいますけど、それ以上に人件費の分がきいてきております。おそらくそのあたりが考えていた以上に交付税が減っている部分に反映されてきていると思います。

それから法定率の話ですが、現行マクロで交付税が16兆円ぐらいあります。現行でも法定率で入ってくる部分というのは12兆円弱ぐらいしかありません。今でも法定率でまかなえないくらい大きな交付税の額がありまして、その不足分を一般会計から繰り入れたり、特別会計で借入をしたり、いろいろとやりくりをして何とか確保してきている状態です。仮に国税が増えて、法定率が上がってきたとしても、なかなか不足額はうまらないのが現状ですので、今後もそういう意味で厳しい状況が続くと考えていただきたいと思います。

知事

職員の定数については、非常に大変なことだと思います。しかし、これについてはアウトソーシングや完全に民営化するとかいろいろな手段を駆使しながらやっていくということです。民間でやったほうがいいものは積極的に考えるべきですし、そこは発想の転換も図っていくべきだと思います。しかし、旧来の組織維持というか、例えば、職員の身分保障の問題などを考えるというほど簡単ではないと思います。

交付税の話ですが、県の方も北勢地域が非常に経済が活発なので、税収は増えました。しかし、交付税の減額、三位一体の改革により実質的に譲与税に振り替わったとしても、その額の確保がなかなか難しいということで、この傾向はしばらく続くのではないかと思います。簡単に言えば、われわれのところでも、せっかく税収が増えたのに増えた分を上回るだけ国の財政改革に吸い取られるということです。結局は国の財政改革のために絶対に地方をプラスにさせないというかたちにきているということです。それがいいのか悪いのかはそれぞれの判断ですが、今の政府はそういうかたちでやっています。

国民保護法について、これは防災の話とは違います。いわゆるテロだとか国の非常事態、こういうことについての議論が進んで、それを国として正面から受け止めてできるということになって、初めて国民保護計画ができてきたわけです。それまでは政治的な背景もあり、議論が国会でもつめられなかったということがありました。遅きに失するのではないかと思うぐらいの時期ですが、ようやくこれができるようになり、県の方もこれに基づいて保護計画をつくりました。今年は市町がつくっていただきたいと思います。これができますと来年度以降、機能的に動くことになります。ただし、考え方としては防災計画等で持っているものと相共通する部分がありますので、連携させながら現実的には考えていくことができるのではないかと思います。

東員町長

市町というのは住民が身近でありますので、行政のやることをきちんと見てもらっていますし、行政は的確な説明責任もございますので、やったことに対しては説明しなければなりません。そのあたりが町民からすれば、なぜ一部だけそういう暖かい手を差しのべていくのかということを言われたときに、あくまでNPOであれば何をされてもいいわけです。行政というものが入った以上は平等、公平がたたないと説明責任がしにくい。そのあたりを我々はきちんと頭に入れてしていかなければいけないと思っています。NPOやボランティアと少し行政との隔たりがあるのかと思っています。

知事

今後、ガバナンスというものを考えた時に、行政サービスの全体量はきちんと維持しながら、しかし、行政そのものを民営化していくという考え方がガバナンスの一方での姿だと思います。また、行政を民営化していくためには、それにかかるコストについてどうするのかという話があり、そういう意味では、税を民営化するという考え方がついてこないといけないのですが、まだ十分に対応できないものですから、例えばNPOであれば行政との関係が強くあるわけです。そのあたりが整理しきれていない部分もありますし、やり方も難しいことから、コストなどについて試行的に松阪市や鈴鹿市などでやりながら、いろいろな仕組みづくりを構築しようとしています。

政策部理事

地域づくりについては、いろいろな取組みの仕方があると思います。昨年1年かけまして、「身近なサポートづくり会議」が研究報告を出しています。それを見ていただきますと、NPOや自治会などとの協働の仕方などの事例がありますので、参考にしていただければ幸いです。

(2)地域課題について

東員町長

都市再生のための土地利用規則の緩和と支援ということで、東員町の場合、桑名都市計画区域の中でいろいろな地域が線引きをされています。また、補助金の関係、農業の関係など元々農業が中心ですので、農地についてはほ場整備、灌漑排水事業等で補助金を頂いており、全面的に農振農用地域として色塗りがされております。そういう事で現実には俗に言う白地という面積はもう少しとなっています。そして、この白地の開発要件というのが5ha以上でないと開発はできないということで、今、地方分権と言われながら、今回の大店舗の規制という、そのような法律もできてきました。国は土地に関する開発等は規制を厳しくしています。確かにスクロール化とか、土地の地価の上昇などの問題は承知しております。しかし、地方分権ということで、自分たちのまちは自分たちで作っていくということで、様々な規制を緩和してきている中で、逆に土地に関しては規制を厳しくしていく、自分たちのまちは自分たちで作りなさいと言いながら規制を厳しくして、生き残る道を閉ざしてしまっていると思います。そのあたりも県として、その町の住民の総意であれば、いろいろなことを認めてもらいたいと思っています。そうしないと、今後の町財政が成り立たない、今のうちに団地開発により、企業誘致、人口増などに取り組みたいと思いますので、そのあたりを助けて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

知事

これは非常にシビアな、いろいろな問題が含まれていると思います。ただ、国の考え方は中心市街地が衰退していくということで、それに歯止めがかからないという認識で、今度のまちづくり三法の改正になったわけです。したがって、その考え方の基本は、生活圏というものを意識した広い中での都市計画のゾーニングを強化しようということですので、そういう意味では、東員町という枠の中だけで考えられない面もあるのではないかと思います。もちろん地域の主体性ということが大事でありますから、そういう意味での広域に役立つ土地利用ということについては、広域の都市計画、これは桑名市やいなべ市、木曽岬町、東員町を含め、そういう中で隣接する北勢都市計画区域とか、あるいは大安都市計画区域、こういったものもあり、そういった所との関係にも十分配慮し、連携を取りながら広域的な観点で判断をしていく必要があるのではないかと思います。しかし、そういう中で、これからの広域調整は各市町の意向を尊重できるように図っていきたいと思います。

東員町長

生活圏などの関係もよく承知しております。しかし、合併をしない東員町として頑張っていかなければなりませんので。これまでの政策で現実に中心市街地が寂れていったということで、もう一度取り戻そうということはわかります。現実にそういうことをされてきた経緯は、過去に桑名市の中で行われてきたことです。マイカルができ、スーパーサンシができ、全て桑名市の中のことです。しかし、逆にもう一度戻っていくと、隣の東員町へはできなくなってしまう。やはりそれぞれの町のおかれている状況をきちんと掴んで頂いて、これからのまちづくりをどうしていくのか、東員町には中心市街地がないわけですので、これから新しい中心市街地を整備していこうという時に、新しい北勢線の東員駅を作って、その駅を中心に新しいまちづくりをしていこうという時に、開発できないと言われますと、これから東員町はどうしていけばいいのか、ということを教えていただきたいというわけです。

知事

大変難しい課題と受けとめますが、国としては先程申し上げたような、これまでの施策の全体的な反省があるわけです。ただ個々にはいろいろな課題があるだろうと思います。ですから東員町だけではなく、その周辺を含めた中で広域的な観点の中で十分ご意見を伺いながら調整し判断していくということになると思います。

県土整備部

例えばショッピングセンターを作りたいとか、まちづくりをしたいということで、その用途に応じて商業系ならショッピングセンターは簡単にできると思います。しかし、おっしゃられているのは、調整区域とか、白地とかそういう所で何かできないかということだと思うのですが、そういう所であれば一番早い方法は、用途を入れる、線引きを入れるという方法であれば、どこからも何もないかと思います。先程の知事の話にもありましたが、まちづくり三法の中で、その用途を入れるということにつきましても地域の方々との話も必要でありますので、もしも用途を入れるということになれば、いろいろと手法もありますのでご相談頂ければと思います。

木曽岬町長

木曽岬干拓地の高度利用についてお願いしたいと思います。昭和41年に着工されて、農水省が巨額を投資されて完成した干拓ですが、ずっと草地でもったいないことをやってきたなと思います。県におかれましては、117億円という大きなお金を支払いまして、国から買い受けられたのですが、国につきましても、大きなお金を払われておりますが、そのうえ町としましても試験圃場経費や地元の漁業補償費もございまして、大変な支出をしておるわけでございます。国、県、町とも大きなお金をかけながら、まだ何も利用されていない状況であります。ようやく今年から盛り土をして頂くということになりまして、これも着工してもらって以来見ておりますと、1日にダンプが200台~300台位入っておりますが、例えば名古屋市の今の高速道路の関係だけでも200万?といわれており、これが5mとしても40haの部分しか完成できないような状態で、これすらも3~4年、今の調子だと5年位はかかると思います。このような遅いやり方では、町も住民の方々も待ちきれないような状況です。1日も早く利用していただきたいのが本音ですが、県においては、国との売買契約の中で違約金の話も聞いておりますし、そういう事は承知しておりますが、国としてもそれ以上に税収が上がるようにして頂ければメリットがあるわけですし、県や町にとっても税収ということがありますので、1日も早くこれを利用できるようにして頂きたいと思います。少しでも税金が多くなれば、町も単独で今一番苦しんでいるところですが、合併問題にも影響してきますので、1日でも早く実現できるようにお願いします。今、県の考え方はいわゆる残土の処分という形で計画されているようでございますが、私どもは名古屋港や四日市港からの浚渫土をいれて頂いて、そういすれば工期も早く終ると思いますので、これからもよく検討されまして1日も早い完成をお願いしたいと思います。

知事

前々からいろいろと話をさせて頂いている部分でございます。とにかく少しでも早く利用をしっかりできるようにしていかなければならないということでありますが、今、盛土の搬入も始まりまして、ようやくこれからの都市的利用の在り方について、しっかり取り組みができるような状況にきたわけであります。そこで県としては今後、非常に大事な県民の財産である木曽岬干拓地の利用の仕方について、これから関係者の皆さんと話をしていきたいと思います。もちろん地元の皆さんだけでなくて、愛知県もそうでありますし、関係者が入ってこれから議論をしていきたいと思います。それに対していろいろな課題がさらに出てくるかと思います。5年間、公共施設として供するという状況もありますから、そうすると土地の利用についての用途変更を行うということもありますし、それに関わる国との協議も必要性が出てきますし、それからその中でのいろいろな制約も考えられます。そういった課題を今後整理しながらいきたいと思います。

浚渫土の話がありますが、これについては先般中部整備局の方からそういう要請もございましたので、詳しいことは担当から説明します。

政策部理事

浚渫土の受け入れにあたりましては、浚渫土に含まれている中身の調査が必要になります。環境基準をクリアしているかどうかという問題がありますし、そして今、映像で確認された中で、保全区域を作っていかなければなりませんが、保全区域を作ってからでないと、環境影響評価上での約束が守られません。それで県としては、保全区域を作る、そうした中で受け入れることが可能になりますが、受け入れにあたっては環境基準をきちんとクリアしているかどうか、そして浚渫土の搬入にかかる負担を全て相手方でやって頂けるかどうか、そのような交渉も必要ですので、今現在としてはスケジュール的に若干難しい課題が出ています。

知事

こちらのスケジュールでいきますと、平成22年以降でないと受け入れ時期を示す対応はできないだろうと思います。ところが名古屋港の浚渫土は平成19年度くらいから入れたいというような要請もありまして、スケジュールが合わないというような課題が出てきます。

木曽岬町長

事業の検討委員会の方に代表者を入れるというお話を頂いたのですが、まだできていませんでしょうか。

政策部理事

まず検討委員会を立ち上げる前に、いろいろな意見聴取が必要になっております。今年度は関係機関の意見聴取に専念したいと思います。そういう経過を踏まえた上で検討委員会を立ち上げたいと思っておりますので、時期についてはまだ明言ができませんが、検討委員会を立ち上げるにあたっては、当然地元の皆様にも声をかけさせて頂く中で、進めていきたいと思っています。

関係機関には、木曽岬町、桑名市、愛知県も入ります。

委員についても今後相談させていただきますので、県だけで進めるつもりはありません。

いなべ市長

二つあります。一つは工業団地の開発に伴うもの、二つ目は東海環状自動車道です。

東海環状自動車道については、いなべ市、東員町の大きな課題ですので、今後も早期着工に向けてお願いしたいと思います。

二つ目は工業団地開発に伴う許認可事項です。三重県としても工業団地が不足していると伺っています。その時に、候補地の確保、オーダーメイドで全てが賄えればいいのですが、企業は2年後には工場が建つようなものでなければ受け付けないということで、それまでにいろいろな開発の手続きを終えなければなりません。それは市・町のリスクでせざるを得ない状況になっています。この時、相手企業が決まらないうちに工業用地をいかに確保するかが課題になっています。

しかし、矛盾点は、農用地であれば、農振地は解除できても農用地を宅地転用する時は、具体的な建築確認に近いようなものがないと駄目というのが今の県の見解です。昔はもう少し緩やかでしたが、現在の担当は非常に厳しいので、その見解を緩めいていただきたいというのが一点です。

もう一点問題になっているのが、市街化調整区域について、都市計画法が改定(5月31日改正)され、1年6ヶ月の猶予期間がありますが、平成19年11月には、5ha以上の開発ができなくなるという事態になります。この場合、例外として、地区計画を指定することにより緩和しましょうということですが、これには三重県の同意が必要となります。県の同意基準が今は、住宅系しか認められていませんので、工業系には全く基準がない。ということは、平成19年11月からは市街化調整区域に関しては、工業導入ができなくなるということであり、県の企業立地から考えますと、積極的に市・町がリスクを負って工業開発をしなさいと言いながら、具体的にオーダーメイドしか絶対に無理なわけです。そうすると全てがストップしてしまいますので、そこのところを緩和していただきたい。

(地図にて説明)

具体的にはトヨタ車体の横の土地の開発を考えています。トヨタ車体及びトヨタの系列からもニーズがあります。また、このあたりの20haほどの土地の地権者からも了解を得ている。しかし、農振農用地ですので、県に行くと具体的にどのような企業が来るのかということになり矛盾が生じる。今は市街化調整区域の用途地域の変更は、具体的な案件がないと駄目ということですので、具体的な例を市のマスタープラン、あるいは市の計画によってできるようにしていただきたいというのが要望です。

知事

東海環状自動車道の件ですが、県においても国および高速道路の会社に強く要請を行っているところです。四日市-四日市北ジャンクションの間が整備されるだけでも、経済的に大きいと思いますので、これを少しでも前倒しできないかと考えており、目標年次をご遷宮までにできないかと思っています。それに対して、国全体の財政状況などが不安材料としてあります。

団地開発についてですが、企業誘致するにも用地不足で・るということが、昨年の夏頃にはっきりとわかってきました。その後、県においても確保し易いように検討を行ってきましたが、工業団地の確保については、市・町のリスクが非常に大きいわけです。これまではせっかく工業団地を整備しても利用がないということで、長い間市・町を苦しめた問題でもありました。今、状況が変化してきましたが、同じような過去の反省に基づいて、安易に行うといろいろな問題が生じるのではないかと思います。

このため、規制については厳しさがでている部分もありますが、県としてもここしばらくはチャンスの時だと思っています。今のような具体的な話もありますので、もう少しいろいろと検討していかなければならないと思います。

また、県の方も、団地開発については、環境アセスなどにかかる調査費について、無利子の貸付制度を本年度から設けたところですが、一方では、いなべ市長のお話ではこれを活かすこともできない。

いろいろな国の規制の方向と、現実にどのように対応していくのかということになりますので、本日は受け止めさせていただき、知恵、工夫の仕方を検討していきたいと思います。

桑名市長

4点お願いしたいと思います。1点目は企業誘致への支援ということでございまして、現在、大山田地区、多度地区に誘致が進んでいまして非常にありがたいと思っております。特に多度地区の力尾周辺エリア、RDF発電施設の隣接地ですけれども、開発可能面積が70~100haあるということで、それが上手くいけば三重県を代表する産業集積エリアになるということで取り組んでおりますし、新しい貸付制度の第1号として適用されて進めている方向でございます。今、東員町長、いなべ市長も言われましたように、一つ企業誘致の推進ということで、用地開発のための許認可等をスピーディにやって頂きたい、それと柔軟な思考を頂いて、いいチャンスをものにしていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。それと力尾については、RDF発電用地も開発が進んだら正式にお買い上げをいただくことになりますので、よろしくご認識を頂きたいと思います。

それと企業誘致にはアクセス道路の開通が重要でございます。路線名を申し上げて恐縮ですが、県道御衣野下野代線をはじめ、四日市方面への主要地方道の四日市多度線バイパス、また桑部播磨線など主要県道について改良を急いで頂きたいと思います。これはトヨタ車体も258号でアクセスをしており、非常に大切な道ですのでよろしくお願い致します。

次に航空機騒音の環境基準の類型当てはめについてです。これについては三重県では鳥羽市と木曽岬町の2市町のみということで、お返事を頂いたところでございます。これにはいろいろ根拠があるのですが、その騒音レベルに達していないということでございます。しかし、それにしても日最大加重合計機数の基準が100機ですが、82機ということで非常に近い数値でしたし、もう1つの根拠である着陸時のILSポイントに近い市町村という項目については、愛知県では南知多町とか、飛島村がILS侵入地点に近いということで類型当てはめをして頂いております。旧長島町はILSの進入地点から直線距離にしてわずか2.75km、特に木曽岬干拓の中には旧長島町、現桑名市でありますが、この地域もございますので、もう1度再考頂いて環境基準の類型当てはめに入れて頂きたいと思います。

それからもう1つはRDFの処理委託料に関してですが、既に我々の協議会と県と協議をし、いろいろとお話も頂いているところでありますが、是非、我々の要望に近い線でお聞き頂きたいと思っておりますので、さらに審議いただきますようお願いいたします。

知事

最初にありました企業誘致等に関連することですが、これについては十分に桑名市と連携して進めさせて頂きたいと思いますし、それから道路等の問題もございました。それぞれ担当の方と十分に話をして頂いていますので、是非これからも県の方も一緒になって進められるようにしていきたいと思っております。ご要請として受け止めさせていただきたいと思います。

それから騒音の話について、経緯はお話にあった通りなのですが、今現在、三重県環境審議会の方が色々と議論をやっているところです。類型当てはめについてですが、桑名市の場合、ILSの侵入地点からわずか2、3kmしか離れていないというような状況もあって、今現在は騒音・振動部会で検討しているということでございます。十分桑名市の意向を受けとめながら環境審議会での審議をお願いしていきたいと思います。

それからRDFの話がございました。RDFは過去にいろいろないきさつもあり、爆発事故等もございました。今日ここへ来る前にRDFの新しい施設を見てきました。今はもう試運転をやっており、正式には8月末ぐらいまでかかって、その後はきちんとした運用に入れるのではないかと思います。そういう意味では色々ないきさつを抱えていることではありますが、RDFの処理については今後も継続的に関係市町と一緒になってやっていかなければならないということでは、やはりそれぞれの市町におかれましてもそうでしょうし、県にとってもやはり県民に十分説明責任のつく形の中で、負担の割合を決めていかなければいけないと思っています。過去のいきさつの中で、もちろん県の方で考慮しなければいけないということはありますが、しかし、過去の経緯についてもその妥当性についてはきちんと考えていかなければならないと思っていますので、まだこれから鋭意話をして参ります。今日いろいろ頂いた他の要請もしっかり受けとめますので、県の考え方についても受けとめて頂きたいとお願いしたいと思います。私からの要請でもありますのでよろしくお願い致します。

知事

長い時間ありがとうございました。国の大変な変化で、我々も非常に影響を受けておりますので、なかなか奥深い深刻な悩みがあろうかと思います。しかし、今後とも三重県発展のために、桑員地区発展のために、一生懸命になって取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願い致します。また十分でないご返答の部分もあったかと思いますが、次期戦略計画の中で、頂いたご意見、さらに私どもが責任を持ちながら反映できるものは反映させて頂きたいと思いますのでよろしくお願い致します。

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