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県と市町の地域づくり連携・協働協議会

「膝づめミーティング」(伊勢志摩地域)の概要

1.開催日時

平成19年8月29日(水)
14:30~17:50

2.開催場所

伊勢市二見生涯学習センター

3.出席者

伊勢市長、鳥羽市長、志摩市長、玉城町長、度会町長、大紀町長、南伊勢町長、知事ほか

伊勢志摩地域の「膝づめミーティング」
伊勢志摩地域の「膝づめミーティング」

4.知事挨拶

座ったままで失礼します。皆さん、今日は雨の方も警報が出たりして心配されておるところでございますけど、そういう中で膝づめミーティングにご出席いただいたこと、厚く御礼申し上げます。また、日頃、県政推進に大変ご尽力いただいていること、それも併せて御礼申し上げたいと思います。

実はこの膝づめミーティング、知事に就任しました平成15年からずっと毎年開催してまいりまして、今年で5回目になります。私としては県政の最大のパートナーというふうに市町を位置づけて、このことは今後も市町との関係からいって極めて大事なことだと思っております。したがって、こういう膝づめミーティングを大事にして、皆様方にお話を伺い、忌憚のない意見を伺った上で意見交換し、そして、それぞれ市町立場は違いますけど、県とは思いを同じにさせていただく、こういうことが非常に大事だと思っておりますので、今日はぜひそういう意味でよろしくお願いいたします。

さて、この南勢志摩地域についてでありますが、言うまでもなく豊かな自然、歴史、文化資産が多くあります。それから、伊勢志摩国立公園を擁しています。先般の報道では、今年も日本一の清流として宮川がランキングされておる。そんなことを思いますと、非常に豊富な資源を有していると思います。

県の基本計画、すでに皆さんに見ていただいたかと思いますが、新しい第二次戦略計画におきましては、この三重県南部地域というものにつきまして、「自然・文化活用ゾーン」というイメージを描いて、自然、文化的資源を生かして、観光・交流の舞台として整備を進めていこうという考え方を定義しております。

ちょうど平成25年に御遷宮ということで、それのいろんな行事が始まっております。お木曳き行事につきましては、一日神領民の参加の方が合わせて7万5千人以上、それから奉曳団の関係でも合わせると76万人という数字であります。御遷宮ということは、この地域にとっては大変大きなチャンスであろうと思います。そういう意味では、いろいろアクセスの整備等含め観光振興については情報発信や集客交流、これを推進していきたいと考えております。

さて、県の政策課題でちょっと申し上げておきたいと思いますが、既にいろんな機会に申し上げておりますけども、「文化力」「新しい時代の公」、この2つを大きな柱として取組を進めていこうとしておりますが、今日は実は皆様のお手元に「地域政策」の冊子を配付させていただきました。これの34ページをご・翌「ただきますと、先般5月27日に講演会とシンポジウムを開催したのですが、そのときの記事を掲載しております。東京大学の神野直彦先生に、「感性を欠いた経済大国」という基調講演をいただきまして、その後、神野先生を含め私も入ってやりました「今こそ文化力の時だ-地域文化のちから」、こういうことでシンポジウムをやりまして、ここに少しそれが掲載されておるところでございます。

実はこの「文化力」につきましては、第二次戦略計画におきまして政策のベースという位置づけをしておるところでございまして、この考え方を基本にしまして、人や地域の元気づくりを進めていきたいと考えておるところでございます。ぜひこの「文化力」についてご理解を進めていただく上でも、この冊子をご覧いただければありがたいと思います。第二次戦略計画では、この「文化力」に基づく政策を、「新しい時代の公」にふさわしい進め方で展開していく考え方でおります。そういう中で皆様方と考え方を共有しまして、相互に協力して取組を進めていく必要があると思っております。

さて、次に本日の意見交換の議題とさせていただいている「こころのふるさと三重づくり」を進めます一環として実施をいたします「美し国三重」イベント、これは今の段階では仮称でありますが、これについてこれまで県と市町の新しい関係づくり協議会総会等におきましても少し述べさせていただいておりますが、このイベントにつきまして少し申し上げたいと思います。

現在、このイベントの目指すべき方向や基本的な枠組みを定める基本構想について、有識者の方々等にも入っていただきまして委員会を設置し、検討を進めているところでございます。これまでの委員会での議論を踏まえまして、基本構想のたたき台を取りまとめておりますので、今日は市長、町長の皆様からいろんな意見をいただき意見交換をさせていただきたいと思っております。

このイベントの中身につきましては、この後、担当部長の方から説明をいたしたいと思っております。ただ、私の方からこのイベントに対する思いということで、少し申し上げておきたいと思います。今、県民の皆様には21世紀になったこの時代に、その“豊かさ”とか“しあわせ”といったものを感じていただけるようなそれぞれの地域あるいは県、こういうものを目指していきたいと思っておりまして、今回のイベントにつきましては、そういったことを実現していくことにも資するようなものということで考えております。もちろんこの三重の地は、古から「美し国」と言われておりまして、もののあわれ、わびさび、こういった日本人が世界に誇りうる感性を育み、そして豊かな文化的資源に恵まれてきた所でございます。

2013年に行われます式年遷宮に向けての行事も行われておるところでございまして、今はそういう意味では三重県の魅力を内外に発信をしていく、あるいは交流を活性化していく好機を迎えていると思っております。そこで、こういう地域のさまざまな資源を活用しましたイベントでありますが、このイベントの効用としては新たな観光のみならず、やはり地域への誇りや愛着を深める力を持っております。また、それをもって多様な交流を創出して、自立的、持続的な地域づくりにつなげていく力をイベントというのは持っていると思います。

私は今回のイベントを通じまして、それぞれの地域が“あるべき姿”を共有しながら、オンリーワンの地域づくりに取り組むことによりまして、三重県ならではの21世紀にふさわしい理想の地域、まさに「美し国」というものに磨きをかけていきたい。皆様と一緒に磨きをかけていきたいと思っております。

以上、申し上げたところが、かねてから私は「文化力」を生かして、「新しい時代の公」の手法にふさわしい方法で、持続的、自立的な地域づくりを進めていこうと言っておる一番のポイントの所ではないかなと思っております。今日はそういうことも踏まえまして、皆様方にご議論をしていただいたらありがたいと思っておるところでございます。

今回のイベントにつきましては、ぜひ市町をはじめとする地域の皆さんに主体となっていただいて、地域づくりをベースとしたイベントを実施し、その成果を生かしまして、自立・持続的な地域づくりを進めていくものであると考えております。ぜひよろしくお願いをいたします。

最後に、この膝づめミーティングにつきまして、皆様方の忌憚のないご意見をいただき、県政へのご協力をお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

5.県の政策課題

美し国イベント(仮称)について

政策部長

政策部長の戸神でございます。どうぞよろしくお願いいたします。座らせてもらって失礼いたします。

お手元にたたき台をお配りしてございますが、実はこの基本構想の策定につきましては、知事からも申し上げましたように、23人で構成されます策定委員会に取りまとめをお願いしているところでございます。これまでに前段階から議論していましたものをベースにして、今のたたき台を作成いたしまして、去る8月1日に委員会の方で議論をお願いしたところでございます。まさにたたき台でございまして、委員さん方それぞれたくさん意見をもらいまして、特に基本理念につきましては、「メッセージ性がない」ですとか、「抽象的でわかりにくい」ということで、いろいろな角度からのご意見を頂戴しました。特に、「美し国の持つ意味や文化力を生かすということについて、もっともっと掘り下げた議論が必要である」とか、「人づくりの視点が欠かせない」といったご指摘でございました。このようなことで、「事務局だけに任せておけない」ということがございまして、「そうしたら、わしらで小委員会をつくって練ってやろう」ということになりまして、10名の小委員会をつくってもらいまして、まさにそこで議論を進めてもらっておりますので、今日説明申し上げますたたき台もかなり変形をする可能性もございますが、そのあたりご理解をお願いしたいと思います。併せまして、皆様方からのご意見を頂戴しながら、基本構想を取りまとめてまいりたいと考えていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、たたき台に移らせていただきます。このたたき台では、まずなぜイベントを行うのかという「開催の趣旨」、それから、イベントの哲学とも言えます「基本理念」、また、それを端的に言い表しました「コンセプト」や「テーマ」、また、本イベントの特徴とも言えます「基本方針」、それから、平成21年から26年の間の「イベントの構成」など、現段階で10の項目を記載してございます。

まず、1ページをお願いいたします。まず、「開催の趣旨」でございますが、この分につきましては先ほど知事から思いを込めてお話がございましたので、私からは省略させていただきます。

次に、1ページ下の方の2「基本理念」でございます。今回のイベントは、地域が抱える課題を解決し、住民が望む未来を構築するためのものであるという、いわゆる課題解決型の地域づくりイベントであるということ。そして、地域の取組をサポートして、新しい価値を創造する環境づくりを行うという「行政の役割」について記載してございます。初めに申し上げましたように、まさに小委員会におきまして議論を深めていただいているところでございます。

次に、2ページをお願いいたします。イベントの「名称」につきましては、端的に三重の魅力を表す言葉として広く認知されております「美し国」を使ったものとしておりまして、先人の弛まぬ努力によりまして営々と築きあげられた「美し国」をさらに磨き上げ、21世紀にふさわしい「美し国 三重」にしていきたいという思いを込めたものにしていきたいということで、これも議論をお願いしてございます。

次に、「コンセプト」でございますが、これは基本理念を端的に表して、今回のイベントに携わる者が常に念頭に置くものという位置づけでございます。「テーマ」はそれをよりわかりやすく表現したキャッチフレーズ的なものでございます。いずれもここに複数案提案しておりますが、これらにつきましても、今申しました基本理念の議論を踏まえてさらに検討を進めていただいておるところでございます。

中ほどの6「イベントの基本方針」でございますが、今回のイベントならではの特徴を4つ記載してございます。 まず、1つ目でございますが、「新たなイベントのスタイルを創造する」ということで、景観形成や植林、環境問題に向けたムーブメントも含めまして、2009年から2014年まで続く「美し国 三重」をめざす取組すべてがイベントであると位置づけていきたいと思っております。

次に、2つ目でございます。「イベントの会場」でございますが、今回のイベントは、県内全域を対象に考えてございます。地域づくりの成果を生かすことを基本にしたいと考えておりまして、1箇所の会場で行います、いわゆる“囲い込み型”のイベントではなく、「“まち”そのものをパビリオン」と捉え、地域の皆様の日常の暮らしの舞台そのものを会場にすることを基本にしてはどうかという、オープン型を考えてございます。

次に、3つ目でございます。地域資源の持つ多面的な価値に着目するという「地域の個性や文化へのこだわり」についてでございます。 3ページをお願いいたします。4つ目「イベントの担い手」でございますが、行政が主導するのではなく、住む人、訪れる人、地域の多様な主体が率先して参画し主体的に取り組むものであると考えてございます。

次に、(1)イベントの展開方向でございます。2つの方向に沿ってイベントを展開したいと考えています。1つ目は、「美し国」に磨きをかけていくためには、まずもって地域への誇り、愛着を取り戻すことが重要でございますので、自分たちの地域を見つめ直す取組を展開するということです。2つ目には、情報発信の観点から、日本人ならではの感性や新しい豊かさを国内外へ発信する取組を展開するという2つの方向を考えてございます。

次に、(2)イベント展開の視点でございます。下に図もございますが、「美し国」づくりにつながる地域それぞれの取組をカテゴリー化し展開するA案もございますし、あるいは、「美し国三重」の特徴を、食、街道、技、木などに分類してイベントをするB案のようなものもございます。また、年度別に重点地域を決めてイベントを開催するC案。さらにはこれらの複合案等々、いくつかの方法が考えられると思います。

次に、4ページをお願いいたします。7「イベントの展開期間」についてでございます。今回のイベントは、単年度ではなく、2009年のオープニングイベントから始まり、2010年から2013年の地域におきますイベント、2014年の集大成イベント、ひいてはその成果を生かしてその後の自立・持続的な地域づくりにつなげる長期に渡るものでございまして、その間の展開スケジュールについて記載してございます。

次に、5ページをお願いいたします。8「イベントの構成」についてでございます。まず、「イベントの種類」として、期間中に開催される多様なイベントの形態について、①から④に整理をしてございます。また、(2)の「情報発信の対象」でございますが、これは2つ考えてございまして、1つは、地域づくりの担い手であり、また、イベントの参加者である県民を主たる情報発信先と位置づけますともに、イベント全体の情報発信は国内外に幅広く行う必要があると考えてございます。さらに、「構成するイベントの具体例」としまして、2009年のオープニングイベント、6ページになりますが、2010年~2013年の地域でのイベント、さらに、2014年の集大成イベントについて記載してございます。

同じページの下の方ですが、イベント全体の推進組織でございます。これにつきましては、県が主導するのではなく、市・町をはじめ地域の多様な主体が参画し、一体となってイベントを推進していくための組織体制を立ち上げたいと考えております。そういうことで、市・町の皆様方にもぜひご協力をお願いしたいと思います。

それから、関連いたしまして、「文化力フォーラム」の案内をさせていただきます。お手元にこのようなパンフレットをお配りさせていただいていますでしょうか。実は「文化力フォーラム」ということで、来たる9月29日にここ当地の賓日館におきまして、「美し国 三重」地域づくりにつきまして、基調講演とパネルディスカッションを開催いたしますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。私からは以上でございます。

知事

この基調講演をやっていただく宮本倫明さんですが、この人が今度の基本構想づくりにいろいろ今ご意見をいただいている。その後、またいろんな形で宮本さんにはお世話になっていくと思うので、ぜひ宮本さんのお話を聞いていただくといいのではないかと思います。

伊勢市長

それでは、ご指名いただきましたので、今、お聞きした内容の中での話ですが、感じるところを少し申し述べたいと思います。いろいろと断片的に情報は流れてきているわけでございますが、なかなかまとまってお話を伺う機会がなかったわけでして、今こうして改めてご説明いただきますと、どうしてもくにづくりとイベントをどうやって整理するかというあたりで、事務方の方も悩んでいただいているのではないかと思います。どっちが中心とは申し上げませんが、その辺を絞り込んでいかないと、ちょっと我々は見えにくいという状況があるような気がしてなりません。

・軏{的には地域づくりをしっかりやるんだと。その手法の中にイベントがあるのかなという形も考えていますので、名称等々見させていただいても、この2つが混在していて、結果としてくにづくりができることを主眼に押し進めていくのか、最初からくにづくりをやるんだということの中で、その手法、道具としてイベントを使っていくんだということなのかということで、すっきりしない所が私自身は実はあります。

そして、イベント的には大いに期待をさせていただいています。20年前の御遷宮絡みのときに、世界祝祭博覧会というのがあったと思うのですが、あのときも県を挙げてといいますか、全地域挙げてのサテライト型といいますか、全地域型のイベントを仕掛けていただいて、そしてまつり博につなげていったという経過があったと思います。そんな20年前の具体例もあるわけですので、そのときの取組も大きな成果を上げたというふうに実は思っています。そのときにいろいろ取り組んでいただきました各地域の出し物を中心にしたイベントから、今20年後につながってくるようなものも生まれています。うちらの地域もそうなんですが。典型的なのは各地域の太鼓の振興だと思うのですが、ああいうことを通じまして、地域のいいコミュニティが世代を越えて育っているという現実もありますので、大きな成果としてそのときの取組が、そのとき1つに目指したイベントの取組が後々つながってきて、地域興しの核になっているということは、現実問題として20年前にも体験しているわけです。ですから、そこでまた入口で今回の取組について、その辺が私自身はあまり整理ができていません。

でも、私たちが今望みたいのは、地域づくりといいますか、各地域がどうやってこれから、南の地域でありますので、経済基盤を観光誘客というところに向けて大きな方向づけをそれぞれの地域でなさっていると思うんです。伊勢もそういう立場でございまして、平成25年の御遷宮に向けて何とかこれからこの地域、私ども伊勢市が安定した財源確保に向かえるような、そんな大きなきっかけにしたいと思っているわけでして、そんな取組をくにづくり、地域づくりという視点からこの時期にやりたいと、やらなければいけないと、そんな覚悟をしているわけです。

ですから、そういったものにつながるような全体のイベントであってほしいなということを強く感じています。ぜひ私たちが本当にやらなければならないのは、地域財源をどうやって確保するかということだと思いますので、ぜひ今回の取組がとりわけ全県的になされるということは、これは県政上やむを得ないと思いますけど、私ども南勢地域、特に伊勢は大きな期待をさせてもらいながら、御遷宮の年を、あるいはその次の年を迎えたいと考えておりますので、くにづくり、地域づくりとイベントの関わりみたいなことを、すっきりと入口から整理していただけるとありがたいと、そういう感覚を持っております。長くなりました。以上です。

鳥羽市長

こんにちは、鳥羽市長でございます。今回のこのイベントについての意見ということですが、前回の遷宮のときも大変たくさんの方がこの伊勢志摩地域にお出でをいただいて、そしてまたその中間になるとお客さんが減ってしまうということで、そういったことも含めて解決策ということで考えていただいたということを聞いておりまして、こういったイベントをしていただくのは非常にありがたいことだというふうに、今理解をしております。

そういう中で、これからこの基本構想が現実の構想になったときに、具体的な形が見えてくると思いますので、今からあまり早く意見といいますか、わからないところを言うのもどうかとも思うのですが、追々わかってくることだと思うのですが、やはりこれを見せていただいて思うのは、豊かさ、幸せ、誇り、美し国、こういった所を見ていると、やはり漠然として具体的にわかりにくい所がまだまだあるのかなと思っております。

そして、この中にはみんながイベントの担い手というところもあるのですが、これを進めるにあたって、やはりボランティアの視点といいますか、多くの県民の皆さんがボランティアで参加をしていただく、各種団体、行政とともにこれをやっていただくという県民総意のボランティアの参画というものに重点を置いた仕組みというものを、新たな項目として考えていただいたらいいのではないかと思っております。

それから、質問としては、これをやる場合に、全県的にやられるわけですが、県内すべての市町がその土地で主体的に行うのかどうかというようなこと。それから、既存のイベントではだめなのか。あるいは、新規のイベントを考えていくものなのかどうか。そして、具体的な内容をいつごろまでに決めていくのか。こういった点を少し質問させていただきたいと思っております。

私たちの地域は、昔からお伊勢さんのおかげといいますか、それで繁栄をしてきたというところから、今回のこのイベントを通じて、伊勢神宮の御遷宮を介して、今まであるいは今まで以上にこの地域が発展するような、そんなイベントにしていただきたいなと思います。

それから、最後になりますが、ここに伊勢茶が置いてありますが、伊勢の「勢」は、昔の字は生きる丸の力という古い字があるわけですが、たまたま山本周五郎の小説を読んでいたら、これは「人これ生まれる力」と読むらしいんですね。人がここで生まれる力がある土地が伊勢なんだ。だから、そこに鎮座されたんだということが書いてあって、伊勢市長さん見えますけど、いい言葉だなというふうに感じましたので、紹介させていただきたいと思います。

志摩市長

失礼します。志摩市長です。今回「美し国 三重」イベントを平成25年の大イベントということも含めて県が構想されておるということで、結構なことだと思っております。御遷宮に向かって毎回「け」と「はれ」があって、「はれ」のときに向かっていくということで、観光客であるとかお客様が増えてくるというようなこの機会を通じてイベントをするということは、有意義なことだと思っております。

その上で、ぜひ今回のイベントについては、県内の文化交流であるとか、あるいは県民の文化交流の場にしていくといいのではないかなと思っています。志摩市も合併をしたわけですが、5つの町、いろんな祭りとか食文化ということも含めてそうなんですが、伝統的な祭り、例えば国の重要無形文化財等にも指定されている御田とか安乗文楽とか、あるいはわらじ祭とか潮かけ祭りとか、さまざまな伝統的なお祭りもあるわけですが、その由来も含めて、あるいはその地域のコミュニティの人たちが、本当に自分たちの地域を考えながら愛してその文化を守っていくというのを、改めて再発見をしている毎日です。ですから、ディスカバー三重ということも含めて、もう一回自分たちの住んでいる地域あるいは三重県の文化を再確認するという機会にしていくといいのかなと思っております。

そういう意味では、この「美し国 三重」というタイトルで行くならば、私はぜひ食文化というものにスポットを当てていくというのもひとつの方法ではないかなと思っています。お伊勢さんの方に毎日、神様にお供えするご飯をつくったりとか、あるいは鳥羽、志摩もそうなんですが、神饌という神様にお供えするあわびであるとか、そういった食文化を古の昔から今に至っているということも残っているわけです。加えてこの地域にも優れた海の幸をはじめとした祝祭であるとか、また三重県内もそうですが、例えば的矢がきとか三重ブランドとして指定されておる優れた食材もあるということですから、そういった食材を提供していくためのひとつのPRを、もうひとつ地域ブランドをしっかり構築をしていくひとつの機会にもしていくといいのかなと思っています。

先だって1週間ぐらい前に台湾から訪問団があったのですが、お土産に醤油をもらったんですね。台湾産の醤油ですが、独特の醤油ではあったのですが、私ども中国語読めなかったのですが、ちゃんとHACCPをクリアしたという表示もありました。そういう意味では、食の安全ということも含めてしっかり取り組まれているんだなと思いました。これは先だってフランスのミシェラン社が日本で初めて観光ガイドブックを出しましたが、そういった格付けとか認証制度をしっかり構築していくこと。ワインとかチーズとかカマンベールとか、地域ブランドを認証していくためには、価格も決めて地域限定であるということをしっかり行政サイドも認証していくというような、AOC制度というものもありますが、そういった食文化を大事にしていくというようなこと。

また、環境面でも、例えば今フード・マイレージという言葉がありますが、日本は非常に食糧自給率が低くて、例えばアスパラとかをよそから輸入すると、1本運んでくるだけでクールビズの格好を1人が1週間したのと同じぐらいの温暖化に匹敵するような効果があると。国産でアスパラガスを1本つくった方が、それだけ環境負荷も低くなるというようなことが言われておるということです。

そういったことで、伊勢志摩地域、三重県全体もそうですが、すべて独特の食文化があるということですから、全体的にそういった食文化であるとか、地域のいろんな伝統的な文化、あるいは祭りというようなことも含めた県民の、あるいは県内の文化交流の場というようなことをお考えいただけると、私どももこの伊勢志摩地域でまた考えていきたいと思っておりますが、「美し国」イベントということについて一緒に考えていきたいと思っております。

玉城町長

具体的なことではありませんが、本当に今いいタイミングでイベントを企画していただいて、大変結構だと思っています。知事のお話や趣旨の説明の中でも聞かせていただきましたが、地域のコミュニティが崩れていて大変危機的な世の中でありますし、それからもうひとつは、やはり知事もおっしゃったような地域に住んでいることの誇りや愛着をもう一度取り戻すようなことがいる時代ではないかなと、こんなふうに私どもは思っております。そういった意味で、こうしたイベントをいいタイミングで計画していただいているということ、ありがたいと思っておりますし、また、やはり交流人口を増やしていくことで地域を活発にしていこうということは、これは当然大事なことであると思いますし、今志摩市長さんおっしゃったように、今後さらに具体的な内容でより第一次産業とうまくリンクをさせた形の、こうしたイベントの取組の中にも検討していただいたらどうかなと思っております。以上でございます。

度会町長

私は知事さんとの膝づめミーティングは初めてでございます。このイベントの説明をお聞きして、このイベントについては皆さんと同じように、ちょっと見えにくい部分があるんじゃないかと思っています。ただ、「美し国三重」と言いますと、どうしても私個人的な考えですが、やはり伊勢志摩地域の観光をどうしても中心に考えてしまいます。私たちの町は小さな町でございますので、本当に観光資源もございません。ただ、先ほど知事が言われましたように、日本一の宮川、これが唯一私どもの町も通っておりますので、自然環境では非常に皆さんの町にも負けないぐらいの環境の非常にいい町だと自負しております。

ただ、私どものこういう小さな町が、こういった大きなイベントといったものにどのような形で携わっていくかというのは、非常に私自身も見えにくいのですが、先ほど玉城町長さん言われましたけど、イベントはどうしても何かで結びつくということで、大きく言えば食文化、安全安心という言葉で、私どもかつては茶業者で、知事も茶の方は一番力を入れていただいていることは十分承知しておりますが、伊勢茶のブランドといったこともございますので、そういった食の中での地域特産物をどういった形で三重県第3位の立場をどんどん発信をしていくという中で、私どもの町としましても、そういった小さな町が、こういう伊勢志摩中心の中で非常に具体的に携わってよかったなという形の目に見えてくるようなイベントといったものを、県の方に考えていただきたいと思います。

ただ、各論的になると小さなイベントになりがちだと思いますので、大きな構想のもとに、そして私たちすべて南勢地域が北主南従型と言われていますので、そういうためにも伊勢神宮の遷宮が中心になるやはりイベントではないかという気もしますので、そういったことでは20年に1回のことで全国へ発信しながら、自分たちの町としてもそういった関わりを持って、自分たちの町をPRさせていただきたいなという思いが強いんですね。そろそろ具体的にお考えになった方がいいんじゃないか。2009年からずっとゴールに向けてのメインイベントまでということでございますが、先ほど皆さん言われたように、見えてこないような部分が非常にたくさんございまして、今現在は相対論で進められているのかなという気もしますが、こういうことを言ったらいけないですが、10番目の事業規模といったことがポンと載っておりますが、私ども小さな町は、事業規模にも非常に興味がございまして、そうした面ではどこの町村でどのようなことが行われるかということも具体的にして進めていただきたいと思っております。以上です。

大紀町長

三重県が今や、知事さんを前に置いて大変申し上げにくいですが、かねての新聞で野呂知事の支持率が67%だと。そして、不支持を大きく上回って県民に信頼されているという情報を私どももキャッチしまして、誇らしく思っておるところでありますので、今回の「美し国三重」づくりについては、大いに賛同して、できる限り知恵を絞ってやっていかなければいけないと思っておりますし、これからの事業等については、実行委員会等で十分練り上げていただけるものと思っておりますし、我々の所の職員も1人参加をしておりますので、協議しながら提案もその節していきたいと思っておりますので、そういった点で世界に向けて発信することは大事であると受け止めております。

ついては、私は「美し国」、それから「美しい国」ですね。この語源はどんなことかと考えたところであります。安倍総理が総理になった時点で美しい国をイメージされたんですね。それはどんなことか、新聞にもあまり載っていないのですが、二次のときに言われているのは、文化・伝統体制づくりとか、自由な社会を基本とした規律を守る国、それから世界に尊敬される国が美しい国の基本理念であるというふうに安倍総理は言っておられます。

私は「美し国」の野呂知事の基本理念はあらかたわかっているところですが、これは語源は遡るのですが、私どもの滝原宮のことまで触れていくことにもなるわけなんです。現実に宮川河口から40里遡った所に滝原の国が大変美しい国であるということを言われたんですね。今の伊勢神宮の前に鎮座したのが滝原宮でありますし、後世伊勢神宮の方へ行かれたというふうに史実に書いてあります。これは日本書紀にも明らかにされているところでありますので、あえて「美し国」というのは語源がその辺にあるのではないかと、私は考えています。美しい国という表現は、瑞穂の国という言葉あるんですね。その瑞穂の国というのは、とにかく稲が瑞々しくよく実った美しい国ということが、瑞穂の国の定義なんですね。これはつまり「美し国」のもとの意味、原語であると思っておりますから、そういう観点を忘れないで記念イベントをしていく必要があるのではないか。

したがって、今何が「美し国」でという感覚を私は持っておるんです。総理も美しい国を掲げたのですが、今の農地、林地なんかはみな荒れ放題になっていますね。特に山田あたりはほとんど潰れてしまっております。そこに草がぼうぼうと生えている。何が美しい国と言えるんだという思いを、特に最近はいたしているところでございます。したがって、今度の記念行事も農業ということを捉える、林業ということを捉えた祭りは必要ではないかと考えているところでございますので、その辺はぜひ認識を新たにしていただかないと、過疎化とか地域格差とかいろいろなことを言われておりますが、まさにそのとおりだと私は思っております。つまり、農業や林業を切り捨てたツケが今回ってきておるということでありますので、改めてここで強調した中で記念行事を組み立てていく必要があるのではないかと思っています。

それでは地域でやればいいじゃないかと、知事は絆という言葉を出しておられますが、絆を形成する人がいない。昔は田んぼや、或いは冠婚葬祭などは、ほとんど地域の中で、グループで、田植えや下刈りもしておった。ところが絆を形成しようとしても、高齢化してきてそんな人がいないんです。そういうことからすると、改めて出発点をもう一回考えていかなければならないのではなかろうかと思っているところです。

このことを言うときりがないぐらい申し上げなくてはならないことがたくさんあるので、ひとつひとつにとりましても、私はこれまで植樹祭とか緑化大会とか、あるいは農業祭というのをずっとこれまで進めてきたのですが、いつの間にやらこういうことが地域でもなくなってきておるんです。ですから、これを機会にとにかく三重県は農業立国である、林業である、あるいはいろんな産業も盛んな所であるという意識を発信していくことも大事だと思いますので、そういうことの中でぜひ記念イベントを5年間の間にきちっとしたものを発信していく必要があると私は思っておるところでありますので、大変愚言を申し上げましたが、そういう観点で取り組んでいきたいと、かように思っております。以上です。

南伊勢町長

私の所も17年に合併した町なんですが、以前32,000人ほど漁師がいた町なんですが、今は18,000を切ったということで、大変過疎化が進んでおります。38の集落があるのですが、もう限界集落が出てきておる。伝統的な祭りが各地区にありますが、その祭りさえできないという現状でございます。そんなことで本当にこの祭りも伝統的な素晴らしい祭りをやってきたのですが、先ほども言うように過疎化が進んで、それをどう残していくかという現状なんですね。そこで何とか限界集落を合併して、これから考えていかなければならないのかなと。祭りひとつにしてもこのような現状でございます。

平成5年に今言われたように県挙げて盛大にまつり博をやっていただいたときに、ちょうどその前の年に町長にさせていただいて張り切っていたので、このまつり博の南島の日に、8,000人しかいない所で5,000人参加したんですよ。県が中心になって力を入れたまつりだから、もうできるだけのことをやろうということで私も心に決めまして、もう丸っきり町内に人がいないというぐらい参加をさせていただきました。あのまつり博は何だったんだろうというのは、終わってからやっぱり私も思うところもございます。そういうことで、いろいろイベントを通じて地域を発展さそうというあれもあるのですが、その辺のところをしっかりと考えた中でやっていかないといけないのかなというのが強い思いでございます。本当に隣町に比べて参加率は倍だったんですよ。そんなぐらいしっかりとやらせていただいて、その後「あれでよかったのかどうかな」というのを、やっぱり金も随分とかかりましたし、疑問を持ったことは今でも覚えております。そういうことで、イベントもしっかりと考えた中で地域のためにやるということで、私も大いにやらなければならないと思っております。

本当に過疎化が進んで自分たちの町の祭りさえできないという状況でございますので、その辺のところも知事さんにも理解していただいて、今後ともよろしくお願いしたいと思います。以上です。私、最後ですので時間の調整役ということで、これで終わらせていただきます。ありがとうございます。

知事

今いただきました皆さんの意見について、これはまた私どもこれから検討していく中で皆さんの意見も十分に生かせるように努力していきたいと思います。ただ、共通して疑問がありましたのは、まだよく見えにくい。伊勢市長さんもそういう点で、地域づくりということとイベントとの関連、こういったものも見えにくいし、まだイメージがわかりにくいというのが、皆さんかなり共通したことでございました。

そこで、鳥羽市長さんの方からもいつまでに、あるいは度会町さんからも具体化というのはどういうふうになっているんだというお話ありましたが、まずスケジュール的に考えていることについて申し上げますと、今、検討委員会の方で基本構想というものを検討していただいています。もちろんその間に県の例えば県議会での議論の意見とか、あるいはこういう膝づめミーティングでの皆さんのご意見だとか、あるいは県民の皆さんからお寄せいただいた、そういったご意見も反映しながら、最終的な基本構想というのは今年の12月までにきちっとまとめ、そして次の段階の推進組織の立ち上げにもっていこうと、こういうことを考えているところです。その推進組織には、当然市町の関係の皆さんとか、あるいは県民の皆さん、これはいろいろな立場の皆さんとの、それこそ主体的な皆さんに一緒に担っていただくんだということでありますので、そういった皆さんで立ち上げまして、その上で基本計画、それから実施計画、これをいよいよつくっていくということになります。

したがって、それがだいたい見えてくるのが来年の春ごろになってくるのかなと。そして、実施計画として、最終的には夏ごろ、ちょうど今から1年ぐらい先にはだいたい具体的な中身についてもこんなものなのかということが出てくると思います。もちろんロングランの計画でありますから、その途中でいろんな修正点なり、追加点なり、こういったものも入ってくるのではないかと思いますが、当面はそういう形で議論を進めさせていただいたらどうかと思っています。

それから、今いろいろお話ありました中で、鳥羽市の市長さんから、それぞれ市町であるイベント、既存のイベントとの関係はどうなんだというお話ありました。それから、新たにまたいろんな第一次産業の関わりであるとか、地域の特色、特産、こういったものを生かす。大紀町からは農業だとか林業、こういったテーマとの関連性。非常に皆さんの特に強調したいいろんなポイントというものが述べられましたけど、こういったものについては、まさにそれぞれのそれを執り行っている主体性のある所から、ぜひいろんなアイデアを出していただいて取り組んでいく、このことがいいのではないかと思いますし、また、やはりこれが成果として地域づくりとしてのものに持っていきたいわけでありますから、当然地域の誇りうる資源、そして忘れかけておるけれどもまた取り戻さなければならないポイント。こういったものをより強調するようなイベントであったらなおいいのではないかと思います。

そういう意味では、南伊勢町長がおっしゃったように、限界集落というようなお話ありましたが、まさに今、三重県の特に南の方は、そういう集落機能が失われていくという危機感を持っておる地域でありますので、そういったことにも何か地域づくりとして機能していけるようなものであったらいいのではないかと、こういうふうに思っております。

したがって、そういう中で、例えばこれまでの既存のイベントあるいはお祭り、こういったものを強調するのもいいと思いますし、それから、例えば今まで出ておりました話では、亀山市長さんあたりは、例えば明和町の斎王との関係からいけば、斎王群行の頓宮という、いわゆる宿泊のためにつくられたお宮があるわけですね。その頓宮跡があそこにあるそうでございますので、そういう関係からいけば、例えば明和町とかあるいは斎王群行の行われた道筋での連携、こういったイベントもこういうときだからできるのではないか。こういうお話ありました。

そういうことからいきますと、皆さんの前には伊勢、鳥羽、志摩といった中で、そして東紀州、熊野までの伊勢路というもの、あるいは海の道としても言われたし、今は国道260号でずっとつながっている。ああいうルートもありますね。いろんな連携も取れるのではないか。それから、県内に及ばず県外との関係。例えば、志摩でいけば、志摩市はいわゆる日系アメリカ人の関係でいけば、多分三重県で一番多くの方々が行っておられるのではないか。そういう意味では、日系アメリカ人の皆さんがものすごいふるさとに対する思いをいつも表現してこちらにメッセージを送ってきておりますよね。ああいった関係というのも、ある意味での国際交流、国際貢献にも何か資するやり方があるのではないかとか、いろいろ捉え方ができるのではないかと思います。大紀町においては、かつての大瀬東作の歴史的にも、町村会を発足させた原動力にもなったかつての村長さんのおられた所でもありますから、そういうものを捉えて、また町村会に働きかけて、何かあそこに全国町村会の発足の事務局というのが当時置かれたというのも聞きました。何かかつての先人たちの生きざまと今とを結びつけるということもできるのではないかと思います。言い出したらきりがないほどいろいろな観点で、例えばの話で出てくるのではないかと思います。

ぜひそういう意味では、皆さんに今後いろいろな取組の展開の可能性も、そしてそのための仕組みづくりも考えていただいたらいいと思いますね。例えば、今日お集まりの皆さんが共同でこういう南伊勢でやろうじゃないか、あるいは志摩と鳥羽で、志摩としてのやり方をやろうじゃないかとか、あるいは鳥羽藩の九鬼さんにちなんだ何か考えようとか、あるいは伊勢と全部連携するとか、いろいろなやり方があるんじゃないか。お茶だって、伊勢茶という地域の連携事業として度会町を売出していくという方法もあるんじゃないかと思います。

ちょっとそんなことを申し上げましたが、もうひとつ、実は大紀町の町長さんから、「美し国」の語源の話がございました。その前に木田さんから伊勢の言葉、なかなかいいご紹介ありました。「美し国」につきましては、もう町長さんもよくご承知だし、滝原との関係については、町長さんがよくご存知なんだと思います。また教えていただきたいと思いますが、私ども「美し国」というのは、これは日本書紀にある記述から来ておりまして、そういう意味では、宮城県とのいろいろ少しごちゃごちゃありましたが、三重県が使っている「美し国」については、非常に由緒ある言葉なんですよと、こういうことを申し上げます。

安倍総理の使っている「美しい国」との関係、これは安倍総理に聞かないと、いまひとつ私もわかりませんが、日本書紀の「是の神風の伊勢の国は常世の浪の重浪帰する国なり。傍国の可怜し国なり」という、そういう表現が使われている。この表現については、いろいろ検討会の中でもご意見が出ていまして、このイベントについての全体のイメージをやっぱりきちっと出すためには、この語源についてもきちんとした説明を、どこかでこういう説明文章の中には付け加えておくべきだろうという話が出ています。

三重ではもう既に昭和54年から「美しくに伊勢志摩キャンペーン」という言葉で使ったり、あるいは「美しくに伊勢志摩の旅」。「美しくに伊勢志摩キャンペーン」、これはさっきも言ったやつと同じものがさらにそのあとも使われていますね。「美しくにひろがる世界」、これは国民文化祭みえのときに使われたテーマです。それから、県民文化祭のときには「美しくに出会いをもとめて」というふうに、いろいろこれまでも使われているところでございます。ぜひ今回のイベントについても、「美し国」というものを、より皆さんに本当の意味での「美し国」というのを知っていただくような、そういうものにしていきたいと思っています。それから、冒頭、伊勢市長さんから地域財源という話。お金のこと。

伊勢市長

特にこだわりはありません。

知事

ただ、今までほかで膝づめミーティングをやっておる中では、このイベントの財源、お金はどうなるんだと、こういうお話もありました。これはそれぞれもちろん主体を持って皆さんぜひいろいろそれについても工夫をお願いしたいと思いますが、県としてどのぐらいということについては、今の段階ではまだ想定できておりません。したがって、今後基本構想ができ、その基本構想に基づいて基本計画、実施計画を検討していかなければいけませんので、今年の暮れぐらいから財政的な規模について、どれぐらいが想定できるのか。これをしっかりイメージできるようにしていかなければいけないと思っております。残念ながら今の段階では、まだそういう状況には至っていないということでご理解いただきたいと思います。

政策部長

少し補足させていただきます。志摩市から食文化がいいんじゃないかというお話がありました。まさにそういったことも議論してございますし、三重県を象徴するテーマ、食ですとか環境、景観、そういったものを基準とした展開も当然で考えていこうと、議論が今そういった方に流れておりますので、補足させていただきたいと思います。それから、世代を引き継いで地域づくりをしていくということで、人づくりの観点も大事だろうということで、そういった観点からも議論されておりますので、補足させていただきます。

伊勢市長

ご説明を部長さんからも伺って、もう少し私が最初に話したことが自分なりになかなか落ちないところがありまして。開催の趣旨等を読ませていただいておっても、これはくにづくり論だと思うんですよ。くにづくり論です。くにづくり論の中に手法としてイベントがあるんだと、私は思うんですよ。その辺をネーミングとか何かの段階ではっきりわかった方が、より取り組みやすいのかなという感じがするんです。例えば、イベントといいますと、もっと矮小化されたような全体がそういうふうになってしまって、イベント、イベントとなりますと、イベントが目的かという誤解を与えてしまう。決してそうではないんですね、趣旨読ませていただいても。例えば、「美し国三重つくろうイベント」とか、くにづくりをするイベントなんだという、例えばそういうふうな表現ができたら、もう少しわかりよいかもわかりません。その辺を少しは入口で整理をしていただくといいのかなということに、どうしてもこだわってしまうんです。

例えば、3ページの④に「住む人、訪れる人、みんながイベントの担い手」という形になりますが、イベントを担っていただく。知事は成果として地域づくりに資することができればいいんだと言っておられたのですが、これが美しいくにづくりの担い手なんだと言った方が、住民の方にはすっきりポンと落ちますよね。住むくにをつくるのだから乗っていくぞとか、そのイベントを主体的にやるぞという形になりますけど、「イベント?やって終わりかい」というような話とか。決してそうではない。狙っているところもそうではないのですから、そんなことがよりわかりやすくネーミングとかテーマとか、そういう所に反映できてくるといいのかなと、私はこだわっております。以上です。

知事

言っておられることはわかるような気もしますし、かなり共通しているんじゃないかと思います。ただ、表現の仕方としてどうしていくのか。例えば、くにづくりということを強調して、それをやるんだということになりますと、一体くにづくりというのはどの範囲なんだと。三重県全体、あるいは伊勢の国という意味なのか。伊勢の国というともう三重県全体ですね。それぞれの地域では地域づくりとして取り組んでいますから、そういう方向との整合性というものをどう定義していくかとか、そういうこともあろうかと思います。したがって、それぞれ多様な価値観を持ちながら、しかしその三重という人生の舞台の中で「いいくにだ、誇りにも思う」、「そういうものが育めるような地域によりしていきましょうよ」ということが、もっともっとうまく表現できるといいのかなと思います。

伊勢市長

そこで少しまた危険なところがあるのは、私、29「美し国」があるんだと思うんですよ。それを県と1つ捉えて「美し国」と捉えようとしたときに、間違いが起こるような気がします。ですから、これは29の「美し国」をつくるんだというところへこだわっていただく必要があると思うんですよ。

知事

ですから、それを「くに」という表現にすると、「くに」という表現についての思いがそうなのかな。「くに」と言ったら日本の国、そして地域で「くに」という場合には、せめて昔の伊勢の国というイメージなのかな。そうなると、やはり伊勢市という区域、あるいは度会町という区域をあれするなら、やっぱり「くに」づくりという言い方よりも地域づくりになるんじゃないかと。

伊勢市長

そうですね。三重県として捉えたときには、多分「美し国」なんだと思うんです。29色地域があって、29のそれぞれの特色があって、地域おこしができて、くにづくりができて、それで29が玉虫色に全体に色を発して、その全体に色を醸し出してくるものが三重の「美し国」なんだと思うんですよ。そういうところへつなげていただければと。

知事

「美し国」づくりというのは、三重県全体のイメージとして「美し国」という表現を使っているわけですね。したがって、それぞれの地域がそれぞれの地域にこだわった、そして特色を出した、そういった地域づくりを目指してもらうということ。これは当然だと思います。そのことと、今回イベントという言葉のイメージもいろいろ議論に出ていますが、それが連動する形でうまく展開できるということがぜひ期待される効果だとは思います。多分、変わったことを言っているのではなくて、議論する上において表現の問題だと思いますね。

大紀町長

知事さん、この祭り自体の中身ですけど、今の先端産業まで。例えば、ハイテクを駆使したいろいろなものも、この「美し国」の文化として皆に見せるのか、伝統文化だけにするのか、そういう問題も取組の上においてあると思うんです。私どもこの間「南三重活性化検討委員会」、これは松阪から尾鷲までの間ですが、先ほど言われたように連携して。連携が大事だと思うので。連携をして名古屋の新しいイベント会場で、集まったのが数万人と言っていました。

だから、結構そういう面の素材には富んでいることは事実なので。要は従来の持っておる産物、文化を全面に出してやっていくことが、いわゆる「美し国」に当てはまるのではないかと。たとえハイテクに駆使したものを出しても、「美し国」という直感があるのかどうか。ですから、そういう面の区切りだけは、ある程度実行委員会等でも明らかにしていただいて。そうじゃないと非常に取り組みにくいと思うんですね。今まで各地域で結構特色のある祭りをしておりますので、それを連携してよいものを選んでやっていくということが、私は大きな手法だと思いますので。これはこの段階で話することではないと思いますが、細かいことまでは実行委員会でいろいろ議論されることだと思いますが、要は目標をある程度知事の思いをみんなに知ってもらうことも大事だと思いますので。だいたいはわかってきましたけど、あまりにも多面的に渡ると、その取組をする上においてちょっと迷いもあると思いますので。ちょっと余分なこと申し上げましたが、そんな感じを持ちました。

知事

今のような議論をどう整理していくかというのが、今基本構想の議論の中でも出ておるんですね。ご意見としてはそういうご意見あろうかと思います。例えば、先端技術でも、先端技術もやっぱり展開しておるというのが、また今の三重の私たちの三重県という姿なんだと。したがって、それをテーマにした何か、仮に市町で自分の所はそういうことを1つのテーマとして何かやるんだということであれば、それを否定するものではなくて、やっぱりそういうものもある三重なんだということが大事だと思います。例えば、人形さんみたいなロボットなんていうのは、やっぱり日本人の感性というか、そういうものと技術とが結びついて、ああいうほかの国にないような動き回る人間型のロボットがあるんじゃないかという感じがしますね。やっぱり先端技術も日本であればこそという先端技術、こういったものが今後まだまだ出てくる可能性があるのではないか。その中には度会町の感性生かしたやつも何か出てくる可能性だってあるんじゃないかと思います。

大紀町長

知事の思いは「美し国」にこだわるので。それは継承してきた文化を刷新するということに価値観があるんじゃないかと思ったので。先端技術なんか不具合じゃないかという感じがするものですから。それで思ったんです。

(休 憩)

6.市町の地域課題

内容

南伊勢町長

先般も県民センターの所長さん来ていただいて、いろいろ話をさせていただいたのですが、皆さんご承知のとおり、我が町、端から端まで80kmあるんです。それで、海岸線も240kmあるんです。三重県の海岸線の約26%、1/4ぐらいになると思います。そういうことで、地形的にも国土軸から一番外れているのが南伊勢町だと思います。なかなか町づくりに何をというところで、そういうことで240kmという海岸線、7つの湾があってというようなことで、一次産業極めて漁業振興をしていかなければならないと私も。もちろんみかんもありますし、いろいろ農業もあるのですが、やっぱり基幹産業は漁業の町でございまして。それがいわゆる42%というような外国からの魚の輸入に魚価が低迷しているということです。昔だったら町民の家族はちょっと漁に行ってきたら生活ができたのが、なかなかできないということで、私はいつも思うのですが、いかに一次産業に依存していた所がやっぱり過疎になっていったのかなと、常々そう思っております。いくら魚獲ってきてもめしは食えない。ですから、食えない所に生きるわけにいきませんので、そういうものでどんどんと人口の流出が止まらないというのが現状でございます。当然そうなってまいりますと高齢化は進むわけです。恐らく三重県で高齢化率が一番高い町です。そういうことでございます。しかしながら、私も必ず人口爆発が世界的に起こってくる。食糧危機が近い将来必ず来る。そうすると、一次産業しっかり守っていかなければいけない。必ず見直される、重要視される時代が来るんだということを常々言っております。

そういう中で、ひとつ漁港の整備やら。もちろん国土軸から離れているものですから、いろいろ先端技術の工場やらそんなことは到底考えられる地域ではございません。そういうことで、今も言ったように240kmの海岸線もあります。奇しくも240kmの面積もございます。そういうことで、風光明媚な素晴らしい所というのはご承知のことだと思います。何と言っても漁業と観光をしっかりと兼ね合わせたまちづくりしかないのかなということでございます。

そうなってまいりますと、そんなの日本には1箇所しかない3分間信号。皆さんに一生懸命で進めていただいております。まだそんな所があるということでございますので。260号も開通されて、志摩から紀州への最短距離になると思います。そういうことで260号の整備を1日も早くしていただいて、そして漁業と観光を兼ね備えたまちづくりをやっていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

知事

南伊勢町の海岸線が240kmだとか、東西に80kmですか。非常に広いということを感じました。それから、おっしゃったように、南伊勢町なかなか大変集落機能も落ち込んできたというお話ですが、かつては非常に漁業で全国にも名をはせる、そういう状況だったと思います。今後のまちづくりについていろいろお話がございました。私ども県におきましては、集落機能が低下をしてきておるということに対して非常に問題意識を持っておりました。したがって、今年平成19年度からの重点事業として、集落機能の再生とか充実を図るということのために、住民の話し合い、地域資源の掘り起こし、こういったものを通じまして、地域のリーダー、集落のビジョンづくりを進める、そういう事業をやろうということで、「集落機能再生きっかけづくり」推進事業というのを実施しているところでございます。

そういう中で、ぜひそれぞれの地域におきまして、やはりリーダーづくり、あるいはビジョンづくり、こういったものをしっかりつなげていけるように、連携を図ってやってまいりたいと思っております。したがって、漁業と観光を連携させたまちづくりということでございますが、その魅力を発信するとか、都市との交流・共生の促進、あるいは農業農村整備、あるいはいろいろな施設の資源を生かして住民の皆さんに主体的に参画していただけるような、そういういろいろな展開を県としても支援できるようにしてまいりたいと思います。

それから、アクセスの面でも国道260号線のお話が出ましたが、これについても直轄代行で錦峠でやってきておりますし、国補事業で南島バイパス、木谷拡幅整備をやっています。今後もずっとやっていきたいと思っています。

それから、南伊勢町の河内から大台町の下楠に至る南島大宮大台線、これも町長さんおっしゃるのですが、なかなか財政が厳しい中でこれをどうしていくのかという課題があります。したがって、こういった所ではよくローカルルールということも言われておりますが、こういったことも適用しながら整備の検討もやってまいりたいと思っています。以上です。

南伊勢町長

今、知事さんからおっしゃっていただいたのですが、何と言っても、東宮とあれでもって随分と事務所にお世話をおかけしたのですが、1箇所崩落がありました。交通止めすると隣へ行くのも時間がかかる。もう1本道ですので。大宮回っていかないといけないという現状がありまして、東宮から河内へ行くのに2時間もかかったということです。ちょうど広域消防も志摩と旧南勢町は別です。その辺のあれも向こうへ回っていかないといけないという現状ももう1つあるんです。したがって、260号を一日も早く整備をしていただいて。木谷工区も中学校の合併があって通っているのですが、生徒がよその町を回ってこなければならないという。志摩に入らせてもらって、志摩からまた入ってこないといけないという現状でございます。260号を早期していただきたいなと。そして、また随所に崩落なんか起こったときには、今の大宮大台線、260号線、42号線のバイパスの位置づけでやっぱりほしいなということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。

伊勢建設事務所長

崩落のありました260号線、5月7日、連休明けのときだったと思います。それで、サバが非常に好調で、韓国に向けて輸出される輸送車とか、支所間を交流される役場の方をはじめとして多大にご迷惑をおかけしたと。幸いに1日でとりあえず仮復旧させていただきましたが、今後もっと大規模なものがあれば、全面的な通行止めというのが、また起こったら十分考えられますので、南島バイパスはじめ260号の整備促進は、所としても一生懸命頑張らせていただきたいと考えております。

南伊勢町長

よろしくお願いします。

大紀町長

知事さん、「美し国」に関係するようなことですが。私の方は合併してだいたい田畑で500haぐらいあるんです。ところが、減反等の政策で200町ぐらい休耕しているんですね。それは特に山田等含めておりますので、荒れ果てている。さっきの美しい国につないでいくようなことですけど。そこへもってきて獣害がすごいんです。この獣害対策にもいろんな制約があって簡単に「出てきたら駆除する」というわけにはいかないので、これを積極的に県もそういった面の手法をお考えいただかないと、山村は獣害で本当に一層農地やいろんな面に害が出てきております。特にシカは花の芽を食っていくので、来年はアジサイなんか咲かないのではないかというぐらいです。そういう公害もあるので、ひとつ認識を改めてしていただきたいと思います。

これは県に文句言うわけではないですが、500ha、200町も減反したということに問題があると思うんですね。これは過疎化を促進した大きな原因の1つだと思います。つまり農家いじめみたいなことをしたんです、減反政策して。それで、転作に3年間ぐらいの補助をやるよという単純な発想で行われたものですから、今もって荒れ果ててしまっているという状況、特にいろんな面に関わってきているという認識を改めてしていただきたい。

それから、過疎自立支援法が平成12年にできたのですが、これは平成22年当初にもう失効になります。ついては、これは格差是正に大きな役割を果たしておるわけでございますので、ぜひ知事というお立場で国に働きかけていただければありがたいと、かように思っておるところでございます。

それから、もう1点ですが、地上デジタル放送でございますが、私、原稿つくってまいりましたので、一応読ませていただきます。2011年7月24日までにアナログ放送が終了いたしまして、地上デジタル放送に完全移行となるわけですが、現在大紀町では行政6チャンネル、これは松阪ケーブルテレビでございますが、大紀町の行政情報や議会中継等を生放送していますが、今後、デジタル放送に対応するためには、放送設備のデジタル化が必要になってくるわけであります。大紀町ではケーブルテレビの加入所帯が96%、ほとんど全所帯が加入をいたしております。三重県では、ケーブルテレビの事業者が9社あるのですが、行政チャンネルのデジタル化が必要になると考えております。したがって、松阪ケーブルテレビでは、本年度にもデジタル化に向けた放送施設整備を行う予定と聞いておりますが、大紀町の行政チャンネルをデジタル放送に対応するためには、少なくとも1千万円という経費がかかると推定されておりますので、財源等の確保が必要となってきますので、その辺も県という立場で、あるいは国という立場でどんな対応をしていただけるか、その辺は先のことでございますが、お考えを伺いたい。

松阪ケーブルテレビも8チャンネルとは別に、多気町では行政チャンネルを6、専用のチャンネルを持っています。デジタル化によって8と6が1つになっていくという可能性もあるわけなんです。これはデジタルになると今までのようなわけにはいかない。分けるという形になると思います。その辺も視野に入れていただいて、従来どおりの生放送ができるような仕組みができないだろうかというふうに。8と6として1つにしてしまうと、これはそれぞれ8チャンネルも多くの松阪市も含めて持っておりますので、その辺は非常に情報伝達機能がぐんと減るということになりますので、そういった点についてひとつご見解を伺えればありがたいと思っております。以上です。

知事

今のご意見いただきました。現状いろいろな要因があろうかなと思います。そういう中にありますだけに、私どもとしては、やはり過疎化の進んでおる、あるいは集落機能の回復のために、できるだけ地元の皆さんの取組の支援になる、そういうものをやっていきたいと思っています。先ほども集落機能回復再生ということの取組を、この19年度から重点事業としてもやっておるということも申し上げたところでございます。獣害の問題、これもいろいろと展開しております。これはあとで説明をさせます。

それから、過疎法についてのお話でございました。これについては、おっしゃるように、今後の過疎法の扱いについて、私どもとしても国の動きを十分よく見ながら、今後それぞれの地域、地域にうまく効用が出るような国の制度の整備、こういうことをしっかり訴えていきたいと思います。今度総務大臣になった岩手県の元知事の増田さん。非常に岩手県なんかも過疎の多い所でありますし、地方としての現状をかなりよくご理解、現場はご理解いただける方だと思っておりますし、いろいろと今後そういった地方の今の大変な現状を直すために働きかけをやっていきたいと思います。そういう意味で、町村会でもそれを取り上げていただいたらどうかなと思います。

それから、デジタル放送についてお話がありました。デジタル放送につきましては、今大きく整備が進もうとしておるところです。平成23年7月に完全移行という予定になっておるわけであります。そこで、それについて三重県では、難視聴地域というのは、ケーブルが最も整備が進んでおるというようなことも、これは幸いだと思っております。ただ、さっきのチャンネルの問題でありますが、これについては、中京広域放送圏、東海三県ですが、ここでいろいろCATVとそれぞれの放送局、事業者、こういった人たちの協議の中で、1チャンネル割り当てるということで、12チャンネルのうちの12番目の12チャンネルをそれに当てるということになっておるようです。

そうしますと、CATVのコミュニティチャンネルと行政チャンネル、この2チャンネル確保ができるのかということがあるのですが、デジタル放送では、1つのチャンネルで3つの標準放送が可能だそうでありますから、例えば12チャンネルの1はコミュニティチャンネル、12チャンネルの2は行政チャンネルというような、細分化した放送が可能だそうであります。そういうことになっていますので、ぜひ行政チャンネルを保有している14市町については、CATV事業者といろいろ話し合いをしていただきまして解決していただきたい。県としても、これは多分大紀町だけの話ではないと思いますので、そういう意味では我々としての対応も検討していきたいと思っておるところです。

それから、デジタル化に伴って大紀町でも1千万ほど工事等でお金がかかるというお話でありますが、放送設備等の更新については、当然これは放送事業者やCATVの事業者が自助努力で整備をするということになっておるわけでございます。しかし、一斉にデジタル化するということで、全国的にもそれぞれの所で多分こういった問題も出ておるかもしれませんね。私どもは、県内のそういったことがどういうふうに市町に影響しておるのか、あるいは全国的にどうなのか。こういったことがあろうかと思います。今、デジタル化に伴って、デジタルチューナーを取り付けてアナログのテレビでも見えるようにするといって、それを非常に安く買えるように、国の方で低価格のやつを開発させるんだということを言っていますね。したがって、デジタル化に伴うこういったコストの問題、これはいろいろと国としても対応を考えていますから、そういう中でこの問題も考えられないのかどうか。こういうこともあろうかと思います。そういうこともありますので、ぜひ町村会でそこら辺もよく議論していただいて、1町だけの話じゃなくて、これは制度として国に対応ができることなのかどうなのか挙げていただいたらどうかと思いますし、私どももそれと連携させていただいたらありがたいなと思います。以上です。獣害についてちょっと。

農水商工部長

農水商工部長の中尾でございます。よろしくお願いします。少し獣害対策についてご説明したいと思います。県内で農林水産の被害額というのを、17年度のデータをお持ちしているわけですが、4億7千万円ということで、非常に大きな被害があるというふうになっております。そのこともありまして、第二次戦略計画の中で、鳥獣害対策というのをしっかり位置づけろと、こういったご意見もたくさんいただいております。その中で頑張ってやっていきますよというふうな形で位置づけはさせてもらっております。

従来から獣害対策につきましては、ご承知の電気柵等々設置を実は中心にさせていただいております。あるいは、環境系の駆除ということも併せながら対策に努めてきたわけでございます。我々の所としましては、県の補助事業等々つくりまして、あるいは国の補助金を活用させていただきまして、柵をつくっておる。この5年間で数字間違いないかと思っておりますが、総延長188kmということで、田んぼなり畑を囲っていただいている。しかし、ご承知のとおり、柵で囲ってもなかなかイノシシが倒して入ってくるとか、あるいはシカが飛び超えて入ってきた。サルに至っては、どこかわからないけどすぐに入ってくる。そんなこともございまして、十分な効果というのはないということも承知しておりまして、そのためにいろんな研究等々もしてまいりました。

十分な効果を得るためにはということなんですが、やはり集落全体でサルはどんな動きをするのか、あるいはイノシシはどうか。こんなことを一緒になって勉強していきながら、やはり追い払い、あるいは集落の中に餌を置いておかない。よく言うんですけど、「ちょっとイノシシに残しておいてやろか」「サルが食べてくから置いておこうか」と言うと、彼らはそこが俺たちの餌場だと見るようであります。したがいまして、今地域リーダー育成ということで17年度からやらせてもらっています。あるいは展示ほ場をつくりながら、中央改良普及センターへ獣害対策支援チームというのを設置させていただきました。その中で獣害をよく勉強せいと張り付いておりまして、地域に合った対策を指導できる地域のリーダーをつくっていこう。だから、獣類、サルやイノシイやシカが俺たちの棲家だと思い込まないように、追い払い。要するに、人間が匂いを付けていく。そういったことも併せながら、当然柵の設置というのは必要な所は進めながらということでやらせていただいておるということでございます。いずれにしましても、中山間地域中心に非常に鳥獣害対策、どこへ行きましてもお話をお聞きしますので、頑張って取組をしていきたいと思っています。以上です。

大紀町長

獣害対策は結構私の所も取り組んでおるんです。だいたい電柵を20kmぐらいやっておるんですね。しかし、それはほんの一部です。300kmぐらいあるんですから、ほとんど対応できません。したがって、全国町村会から自衛隊を入れるという話が出ている。自衛隊を入れて獣害駆除をやってもらえという話もあるので、これはなかなか具体化してくるかどうかわかりませんが、そういう方法も考えていかなければいけないことにもなろうかと思います。結構国の方においても自衛隊の議論は出ていますので、県もひとつ粘っていただいてやらないと、なかなか解決できませんので、そのこともひとつ視野に入れていただくとありがたいと思っています。

農水商工部長

今申されましたことは、実は新聞記事でしかまだわからないのですが、どんなふうになるかということはうちも一生懸命になってリサーチしております。どうも被害を受けてしまう現場に最も近い市町の方に対策の主導権を持たせていく。こんなことになるようでございまして、中には自衛隊に柵張りを一緒にやっていただくとか、そんなことも含まれるかどうかわかりませんが、どうもそんな状況でございます。

度会町長

私たちの度会町では、少子高齢化を迎えまして、課題の1つでございます高齢者による介護支援の仕組みづくりということを、知事さんの方へ私どもからまたお願いをしましてご議論いただければ、あるいはご意見をいただければということで、ちょっと私の方も文章を読ませていただきます。

度会町の高齢化率が25%を超えまして、高齢者福祉の充実が非常に問題となっております。町内には元気なお年寄りも非常に多ございまして、今後、団塊の世代の参入によります、ますます元気な意欲のある高齢者も増加しております。そこで、この元気な高齢者が生きがいを求められるような社会的・経済的活動の場の提供というのは非常に重要なことで、地域の連帯感の醸成や活性化につながるものであり、特に高齢者福祉の分野におきまして、その活動が期待されていることから、「高齢者による介護支援の仕組みづくり」という構築が望まれています。

そこで、お年寄りがそれぞれの地域で生き生きと生活するためには、元気な高齢者の経験と知恵をお借りして、それらを活用していく仕組みづくりが必要となってまいります。一方では、少子化による複式学級の増加などによりまして、平成20年4月には、私どもの小学校では既存の4小学校を統合することとして準備を進めておりまして、また、保育所も同様に4所から3所に統合するということとしております。これによりまして、小学校3校と保育所1所が廃止されるということから、廃止施設の廃校利用、廃所利用という有効活用が今課題となっておりますので、私どもの町としましては、近々検討委員会を立ち上げながら、住民の皆さんのご意見も聞きながら、利用計画を検討するとしておりますが、その1つとして、非常に元気な高齢者がスタッフとなって、高齢者の介護面などにおいて支援をして、託老所(ショートステイ)というような格好として運営するための仕組みづくりを構築していきたいなということを考えております。また、幼児・児童の託児所としての利用、あるいはお年寄りとのふれあいの場としても検討していきたい。そして、一次的利用あるいは恒久的な利用につなぐようなことをやりたいと思います。これらの事業を行うにつきまして、法的な問題や財政的な支援策などを、全面的に県の方で協力をお願いしたいなと思っています。

結果的には、在宅介護をベースとした、非常に延長でございまして、やはり老人と老人の相互扶助ということを考えておりまして、その中で共同生活をしながら、老人がこれからどんどん増えてまいりますので、その中で同じ時代を生き抜いてきた同じ世代の方々が一緒になって共同生活をしていくようなショートステイのような方向で、非常に元気で明るい老人をどんどんと多くの方々が共同生活を行いながら、町として事業に取り組んでいきたいと思っております。

元気な体づくりという意味では、介護予防といいますか、そういったことにつながりますので、いわゆる要支援を受けている老人以外の方々で、今後医者のあれもいらないような元気なお年寄りをつくっていきたい。もともと私も10年ぐらいするとその仲間入りに十分入りつつあるのですが、そういったことを町でできていけばなという考えを持っております。前には介護予防的な1つのご支援をいただいていたということもお伺いしておりますが、そういったことの具体化に向けて頑張りたいと思いますので、ひとつ県の前向きな姿勢とご協力をいただいたいと思いまして、知事のご意見をお伺いしたいと思います。各論で結構でございます。

健康福祉部長

健康福祉部長の向井でございます。今、町長さんからお話があったことにつきまして、やはり2015年の高齢者介護ということが言われておりますが、団塊の世代がそういった高齢者に入っていくと。そういう中で、高齢者を支えるようなケアを築いていこうということが言われております。そういった中で、やはり元気な高齢者が高齢者を支えていく、そういった仕組みづくりも重要だと考えております。さまざまな手法がありまして、今、他の都道府県で見ておりますと、例えば富山県なんかで、高齢者のデイの部分と保育所と組み合わせたり、また障害者のデイサービスの所と組み合わせたりという、さまざまな組み合わせで、実際に住民が支え合うような仕組みづくりを実践している所もございます。そういう所も例えば見ていただきながら、「なるほどこういう方法もあるのか」ということを見ていただけたらいいのかなと思いますし、また、法的な問題も一部にはございまして、例えば介護制度の中でやるとなると、そこに一定の基準というものがございますので、そういうのを遵守しながら進めていくというのは必要でございますし、また、ボランティア的な参加によって進めていくという方法もございます。また、言われましたように、廃校となった学校であるとか、そういった施設を有効利用していくという観点も必要となってまいります。さまざまな組み合わせの仕方もありますし、そういうことで実際に参画される方のどういうふうにやっていくかということもございます。いろんな組み合わせの中で実施できる制度を最大限使って進めていくことが可能と思っておりますので、具体的な話、実際に進めていくにあたっては、ご相談いただけると非常にありがたいと思いますし、実際さまざまな制度がございます。

度会町長

ありがとうございます。これがまた具体的になりましたら、ひとつご相談を申し上げますので、よろしくお願いします。

玉城町長

まず、県と市町の関係をより強く近いものにしていかなければいけない、こういうお考え。そして、先般も県と市町の支援会議でも、時事を得た福井先生のお話も伺ってありがたかったと思っていますし、また今後もよろしくお願い申し上げたいと思っています。

それで、玉城町といたしましては、やはり文化力を生かした地域振興というふうなことにもう少し力を入れたいなという認識を持っておりまして、既にいろいろな取組をしております。知事も十分ご承知いただいておりますように、伊勢路の起点は玉城町の田丸という町でございます。江戸の初めごろにブームになりまして、伊勢路詣をした方はふるさとに帰らずに西国33番を巡る途中に熊野詣をなされたということでありまして、非常に大変な多い日ではだいたい4,000人ぐらいの方で賑わったと、こんな記録もあるということでございます。

そんなことでありますので、私どもも昨年ちょうど田丸のお城が伊勢の国司でありました北畠親房さんによって築かれてから670年という節目の年でもありましたし、また、伊勢の「通」という町がございますが、そこに伊勢の国司でありました北畠、今も言いました勝田流通り能ですね、それがずっと伝承されてきて、織田信雄によってひょっとして滅ぼされるのではないかなという心配があって、430年もの昔にこの「通」へ移ったということであります。森下市長さんにもお越しを願って、430年ぶりのふるさと里帰り公演というのを開催したりということで、いろんな取組をさせていただいております。

そして、ありがたいのは、尾鷲の熊野古道センターはじめいろんな拠点施設の整備を進めていただいておりますし、また、その中で伊勢路のPRもしていただいているということであります。したがって、これからもそうした冒頭申し上げておりますような文化力を生かした地域振興、これをもう少し力入れたいなという取組をしているものですから、そういった面で側面的な支援も賜りたいなと思っております。

それで、ちょっと申し出はしてなかったのですが、知事の挨拶の中にもございましたように、遷宮に向けていろんなアクセス、集客・交流の施設も必要だということでありますから、玉城の岩出地内から伊勢の佐八に抜けます所の、先般も申し上げる機会があったのですが、橋の整備ということもひとつご支援を願って取り組むことがあると。岩出から佐八という所へ抜ける宮川の架橋ですね。それを新設するということ。やはりこれによりますと、当然外宮へ回って、そしてさらに内宮へというルートにもなるわけでありますし、あるいはまた災害の面でもこれは必要な橋というふうに思っております。ちょうど玉城町は、毎日昼間人口4,000人ぐらいの方が伊勢周辺から働きにお越しになるんです。それが非常に朝夕のラッシュ時大変混雑しておりますから、その新しい橋を架けることによって、大変緩和されるというふうに考えらえられるという要望もしておりますので、ぜひともこれを進めていただきたい。

さらに、もう1つは、農地水環境保全の取組ということで力を入れていただいておるのですが、これもこれからの「美し国」、この地域のよさ、あるいは景観というもの。それはそれぞれの農家だけで守ってきた農地、これのいろいろな多機能面での役割がある。そして、地域全体で農村景観や自然景観を守っていかなければいけない。これは誰もがご理解いただくことでありますし、いろいろな熱心な取組も徐々に進みつつあります。したがって、これをさらに広げていくということに、今後も県としてのバックアップしていただけるとありがたいと思っております。以上でございます。

知事

私の方からは、文化力を生かしたまちづくりのことについて、県の支援の仕方ですが、ちょうど今年も9月1日から熊野詣のふれあいウォークというのがあるんですね。私も休みがどういうふうに取れるかわからないですが、そんなときに歩いてみようかと思っていますが、そういう伊勢と熊野を結ぶ参詣道としての伊勢路をもっと歩けるように。去年もイベントを確かやったのですが、それをさらに発展させるような形で今年もやっていますので、そういった取組も含めて、あとで東紀州対策局の方が担当しますので、少し説明をさせていただきたいと思います。それから、橋の話も出ましたし、農地水環境保全向上対策、これについても担当の方からお答えさせていただいます。

東紀州対策局総括室長

東紀州対策局の中川でございます。先ほど話にありました熊野古道(伊勢路)を歩いていただくというイベントでございますが、ご存知のとおり熊野古道が世界遺産に登録されまして3年になります。当初は登録された峠の部分だけをバスか何かで団体でやって来て、その部分だけちょこっと歩いて、また日帰りで帰っていくというお客さんが多かったのですが、最近は熊野古道そのものを楽しんでいただく、歩きながら昔の古の旅人の感覚を味わっていただくという、そういった本来の目的の道としての意味を探ろうというような形の訪問客が増えてきました。

それで、本年度、先ほど知事からもお話ありましたように、9月1日から3カ月間、伊勢から新宮までの熊野古道を通して歩いていただこうというイベントを考えておりまして、そのイベントにつきましては、沿線の市町の方々にも随分協力というか、一緒になってやってもらっております。訪れてきた方のサポートとかもてなしとか、そういったものもやってもらっております。これから3カ月間さまざまな多くの方来ると思いますけども、沿道でのそういったサポートをよろしくお願いしたいと思います。

それから、遺跡をもっともっとわかりやすく歩いていただくために、今サイン整備の計画をつくっております。これは伊勢路をずっと通して道標のようなものなんですけど、伊勢から熊野まで統一したサインをつくっていこうということで、今計画をつくっております。その際には市町さんにも、このサインに合うような形の市町独自のサイン計画もつくっていただくようにお願いしたいと思います。これらをまた市町と一緒に考えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

農水商工部長

農地水環境保全向上対策の件でございますが、農業者だけではなく、地域の資源ということで、地域住民も含めて多様な主体によってきれいに完備していこうということです。実は県内で12,000haの対象面積ということで予定をしております。現在、1万少し出たところでございます。トータルとして県内12,000haをこれからそういうことでやっていこう。特に小中学校も含めたいろんなものを含めながら、多様な主体でやっていくような格好にしていきたいということでございますので、よろしくお願いを申し上げます。

伊勢建設事務所長

伊勢建設事務所長の花谷と申します。先ほどの宮川を渡る橋の件ですが、度会橋と通称サニーロードの伊勢橋の間に橋が欲しいというのは、前々からお聞きはしておりますが、残念ながら今このまん中を渡る県道というのはございませんので、現時点においては県が主体的に取り組むという状況にはないと判断しております。ただ、全体が伊勢の都市計画域ということを考えますと、地域の連携の中で、伊勢市、玉城町さんあたりで十分議論していただいて、熟度を上げていっていただくと。その中で、ネットワークのあり方等については、県もそういった議論に参加させていただきまして、実現に向けて支援していきたいと考えておりますので、ぜひとも地元の方できちんとした議論の積み上げをまずはお願い申し上げたいと考えております。

志摩市長

まずもって、今日このような機会をもっていただき、どうもありがとうございます。私の方からは、志摩市において警察署の設置でお願いしたいということで、若干お話をさせていただきたいと思っております。

現在、志摩市合併して、人口約6万人ということですが、かねてから合併前から警察署をぜひ志摩に欲しいということがございまして、市民の皆さんは期待をしているところでございます。現在においても県警並びに鳥羽警察の皆さん方には、事件、事故への対応、また治安の維持、また近年では防災面への対応ということで、本当にご尽力いただいており、地域としても感謝をしているところでございます。先だっても防災訓練を行ったのですが、そのときも県警なり鳥羽警察の皆さんにも非常にご協力いただいたということで、併せて市民も8,900人ぐらいが参加をしたということで、市民の皆さんも安心安全なまちづくりに対しての関心も持っていただいたところでございます。

そういった中で、人口的な部分に加えて、また志摩は観光地でもあるということで、年間420万人ぐらいの観光入込客があるということでございます。加えて、地震の東海・東南海、又南海地震への対応ということも含めて、ぜひ警察力というものをまちづくりの政策的な拠点、安心安全なまちづくりの要としてもぜひお願いしていきたいというのが、地域の願いでもあるということでございます。

先般、県の6月議会において、鳥羽署の新設移転について議論がなされたということでございます。鳥羽市長さんもいらっしゃいますが、そのことについては、私どもも鳥羽署の現状について地盤沈下であるとか、そういった問題が生じておるということで非常に憂慮しておるということで、1日も早い新設移転がなされるということを期待しているところでございます。

そういう中で、県下の警察署の数が18署ということで決定されているということを聞いておりますが、引き続き志摩市としては、19番目の署が必要だということで、必要性を訴えていきたいと思っておりますし、今、幹部交番が志摩市の大王にあるということも含めて、ぜひとも治安の維持、あるいは安心安全なまちづくりの要として、ぜひご理解をよろしくお願い申し上げたいということでございます。以上でございます。

知事

警察署の問題については、今お話ありましたように、ついこの間の6月議会でもいろいろと皆さんの方からも強いご要請も出ておりまして、議論もされたところでございまして、十分地元のご要望ということについては承知をしておるところです。

ただ、警察本部の方では、警察署のあり方についていろいろとこれまで検討してきた中で、一応警察署については、現行の18警察署体制、これを引き続きやっていくんだということを、当面方針として決めてきているところでございます。志摩市への警察署の設置ということになりますと、もちろん今市長さんおっしゃいましたように観光客も多い、あるいは治安行政がどうかということ。こういったこともあろうかと思いますが、しかし、現時点で今の志摩市がそういう意味では、旧合併前の5町のときからその状況が急変しておるとかという状況ではまだないのではないかなと思います。したがって、新しい市としての期待感、あるいはご要請ということについては理解をしながらも、やはり今後の状況というものについてしっかり見守りながら、今後、将来に渡っての課題ということで、今日はお聞きをしておく段階かなと思います。

なお、9月3日に実は先般県議会等でもご議論ございましたので、警察本部におきましては、地元の説明会をやるということであります。これは志摩の市議会や自治連合会からもご要請があったということで、地元説明会を実施する予定だということでございます。いろんな観点でひとつ十分に意見交換をしていただきながら、そういう状況の中で将来の問題として、その実現性というものを追求していただいたらどうかと思います。

鳥羽市長

それでは、地域課題ということで発言をさせていただきます。鳥羽市は観光ということを最大の基幹産業ということで、熱心に取り組んでいるところですが、今回の「美し国三重」イベントにつきましても、そういう意味では非常にありがたいお話だと考えております。

そういう中で、現在の鳥羽市の観光の状況ですが、愛知県の万博のときに、少しお客さんが減りまして、期待が外れたわけですが、その後少しずつ回復をしてきているということで、本年も7月は台風4号の影響でだいぶ悪かったのですが、あと4月、5月、6月、8月、こういったところは観光入込客数がだいぶ増えてきているという状況でございます。お盆の賑わう時期も臨時駐車場を設置して、そこからシャトルボートで運ばせていただいているのですが、それも昨年に比べて二十数%お客さんが増えたということで、喜んでいるところでございます。

そういう中で、ソフト事業もたくさん行っております。市、商工会議所、観光協会も年間100以上のイベントをやるとか、いろいろなことをやらせていただいているわけですが、そういう中で、ソフトだけではなくてハードの面でも、鳥羽マリンタウン21事業、これも十何年来やらせていただいておりますし、まちづくり交付金を活用したまちづくりも進めさせていただいているところでございます。

そのような中で、本市の特徴としまして4つの有人離島があるわけですが、知事さんも昨年の5月に答志島、菅島に来ていただきました。また、今年の11月には坂手島と神島を視察いただくということで、大変ありがたいことですが、こういった離島の貴重な観光資源を生かした取組ということで、最近エコツーリズムのニーズが大変高まってきております。そういう中で、地域資源の発掘、体験プログラムの開発に力を置くということも行っておりまして、地域再生マネージャーを民間から採用しながら、集客交流事業を展開していくということで、学生団体をはじめとする首都圏からの修学旅行団体の誘致等でも実績を上げてきております。また、「島の旅社」というふうな組織もできまして、離島への観光について努力をしていただいているというようなことでございます。

それから、この離島の皆さんは、本当に健康を害されたときに、命に関わるということで、離島架橋を非常に強く要望しているわけですが、三重県離島振興計画にもそのことが位置づけられております。そういった中で、この離島住民の皆さんの架橋への期待が非常に高いということから、来月には架橋建設促進協議会が答志島の3町で設立に向けて進められているという状況でございます。

こういった動きの中で、平素は県におかれましては大変ご尽力をいただいているわけですが、700万人入込客が増えているとはいえ、500万人になっているという状況も考えて、伊勢志摩の観光再生の考え方、それから離島観光の考え方、そして離島架橋。こういった点について、知事さんのお考えを伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

知事

具体的にはいろいろ展開しようとしてまいりました。知事になりましてから、観光についての体制整備まで、ちょうど展開されておった年からでありましたが、観光局までできてきておるところです。後ほど観光局長の方からも申し上げたいと思いますが、私どもとしては今がやはり式年遷宮等もございますし、本当にチャンスのときだと思っておるところでございます。三重県では観光振興プランを16年につくりまして、それをもとに今戦略的な展開をやろうとしておるところです。お聞きしましたところでは、鳥羽市においても観光基本計画、これはできたのですか。

鳥羽市長

まだ審議中です。

知事

そうですか。そういったものを予定されておるということで、大変それも有意義なことではないかと。ぜひ県の計画等と連携させてやっていただいたらと思います。詳しくはあとで局長の方から申し上げたいと思います。

それから、離島のお話も伺いました。これも観光全体のことにも重なっていくところでございますが、今、先ほどの議論の中でも食文化に非常に注目して考えていくという部分が大事だというご指摘もございましたが、私どもとしても、観光プロデューサーのもとで商品づくりであるとか、それからキャンペーン。これは実は志摩市長さんが会長でこの間もやっていただいておりましたけど、このようなことを展開していく。

それから、修学旅行の誘致。これをぜひしっかりやっていきたいということで、これについては、今年19年度2校公立中学校でやっていただいた。実は今年東京の公立中学校、これへの勧誘をぜひ展開したいということで、誘致活動をやることにしています。8月末までに150校を訪問する予定で展開していくということです。ただ、観光局長にも申し上げたのですが、ぜひこの19年度で公立中学校2校ございますね。これが来たことが波及できるように。要するに、子どもたちが「よかった。また来たい」。あるいは、「大きくなってからでも伊勢へ、また鳥羽へ来たいわ」と思えるような印象があったのかどうか。ちょっとこれは検証をきちっとした方がいいんじゃないかと思います。したがって、そういう検証の仕方についても観光局と、ぜひ伊勢志摩学生団体誘致委員会というのがありますね。それから、市の関係の皆さんと連携して検証しながら、その結果を今後にしっかり生かしてもらうということが大事ではないかなと思っておるところです。

それから、離島架橋の問題が出ました。私ども伊勢湾口道路であるとか、東海南海連絡道、こういった課題も前からずっとございました。私どもは今、国土形成計画、これがつくられようとしておる。特に、広域地方計画の中へこういったものをどう位置づけしてもらうのかと、この辺のことが大事でございますので、こういう点で国に対しての働きかけを継続していきたいと思いますが、離島架橋ということについては、ご指摘ありましたように、平成15年につくりました三重県の離島振興計画の中で、その必要性と模索案について検討していくということが謳われております。私も先般答志島にお伺いしまして、強い地元の皆さんの熱い思いを聞かせていただきました。今、この離島架橋については、さっき申し上げた伊勢湾口道路と密接に関係することでありますので、したがって広域地方計画の中にどういうふうに表現してもらうのか、取り上げてもらうのか。そういうことについて検討をしておるところでございます。そういう中で、地元でも熱を上げていただいているということですので、県としてもできるだけの努力をしていきたいと思っております。

観光局長

ご案内ございましたように、県下最大の観光宿泊収容能力であると。非常に感動していますのは、今100ぐらいのイベントとおっしゃいました。多分三重県一ではないかなという、その仕掛けの仕方というふうに思っています。しかしながら、鳥羽の観光政策を今からどうしていくんだという話は、1つの市だけの話ではなくて、大きくこれぐらいの宿泊能力を持っているわけですから、1つの市だけで語る話ではないのではなかろうかと思っています。伊勢志摩地域全体はもとより、いわゆる三重県全体の中における鳥羽というふうな位置づけではないのかなというふうに思っています。

したがいまして、三重県の観光そのものの今後のあり方と大きく関わってくるのかなと。三重県の観光と言いますと、入込客数全体の中の50%程度が三重県の方であると。これがすごく重たいと思うんです。100%のパーセンテージの中の80%が車でいらっしゃっていると。マイカーでいらっしゃっている。これは翻しますと、鉄道系が弱い。鉄道系15%。鉄道系で15%来ていただいた後の二次交通が弱いという証でもあるんだろうと思います。

もう1つが、満足度調査というのを私ども担当でやっております。リピーターの発生を今後どうしていくかという話ですが、そういった中で捉えていく必要があるのではないかなと思っているものですから、今後、観光振興プランをつくっていただくにあたりまして、そんな観点で進めていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

知事

今度2009年に新体操の選手権をやるんですね。実はこの間、その宿泊問題で鳥羽でと思ったらベットがないんですね。それで、前と同じスペイン村をということになると、実は向こうからだいぶ苦情が前回来ていたんです。やっぱりちょっと試合をやるのに、移動距離が長すぎるんですね。それで、今鳥羽のホテルの収容、全体で何万ですか。

観光局長

2万です。

知事

2万ね。ところが、現実に今2,000ぐらいここ5年ぐらいの間に減じてきたという話です。一方で、そういういろいろなニーズに応えられないと、例えば国際会議をもっと三重県に誘致するようにしたらどうかと。そうすると、やっぱり鳥羽とか志摩とか、こういう所へぜひ誘致をしていきたいと思っても、対応するのに宿泊施設が対応できないということもあるんですね。今度、世界新体操については、フランスベットと連携して、和室の中にベットを置くということで、かえって魅力を増した1つの対応策というのがアイデアとして出てきまして、それでだいたい向こうとの話が詰まってきたんです。こういったいろいろな状況があるので、市としてもぜひ工夫をさらに進めてほしいなと思います。

伊勢市長

知事もご挨拶の中で触れていただきましたが、去年、今年とやらせていただきましたお木曳き行事でございまして、大変今日お集まりの皆さんにもお力添えいただきまして、盛大に開催することができました。一日神領民として77,000人の方がご参加いただきましたし、観光客の数としては56万人という形のカウントをさせていただいています。そういった皆さん方がほとんど鳥羽市内にお泊まりになったということも事実でございまして、今お話がありましたように、伊勢へ来られた方が、伊勢で留まらないということだと思っているんです。ですから、今観光局長もお触れになりましたけど、伊勢志摩一体になっての取組が求められているということに間違いないと思っていまして、特に私は受け入れ体制の問題だと思っているんです。

誘客については、個々にいろんな形を取っていただいていまして、いくつか例も挙げていただきましたし、私ども広域で取り組んでおります伊勢志摩観光コンベンション機構、こちらの方でも修学旅行の誘客を含めていろいろ動かしていただいています。そして、今日ご紹介のありました「美し国三重」くにづくりですね。この事業の中でも私どもが期待したのは大きな誘客といいますか、人に来ていただく体制を中心にいろいろやっていただいているところに対しては大変ありがたいと思っております。

課題は、そういった皆さんをきちんと受け入れる体制があるのかどうかということなんです。今、少し知事の方からも触れておりましたが、ベットの中身の問題とか、サインの問題でありますとか、あるいはもう少し言えばインフラの問題でありますとか、玉城町長さんもおっしゃっていただきましたけど、そんなことを総合的にしっかりと地域づくりということの中で観光施策をしっかりと。私どもはそれを位置づけせざるを得ないといいますか、それしか生きる道はないと実は思っているわけです。県政の中で考えたときに、北の方は自立していけるということで、我々南に期待されているのは、そうやって自ら食べていく道をどこに求めるんだということで、観光施策に求めざるを得ないといいますか、それが一番地域の持っているものを有効に生かすということならば、その道が一番いいことなんだろうという判断をせてもらっていまして、ぜひそれに取り組んでいきたい。そのチャンスをご遷宮の今、こうやっていただいたということでありますので、本当にまさに千載一遇の機をいただいているわけでありまして、このときにどういった体制づくりができるかということが勝負だと思っています。

これが2014年にイベントが終わった後、どういう形でこの地域が本当に世界の冠たる旅行地として観光地になり得るかどうかということがかかってくると、私は思っています。ですから、この6年の間に世界的に名の通ったVISIT JAPAN(ビジット・ジャパン)の入口として、伊勢志摩がきちんと日本の中で入口になりますというぐらいの位置づけができるかどうかが勝負だと思っていまして、そのための体制づくりということで、地域挙げて連携して取り組んでいきたいと思っています。今まで少しご紹介もありましたけど、コンベンションということの中で、少なくとも積み上げてきていただいた能力、パワー、そんな力をずっと培ってきたわけです。

あと、ここに私がこうやって入らせていただいて日は浅いのですが感じておりますことは、三重県行政との一体施策といいますか、そうやって県政の中で棲み分けといいますか、我々はこれから生きていく道をそうやって決める。そのときに県政の中で、その方向は間違っていないか。観光中心で我々がこれから生きる糧を求めていく体制をつくるということで、その道を歩むわけでありますから、それならば地域中心で今つくっていますコンベンション推進機構でありますが、もっともっと県の皆さんにもお入りいただいて、一緒になって汗をかきながら。これ地域づくりです。私、イベントでも観光施策でもないと思っています。地域づくりのために一体的にやるんだという、こういう取組をぜひお願いしたいと思っています。これが今から6年かけてやることなんだろうと思っています。

ですから、これからは片方では誘客、イベントという話がありますが、そういうことでやっていただく。これで間違いなく誘客は上ってくるだろうと思います。そうしたときに、うちがそれに耐えられるだけの、伊勢志摩地域がその体制ができるかどうかということが問われていると思いますので、1年、2年でできることではないと思いますので、今から6~7年かけてこの地域が本当に私ども世界に冠たる観光地になろうということを実は思っています。でないとこれからは我々生きていけないです。先ほど言いましたように、県内の人たちをほとんど誘客受け入れていては食べていけないですよ。ですから、世界から人をどうやって呼ぶんだという観点に立ったときに、伊勢志摩地域がどんな形の地域になったらいいんだということを、本当にともに研究しつくり上げていけるような、そんな体制をぜひ応援していただきたいなと。応援というよりも、一緒になって県土づくりだと私は思っていますから、まさに「美し国」づくり、世界に通用する「美し国」づくりになれるような、そういう体制づくりを今ぜひやらなければならないと実は思っていますから、今あります伊勢志摩観光コンベンション機構を中心にしながら、これを発展させていくのが一番いいんじゃないかと思っています。県の皆さんとの連携といいますか、協働事業がしっかりとできる体制をお願いしたいなと思っているところです。以上です。

知事

ここのところを少しキャンペーンもいろんな形でやっておる。これまでの取組もかなり効果があって、いささか伊勢へ来る伸びが過熱気味ではないのかな。そういう意味では、大いにたくさん来てもらうのは結構なんですが、受け入れ体制の問題があるというのは、深刻な話だし、市長さんのご認識、そのとおりだと思いますし、県もそういう認識に立たないといけないと思っております。

ところが、さてそうは言いながら、非常に例えばアクセスの問題だとかいう話になってきますと、これは公共では我々がどうするかということの対応しかないわけでありますね。そうすると、国が金もってくれるのか、県ができるのか、市ができるのかということになりますと、今の財政状況を見ますと、やっぱり背伸びしすぎた考えを持っても無理なんですね。それから、ハード・ソフトのいろいろな組み合わせで考えていくというのも大事であります。市長からはいろいろなご指摘もありましたので、県としては、先般ご遷宮に向けたことについて、県の方で総合的に、これは県土整備だけではなくて、観光だけではなくて、総合的にいろんなノウハウを入れながら、警察本部にも入ってもらいながら、総合的な対応がどういうふうにできるかということを検討するということを、副知事に指示をしたところであります。そして、地元にありますコンベンション機構等とも具体的に連携し、具体的にどう展開をしていくのか、今後話を詰めていけると思います。

せっかく来ていただくのに越したことはないのですが、しかし、ある意味では大都市では流入制限をしたりとかいうこともありますから、混乱を避けるためにはどういうふうに対応するのか。あるいは、地域が集中するのをもうちょっと分散させるのにどうできるかとか、いろいろあろうかと思います。今の段階は、そういう地元のご要請というよりも、一緒にどういう解決策があるのか、ともに考えていく方向でやりたいなと思います。

知事

もう私の方からは簡単に申し上げます。まずは、皆さんにいろいろな思いを聞かせていただきました。それぞれの課題、非常に重い課題が多かったように思います。しかし、ぜひそういう中で、県と市町の連携をより生かせる有効な展開ができればと思います。そしてともに県土づくりあるいは地域づくりに大いに関連する中で、思いを共有しながら取り組みたいと思いますので、今日は御礼を込めて、今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。

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