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県と市町の地域づくり連携・協働協議会

「膝づめミーティング」(伊勢志摩地域)の概要

1.開催日時

平成20年8月5日(火)
14:30~17:50

2.開催場所

伊勢かぐらばリゾート・千の杜

3.出席者

伊勢市長、鳥羽市長、志摩市長、玉城町長、度会町長、大紀町長、南伊勢町長、知事ほか

伊勢志摩地域の「膝づめミーティング」
伊勢志摩地域の「膝づめミーティング」

4.知事挨拶

それでは、一言ご挨拶申し上げます。座って失礼します。膝づめミーティング、今年も実施をいたしておりますが、今日は地域としては最後の地域になりました。15年度から実施をしておりますが、これで6回目ということになるところでございます。まず、ご出席いただいたことを厚く御礼申し上げますし、日頃県政に大変ご理解とご協力いただいておりまして、ありがとうございます。

今日はいろいろテーマも設けて、直接意見交換をさせていただこうということでございますが、私にとりましては、市町は県政の最大のパートナーであるといつも認識をしております。なかなか財政等も厳しい中で、お互いなかなか思うとおりにということが難しい環境にありますが、しかし、こういう意見交換をすることによって、お互いまず共通認識を構築するということ。そして、プライオリティをいろいろ付けていかなければなりませんが、今後、皆さん方とぜひこの「美(うま)し国三重づくり」について、しっかり連携して取り組みたいと思っております。

全体を取り巻く環境としては、非常にいろいろ厳しいところがございまして、先般、知事会が横浜で行われました。来年は三重県で開催するということに決定いたしておるところでありますが、今後1年考えてみましても、今度新たな組閣をいたしました福田内閣が、どのように今後機能していくのか。中央の政治の混乱を考えますと、しかもいろいろな課題がありますので、なかなか目を離せない状況ではないかと思います。特に、第二期分権改革の方も一次答申が出ました。その中で、皆さん方には、特に基礎自治体重視という姿勢がしっかり打ち出されておるところでありまして、我々県も今後そういう中で、しっかり県としての役割も果たしていかなければいけないと思っておりますが、二次答申や三次答申が今後どのように出てくるのか。

それから、道州制の議論が多分、来年の春に向けて相当詰められていくのではないかと思っております。私は、道州制については、地方分権改革をまずはやった後の次の課題であろうと、こういうふうに思っておりまして、これを急いでやるということになりますならば、三重県としてはなかなかついていけないし、これは三重県としてまたいろいろ考えていかなければいけないことだと思っております。

それから、分権改革でも一番の焦点、財政状況のことでありますが、今、騙しの三位一体等ありましたから、県も大変でありますし、市町もなかなか大変だと思います。

そして、最近は地方公共団体の財政状況について、健全化に関する法律というのができまして、それで健全化の判断比率というのが出されるようになってきました。それによりますと、まだこの数字が扱われるのはもう少し先になろうかと思いますが、全国の状況もまだきちんとわかりませんが、三重県の健全化判断比率の指数については、見た目は極めていいという状況です。これは他県と比較して。あるいは、国がいわゆる早期健全化をしなければならないひとつのボーダーであるという数字からいきますと、県はかなりいいということになります。

ところが、実は中身をもっと詰めていきますと、三重県の場合には、財政調整基金がほとんど今底をつきかけてきているという状況です。この点では、他県と比べても三重県は今非常に厳しい状況でございます。過去には無理な借金はわりとせずにまだ来ている。そのことが、全体状況として比較的にはよく見えても、実際には借金をしない代わりに調整基金を使ってきたというような側面から、今度は調整基金がこの場になって非常にない。ですから、やはり硬直化して自由度がないというのが実態です。

知事会の調査では、全国の都道府県を合算しましても、来年ぐらいには財調基金が底をついてしまう。3年のうちには市町においてもそういう状況が見られる。3年後には、都道府県と市町の財政不足額が7.4兆円とかいう数字が出されたりしています。実は、今のような状況で行くと、これは大変なことになりますので、そんな状況で推移したときには、来年の三重県での知事会は、それこそ反乱を起こす知事会になるかもしれないと、こういうぐらい今本当に厳しい状況の中にあると思っています。そういう意味で、ぜひ市長会や町村会、あるいは議長会もあるわけですが、地方六団体、しっかりこういう点では共通の認識を持ちながら、国に対処していかなければならないと思っています。

ではありますが、三重県はそうは言いながら、例えば経済状況を見ましても、これは北勢の製造業が一番リードしておるところでありますが、経済成長率では全国で一番いいというような数字が出てきていたり、それから、観光入込客も実は昨年、以前平成6年の最高の入込客を示した数字に、ほとんど近づいてきているという状況です。平成6年には「祝祭博」がございました。ちょうどご遷宮の翌年でありました。これで300万人ぐらいの入込客増が、あの「祝祭博」であったというようなことを勘案しますと、昨年は実質的に過去最高にほとんど並んだということが言えるのではないかと思います。

厳しいときではありますが、今のときの頑張りというのは、必ずピンチのときに、これから先のチャンスにつながっていくものであると思っておりまして、県もそうは言いながら自由度がなかなかない中でありますが、市町の皆さんとしっかり連携しながら取り組んでいきたいと思っております。

幸いこの伊勢志摩地域につきましても、非常に歴史文化資源の豊富な所であります。県においては総合計画の第二次戦略計画の中で、この県南部を自然文化活用ゾーンということで、観光交流の舞台としてしっかり整備を進めていきたい、取組をやりたいと思っておるところでございます。来年には、今日テーマになります「美(うま)し国おこし・三重」の事業も、県として皆さんと一緒に展開してきたいと思っておりますし、7月には全国知事会がありますが、7月から8月にかけて全国高校総合文化祭もございます。それから、サンアリーナでは世界新体操選手権大会が行われる。それから、三重県でF1も鈴鹿の方で来年行われるということもございます。宇治橋渡始式もいよいよ来年あるということ。こういう本当にたくさんの大きな事業も、来年はあるわけでございます。ぜひこういうことも生かしながら、これからの未来へのチャンスをしっかりものにしていく正念場のところではないかと思っております。

そこで、少し県の政策について申し上げておきたいと思います。昨年、策定いたしました第二次戦略計画でございますが、これは皆様もご承知のとおり、すべての政策について、「文化力」という視点から見直しをかけたところでございます。この努力は、今後もさらに磨きをかけていかなければなりません。そして、その政策を「新しい時代の公」という行政運営にふさわしい方法で進めていこうという、質の行政改革と言っておりますが、これをこの第二次戦略計画で着実に推進していきたいと考えておるところです。

そこで、その「文化力」でございますが、実は先般、松阪で「文化力フォーラム」というのがございまして、静岡県の静岡文化芸術大学の川勝平太学長にお出でいただいて、お話をしていただきました。その中で、「文化力」について次のように述べられたんですね。これは京都大学の高坂先生のお話を引用してのことですが、国家には3つの大事な体系がある。1つ目は力の体系であり、これは国民の生命、財産を守っていく力。こういったものになります。いわゆる軍事力というようなことにもなるわけです。それから、2つ目に大事な体系として、利益の体系。これはいわゆる経済力というものです。そして、3つ目に価値の体系。これが三重県の言っている「文化力」にほぼ同じ意味合いで使われているのでありますが、この「文化力」が大事であると。

戦前、わが国は軍事力に非常に力を入れてきたけれども、あの忌まわしい戦争になったところであります。戦後はその崩壊から立ち上がって、世界に冠たる日本経済をつくろうということで、経済力に非常に力を入れてきたところであります。21世紀に入りまして、これからの日本はまさに「文化力」に力を入れていかなければならない。政治は、そのときそのときの状況の中で、どれに力を入れるのかということになります。この3つの体系は、すべて必要だけれども、その力の入れ所をどうするかということになります。三重県が「文化力」に取り組むことは、そういう意味で日本全国に対して、あるいは世界に対しても、非常に意味あることだという評価をいただいたところであります。

私は、むしろ戦後の経済成長、これは確かにものの豊かさをもたらした点では、大いなる評価をしなければならない一方で、実はそのことがわが国が持ってきたいい意味での価値の体系を崩してしまったのではないか、こういう感じがしてなりません。そういう意味では、私たちは今一度やっぱりこの価値の体系を再構築しなければならないのではないか。世の中にはいろいろな歪が出ております。これもそういう価値の体系の崩れとも言える面がたくさんあろうかと思います。ワーキングプアと言ったような先進国とは思えないような、そういう現象も出ており、一体何のための経済成長であったのか、経済大国ということであったのか、今一度しっかりそのことも考えながら、価値の体系の再構築を図っていかなければならないのではないかと思っております。

そういう意味で、県としてローカルな三重県の立場ではありますが、この「文化力」を先導的な取組としてしっかりやっていきたいと思っていますが、その象徴として来年から6年間の「美(うま)し国おこし・三重」をぜひやろうということで取り組んでおるところでございまして、これまでにも皆さんにもその「美(うま)し国おこし・三重」の思いを申し上げたところでもございました。6年間にわたってそれぞれの地域を舞台に多彩な催しを展開するということで、地域の魅力をさらに向上させる、価値を向上させて発信をしていくとともに、集客交流の拡大を図っていく、もって自立・持続可能な地域づくりに結び付けていきたいと考えておるところでございます。

今、実行委員会を立ち上げ、その中で基本構想を踏まえた基本計画、これを検討いただいています。中間案が既に6月に出されて、県議会でもご議論いただいておりますが、今日は後ほど理事の方から少し説明をさせていただきますが、ぜひ皆さん方にも活発なご意見をいただいて、意見交換させていただきたいと思っているところです。

それから、今日、もう1つのテーマとして、地球温暖化対策というのを取り上げております。これは先般の洞爺湖サミットでも、大いに議論をされたところでございます。いろいろ市町の皆さんにおかれても取組をされておると思います。今日はこの点についても皆さんと意見交換をさせていただきたいと思っておるところでございます。

さて、先ほども申し上げたように、三重県、本当にこれからチャンスをものにしていく、そういうときではないかと思っております。伊勢神宮が今ご遷宮ということでございますが、ご遷宮を象徴する言葉に「常若」という、常に若いという字を書く「常若」という言葉があります。いつまでも瑞々しい形で若さを保っていく。行政もその時代時代にマッチしながら、いつも瑞々しくそれを継続していくということ。その不断の努力を続けていくということが大事なのではないかと思います。そういう意味で、皆さんと今日もいろいろ意見交換をする中で、「常若」の県として、「常若」の地域として、「美(うま)し国おこし・三重」をさらに磨きをかける、そういう有効な意見交換であることを、心から期待を申し上げるところでございます。

最後に、少し触れさせていただきたいのが、「美(うま)し国三重市町対抗駅伝」というのを、今年3月に開催させていただきました。いろいろご意見、事前にもありました。しかし、実際に開催をさせていただきまして、大変反響もあり、よかったのではないか、お陰さまで成功裡に終わらせていただいたのではないかと思っております。改めてこの点、御礼を申し上げたいと思います。また、今後もぜひこの駅伝については続けていきたいなと思っておるところでございますので、その点も併せてお願いを申し上げるところでございます。

以上申し上げまして、私のご挨拶とさせていただく次第であります。この後どうぞよろしくお願いを申し上げます。

5.県の政策課題

(1)「美(うま)し国おこし・三重」

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

よろしくお願いします。今、知事の挨拶にもございましたように、大変これから分権が進んでいったり、地域の格差が拡大していく、歪が拡大していくということになりますと、地域づくりが本当に必要になっていくときだと考えています。これまで市長さん、町長さんにおかれましては、地域におかれまして毎日のように一生懸命地域づくりに取り組まれてきていらっしゃることだと思いますが、やはり日々のそういう取組の中には、いろいろな地域の悩み、課題等があろうかと思います。そんなとき、市あるいは町あるいは県を含めた多様な主体でいろいろ知恵を絞ったら、より解決が早くいくのでないか。そんなものもあるのではないかという、そんな思いから、この「美(うま)し国おこし・三重」というのは取り組まれていると、ご理解賜りたいと思います。

 まさに狙うのは、「文化力」を生かした自立・持続可能な地域づくりでございます。では、どうやってそれを実現していくかということでございますが、地域の方々は、やはり日々地域のグループあるいは団体という形で、地域づくりに励まれていらっしゃることだと思います。このグループあるいは団体の方々の地域づくりを、もっともっとしっかりやっていただけるように支援をしていきたいというのが1つでございます。もう1つは、せっかく一生懸命取り組んでいらっしゃるこういう地域づくりの成果を、やはり時々世間にアピールしていく。そして、それが地域づくりの皆さんの励みになっていただいて、より持続していただける。こういうチャンスをつくっていくというのが、2つ目の取組でございます。

したがいまして、地域の皆さん方が、より地域づくりをしていただき、これ地域づくりですので、持続していただくことが大変重要になります。この地域づくりに関わっていらっしゃるグループあるいは団体の方々が、取組を持続できるようないろいろな支援がないものかというのを、多様な主体を中心とします実行委員会の中で、いろいろな支援をさせていただきたいと考えているところでございます。こういう支援を通じまして、そのグループ活動あるいは団体活動が自立・持続できるように流していくといいますか、育てていくというのが、大きな具体的な取組の1つでございます。

そういった取組を全県域で来年から具体的に始めていきたい。そうしますと、いろいろな地域で同様の取組というのが出てくるのではないか。そういう方々を、ネットワークを使って集め、そして、その成果を披露していく。テーマという形で、毎年毎年披露していくというのが、先ほど申しました2つ目の柱という形になろうかと思います。

これを来年から6年間続けていきまして、来年は具体的にはオープニングという形で、そういう取組をピックアップするような形で、成果を出していきたい。6年後の最終年には、集大成イベントという形で成果の披露の機会を、いろいろな機会を設けまして、皆さん方にアピールさせていただきたい。毎年やっていくのは、その地域づくりへの支援とテーマごとの成果の披露という形になろうかと思います。

具体的にどのような支援をということでございますが、地域が自立・持続していくためには、やはりいろいろなノウハウとか知恵というものが必要になろうかと。そのための専門家の派遣とか、あるいは研修の機会を通じて、そのグループの持続性を高めていきたいと思います。例えば、県下で今、棚田の復活とか、あるいは地域食材を生かした地元のレストランといいますか、そういうことをされたり、あるいはこの地域で申し上げるならば、二見のおひなまつりとか、今までにないような取組が具体的に成功事例として上がってきています。こういったものを県域全体に広げて、それを自立・持続できるような形に育てていきたいというのが、具体的な取組の1点でございます。

そのため、先ほど申しましたように、人材の派遣とか資金調達能力の研修とか、こういう人的な支援をする一方、やはり事を起こしていくには、最初お金が必要だなということであれば、財政的支援というのも、1回限りではございますが、させていただきたいと思っています。また、この場合には、地域の取組でございますので、地域の市町の皆様方にも、実行委員会と同様のご負担を賜ればと思っております。

こういう取組を6年間通じまして、三重県全域をたくさんの活力あるグループを使いまして、自立できるような地域づくりをしていきたいという思いで進めていくものでございます。最終的には、集大成イベントという形で外にアピールしながら、これは終わりではなく、次の地域づくりへのきっかけという具合に進めさせていただければと考えております。このような取組を来年から6年間かけてさせていただきたいと思います。

ただ、今後、この後半分、10月以降につきましても、そのための仕込みといいますか、取り掛かりとしまして、私ども地域に入って、地域の皆様方と車座になって座談会という形でいろいろな課題、悩みを聞かせていただく、こういう機会も地域の皆様方に設けていただきまして、地域の具体的な課題解決に入っていきたいと思っておりますので、その節はまたご理解、ご協力を賜りたいと思います。

以上、簡単ではございますが、概要をご紹介させていただきました。ありがとうございます。

伊勢市長

まず、この「美(うま)し国おこし・三重」ですが、今のところまだ具体的なイメージがなかなか浮かんでこないというのが実態でございまして、そんな中で、今も少しご説明がありましたけど、地域づくりと言われておりますが、どういうイメージがあるんでしょうかね、というのがまず。地域というのは、基本的に私どもにとっては基礎自治体の中にある、基礎自治体エリアの中の話と捉えてしまうわけです。三重県のレベルで考えたときに、地域というのは、もしかしたら基礎自治体の枠を越えているのかなと考えたりしてしまうのですが、そうではなくてあくまでも基礎自治体があって、その中の例えば人であり、活動団体を起こしていくということで、その地域をつくっていく、その地域という概念を、まず少し整理していただく必要があるのかなと思っているんです。

なぜこんなことを考えているかと言いますと、前に生活創造圏、いろいろ取り組んでいただいてやったわけですね。これは基礎自治体を越えた枠で、そういった市民の皆さんの気持ちをつなぎながら、人を起こしていって、活動団体を育て、人を育てということをやってこられたと思うんです。それで、育った後さっと手を引いていくわけですよね。その人たち行き場がなくなる。せっかく広域でやろうとしたのに、広域の土俵がなかなかそうやってあと維持されないという形で、後々ずっと県が面倒を見てくれるならば、それはそれでいいのですが、大部分のプロジェクトはそうでない形で終息していった。

あるいは、発展的にいった分もあるかもしれませんが、そういったときに、今度またやっていただくときに、私どもは基礎自治体の中の人おこしであり、団体おこしということで捉えさせていただくならば、あくまでも基礎自治体が基本になってやりたいなと思うんです。ということは、後々までもずっと関わりを持って共にやっていけるからです。そういったことを、もともと入口のときからターゲットをどこにするかということを、ある程度はっきりしたイメージを持っていっていただきたい。そして、広域の取組については、後の土俵をどういうふうに保障するか、担保するかということも含めて考えていただく必要があるんだろうと思っているんです。ですから、その辺を入口でぜひ整理していただきたいなと思っています。

実際の中で起こるそういった地域おこしについては、あくまでも我々が責任を持ってやるわけでありますから、こちらを中心に置いてやっていただく。それを逆に県の方で支援をしていただく。ですから、基本はこちらでフレームをつくったりだとかいうところのステージをまず我々がしっかりつくって、フレームをしっかりとつくって、その中で県の役割を担っていただく。広域でやる部分については、もしかしたら我々は手が届きませんので、それはもう県のステージで、県がフレームをつくって調整していただくのはいいかもわかりませんが、またこれ具体的なことが読めないので、私、勝手な話を今していますので大変申しわけないですが、一番不安に思っていますのが、県のレベルで捉えた地域というのは一体何だろう、どの辺をイメージされているかなということで、随分気になっておりますので、一度またその辺のご見解を伺えればなと思っています。

それから、もう1つですが、説明の中でもう言っていただきましたので、心配はしていないのですが、今回の「美(うま)し国おこし・三重」というのは、集客交流を狙うということ。もちろんその地域をおこして、地域の皆さんが活性化することによって、そちらに行くということではあるかもわかりませんが、少なくとも集客交流を大きく膨らませていくような取組であるということについては、そのように認識をしていていいのかなと。その面ではものすごく期待をしたいんです。そうではなくて、地域おこし、地域おこしということになりますと、その辺が少し薄くなってしまうことを、実は心配しているものですから。せっかく集大成のイベントを含めて6年間のプロセスを踏んでいくわけですから、私どもの地域として期待していますのは、前回のご遷宮プロジェクトで、先ほど知事もお話ありましたけど、平成6年の「祝祭博」というようなことは完全に、はなからそうやって集客、誘客増を狙ってのいろいろな取組であった。今回の「美(うま)し国おこし・三重」イベントも、そういうところを大きく期待をしていていいのかというのが1つ、ちょっと不安なところがありますので、私どもは期待したいという意味も込めて、伺わせていただければと思います。

知事

まず、地域づくりということについてでありますが、生活創造圏でのかつての取組も引き合いに出されながら、市長さん言われました。私もちょうど松阪市長のときに、多分今市長さんおっしゃったのと同じような危惧、若干県のやり方に少し疑問を持った点がありました。というのは、県が市民のいろいろな活動に直接手を突っ込んで結び付いていって、ある面では市町の存在というのが、その中にはなかなか見えにくい状況がありまして、やっぱり主体は市町であるべきであるということからすると、県も同じふうにやるにしても、あの当時でもやはり市町がきちっとその中に主体の一員として入っていることが、大事ではなかったのかなと思います。

ただ、あの当時と今とでは、だいぶ地域で活動される市民の皆さんの状況も変わってきました。あの当時は、どちらかと言うと、そういうNPOや市民活動を県が指導して、何か底上げを図れないか、そういう意味で、生活創造圏という生活の1つの圏域を一体的に捉えて、県としてリードしようとした面があるかと思います。

今は、そういう点では、さらに地域づくりというようなことについては、議論が進んできておりまして、確かにおっしゃったように、市町、少なくとも基礎自治体というものがより主体的に取り組んでいくべきことであると思いますし、地方分権のことから言っても補完性の原理という整理の中でもそうであります。

ただ、そうではあるのですが、実は伊勢市での取組、そしてお隣の鳥羽市や志摩市や度会郡でのいろいろな取組、それが面と広がっていく中で、実は三重県全体の県土づくりと言っても、そういったそれぞれの取組の広域的な捉え方という面からも言えることでありますし、中には1つの市町でできない広域的な課題というのも、もちろんありますから、そういうのには、より市町と同時に県の役割というものも求められるのではないかと思います。ただ、その主体性ということからいけば、地域づくりは市町、そして三重県は県土づくりなんだと。こういうふうな整理も、今回の第二次戦略計画あるいは総合計画そのものの中でも、してきておるところでございます。

そこで、我々としては、そういう基本は持ちながらも、実は県議会の方での議論も、「地域づくり推進条例」というのができました。その中では、なかなかここら辺の議論というのは、微妙ないろいろな議論も行われておるところでありまして、私どもとしては、まず第一義的にその主体が市町であるということと同時に、しかし、その地域づくりについても、県の果たす役割というものを、もっときちっと突き詰めながらやっていかなければならない。こういうことがありますので、その仕掛けになる仕掛けそのもの、組織のあり方、そういうものも含めてしっかりここは整理していきたいと思っておるところであります。

そういう意味で、今回の「美(うま)し国おこし・三重」については、私どもはぜひいろいろな取組そのものについては、各市町で推進母体みたいなものをおつくりいただいて、それはそれぞれの地域でどういうテーマをどういうふうに取り上げて、どういうふうにやるのか。これはそこで地域でしっかり出してもらうということが大事だと思っております。もちろんテーマに基づいた全県的な取組というのもあります。これは多分その主体性からいけば、実行委員会等がかなり主体性を持ってやっていかなければならないということになるかと思います。それをうまく連動させながら、しっかりできたらと思っております。

それから、後段にも関わるところでありますが、この「美(うま)し国おこし・三重」につきましては、中間案の一番最初の所にも、なぜこれやるのかということですが、6年間にわたって多彩な催しを展開するんだと、一番最初の「はじめに」の中ほどに書いてあります。「6年間にわたって、多彩な催しを展開することにより、地域の魅力や価値を向上させ、発信するとともに」、市長さんご指摘の「集客交流の拡大を図り、自立・持続可能な地域づくりへとつなげていく取組です」ということです。

地域づくりと言うと、本当にいろいろな切り口があるので、したがって、どこまででも一方で拡大していくことが考えられます。しかし、一方で、やはり限られた資源で県の方もこれに対してお金をつぎ込んでいくからには、それがより有効なふさわしい方向にうまく使われるということが、大事なところであります。そういう意味では、地域の再評価をやりながら、それを地域から発信するだけではなくて、もってそのことが地域の人たちが生きていくための経済に結び付いてほしい。ここでそういう意味での表現としては、「集客交流の拡大」というような、1つの成果を期待するわけであります。それが、そういうものができ上がって、ずっとその後も続いていくということによって、自立・持続可能な地域づくりになっていくのではないかと思っておるところです。

したがって、今まだ中間報告のこの中ではきちっと表現がされておりませんが、38ページを見ていただきますと、第6章で「目標と評価・検証、記録」という所がございます。この所で、これをやった成果をどういうふうなものさしで、どういうふうに測っていくんだということ。これは非常に目的とも絡んでくるところでございます。ここには、実は、まだ今ご覧いただいているような表現しかされておりませんが、私もここの所はいろいろご議論、ご意見をいただきながら、ぜひしっかりここのあり方をつくっておかないと、一体何のためにやっているんだということに、また振り戻って疑問が出てくるかと思います。したがって、そういう意味で、アウトプットに例えばどういうふうなものさしを置いていくのか。ここではいろいろな指数がここに書かれたりしています。それから、アウトカム的なものが全体指標ということになっておりますが、このアウトカムの指標のあり方も、もう少し今の市長さんのご意見等も踏まえて、検討していかなければならないことだと思っています。その中には、ぜひ経済的な側面という意味合い、集客交流の拡大というようなことがきちっと読み取れるものを指標として置いておくべきだと思っているところです。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

まず、最初お尋ねになりました地域の範囲ですが、私ども基礎自治体はもちろんなんですが、それよりももっと狭いレベルを考えています。例えば、具体的にはグループとか団体の方々が活動している範囲と思っていただいたら結構かなと。グループおこし、団体おこしがメインになりますので、その方々が活動している範囲、あるいはその団体さんが属している範囲ぐらいを地域かなと。言わば、コミュニティレベルのものもあろうかなと。そのぐらいのエリアから考えていくということでございます。

広域につきましては、恐らく同じような取組については広域でされていますから、そういうものはテーマ化した形で、実行委員会の方が中心となってそのテーマを取り上げて、催し物にしていくとか、もっと持続性を高めていく取組に転化していくという形を取っていきたいなと思っています。

生活創造圏との関係ですが、私ども今回この取組は、グループの持続性を高めるというのが主眼でございますので、グループの持続性を高めるまず支援をしていく。そして、我々の手が6年後に離れますが、その後もちゃんと自立して続けていっていただけるような形で、財政的支援は1回ですが、それ以外の人的支援についてはできる限りさせていただき、そういう持続性を高めるような取組にしていきたいと思っています。当然ながらその場合には、我々実行委員会だけが入るのではなくて、市町と一緒になって地域の方々とこの取組を進めていきたいと考えています。出口としては、ビジネス化とか、持続性を高めるものにはなろうかなと思います。あるいは、ビジネスに向いてないものであれば、それ相応の活動の中身によって、持続性があるものの取組になるような、いろいろな支援をしていきたいと思っています。

それから、集客交流でございますが、これがまさにいろいろな取組の中の出口の1つとして、集客交流が当然出てくるかと思いますので、そういったものの成果の場として集大成イベントを、イベントという呼び方になりますが、成果を出す場として、イベントというものは考えていきたいと思っています。だから、集大成イベントの1つには、集客型のものもあるというふうにお考えになっていただいて結構かと思います。以上です。

伊勢市長

ありがとうございます。大体整理はできました。それで、地域コミュニティの話で1つだけ引っ掛かっていますので、ぜひ細かい単位のコミュニティに直接県が関わるときには、やっぱり先ほどの話にありましたけど、その基本はやっぱり市町ですから、そこを飛び越えてとか、その人のいない形でそこに勝手に手を入れてもらったら困るということを、絶対に忘れないでほしいと思います。ですから、あとで我々と本当にパートナーシップが組めないような人たちをつくってもらってもどうにもならないわけですから、その辺では入口でよくフレーム調整を基礎自治体とやっていただいて、そしてそのあとも継続して、こちらもその人たちと手を組みながらしっかりやっていけるような、そんな取組方をぜひお願いしたいと思っていますので、心配のないようにぜひお願いしたいと思います。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

そのようにさせていただきます。それから、先ほど申し忘れましたけど、県域全体でそういう取組のグループを、今1,000グループぐらい立ち上げていきたい。これは既存のグループも含め、新規も含め1,000以上のものを狙っていきたいと思っています。ざっと平均しますと、1市町当たり30ぐらいかなと。これが5~6年でやりますので、平均しますと年間5つ、6つの、そういう立ち上げになっていくとイメージしてもらうといけるかなと。

伊勢市長

そんなに数たくさんのことになりますと、私どもが一番心配するのは財源の方でして、本当についていけるだろうかというのが、我々の今の懐の中で財源補償みたいなことをお考えになっていただいているのかどうか。すべて我々の方で、今半分というお話もありましたけど、半分は自前でいかなくてはいけないのかなと。半分ということすら非常に厳しい状態でありますので、その辺のことについても少し含んでおいていただきながらお願いしたいと思います。

知事

まず、市町において地域づくりというのは、何も今に始まった話ではなくて、もうそれぞれの地域が既にいろいろな形で取り組んでいただいておるんだと、こういうふうに思います。そういう意味では、私どもは、今回のこの取組については、そういう意味でのそれぞれの市町の主体性をまず第一に尊重していくべきだろうと思っています。もちろん市町での取組も、市がその事業主体の一員として入っていくものもあれば、市が支援する形でNPOだとかいろいろな市民グループの活動を中心に展開していくもの、あるいはもっと独立的ないろいろな市民活動というのもあると思います。

しかし、市町はそれぞれの判断に基づいていろいろな支援をやっているところでありますが、今回、こういう形でやるものについては、そういったお取組の継続の中で、こういうチャンスについては、私も県の方からもご支援申し上げることから、したたかにこの制度を捉えていただいて、利用していただくという、そういう考え方が大事なのではないか。しかし、それは県が主体ではありませんから、もしも財政的支援が過半以上になってくるということになりましたら、やっぱり私どもも県民に対して説明するのに、その事業の中身について、じゃあどこまで県は事前にきちっと入れたのかということになりますと、それは主体性の問題も少し侵していくことになろうかと思います。

そんなこともあって、既にその仕組みについては、基本的には理事の方からご説明はさせていただいているかと思います。そして、その規模だとかそういうものについて、上限を設けていますけど、細かい1つ1つのあり方については、市町の方でのご判断をやっぱり我々は尊重していきたい。したがって、ちょっとしたいろいろな活動で、それは5万円、10万円の支援でできる、そういう力のある市民グループもあるだろうし、それにふさわしい中身のものもあれば、もっと少し力を入れなければならないものもありますし、それは伊勢市においては、伊勢市も入った推進母体、推進委員会みたいな所でいろいろご判断をいただくということでいいのではないかと思っていますので、よろしくお願いします。

大紀町長

先ほど知事が言われたように、地域づくりは市町で、それから県土づくりは県だという色分けはするのかどうかですね。これは私はすべきことではないと、私の感覚で申し上げます。「美(うま)し国」という定義は、全県下の市町を対象にしているわけなので、私は三重の国というのは「美(うま)し国」というイメージを、もっと全国にアピールすべきだと認識しています。「美(うま)し国」というのが、語源は当然伊勢神宮が語源ですから、知事が、宮城県だったですかが勝手に使って文句を言われた。それは当然のことです。「美(うま)し国」という語源は、当然三重県にある。そういう意味での価値観のある事業を織り込んでいくことが大事だと思います。今の地域づくりは市町、県土づくりは県という感覚は、私は賛成しかねると思います。

要は、祭り行事も「美(うま)し国」に入るのですから。祭り行事となってくると、神社仏閣の伝統行事が入ってくるんですね。これは宗教の関係はどうなのか。我々の所はずっと昔より、神宮に関わる伝統行事はずっと続けておりますので。それを今の「美(うま)し国づくり」の一環だからと言って県が支援していくということは、現実の問題としてできるのかどうか。これは当然出てくると、かように思っております。

私は、全県下「美(うま)し国」という前提で地域づくりをすると言うならば、全地域がやるべきであると。それは住民参加の基本条例をつくるべきじゃないかと、各市町全体に。そういったことによって、全部参加していけるんだということなので。ただ思い思いにそのときばったりに「美(うま)し国」の事業をやろうやないかということじゃなしに、当然住民参加のまちづくり条例等によってやっていくんだという強い意識を見せることが大事であると思っておりますので、ぜひこのことは県条例じゃなしに、市町も含めた条例等によってきっちりと。

全国で12市町が住民参加の基本条例をつくっているんです。自治基本条例というのをつくっているんです。三重県では伊賀がつくっていると思います、目標の到達点は多少違いますが。それにしても私はとにかくそういうことによって、「美(うま)し国」をアピールしていくべきじゃないかと思っておりますので、その辺簡単で結構ですので、ご返事いただければと思います。

知事

まず、地域づくりと県土づくりということでありますが、ここの議論は非常に大事なところであります。多分、柏木町長と表現の言葉の使い方はともかくも、そんなに差異があるとは思っていません。それは、私どもからいけば、それはきちっと仕分けておくべきだということなんですが、中身としては、例えば大紀町のこの町がこうあるべきだということを、我々県が言うべきことではなくて、これは大紀町の町民の皆さんが、町長中心にそのあり方について考えていく。その主体性を県が侵すということがあってはならないという意味では、地域づくりというものについては、やはり大紀町が主体的であるべきであろうと。

しかし、そうではあるんだけど、大紀町のそのまちづくりと連なった地域のそれぞれのまちの地域づくり。そういうものがずっと面として広がっていって、県域に広がったときに、それそのものが三重県という姿になるわけですね。したがって、それが主体性を生かしながら県土というものが、やはり「美(うま)し国」と言われるそういう磨きがかかっていくために、主体的になって果たすべき役割を、県土づくりとして県はやるべきではないか。こういう表現をして使っておるところであります。

そういう意味では、多分柏木さんのおっしゃるのは、地域づくりだからと言って、県がまるっきりそれから逃げていくとか、そういうことがあってはいかんではないかというような、少し県の位置づけの話だろうと思います。私どもはもちろん逃げていくとか、そういう話ではなくて、今度の場合には、「美(うま)し国 三重」をぜひつくっていくために、地域ではやっぱり地域が主体になって、それを尊重しながら我々も支援の仕方をしっかりやります。それから、共通テーマについては、むしろ県あるいは実行委員会がもうちょっと主体性を発揮しながら、ここでそういうものを捉えていきながら、併せて成果を出していこうではないか、こういう表現になるのかなと思います。

それから、2つ目の宗教との関わりということについては、これは私ども三重県は、まさに伊勢神宮という歴史の中で、今日の三重県というものがあるわけであります。しかしながら、政教分離ということも、今、厳しく我々に求められているところであります。政教分離を侵すということが、じゃあどういうことなのかということでいきますと、これも精密にはなかなか言い難いところがありまして、これまでの判例だとかそういうのを見ながらいったときに、少なくとも我々が宗教行事、すなわち特定の宗教を布教する、推し広めていくことにつながるような宗教行事そのものに、例えば公費を出費するとかいうようなことは、これはいけません。あるいは、その宗教に県民の皆さんを、何かそっちへ入るような、そういう片棒を担ぐような、そういうものであってはいけません。

したがって、最低限これまでにも判例で示されているような、そういうことを参考にしながら、最新の注意を払っておかなければならないと思います。ただ、私たちの文化というものを考えますと、私たちの生き方そのものを考えていきますと、これは宗教というものをまったく排除して考えられるのかと言うと、そうではないだけに、なかなか難しいところがありますね。したがって、私どもとしては、私個人としては、伊勢の地を考えたときに、宗教というイメージよりも、言葉の使い方としては、精神文化の源流がこの伊勢の地にある。そういう精神文化という側面でこれを捉えていくということが、表現しやすい、わかりやすい方法の1つなのかなと思います。

それから、3つ目に、住民参加ということからいけば、まちづくり条例みたいなものが必要ではないかということですが、あくまでまちづくり条例だとか、それぞれの市町の自治というものがどうあるべきかというのは、それぞれの市町の判断であろうかと思います。三重県では、いわゆる自治基本条例としては、ご指摘あった伊賀がそうでありますし、それから名張市も今できておるところであります。他のまちでは、四日市の方で市民自治基本条例というのがあって、これは理念条例みたいなものであります。多分、条例であろうと、あるいは条例でなくてもいろいろな形で、今市民のまちづくりへの参加を促す制度なり仕組みというものを捉えている所、かなりあると思います。

そういう意味では、今回のこういう「美(うま)し国おこし・三重」を契機に、そんなまちでの仕組みのあり方を追求されるというのは、1つの表現の方法ではないかと思っております。大事な観点であると思います。

大紀町長

私、別に語源にこだわるわけではないのですが、「美(うま)し国」という中には、必ず農業や林業の祭りというものを、この事業の中に入れていくべきだという認識を持っています。何も知事さん二言目には経済成長率6%とよく言われますが、そのことよりもむしろ農業や林業が栄えていくことが、「美(うま)し国」につながるというイメージを持っております。

条例等については、とにかく隣の町と、それから連携をしていくということからすると、やっぱりそういった面でも条例等によってきちんと位置づけすると、それぞれの施行者、それを担う方々はしやすいと思うんですね。私はこれを1つの手法として考えたらどうだろうと思っています。あまりご当局としては、先ほど理事も説明されたのですが、地域おこし、地域づくり、非常に狭い分野を意味していると。それは既に産業支援センターあるいは農林水産支援センター等では、ファンドを使って適切に今やっておりますので、ですからそうでない分野をやっていくわけですから、やっぱり連携とかそういうことによって「美(うま)し国」が実現していくのではないかという感じを持ったものですから、質問させていただいたわけです。お答えは結構ですので。

知事

一次産業の捉え方でありますが、もうおっしゃったように非常に大事な所であります。三重県は、成長率第1位と言っても、それは製造業だけでできているのではなくて、実は観光も非常にあれですし、割合が少ないとは言いながら、一次産業は製造業を支えるバックグラウンドにあるからこそいいわけですよね。

それから、もう1つ、我々としては、この取組の狙いとして、伊勢市長さんからご指摘あったように、集客交流といったようないわゆる経済的な側面。それは何も観光客が増えるというだけではなくて、例えば第一次産業の産品を6次産業化するような付加価値を付けて、それが大いに売れるようなコミュニティビジネスが育つならば、これぐらいいいことはないと思っております。むしろ三重県が誇るべき地元にある宝は、まさに古来からいろいろある地域の資源、それを実は守り伝えてきたのは一次産業という側面が強いと思いますから、私はこのことが一次産業そのものの三重県の姿を、本当に光り輝くような状況に持ち上げていくということがあれば、それはこれぐらい素晴らしい成果はないのではないかと思います。ご指摘の重要なところは、十分私もそのとおりです。

鳥羽市長

今まで藤本理事からも何回も説明を聞いて、そういう中でこの「美(うま)し国おこし・三重」については、ちょっと具体的によくわからないという感じの所があって、不安といいますか、疑問といいますか、そういうのがあったのですが、最近ちょっと考えることは、期待も増えてきたなと思っております。それはどういうことかと言いますと、先ほどから担い手づくりとか、グループづくりとか言われていますが、そして今まで知事が言われていた「新しい時代の公」、「文化力」。もしかしたらうまくこれにつながるのかなという期待を、最近ちょっと持っております。

今、少子高齢化の時代に入って、人手が足りなくなってきている、また財政状況も非常に厳しくて、例えば道路の草刈りも今まで2回やっていただいていたのが、1年間に1回になった。あとは自分たちで草刈ってくださいよという、これが国も県も市もそういう状況になったわけですが、そういった住民のパワーというものを引き出していかないと、これからの行政はなかなかやりにくいという中で、今までのいろいろなイベントとかそういうものは、行政がやって、県民、市民の方に来てくださいよというやり方だったわけですが、今回のこれは、そういうグループあるいはやる気のある人をつくって、その人たちにやってもらうというのは、まさに今の行政のやり方と合致しているのかなという感じを最近持っていまして、今までの疑問、不安とともに期待も増えてきていると、私自身は思っております。

ただ、恐らく市民、県民の皆さんの中の「よくわからない」と思う人に、私たちここにいる首長以上に、そういうふうな話はあるんじゃないかと思いますので、やはりこのあたりをもう少し説明をきちっとしていただいて、三重県全体でやれるような、そういう方向へ努力をしていただければいいんじゃないかと思います。

あともう1点は、最後の集大成イベントという話があるわけですが、先ほど言いました各地の個人、グループにいろいろなことを、行政に代わってとは言いませんが、行政とともにいろいろなことをやってまちおこしをしてもらうというのと、集大成イベントというものの整合性といいますか、そこら辺がちょっと私にはわかりにくいなと感じております。大体において、今まで知事が言われてきたことを具体化するやり方なのかなという、そんな感じを受けております。私の意見ですが。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

市民、県民に取組がわかるように。これも何とか今後、努力させていただきたいと思います。

それと集大成イベントですが、今私ども考えていますのは、市長さんの今のご指摘のように、3つぐらいジャンルがあるかなと。1つは、集客交流に結び付くいろいろな地域の取組が、これまで来たものが結び付くものがあるだろうと。そういうものは、集客交流型の集大成の催しをしたいなと思っています。それにやっぱり馴染まない、今市長さんおっしゃられたような、地域で草刈りをする団体ができましたと。草刈り大会というのもあるかもしれませんが、そういう馴染まないようなものもあるだろう。しかし、せっかくこれまで取り組んでいただいたものは、成果の披露を皆さんに見ていただき、次の取組につなげていただきたいということから、それをどういうふうに催しに結び付けていくかというのは、これから考えなくてはいけませんが、そういうものもあるだろう。あるいは、まださらに人の前にまで出すものでないかもしれない。自分らだけでお互いに成果を認め合うという、そんなものもあるかもしれない。そういうようなことから、活動の中身に応じて、その集大成のあり方も違ってくるのではないか。それぞれに応じた形で、今後検討させていただきたいと考えております。

志摩市長

「美(うま)し国おこし・三重」ということで、藤本理事さんのお話もずっと聞かせていただいていて、県のやることは本当に丁寧にやられるなと感じております。漢方薬的に徐々にその姿も見えてきて、静かにじわじわと仕上げていくと、よりいろんな深い所から効果があるのかなと。そういう意味で、取組としては本当に「文化力」という言葉も含めて深い取組だなと思っています。

住民自治の中でこういった取組をしていくということは、地域づくりにおいて不可欠なことだと思いますし、我が志摩市においてもその取組を、今さまざまな地域の文化あるいは食文化も含めて取組を行っているということですので、この事業自体には非常に期待しております。私たちも努力をして、この事業にしっかりと乗っていきたいと思います。

その上で、鳥羽市長さんも言われたのですが、地域づくりというのが、今本当に子どもたちの数が減っていくということであるとか、またこの後も触れさせていただきますが、医療のことも含めて、あるいは若い人たちが都市部へ流出をしていくということも含めて、本当に厳しい時代を迎えている中で、どのような形で持続可能な地域づくりができるのかということは、本当に大きな課題でありまして、この住民自治の部分でもこの部分というのをしっかり今回の取組も含めて将来につなげる形で、模索ということも含めてやっていきたいなと思っています。

もう1つは、団体自治として我々行政体としてどういったことをしていかなければいけないのかということも、もう1つ大きな課題でありまして、その中には産業おこしとか、産業づくりとかいうことも当然あるわけでありまして、それら住民自治の部分と団体自治も併せた自治の部分で、どういう地域をつくっていけるのかというのは、地域の生き残り策として本当に大事だと思っています。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

最後に産業おこしというお話ありましたが、先ほども少しお話を申し上げましたが、いろいろな取組によって、それが持続する形態というのは違ってくると思います。ですから、まさにビジネス化していくことも、この取組の中の大きな1つの目標になっています。先ほど地域食材を使った例を挙げさせていただきましたが、この私どもの取組自体のモデルになっています愛媛県の例なんかでは、やはりレストランをつくった所とか、あるいはバスの運行を始めたとか、あるいは人力車の運行を始めたとかで、お金をちゃんといただいて継続しているというものに変わってきていますので、そういう出口を見つけながら、活動の持続性を保っていけるようなものも考えていきたいと思っています。

玉城町長

この遷宮の機会に、やはりこの地域に大きく影響します「美(うま)し国おこし・三重」というのは、非常にいいタイミングで力を入れていただくことに、御礼申し上げたいと思っています。いろいろな取組にしましても、いかに長続きさせていくかということが非常に大事でございまして、5年や6年で上手くいかなかったという例がたくさんありますので。上手くいかないとストレートに首長の所に「何しとったんや」という話になってくるわけです。それぞれのグループ、やっぱりいろいろなアドバイスいただいて、町としても力を入れていかないといけないなと思っています。まさにこれもビジネス化していくわけですから、それぞれの他の全国的な所との競争ということになってくると思っています。それに打ち勝っていかなければならないということになります。

もう1つは、「美(うま)し国おこし・三重」の中心がこの伊勢志摩でございますから、やはりいろいろな取組にしましても、その取組をしているグループがある地域、その地域の雰囲気といいますか、景観あるいは風景、そういったものが1つの大きな魅力になっていくのではないかと思っています。したがって、やはり現状を眺めてみますと、いろいろな面で五感で感じますと、なかなか必ずしもいい状況ではない。食にしましても、あるいは景観にしましても、非常に乱れている部分があるわけですから、このことも「美(うま)し国おこし・三重」の中で、この機会に力を入れていく。それはもう今知事さんもおっしゃってみえたように、それぞれの自治体としても、このことに意識を持って取り組んでいく必要があろうと、こんなふうに思うわけでございます。

何といたしましても、せっかくの素晴らしい地域のイメージダウンがあってはいけないと思うわけでございますので、ぜひこの美しい自然あるいは海、山、これが1つの全国的にも魅力になって、集客が増えておるという地域でございますから、ぜひこのことも一番重点にこれから、それぞれの地域で力を結集していくということも、これはもちろん大事でありますが、このことにも気を遣っていく必要があるのではないか。それでないと、「何や、せっかく美し国やと、伊勢志摩と言っておりながら、二度と行くものか」ということになってはいけないと思っていますので。そういったことを思っております。以上です。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

玉城町さんは、既に「アグリの里」ですか、私はそれ1つ成功例だなと思っています。ただ、県下で言いますと、伊賀なんかは同じように温泉施設を湯めぐりできるようなネットワークを組んで取組をやっている所もありますので、そういう形態でもっと発展できるような支援というのは考えられるのではないか。これは既存の活動ですが、そういうこともあり得るだろうと思います。

景観づくりについては、確かにおっしゃるように、地域でまずその景観をどうしていただくかと、いろいろ考えていただくことが大事だと思います。それに対して実行委員会として景観づくりに支援はできますし、県の事業でもそういったものございますので、そういうのを導入しながら図っていけばいいのかなと。三重県自体も景観の基本計画をつくっておりますので、ああいったものも踏まえながら、地域で取組というのはできるのではないかと考えております。

度会町長

まず、この「美(うま)し国おこし・三重」の基本理念、本当によくわかりました。相当説明いただきましてありがとうございます。藤本さんのほかたくさん来られまして、理念だけは頭に叩き込まれたというか、そういうことになっていますが、ゴールはやはり皆さんおっしゃったように、持続可能なパートナーグループをつくっても、皆さんの大切な税金を、結果として対価効果は出さないといけないというのが、また我々の思いですので。皆さん言われたことと同じですが、私としては、いつも言うのですが、小さな町で自立あるまちづくりをするのであれば、政治は止まりませんので、まず先ほど柏木町長さんからもありましたが、県土づくり、地域づくり、これはもちろん両方だと思います。

自分たちは、県にお願いしたいのは、こういう政策を出された以上、6年間の非常に中長期ビジョンでございますので、これをしっかり強力なリーダーシップで指導していただきたいというのが、まず第一です。それに基づいて我々が、自分たちのまちづくりは皆さんそれぞれ行っていると思いますので、私どもとしては、既存の団体、パートナーグループとよく言われますが、度会町の場合は非常に底辺が少ないですので、先ほど言われました数値目標の6年間で1,000というグループをとちょっとお聞きしましたが、あれの説明を受けた後、私個人的に思ったのは、やはり持続可能なパートナーを残して発展にもっていきたい。集客力をもって各地域に発信していきたいという思いですので、それを大切に考えて、あまり数値目標1,000というのは多いのかなと思ったりもするのですが。先ほど言われたように、だいたい30ですね。29ある中で約30で割ると30と。度会町に置き換えてみますと、30グループをつくらないといけないかと、肩の力が入ってはいけないので、それは「ありがとうございます」とお受けさせていただきまして、私は肩の力を抜いて、県の強力なリーダーシップを期待しながら、自分たちの町をこういうチャンスをうまく生かして乗っていきたいというのが、私の思いでございます。

先ほど柏木町長が言われたように、第一次産業がうちも中心でございますので、そういった中で座談会からパートナーへもっていく中で、ある程度県が指導していただくのと一緒で、うちも町民の皆さんに指導力をもってこういうパートナーもつくっていかなければいけないような実情の私の所は町だと思いますので、そういった面では実のあるパートナーづくりを目指したいと思います。お断りをしておきますが、そんなにたくさんパートナーグループばっかりつくるということは、私はできないと思うのですが、自分たちでやりたいというやつはしてもらって。

それから、もう1つ引っ掛かるのは、財政支援をこの間来ていただきまして、「1団体について設立しましたら1/2ですよ」と言って、えらい予算をポンと入れていただきましたんですわ。私、嬉しいなと思いましたが、よく聞いたら1回限りという、何やら限定販売のような話を聞きましたので、この辺ちょっとお聞きしたいのですが。例えば、1,000グループつくったときに、どういう財政支援を、どういう流れの中できちっとやっていただけるのかということを、今日は時間の関係で、もっとあるのですが、お聞かせ願いたいと。

もう来年から始まる、今年の秋から座談会ということでございますので、もうそんなことは言っておれないと。だから、準備期間がちょっと足りないかなというのは、常に思っていますが、やってうまく相乗効果で頑張って、自分の所の町を位置づけしたいなと思っておりますので、ひとつ強力に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

来年からすぐ1,000グループという話ではないので、ゆっくりとしていただいて結構だと思います。1,000グループ、30グループぐらいになりますが、決してこれはノルマとか数値目標というか、全体目標はございますけど、各市町さんにそれだけ何とかという話ではありませんし、かつこれは新規に興すグループだけではございません。今、町長さんおっしゃったように、既に活躍をされているグループがあろうと思います。そういうのも含めてでございます。ただし、既存のグループにつきましては、すべて財政支援ができるかというわけではなくて、これまでの取組以上に何かをしたいということであれば、財政的支援をさせていただこうと。

これも1回ですが、例えば、大した額ではないですが、ものによっては3年間同じようなものを繰り返していかないと、運営費は無理ですが、何かものを買うにしても3年続けていくのが非常に持続性・自立性を高めるのであれば、それは要ご相談ということで考えさせていただきたいと思います。バージョンアップ部分でございますので、その辺はご理解を賜りたいということでございます。一生懸命やらせていただきたい。いろいろお話し合いをしながら、また進めさせていただきたいと思います。

知事

鳥羽市、志摩市、玉城町、度会町、皆さんやっぱり共通していたし、大紀町や伊勢市の意見も共通していた部分があるかなと思うので、改めてもう一度。自立・持続可能なまちづくりというのは、どういうまちづくりをやるんだということでありますが、これについては、鳥羽市長さんおっしゃったように、これからの時代、公を担うというのは、市民の皆さんにも行政の受け手ではなくて、行政と一緒になってその主体の中に入ってやってくださいよというようなこと。これまず大事なことです。そうすることによって、やはり公のことをみんなで一緒に、自分たちも考え行動していくんだという、やっぱり私は「文化力」の一番基本になる人間力。この人というものについては、非常に上がっていくのではないかと思います。

それから、2つ目には、そこで仕組みとしてもっと私たちも考えていかなければならないということがあるかと思います。やはりそれは私は地域内分権、いわゆる柏木町長も言われた、住民参加の条例等で伊賀や名張でも地域内分権というのをどんどん進めているわけですね。その地域内分権というのは、今までなら町にばかり一方的に期待されたけど、「いや、これはあなたたちの地域で、自分たちでもっと考えてやってくれ」という。したがって、町にとっても行政の中の分権を住民の側にしていくという、これかなり大きな決断も入ってくるわけですね。しかし多分、公を担っていくんだという人が育って、そしてその人たちが1つの仕組みの中で動きかけたら、これはもうとても止めようもない1つの地域づくりとして持続性が、いわゆる個人が自立し、そして組織として、仕組みとしてそれが動き出したら、地域内分権という仕組みが動き出したら、これは地域の力として本当にまた「文化力」を育てていくものになると思います。

そして、最後には、そうではあるけれども、やっぱりその成果を暮らしの中にきちっと成果として結び付けていかなくてはならない。そういう意味では、地域にある資源がお金を稼ぐということに結び付けばいいわけで、この3つ目に大事なことは、経済的な効果というものが確実に出てくるんだということが大事だと思います。

そういうものが揃ってきたときに、自立・持続可能な地域づくりということに、本当に結び付いていくのではないかと思います。したがって、公をともに担うんだという、その地域の人たちを、1人でも多くつくっていく。その人たちが、力を発揮できるような仕組みを考えてやる。そして、その活動することによって、経済的な効果もきちっと上げていくというようなことが上手くできれば、これは言うことなしの自立・持続可能な地域づくりになるのではないかと思うところです。

(2)県と市町の連携によって取り組む地球温暖化対策

環境森林部長

小山でございます。よろしくお願いします。まず、お手元の資料に「県と市町の連携によって取り組む地球温暖化対策」というのがございますので、そちらをご覧いただきたいと思います。地球温暖化対策については、大きな所ではよく議論されていますが、個人レベルの行動になりますと、これがなかなか反映されないというのが、私どもの悩みになっています。それで、この地球温暖化問題につきましては、7月に洞爺湖サミットが開催されまして、2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を、少なくとも50%まで削減するという認識で合意されたわけです。この地球温暖化問題につきまして、県民の皆さんに本当に理解していただいて、一人一人が積極的に取り組んでいただくと。それにつなげていくためには、行政がしっかりと取り組んでいかないと、なかなか難しいところがあるかと。単に普及啓発だけでも難しいかと思います。

既に各市町におかれましては、いろいろ取組をされていると思いますが、それにつきまして、皆様の独自の取組についてご紹介いただきたいと思いますが、まず、県の取組の説明をさせていただきたいと思います。資料の2ページをご覧ください。2ページの方にグラフがございます。このグラフ、黄色いグラフになっておりますが、温室効果ガスの県内の排出量の推移をグラフにしております。三重県の地球温暖化対策推進計画におきましては、温室効果ガスの削減目標を一番右2010年度、これを一番左の1990年度に比較しまして3%削減したいと。3%、ちょうど緑の部分に当たる所ですが、その様な計画にしております。しかしながら、2005年度のグラフを見ていただきますと、1990年度、基準年度に対しまして、逆に9.4%増加しているというのが現状でございます。日本全体では6.2%の増加なんですが、三重県はそれより多く伸びているのが現状です。

こういう現状を踏まえていただいて、3ページをご覧ください。3ページの方では、三重県の地球温暖化対策の取組方向を書いております。この温室効果ガスの削減について、家庭とか事業所の取組を効果的に進めていくためには、市町と県が連携して地域の取組をいろいろサポートしていくことが重要になります。県では「県民しあわせプラン」の第二次戦略計画におきまして、「みんなで取り組む地球温暖化対策プログラム」というものをつくりまして、これを市町の皆さんと一緒に進めていきたいと考えております。

この取組方向の1つ目、左肩の方ですが、産業・業務部門での対策としまして、三重県は産業・業務部門の排出が約6割と非常に大きい量を占めています。全国では4割なんですが、三重県は産業が活発だということで、6割を占めております。これに対する取組としまして、大規模事業者に地球温暖化対策計画をつくってもらいまして、これの推進とフォローアップを進めていくということと、中小事業者への省エネ診断をして、環境経営をしてもらうということが、大きい取組になります。その中で、今年度の新しい取組としまして、ここに丸でありますように、企業グループとか企業間のネットワークを活用した「企業連携によるCO2排出量削減促進事業」。企業の従業員の方々にも協力いただこうという取組を進めております。

取組方向2つ目は、右肩の方にあります家庭部門での対策でございます。各家庭におきまして、省エネなどの取組を着実に進めていくというためには、エコポイントという制度を進めております。それと、地球温暖化防止活動推進センターや各地域におられます活動推進員の方々に地域で活動を行っていただいております。この辺をしっかり支援していただきたいということですが、もう1つ関連と書いていますごみゼロ社会実現のためのレジ袋の有料化によるレジ袋の削減。これにつきまして、後ほどちょっと説明させていただきたいと思います。

取組方向の3つ目ですが、新エネルギーの導入ということで、太陽光発電などが代表なのですが、こういう新エネルギーを導入するということも重要です。この新エネルギービジョンに基づく新エネルギーの導入支援や普及啓発を行っていきたい。今、太陽光発電が原油の値上がり等でまた注目を浴びてきているという状況でございます。

このほかにも温暖化防止には森林が重要になります。この右下に3つの取組方向ではないのですが、温暖化防止については非常に重要なものとして、森林の吸収源対策というものがあります。この森林の持つCO2の吸収源としての機能につきまして、これを森林整備や地域・社会で支える森林、里山等も含んだ森づくりをしていくという中で、積極的に進めていきたいと考えています。

温暖化対策につきましての取組は、大きく3つの取組と森林吸収源対策ということで進めており、資料は1から8まで多く付けておりますが、時間の関係もございますので、資料5の所だけ説明をさせていただきたいと思います。資料5をお開きください。三重県では「ごみゼロ社会の実現」ということで、ごみの減量化を進めております。このごみの減量化というのは、ごみの焼却その他も含めまして、温暖化に大きい影響を与えるところでございます。この中で、3ページをお開きいただきたいのですが、ごみの減量化に効果が大きいものに、ごみ処理の有料化がございます。これにつきましては、黄色のところにございますように、県内市町に広がりつつあり、成果が一部上がっておりますので、さらに有料化の導入に向けて県としても支援をさせていただきたいと考えております。

さらに、このごみ処理の有料化と並びまして、一般廃棄物処理事業につきまして、コスト面や会計面から分析をしていただくために、廃棄物会計の導入をお願いしております。これは平成19年度には13市町に導入いただいております。

その次に4ページをご覧いただきたいのですが、レジ袋削減についての取組です。「ごみゼロ社会実現プラン」のモデル事業の1つとしまして、伊勢市さんの方で全国に先駆けてレジ袋の有料化に取り組んでいただきまして、このグラフにございますように、ほぼ90%近いマイバッグの持参率になっております。県では、この伊勢市さんの成果をもとに、レジ袋削減運動の県全域への展開を進めております。

5ページをご覧いただきますと、地図がございますが、この7月に伊賀市さん、名張市さんの方で取り組んでいただきました。それで、9月に鈴鹿市さん、亀山市さんの方で取り組んでいただくという方向になっております。さらに、10月の導入予定ということで、いなべ市さん、桑名市さん、東員町さん、木曽岬町さんということになっておりまして、そのほかの地域も今検討を進めていただいていまして、その次の導入予定という所もございます。

こういう身近なレジ袋の削減をきっかけにしまして、県民の皆さんの意識をさらに今後変えていって、あるいは行動に移していただくということでは、地球温暖化防止や、あるいはごみの減量化へつながっていく取組だと思います。これを県も県域全体に展開していき、支援をさせていただきたいと考えています。

そういう中で、地球温暖化対策につきまして、市町の皆さんと一緒になって進めていくためには、例えば、地球温暖化対策推進計画というものを策定していただきまして、これに数値目標を設定することや、あるいは、家庭での省エネの取組であります「みえのエコポイント」、これを地域単位で取り組んでいただくことや、あるいは、レジ袋の有料化によるごみの減量化、森林整備によります吸収源対策というものに取り組んでいくことが、今後重要になるかと考えます。県としましても、市町の皆さんと共にこういう取組を進めていきたいと考えておりますので、どうぞ今後ご協力をよろしくお願いしたいと思います。また、市町の皆さんの独自の取組がございましたら、ご紹介をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。以上でございます。

南伊勢町長

本当に私の所、過疎が進んで、三重県で一番高齢化、過疎率の高い所なんですね。これはどういうことかと言うと、一次産業に一番依存していた町だということなのですが、特にやっぱり林業。この過疎が進んで林業が壊滅的な打撃を受けているわけですね。そして、炭鉱の町。これは当然もう壊滅的。これは石油社会が本当にべらぼうに安い石油で、確立された経済にもうなってしまったということですね。今日はテレビ見ていましたら、ちょっと原油も先物の値段が120ドルぐらいに下がったみたいでございます。それはリッター幾らぐらいかなと思ったら、だいたい82円ぐらい。1バレル120ドルですと、108円で換算してだいたい13,000円ぐらい。1ガロンが159リッターなんですね。そうすると、原油の価格は82円ぐらい。それで100円ぐらいかかっているもので、これは現地で10万トンのタンカーで輸送してきて、これはみんな税金も含めた原価だと思いますが。

そういうことで、30年代、木炭車というのが走っていたんです。運転手が来るまでに助手の方が木炭をおこして、そのガスでエンジンを回して走っていた。力はなかったものですから、たまに多勢乗ると下りて押していたそうです。放られた人もいるということで、えらい運転手もいるんだなと私も思っていました。それのエネルギーは3俵15キロの炭を入れて、帰りに伊勢で2俵足して、5俵であったといいます。25人乗りのバスだとそうだったそうです。私も大きなバスだなと思っていたのですが、子どものころでしたのでそう感じていました。

このエネルギーは必ず森林にあるんですね。これは石炭にしても地殻変動で亜炭になり石炭になる。そして、それによってガスを取って、コークスを取っているというのが現状です。必ずあるのですから、これを何とか知事さん、この町を。90%は山なんです。これをうまいこと抽出できて、エネルギーに使えれば、大変な効果が私あると思うんです。もう南伊勢町は産油国みたいなものです。2万平米あるんですよ。2万平米あって、私、炭焼きもしていたのですが、35年ごろ、調べたのですが、役場の給料が7,000円ぐらい。そのときに、中学校出て山で炭焼きをすると、2人で組んで月に300俵焼きました。それで、山が100円。雇用が150円、手間代150円。そして、えふやこもが50円ということで、300円の炭でした。300円の炭がその1/2ですから、150の150ですから、22,500円。もう3倍ぐらいの稼ぎがあったわけなんですね。そのときには、今の両町足すと30,000人超える人口だったんです。

これは林業の部分だけは本当に、もちろん水産も農業も、それは衰退していますよ。壊滅的になったというのは、過疎になった原因だと、私は思っております。今、限界集落というのは、うちは7つあります。38集落があって、7つが50%を超えている。もう5年もたつと、半分以上が私はいわゆる限界集落になっていくような気がするんですね。やっぱりその地域にも学校あったんですよ。それが、そこで稼げて食えたから栄えたわけなんで、やっぱりまちづくりというのは経済の本当の力がなければ、私はまちづくりはできないと思っております。食っていけなかったら、人はどんどん出ていくんです。それは現実なんです。

最近では、道路をよくしてもらったお陰で、玉城町や度会町へ子どもを仕入れるために。この間も小川局長とも話をしていたのですが、子どもを仕入れるために、家族ごと移っていくんです。伊勢へももちろんですけど。それで、お母さんがそこらのパートに行って、お父さんが南方へ漁師に通っているという現状です。本当に大変で、何とかしなければと、私も思っているのですが。

この山を活性化すれば、獣害対策の解決にもなるし、山荒れの対策にもなるし、何とか知事さん、ひとつこれを。エネルギーは確実にあるのですから。私もかしきと言って、学校おりて船の飯炊きを2年間していましたけど、イマメの木2本で、それを2つに割って、4つに割って組み合わせて、火をつけておくと、1升5合の飯が炊けたぐらいエネルギーあるんです。もうこれは船の上ですから波あっても、風があっても、イマメの木だけは消えないで全部燃え尽きた。初めぱっぱ、中ちょろちょろとか言って。それにぴったりだったです。イマメで炊いたご飯が大変おいしくて。そんな経験もしております。

ですから、私は本当にこれを何とか。今、原油の値段が82円です。そうすると100円ぐらい運賃とか税金も含めて、精製も含めて、販売手数料も含めて180円ということなので、この82円がこの山でとれないかなと、私は思っています。

そういうことで、これこそ私は南伊勢町のまちづくりだと思っております。もちろん漁業も大変ですけど、まだ漁業は残ってしている人もいるし、後継者もたまにはいますけど、林業だけはもう壊滅的です。雑木は12年から15年ぐらいで間伐すると再生するんですね。それで、また入札して売るんです。その山の財源というのは、その地域の財源にもなったし、そこへ150円の雇用も生まれた。限界集落に学校あったんですよ。そんなことで、やっぱり食えないから過疎になっていくので、それは住むのには最高の所です。少なくても最低の稼ぎがあれば。

まったくそういう現状でございますので、今日は知事さんと会ったら、そんなことをひとつ、県のあれとして、エネルギーがどれぐらいあるのか。原油の80円が幾らになったら、ペイできるのか。そのために地球温暖化に大変な金もかかるわけなので。そして、獣害対策や山が荒れる。下草も巨木になってくる。もう55年から65年ぐらい切っていません。そういうことで山も荒れるんです。お猿も出てくるんです。もう食べるものがないものですから。そんなことを考えながら、今、何とかならないのかなという思いで、一生懸命行政務めさせていただいております。

しっかりこの辺のところも環境森林部長さん、どのぐらいなのかと、一遍試算をしてほしい。それで、原油が80円だけれども、例えば木の方で150円、200円かかるんだということだったら。引き算の部分ありますね、やっぱり地球の大きな問題、そして獣害対策にどれぐらい金かかるのか。それも解決しますよ。そういうことで、ひとつ考えていただきたい。以上でございます。

玉城町長

一遍考えていかないといけないと思っていますのは、河川の汚れとか海の汚れについて、濁水をなくす取組を考えていったらどうかと思います。これは、要するに田んぼの水が汚れたやつが川へ流れて、海につながるということです。泥水で河川が汚れていくという状況が起こっているわけであります。したがって、せっかくの肥養分の田んぼの水を流さなくても耕作ができると。1つには農家の意識だと思うんですね。特にこのことに力を入れているのは、滋賀県が力を入れているようです。こんなことも玉城町は農地が非常にたくさんあるわけですので、環境の取組としてこれから力を入れていかないといけないなと、今感じております。

志摩市長

志摩市で今、「あおさプロジェクト」ということで、林業の話も今日は出ているのですが、海藻も二酸化炭素の固定化の機能があるということで、乾燥したあおさのり約1kgに対して1.1kgの固定化の効果があるということです。ですから、生産量も市としては日本一ですし、三重県も日本一だということですので、ぜひ海藻の温暖化防止の効果も、環境面においてぜひ県さんにおいてもPRをお願いしたいと思います。食べても食物繊維も豊富でおいしいですし、メタボにも効果があるということで。あまり説得力私ないのですが、そういったこともありますし。

それから、もう1つは、地産地消ということも含めて、今回の環境面の資料の中に、フードマイレージというか、近くのものをできるだけ食べることによって、輸送コストあるいは輸送にかかるエネルギーの消費も減らせるではないかということが言えると思います。その中で、例えば玉城豚もおいしいですし、度会茶もうまいし、五ヶ所みかんもうまいし、大内山牛乳もうまいわけですから、もっともっと県内で地産地消というか、近くのものでもっとおいしいものたくさんあるので、みんなで食べようというような運動をすることによって、温暖化防止への啓発とか効果も上がってくると思いますし、それがまた産業振興にも、さっきの地域の持続性の話にもつながると思うので、そういったこともぜひ県においても、全体的なムードの盛り上げを、温暖化防止ということも含めて総合的に行っていただければありがたいと思います。

鳥羽市長

先ほど南伊勢町長さんから、素晴らしい森林がたくさんあるのに、これを活用していないと。それは本当に日本中そうだと思います。こんなこと言ったらあれですけど、まさに無策と思います。私は、蒔ストーブを使っていますけど、非常に気分がいい。そして、ガスは出ますけど、それは成長過程でガスを吸うということからいいと言われています。県議会のときも言わせていただいたのですが、やはり三重県の森林を活性化させるためには、その山で生活ができないと、それはもうできないと思うんです。いろいろな補助金出したり、いろいろしますけど、そんなものではとても抜本的な改善はできない。山で生活ができるようにするためにはどうするかということを考えなければだめじゃないか。

それには、やはり地元の木をしっかりと使うような、そういう考え方をしていく。それから、他の国の自然を破壊してどんどん木を切っている。これを容認しているわけですよね。そうすると、国内の森林も使わずにだんだんと活力が失われて、CO2の吸収力が減っていく。そして、せっかくCO2の吸収力がある東南アジア等の木はどんどんどんどん切ってしまうと。そういうことをずっとやってきているわけですよね。

そこを何とか、もちろんこれは国全体の問題かもわかりませんけど、例えば三重県だけでもやはり地元の木を使うようなことをやっていかないといけないんじゃないか。県議会のときも一般質問をさせていただいたのですが、日本中まさに無策ですね。そして、CO2が増えて困った、困ったと言っているだけで、そして林業は後継者がいない、限界集落だと。言いながら何もしていない。やっぱりここで本気で考えていく時期が来ているのではないか。環境森林部長を前にして、ちょっと偉そうなこと言って申しわけないですけど、本当にそう思います。東国原さんじゃないですけど、「何とかせないかん」。それをずっと日本中やらずに来ているんじゃないかと思います。それは大きなCO2削減、地球温暖化防止につながるんじゃないかと思います。

伊勢市長

私の所、レジ袋の所でもご紹介いただいていまして、一応のスーパーさんのマイバック持参率ということは、先ほど挙げていただいて、それなりの成果は出てきています。あと、私たちが少し手を出しにくい所は、もう少し大きなチェーン店といいますか、まずコンビニであったり、ドラッグストア。ドラッグストアはうちも今度もう少し進めさせていただくことになったのですが、そういう広いエリアについては、例えば県あたりが少し積極的に乗り出すことによって、そういった皆さんの意思統一というか、気持ちが固まるように、私は感じているものですから、地域ごとにはそうやって頑張ってきている所もありますが、少し広域になりますと、やっぱりそうはいかないところがあるという形で、コンビニでありますと元請との話とか、そんな中で少し広域の中で声掛けをいただけると進みやすいのかなという感じを、ちょっと持っています。レジ袋についてはそんなところです。

それから、あと地域で主体的にこれからやっていこうということで準備をしておりますのは、廃食油の活用なんです。これはBDF、燃料こうやって大変オイル高の中で、廃食油の有効活用ということで、BDF化はもちろんのことでありますが、何とかうまく捨てられるエネルギーを回収していくような形で。これも特に私どもは清流宮川日本一を何とか守りたいという思いもありまして、宮川流域で何とか流域全体としての取組で、廃食油を何とか有効活用する、流さない、捨てないということを基本にしながらやっていきたいと思っております。

そういうことは、本当に私海岸に住んでいまして、ここのところ数日魚が本当にアップアップしてきています。伊勢湾の環境対策ということを考えたときにも、やはり三重県はもう少し積極的に特色ある策として、水質改善策ということも売りにしながら旗揚げしてみるのも1つかなと思ったりしています。それから、もう1つは、生ごみを燃やさない宣言をしていまして、今具体的にどういう活用をしようかということで、研究を始めています。そんなところでぜひご支援をいただけるところがもしあるならば、一緒にやらせていただけるとありがたいと思っております。以上です。

度会町長

度会町として、言い訳をこの場をお借りして説明させていただきます。実は、CO2の削減はもう言われたとおり、私の所も森林面積、南伊勢に負けないぐらい85%ありますので、自然体の形でうちは森林吸収、三重県の3%というのは、策としては暗黙でもう参加しているんじゃないかと思っております。これから家庭の削減を中心に、遅れていますのでやっていきたいと思っています。公共施設等では、エコ対策として経費節減、電気もそうですが、クーラー、それぞれのやつはずっとやっております。

その中で、今伊勢市長さんの話で、レジ袋の削減。これ環境森林部長さんお見えになりますので、ちょっと言い訳させていただきたいんです。全部地図見ていただくと資料5でわかるのですが、なぜか紀北町さんと四日市市さんが白抜きになりまして、塗り絵で言って悪いのですが、・р煦皷梵l後に落ちない程度に黄色の所に度会町入れていただいております。これ非常によかったなと思っているのですが。

この間、県の方が来られまして、ごみゼロ運動ということの基本で、度会町もぜひとも、伊勢市さんがモデルでやられたのでということ、これ私も認めさせてもらいまして、「ですから今度、度会町さん、松阪の方の市を中心に、玉城町さんと明和町さん等々で一緒にやっていただけるんじゃないですか」という説明もいただきましたけど、私ちょっとえらい天邪鬼ですので、「うちのような小さな地域は自分で守れるよ」って。えらい申しわけないのですが、私の方で独自に推進会議を開かせていただいて、ごみ削減につながるレジ袋有料化を進めていきたいので、独自でさせてくださいとお願いしたんです。「よろしいですよ」と言っていただいたのですが、この間、ある町長さんが私の傍へ、県の会議でしたけど見えまして、「度会町さんは三重県から説明をしていただきましたけど、朴さんがわしの所へ説明に今日は午前中来てもらった。玉城の町長さんもそうですけど、来ていただいた。なぜか度会町は行かなかった」と。私は、朴さんはごみゼロの中で、とにかく説明には来ていただけるものかなとは思っていたのですが、なぜか度会町は飛ばされたということで、ちょっと聞きましたら、「度会町さん、朴さんもう行かんでもええと蹴ったやないか」と言われましたもので、何かこれやらんとまたえらいことやなと、肩に力入りました。

実は、8月に協議会と言われるような名前に似たような、私の所は推進会議と呼ぼうかと言っているのですが、これで8月下旬に各スーパーなんかが他町村と比べて少ないですので、何とか浸透するんじゃないかということで、町長が頼んで来いということで、この間行きまして、8月に第1回の会合を持たせていただいて、できましたら私の流れですけど、11月、12月に会合させていただいて、玉城町さん、松阪市さん等の協議会立ち上げ導入の予定を見ながら、うちとしては歩調を合わせていってお願いしていこうと思っています。

それから、町民に対しての周知ですが、できましたら4月のごみカレンダーを通じて。うちはマイバック割合と浸透していまして、「町長だけ知らんだんと違うか」と言われましたが、マイバックを亀山さんつくっていただいて、単価を下げていただいたというので、うちも2,500~2,700世帯だから、住民が要望したらそれ持って運動に行こうかなと思いましたら、ほとんど家庭の主婦に聞くと、「だいたい1家庭2つぐらい持っているんや」ということを聞きまして、「ああ、そうですか。その辺は波及効果ですね」ということでしたので。度会町は出稼ぎ農業多いですので、大概玉城町さんとか伊勢市さんとか松阪へ行きまして、有料レジ袋の伊勢市さんへ行きますと、もうそれをちゃんと主婦の方から受け止めていますので。

そういったことで推進協議やっていますので、部長さんに言い訳になりますが、頑張っておりますので、ひとつ説明していただいて「何かペンと蹴ったやないか」と言われましたもので、大変気にしておりますので、朴さんにもよろしくお伝えを願いたいと思います。すいません。よろしくお願いします。

知事

地球温暖化というテーマでも、これだけたくさんいろいろなお話が出たのかなと思っています。まず、1つは、南伊勢町の木炭車の見直し。木炭車というのは、私も確か4歳、5歳のころ、飯高の山奥から木炭車のトラックに乗せてもらって相可の駅まで来たのを、小さいときのことですけど今でも覚えています。しかし、途中でガス切れですから止まって、それで燃料を補給して、確か飯高宮前という所から相可まで、距離的には30kmもない所ですが、昔の山道でもあの木炭車がそれで走っていたわけですね。それを思い出していました。

それで、総じて鳥羽市さんの方からもお話ありましたし、森林の活用ということは、私はこれからの環境問題を考えたときに、非常に大事なポイントだと思います。今、問題になっている地球温暖化というのは、化石燃料を私たちは一気に使いすぎたわけですね。そういう意味では、実はこういう山にある木、これを有効に活用しながら、緑の循環として使っていく。それは、いわゆるCO2を本来的には増やしていくものではないはずであります。そういう緑の循環をうまく活用していくということは、本当に大事なことだと思います。

ただ、緑の循環をさせるその循環がどこかで滞ってしまうわけですね。それは化学的な問題等が絡んで、どうしても輸入してきた石油の方が便利である、コストが安いなどと言われましたが、最近は石油が上がってきて、コスト面でも今バイオ燃料等の見直しもありますね。そのために、今度は穀物価格が上がってということがありますが、例えば山で言えば、間伐材をもっと熱エネルギー源として活用していこうというようなことも、採算面で合うような、そういう時代背景にもなってきたということもあるかと思います。大事な観点のご指摘であると思います。

それから、地産地消についてのお話ありました。これもそういう意味では、食の安全安心という面からもそうでありますし、輸送とかそういうことを考えても、三重県でとれるものを三重県で食するということは、環境面から言っても好ましいことであろうと思います。

実は、膝づめミーティング、この前東紀州の方へ行ったんですね。そうしたら、御浜町の町長さんが、みかんを給食で地元の学校で、子どもたちに食べてもらうようにしているというようなことでした。私、そのときに思ったのですが、せっかくあのおいしいみかん、南勢町でもとれますね。もっと広く四日市や津や松阪の子どもたちにも食べさせてあげたらどうかなと、本当に思いますね。逆に、今度は松阪や伊勢でも、伊勢の産物というのはありますね。ひじきは志摩でとれるんですか。とれることはとれる。大淀のひじきは有名だけど、例えば伊勢でとれる蓮台寺柿、ああいうものとか。だから、それぞれの市町の教育委員会で、学校給食にお互い隣の町のやつと物々交換みたいにして、交換してやると、子どもたちは「何だ、隣の町にこんなおいしいものがあるのか」と言って、地産地消も広がっていくんじゃないかと思います。そんな取組もおもしろいんじゃないかというお話を申し上げたんですね。県としても、もちろん地産地消の取組、いろいろやっておりますし、ブランド化であるとか、いろいろな取組をやっていますから、ぜひ今後も市町の皆さんとも一緒に取り組めたらと思います。

そのほかいろいろありましたね。ちょっとごみゼロの関係で申し上げておきますと、ごみゼロそのものは、RDFの爆発事故がありまして、県としてはああいうごみに起因する施設が爆発したことの反省の中で、何かもう1つ前へ向けて行けないかということで、私はぜひこのごみゼロをやりたいということで、県の施策として取り上げることにしたところです。

しかし、県が幾ら取り上げても、これは実際には県民の皆さんや、特にごみということになりますと、市町の皆さんのそれぞれの取組があってこそ、県内全体がいくということであります。主体ということからいけば、むしろ市町での取組が主体になっていく性格のものである。あるいは、県民それぞれの行動に関わる問題であるということで、ごみゼロプランをどう推進してくのかということは、結構難しいところがあります。かと言って、これは押し付けとかそういう意味ではなくて、目指す方向は当然お互い理解できるところでありますので、県としてはぜひ一歩一歩進めていただけたらと思っています。

レジ袋の有料化というのも非常に効果あるというのは、伊勢市の例でわかるとおりであります。伊勢市長さんご指摘のように、これをさらに広域的なことも含めて取り組んでいくということが大事だと思います。

それから、やはり一番効果の上がるものとしては、ごみそのものの収集について、これを有料化するということの効果。これは大きいと思います。昨日、津の方で膝づめミーティングやりましたときに、名張市ではごみ20リットル袋を68円でということなんです。これをやったら、効果としては25%削減されたということです。さっきの資料見ますと、伊賀の方は6%ぐらい減った。その分随分安いんですよね。志摩市さんの方は、既に一番最初のとき100円という取組をやられた。100円やると33%阿児で減ったとか。実はやっぱりレジ袋、高くないと効果が上がらないんですね。ところが高いと、例えば名張市長さんなんかは、散々市民から批判を貰っているということ。したがって、ここはなかなかほどほどに選挙落ちないぐらいにやらないといけないというところあるんでしょうけど。

しかし、これは全国の例でいくと、50%ぐらい削減している所があるわけですね。昨日、名張市長さんの話の中で、いろいろあの方言われていましたが、和歌山県ではこのごみの有料化をやったお陰で、ごみの焼却場がもういらなくなった。大幅に減ったので、わずかの燃やすごみについては、もう十分民間に処理をさせるということができるようになった。だから、本当に経費がかかって頭の痛いごみ焼却場、ごみ処理、これが相当それでなくなってしまった。そういう例が全国に幾つかあるそうであります。

私は、ごみゼロということは、環境問題とかそういうことと同時に、今のような大変な効果が出てくるということを考えれば、私たち認識を共通しながら取り組んでいけたらと思います。

それから、河川の濁水の取組とか、伊勢市長さんからは、伊勢湾の水質改善等にもっとしっかり取り組む必要があるというお話がありました。まさに河川の問題からいけば、例えば宮川ダムの問題も含めて、私ども取組をしっかりやっていかなければいけないと思っています。伊勢湾につきましては、伊勢湾岸の愛知県や、海へ川の水として出してくる岐阜県、それから名古屋市なんかと、この伊勢湾と取り囲む地域で、ようやく伊勢湾浄化に向けての国を巻き込んでのプランができまして、それに基づいて伊勢湾の浄化に取り組んでいこうということにしておるところでありまして、ご指摘ありましたように、県の方もこれには三重県が一番口やかましく言ってきて、ようやく実現の方向にこぎつけてきたというところがあることもご理解いただきたいと思います。

そのほか、生ごみの問題であるとか、いろいろございました。それから、海藻は、本当にこれも効果あることなんだなと思って、メタボ以外には随分効果あるんだろうということがよくわかりました。

(休 憩)

6.市町の地域課題

(「県と市町の地域づくり支援会議(ブロック会議)」)

伊勢市長

こういう場をつくっていただきまして、ありがとうございます。地域の実情を訴えさせていただけることを、大変嬉しく思っています。私どもが今回お話させていただきたかったのは、先ほど来いろいろなお話、知事のご挨拶の中で、南の地域が何で生きるかということで、うちの地域はもう観光で生きようということで、伊勢・鳥羽・志摩合わせてですけど、今日お集まりの皆さん方は、そういう形で覚悟を決められているのではないかと思っていまして、そういった意味からは、誘客事業について、とりわけ海外の方をどれだけ招き得るかというのが勝負だと思っているんです。日本は日本のお客さんを追いかけてもたかが知れているということがありますから、どうやってこれから海外誘客を進められるかということが、この地域が観光で生きていく上のキーだと思っております。

そんな関係で、ハード、ソフトいろいろな取組方があろうと思いますが、ぜひ充実をさせていきたいなと思っておりますので、そのときの市町との連携をぜひお願いしたい。県は県なりにいろいろな所の各種団体との連携も踏まえながら活動されていると思うんです、海外誘客については。それをぜひ我々も巻き込んでいただいて、「県がやっているよ」ということが我々に見えないということが、一番不安な所でして。ですから、地域事情も含めていただいて、少なくとも「一緒に行こうや」というぐらいの声を掛けていただきながら、対応させていただきたいと思っています。

 そして、先ほどの話にも関わるのですが、「美(うま)し国おこし・三重」がどれだけ世界に対してメッセージ力があるのかなということを、実はあまり読み切れていません、この資料読ませていただいても。ですから、この際に、やっぱり5~6年かけて、この三重県を世界に売れる県にしようじゃないかという、その取組にしていただきたいと、私思っています。

今、全国で30番目ぐらいでしたか、外国の方の来県率を見たときに。それを「美(うま)し国」でベスト10まで持っていこうじゃないかというぐらいの大きな目標設定のもとに、今回の誘客をどこをターゲットにするか。海外の方に通用するぐらいのイベントなんだろうと、私は実は思っているものですから、ぜひその辺を具体的に出す中で、県挙げて取組ができるような体制をつくっていただけるとありがたいのかなと思っています。以上です。

鳥羽市長

先ほどの地球温暖化で、私、用意してきたことと全然違うことを言ってしまったのですが、職員がこれを用意して、これを喋れという話もあったのですが、鳥羽市としてもいろいろなことをやっていますので、念のためそれだけ言わせていただきます。

地域課題ですが、鳥羽市としましては、鳥羽だけではなくて、伊勢志摩地域が一体となった観光戦略づくりというのが、必要だと考えています。そういう中で、今、少しお客さんは増えつつありますが、市としては「鳥羽市観光基本計画」というのを策定して、今年はそのアクションプログラムを、現在官民協働で作成しているところでございます。

それから、式年遷宮に向けての観光基盤整備ということについては、これは連携してやっていかなければならないということでやっているわけですが、さらに今年は内閣府が募集す・驕u地方の元気再生事業」という事業に、官民協働による提案をして採択されたということで、これからそういうことで進んでいきたいと思っております。

それから、鳥羽市におきましては、「マリンタウン21事業」という県の事業が、平成22年度中に1期工事が完成するという状況になってきております。そして、これにつきましてはさまざまな問題がありまして、マリンターミナルを建てなければならない。あるいは、パールビルが閉館をしてしまった。また、鳥羽港湾センターが老朽化している。それから、海上、陸上アクセスの連携不足とか、さまざまな問題がありますが、これをいい方向へ持っていくために、せっかくの「マリンタウン21事業」ですので、県のご協力も得ながら、伊勢鳥羽志摩地域の観光拠点としていくために、今後努力をしていきたい。県に対しましてもご支援をお願いしたいと思っております。

それから、鳥羽市の特性であります離島への観光ということにつきましては、今、「島の旅社」とか、「海島遊民くらぶ」といったようなグループによる活動が盛んに行われておりまして、この「島の旅社」の山本加奈子さんとか、「海島遊民くらぶ」の江崎貴久さんとか、「バリアフリーツアーセンター」の野口あゆみさんとか、鳥羽の3人の女性が中央の方でも有名になってきているというような状況にもありますが、そういった方々、また島民の方々も含めまして、島の再生を目指して努力をしているということでございます。こういった離島への観光、それから答志島架橋の建設促進協議会ができて、離島架橋の実現に向けての活動、こういったことで今盛んに活動させていただいております。

今、申し上げました伊勢・鳥羽・志摩、こういった地域に対する三重県の観光再生の取組、またその考え方、そして離島観光や離島架橋についての考え方、こういった知事のお考えをお伺いしたいと思います。それから、今後この地域の連携強化についての県のリーダーシップを期待していきたいと思っております。以上です。

志摩市長

志摩市の課題ということで、これは地域医療の体制ということで、とりわけ県立志摩病院の小児科医療体制についてということで、お願いをしたいと思っています。今般、県立志摩病院の小児科の医師が、2名体制であったのが1名になったということで、伊勢の日赤に集約ということがなされました。このことによって、志摩市の小児医療体制の根幹が崩れたと考えておりまして、市民の間にも小児医療に対する不安が広がっているということです。

第四次改訂三重県保健医療計画によりますと、小児医療体制の整備に係る取組内容として、地域格差のない小児医療の提供と限られた小児医療の資源を効果的かつ効率的に活用するために、病院の小児科機能の集約化・重点化を進めるということが示されております。そういう中で、志摩病院への平成19年度中の小児科の救急受診者数が2,044名となっておりまして、うち約1割の209名が志摩病院に入院をしている。69名が日赤を中心に伊勢方面へ搬送されているというのが現状です。

小児科機能の集約化・重点化については、三重県に限らず全国的な流れであるということ、あるいは小児科医師不足などに対応するための方策だということはよくわかっておるわけですが、医療機能の分化を推進して、高度で効率的な医療体制を整備するためにも、集約化・重点化の流れを抑制するということは、非常に厳しい状況であるということも理解しております。しかしながら、地域格差のない小児医療体制の構築というのは、志摩市民にとっても大きな願いでありまして、県政に対する期待も大きいということです。ぜひとも地域格差のない小児保健医療体制の実現に向けて、よろしくお願い申し上げたいと思います。

また、関連して、先ほど搬送の人数を説明したわけですが、県立志摩病院から伊勢方面への、これは小児科に限らずということですが、19年度中に755件搬送しているということです。搬送には、伊勢道路を通って搬送するということで、ご案内のように伊勢道路は非常に曲がりくねっているということですし、搬送の時間もかかるということです。加えて年間の交通事故の発生件数というのが176件ということでありまして、ほぼ2日に1回は交通事故も発生しているということで、搬送の環境そのものが非常によくないということです。これは観光面においても同じようなことが言えるわけで、道路の環境について非常によくないということが言えるわけです。

現在、知事さんあるいは県の皆さんのご理解によりまして、伊勢二見白木間は工事にかかっておって、ご遷宮、平成25年には間に合わせていただけるということで、非常にありがたく思っております。先ほどの道路の整備ということも含めて、さらに白木から志摩市の磯部恵利原区間延長8.6kmあるわけですが、計画路線から整備区間への格上げについても、早急に行っていただきたいと思います。医療の上で、命を守る上でも、搬送という部分は非常に大事な部分になりますので、市民にしっかりと安心感を持ってもらうためにも、道路においても配慮をお願いしたいと思っております。以上です。

玉城町長

活力を取り戻す地域づくりをどうしていくのかということを考えないといけないということでございまして、今、志摩市長のお話ございましたが、先般もこのメンバーの方でお集まりいただいた機会があったんです。伊勢市長さんが代表をされております広域の会議でございましたが、やはり共通認識といたしまして、この地域がいろいろな面で連携を、今、市長がおっしゃったような命やら健康、あるいは道路、医療、そういうふうな面、あるいは観光面でも連携をしていかなくてはいけない時代になってきていると、こういう共通の認識を皆さんお持ちでありました。一緒になって頑張っていこうというふうなことでございました。

やはり一番は、この地域で生まれた若い方々が、この地域で残って働いていただく。こういうふうな場をどうつくっていくのか。先ほどからの「美(うま)し国おこし・三重」もまさにそうでございまして、この取組によって雇用が必ずや創出できると思っておりますし、またそのように努力をしていかなければならないと考えています。そのことに一層のバックアップをしてほしいということ。

もう1つは、いろいろな知事さんの冒頭の、これからの世界新体操や高校総合文化祭やら、世界遺産の5周年ですね、そういうふうな事業があるわけでございまして、この伊勢志摩とつなぐ世界遺産、何度も申し上げておりますが、伊勢路の起点であるわが町ということでございますし、それぞれ既に取組は進めていただいておりますが、さらなる一層のバックアップをお願いしたいということでございます。以上でございます。

度会町長

私の度会町としましては、県道の冠水対策事業の推進ということで、知事もご存知のように、3年前に21号台風で、私ども3路線非常に重要な防災生活産業道路を持っておりますが、この3路線についての中で、約8箇所ぐらいずっと非常に浸水する。水浸しになってしまって、傷跡が後に残りますので、ほとんど度会町もバイパス的なものが、努力も不足なのかしれませんが、少のうございまして、どうしても幹線道路がそういうことになりますと、隣接町村の南伊勢町さんとかそういう所へ行く道路もやはり兼ねておりますので、また、大紀町へ行く道は、地味ではございますが、私持論ですが、やはりアクセス道路の一番42号へつなぐ伊勢の地域、志摩の地域の皆さんとの直結道路だと思っております。

そういったことから、非常に県道につきましてはご配慮いただきまして、ここ20年素晴らしいぐらいによくしていただきました。その中で、県単事業としましては、4つぐらいいろいろな種類でやっていただいております。県道新設改良あるいは舗道整備事業等々ございますが、そんな中で冠水対策事業と名称あえて申しましたけど、非常に地味な言葉でございますが、度会町民にとっては非常に切々な冠水。これ8年に1回だとか10年に1回ということは言われますが、やはり表玄関が浸かるとか、そういったことで1回知事さんご自身の冠水対策事業たる新規事業を取り組む気構えといいますか、そういったご自身のお考えがおありか。

私としては、何とか予算化にひとつ新しい事業で、これ三重県内でも他でもあるんじゃないかと思いますので、新規的な意味の事業で、各種の事業が交差点改良も行わないといけないということもよくわかっておりますが、並行して何とかご努力いただいて、大変道路財源見えない不透明なところがございますが、今日や明日とは言いませんので、ひとつ何とかお取組をいただきたいということで、こういう公共の場で要望書を出させていただきましたので、よろしくご回答の方お願いしたいと思います。

南伊勢町長

先ほども温暖化のときに話をさせていたただいたのですが、私の所の町は何と言っても一次産業を何とか復活、農林水産業なんですね。三重県で一番長い海岸線、そして広大な森林があるわけなので、山は海の恋人と言うように、森林の再生こそやっぱり海をきれいにする。再生していくんだということでございます。

そういうことで、私は16年ちょうど町長をさせていただきました。もう16年目なんです。最初の選挙のときに、南島町なんですが、この町はやっぱり農林漁業とそして観光をしっかりしていかなくてはならないということ。260号線もほとんどよくやっていただいて、3分間信号も、今日は伊勢の所長さんも見えますが、この正月には3分間信号もやっと取れるということも聞かせていただいております。まだまだ整備は続くのですが、260号を整備させていただいて、やっぱり紀州路から志摩への最短距離になると思うんです。それを通過点にしてはいけないということです。

私、数年前に外国へ行って潜水艦に乗ってきたんです。やっぱり一生に一回ぐらい潜水艦に乗りたいなということで行ったら、みんな思いは一緒かして、観光バスがずっと並んで、それを順番待ちして乗っている。私、吉津港が1つに市場をまとめたので、今空いています。それを利用して、あの吉津港で潜水艦をひとつやりたいなと。「補助事業で何とかならないかな」と水産庁にもこの間話をしたのですが、「検討しておく」ということですが、これを考えております。

それには260号の早期完成と、そして42号線と、今、隣に柏木町長さんお見えになりますが、藤坂峠を16年前には点々だったんですけど、今棒になっているんですね。早く着手していただきたいという思いでございます。旧大宮町の方からは随分と峠の近くまで、もう柏木町長しっかりと努力していただいてついておりますので、やっぱり南島側からひとつ、2,000mぐらいのトンネルになると思いますが、当時160億円ぐらいかかるということで、私、町で100億円で請負しようかなと笑ったことあるのですが、それもお膳がないというものですから、「100億ぐらいなら立て替えるわ。判だけくれさ」と言って話をしたこともあるのですが、やっぱりこれは42号と260号のアクセス道として、重要な路線だと私も認識しております。

そういうことで、まちづくりをやる中で考えていかないといけないということです。ここに課長がたくさん書いてくれたけど、もうこれみんな森林を整備すること、獣害対策や土砂の災害とか書いてありますが、これも自ら解決はしていくものだと私は認識しておりますので、しっかりとひとつお願いしたいと思います。以上です。

大紀町長

2点お願いしたいと思います。まず、獣害対策ですが、時間も限られておりますので端的に申し上げます。この特措法ができたこと等については、全国山村振興連盟がかんでいるんです。獣害対策は、今や本当に農山村潰しに通じるのではないかという危機感を持っておりまして、国会の山村振興連盟、秋田県の二田さんという代議士がトップでありますが、そこで何とかひとつ国で制度的な問題として解決してほしいということで、この特措法が平成19年12月に生まれた経緯があります。早々2月に施行になったわけでありますが、まさに遊休農地や遊休林地がどんと増えてくる中で、獣害を養っているという状況でありますので、この獣害対策措置をよくご認識いただいて、県もそれなりに獣害対策を考えていただく必要があるのではないか。補助率等も、県単の5割はしてもらっておりますが、特措法によってかなり充実した補助体系もできてきておりますので、ぜひ獣害対策に重点を置いていただいて、「美(うま)し国」のお話もありましたが、これに大いに関わりを持つ施策だと思いますので、ぜひよろしく。深刻に受け止めていただきたいと、獣害は今や山村潰しにつながると、私は認識いたしておりますので、私どもの例を申し上げたらきりがないので、省略させていただきます。

もう1点は、道州制の問題でありますが、これは知事さんと同じ認識を持っておるところでございまして、ものの本によりますと、日本全国12州になり、基礎自治体が300市になると。そうなってまいりますと、15万から40万という単位で小選挙区になるそうです。そうすると、結局は町村はなくなっていくという意味であると認識をいたしておりますので、もう今日非常に政策の中で住民サービスが低下してきているという現実があるものですから、これは断固として、地域主権であるならばとにかく、道州制を施行していくということについては、断じて全国町村会も反対の立場をとっております。そういった面で、住民サービスが疎んじられることは間違いのない事実だと思っておりますので、どうかひとつ知事さん先頭に立っていただいて、お話もよく承っておりますので、ぜひそういうような方向で進んでいただければありがたいと思っております。以上、2点でございます。

知事

伊勢市さんの方から観光誘客の話、それから、鳥羽市さんも同じ共通したお話でございました。そこで、観光につきましては、私も伊勢、鳥羽ともにこれは地域としても活性化の柱のものであるし、日本でも誇る観光地。これは志摩も当然含めてでありますが、そういう所だと思います。そういう意味では、市の活性化の戦略の中で、伊勢においても、鳥羽においても、その中心に据えておる。このことはまさに大事なことでありますし、私もそれが一番いいのではないかと思っております。

海外からの誘客の話でありますが、国もビジット・ジャパンで大変力を入れておりますし、国が目標とする「2020年に2,000万人」というのを実現してまいりますと、多分、日本へ来るお客さんが相当増えるわけですが、各地区での地方においての観光宿泊客も10人に1人が外国人というふうなことになっていくと推定されています。それだけに外国人の誘客について力を入れる、同時に受け入れ態勢をつくっておくということは、非常に大事なことではないかと思います。ご承知のとおり、三重県では、三重県外国人観光客誘致促進協議会、これが中心となっておるところでございます。それから、広域的にも中部あるいは関西と連携しながら、いろいろな取組をやろうとしています。伊勢志摩地域では、伊勢志摩観光コンベンション機構、それから伊勢市観光協会、これも入って、「伊勢志摩地域・鳥羽市外国人観光客誘致促進協議会」、これが活発に行動もされているということでございます。そういう意味では、今後、県の方もぜひ連携をよくして、この課題に共に取り組んでまいりたいと思います。

それで、市町との連携ということでありますが、これは鳥羽市さんの方でも観光に限らず市町との連携強化ということのご指摘ありましたし、玉城町さんからも、広域での連携の必要性もご指摘ありました。県としても、こういう連携強化、そしてより有効に対等の関係として、そして重要なパートナーとして、より連携の効果を生み出していくということは大事であります。今度の県の「地域づくり推進条例」でも、そういう仕組みづくりをきちっとしなさいということを言われております。したがって、こういう膝づめミーティングであるとか、県と市町との関係づくり協議会であるとか、いろいろなチャンネルを持っているところであります。こういうのをもう一度県と市町との連携についても、より有効なものをやっていきたいということで、今回この会では、「県と市町の地域づくり支援会議(ブロック会議)」、こういうものとの重ね合わせで今回やらせていただいております。今年、こういうやり方をしましたが、今後、これをもう少し突き詰め検討いたしまして、そういう仕組みとしてよりふさわしいものにもっていきたいと思っています。

ただ、この観光面にもう一回戻りますが、鳥羽市さんもアクションプログラムをつくり、そして式年遷宮に向けての取組も非常に重視をされているところでありますが、県が実は観光客について、昨年度観光満足度ということで実態調査をやったんですね。これによりますと、「満足」と答えた人が、平成19年は、平成18年の数字からいきますと、10ポイントほど低下をしておるということがございます。もちろんそのポイント、ポイントでの調査ですから、10ポイントというのは果たしてどういうふうなことなのかということについては、いろいろな見方あるかもしれません。しかし、この調査の中では、満足度とリピート率というのは相関関係にあるとの指摘もあるということであります。したがって、一旦来てもらったけれども、その満足度が十分でないと、リピートがもちろん発生しないし、そしてその後の観光入込客にも非常に大きく影響していくということであり、このことはやはりしっかり受け止めておかないといけない。

したがって、もちろん伊勢市さんがおっしゃったように、「美(うま)し国おこし・三重」においても、この三重を売り出すPRということは非常に大事であります。しかし、大事でありますが、一旦来てもらった人のそのとき感じていただいた印象というものは、相当強く影響してまいりますから、そういう意味で、この一旦来ていただいた方がさらに周りにも「三重っていい所だよ」と言って、相乗効果が上がっていくように、この観光政策の中で、観光事業に携わっておられる皆さんが、そういうことをしっかりと意識を持っていただいて取り組んでいただくということが、大事ではないかと思います。三重県としても、観光協会はもちろんですが、この伊勢志摩観光コンベンション機構、こういった所とのより連携を強化しながら、観光政策については取り組んでいきたいと思っております。

それから、鳥羽市さんの方から、マリンタウンのことについてお話がありました。マリンタウンにつきましては、ちょうど今第1期工事については進捗率約90%ほど進んできており、今後、第2期の問題とかそういうのがあります。しかし、実は平成20年には、公共事業評価委員会からまた再評価を受ける。これは再々評価に今度はなるわけですが、そのときに、指数として使っているB/C評価。これについては、過去において15年のときかなり低かった。そういう意味では、今回、再々評価について、それがどのぐらいになるのかということが大変大きな影響を与えていくということになろうかと思います。そういう意味では、また鳥羽市さんとも十分協議をしながら、今後の1期工事についての進展と、今度2期工事については、現計画のまま行けるのかどうか。中止も含めた計画の見直しとか、そういった可能性についても、これはしっかり議論をしなければならないのではないかと思っております。

それから、離島観光の問題であります。「島の旅社」等、非常に熱心な取組をやっておられます。したがって、島の寝屋子制度とか、いろいろな自然、食文化、こういった地域文化を生かすための取組については、ぜひ私どももいろいろな形で、県としても支援させていただけるところをやってまいりたいと思っております。

それから、海上交通についても、その離島へ渡る高速船の建造費について、19年、そして今年も支援をさせていただくという予定をしています。

架橋の問題についてありましたが、これは国土形成計画での位置づけということについて、国の状況をしっかり把握しながら、今後、伊勢湾口道路であるとか、あるいは離島の振興や地域全体の振興を目指す中で、今後、また長期的な課題等も含めて検討していきたいと思っております。

それから、志摩市さんの方からは、小児医療体制の確立をということがありました。地域格差のない体制をしっかり打ち立てていくということは、大事なところであります。しかし、医師不足、看護師不足、特に小児科医等については、その不足とか地域偏在が非常に言われているところでありまして、そういう意味で医療資源を有効に、そして機能分化と連携という形で工夫をしていくということは、今の状況の中で避けられないところであります。抜本的な医療制度については、国の方でもかなり問題意識を持ち、医師の研修医制度の見直しであるとか、小児あるいは産婦人科の医療。こういった保健制度も含めた見直しやそういうのも検討されるやに聞いております。

いずれにしろ今の状況の中では、そういう意味で機能分化をしながら、ある意味医師の集約化・重点化も避けられない中で、今後地域の皆さんにより安心していただけるような、そういう取組をしてまいりたいと思います。このことにつきましては、志摩市におかれても、最近のいろいろな動きの中で、大変市民に対する広報等でも格別にお力添えいただいていること、この機会に御礼申し上げておきたいと思います。

それから、搬送という観点から、道路の問題がありました。新しい第二伊勢道路につきましては、予定どおりやっていきたいと思っておりますが、一番心配なことは、度会町さんの方からも県道の話でありましたが、道路特定財源が一般化されるということになりました。そういう意味で、私ども地方が必要な道路を整備していくのに、十分な財源がそれで担保されるかということ。これは本当に今近々一番気になっているところでございまして、国に対して十分要請をしてまいるとともに、皆さんとも力を合わせて、そこは国の一般財源化の中で確保できるように取組をさせていただきたいと思います。

その上で、県内においては、度会町さんからも冠水対策の問題であるとか、志摩市さんの方は第二伊勢道路の今度続きである白木-恵利原間の問題等もありました。こういう状況を見ながら、プライオリティ付けながら、重点的に整備できる所からしていかなければいけないと思います。

それから、玉城町さんからは、地域づくりについて活力を戻す、そういう地域づくりをしっかり推し進めていくための広域の連携の必要性と、そして県もしっかりバックアップしろというお話でありました。もう言うまでもなく、大変重要な観点であります。「美(うま)し国おこし・三重」、これは本当にそういう意味で、市町と県との連携、あるいは県民、あるいはNPOや地域の自治会、いろいろな団体、あるいは企業も含めたそういう連携のあり方の1つの大きなモデルになるのではないかと思います。いろいろそういった取組を、まずはしっかり成功させられるように取り組んでいきたいし、また取組の中で検証しながら磨きをかけていくということが大事ではないかと思っております。

度会町さんの冠水対策については、冠水対策として独自に県の事業としてやる気構えあるかということでありますが、先立つお金の話もあります。そして、さっきの特定財源の話もあります。しかし、非常に大事なことでありますから、例えば、道路のハード対策も必要であれば、ソフト面で例えば度会町の冠水対策ということになりましたら、宮川の流量の管理をどうしていくかということも含めて、やっぱり対応していかなければいけないだろうと思います。

そういう意味で、今、宮川ダムの民営化の議論等の中で、宮川流域ルネッサンスのそういった関係でのいろいろなご意見もいただいておるところであります。私どもとしては、これまでも宮川ダムの洪水調整機能というのを強化してきましたし、それから、昨年からは新しい操作規則というのも取り入れて運用しておるところでありますから、こういったこともソフト面でのいろいろな対応も含めて、冠水はじめ被害を最小限にする、そういう取組をやっていきたいと思っております。

それから、南伊勢町さんの方から、森林再生の重要性、再びまた強調がございました。これは先ほど申し上げたとおりでございます。それから、道路の問題についてお話ありましたけど、これは先ほど特定財源やそういうのがありました。それはまったく同じでありまして、そういう中でできる所から、特にプライオリティ、重要性、緊急性等を勘案しながらやっていきたいと思います。潜水艦は誠にとてもおもしろいアイデアだと思いました。

それから、大紀町さんにつきましては、獣害対策についてお話ございました。これは本当に大変大きな課題であると思いますが、ご承知のとおり、再来年は名古屋でCOP10が開かれます。生物多様性ということからいきますと、人間だけが生きているわけではなくて、生物いろいろ生きている中で、この議論についてはいろいろな意見があります。例えば、カモシカですとこれは特別天然記念物でありますから、個体調整とかそういうことがなかなか難しいとかいうようなことがございます。

そういう中で、私どもこの獣害対策について、ハード、ソフトの両面からいろいろ取り組んでいかなければいけないと思いますが、最近、特にシカの問題が大きいわけですね。そこで、シカについては、昨年からいろいろなまず規制を緩和する、それからその規制の緩和は捕獲禁止を解除するとか、あるいは捕獲頭数の緩和をやるというようなことで、シカについてはだいたい5年計画で、1/3ぐらいまでシカの頭数を減らしていこうという目標を立ててやろうとしているところでございます。

それで、国の方も「鳥獣被害防止特措法」というのができまして、一定の狩猟税の軽減措置だとか、そういうことも出てきておるところであります。基本的には全国的に今拡大していますので、シカ捕獲についての経費については、国からももっと出してもらいたいと思っておるところです。

それから、県の方としては、有害鳥獣捕獲促進事業ということで、市町が行います捕獲に対する助成。多い少ないはともかくも、1頭当たり上限1万円ということで、平成20年もそういう予算をもって対応しておるということでございます。そのほか、総合的な取組に対しまして、多分大紀町さんは一番いろいろな対応を進んでやっていただいているところであります。県としてはまずは、鳥獣対策では地域ぐるみで対応していくということ。これは非常に大事なことでございます。大紀町さんの取組等について、県としても十分連携を取りながら、県の対応の仕方、今後も追及していきたいと思います。

それから、最後に道州制の話が大紀町さんからございました。道州制については、もう大紀町長さんと多分ほとんど共通していようかと思います。そこで、なぜこんなふうに道州制ありきという議論が出てきているのか。その背景いろいろあるのですが、特に経済界が非常に強く言っています。しかし、その経済界が言うことも、私も少し理解できない所があります。三重県は三重県という単位で、例えば経済界であれば製造業だとかそういうことについて、もっともっと国際競争力をというのですが、三重県は三重県でも結構それを政策的にうまく活用してやってきているわけであります。広くなることが決して経済面で効果が大きいというばかりでもないと思います。

最近、これはぜひ皆さんにも機会あったらお話を聞いていただいたらどうかなと思うのでありますが、立命館大学の村上教授という方がみえます。京都大学を出られて自治の専門の先生であります。この先生が、コストと人口規模ということで、相関関係を見たときに、例えば政府や自民党はよく基礎自治体は30万人ぐらいが好ましいと。最低10万なければいけないということを言うのですが、30万という数字あるいは10万という数字、何の根拠があって言っているのだろう。このことについては示されていないんですね。村上教授は、自分でいろいろ研究をされる中で、どうもその根拠は、実際に調べてみると全然違うではないか。人口が大体4~5万以上になれば、人口の規模に基づいてコストが安くなるどうのこうのというのは、もうごく変化が少なくなって、人口要因よりも、むしろほかの要因でいろいろカバーできることはあるわけですね。

それから、大紀町長さんもご指摘いただいたように、規模が大きくなるということと、いわゆる住民から見たときの自治体との距離感というのは、どんどんどんどん遠くなっていくわけですね。したがって、住民サービスの向上ということからいきますと、逆なデメリットも多く出てくるということがあります。そういう点では、今の道州制等の議論では、あまり科学的知見に基づくデータに基づかない、根拠あるデータに基づかない議論が先行して出ているのではないか。理念だけで押し切ろうとしているけど、その理念も考えようによっては、いわゆる国の財政危機を、何か道州制で振り替えてしまおうというような、不純な狙いも私は感じる面もあります。

したがって、道州制というようなことは、どうしてもという場合には、三重県挙げてこれにどう対応するのかやらなければなりませんが、そんなことにならないように、しっかり今後も議論をやっていきたいと思います。ちょっと長くなりました。力入りすぎました。

7.閉会

(新型インフルエンザ対策について)

知事

どうもありがとうございました。それで、実は私、最後にこれだけは1つ皆さんと一緒に認識しておかなければいけないということがございます。それは、新型インフルエンザ対策でございます。皆さんの資料の一番後ろに、この新型インフルエンザについて少し資料を付けさせていただいています。

まず、この資料を見ていただきますとわかりますように、今は鳥インフルエンザの段階でありますが、フェーズ3に来ておりまして、フェーズ4になりますと、いよいよ新型インフルエンザということになります。現在、鳥インフルエンザでも感染者が382人、死亡者は241人、死亡率は実に63%と、大変な高い数字になっております。

これがフェーズ4に移行しますと、人から人にうつるという、いわゆるパンデミックとう大流行が発生してくることが考えられます。そこにありますように、過去の大流行では、スペインインフルエンザでは4,000万人死亡。1957年のアジアインフルエンザでは200万人。それから、1968年の香港インフルエンザでは100万人が死亡したということです。

今回、心配される新型インフルエンザ、これはH5N1型ウイルスでございますが、ここに想定される新型の大流行があった場合の被害状況が書いてあります。それで、最大我が国で2,500万人が感染するであろう。これを三重県に置き換えると、最大368,000人。したがって、国の死亡者数は17万から最大64万。この最大数を三重県に推しはめると9,400人。この9,400人というのは、いわゆる東海・東南海・南海地震が同時発生のときの最大死亡者数4,800人という推定の倍あるということなんですね。これはこの数字見ただけでも大変なことであります。

国の方もいろいろ対策をとっておりますが、いろいろなマニュアル等についても出ておるところありますが、まだ今後いろいろ打ち出されてくるかと思います。今の時点では、県の方では、例えばタミフルについては、これは治療薬でありますが、152,000人分を備蓄していますが、国の備蓄もございますので、304,000人分あります。それから、プレパンデミックワクチン、すなわち、ワクチンとしては、今2,000万人ぐらいが、この裏を見ていただくと書いてありますように、プレパンデミックワクチンについては2,000万人分が、今政府の方で準備されておるということです。しかし、これ実際に起こりますと、例えば警察、自衛隊、行政機関は、この中でもバタバタ倒れることが出てきますが、行政が行政の機能をまったく失ってしまうということになったら大変であります。そういうときにどうするのかということについて、考えれば考えるほど大変な状況になってきているところであります。

このことについて、ぜひ皆さんとしっかり意識をともにしてきたいと思います。例えば発生したときには、まずは事業者やそういう所がバタバタ倒れていきますから、事業が遂行できないということがあるでしょう。あるいは、スーパーだとかそういう所に一気に食料の確保を求めて殺到していくでありましょう。町には死者がごろごろ出てくるといったときに、埋火葬までどうするのかというような、そんなことまで出てくるでありましょう。食糧の配達だとか、あるいは水道水の供給をどうやって確保するんだ。それから、公共施設での対応、学校の休校措置はどうするんだ。県民、市民、町民への働きかけはどうするんだ。こういうことを考えると、空恐ろしいようなことが考えられます。ぜひこの機会に、このことについて、今後連携を深めて対応していきたいと思います。

私の方ではとりあえず、例えばこの冬、10月以降、11月、12月にもしもこういうフェーズ4という事態が発生したときには、成田に1人降り立ったら、1週間後にはもう東京中広がっているし、2週間後には全国に広がっている。こういうことでありますから、まさに大変な事態が想定されるところでありますので、今後県としても、今どういうことができるのかということについて、早急に検討させております。皆さんとも連携しながら、今後対応を考えていきたいと思っていますので、この機会に最後によろしくお願いを申し上げます。

そして、今日は長時間、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

本ページに関する問い合わせ先

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