現在位置:
  1. トップページ >
  2. まちづくり >
  3. 地域づくり >
  4. 市町との連携 >
  5. 過去の取組【膝づめミーティング】 >
  6. 平成20年度概要 >
  7.  「膝づめミーティング」(津・松阪・伊賀地域)の概要
担当所属:
  1.  県庁の組織一覧  >
  2.  地域連携・交通部  >
  3. 地域づくり推進課  >
  4.  地域づくり推進班 
  • facebook
  • facebook share
  • twitter
  • google plus
  • line

県と市町の地域づくり連携・協働協議会

「膝づめミーティング」(津・松阪・伊賀地域)の概要

1.開催日時

平成20年8月4日(月)
14:30~17:50

2.開催場所

プラザ洞津(津市)

3.出席者

津市長、松阪市長、名張市長、伊賀市長、多気町長、明和町長、大台町長、知事 ほか

津・松阪・伊賀地域の「膝づめミーティング」
津・松阪・伊賀地域の「膝づめミーティング」

4.知事挨拶

それでは、一言ご挨拶申し上げます。今日は、津・松阪・伊賀地域での膝づめミーティングということで、大変お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。座りましてご挨拶申し上げます。

この膝づめミーティングでございますが、もうご承知のとおり、平成15年から実施をしてきまして、ちょうど6年目に入ったというところでございます。

地域主権の社会の実現に向けまして、地域行政の担い手であります、そして県にとりましては最大のパートナーであります市町の皆さんと共通認識の構築とか、あるいはさらなる連携のために、直接意見交換を市長さん、町長さんとさせていただくということでございます。今日もぜひ忌憚のないご意見をお聞かせいただきながら、有効な場にさせていただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

冒頭、大変厳しい状況の中でございますが、先般、知事会の方でまとめました今後の地方財政状況によりますと、来年ぐらいには都道府県合算しましても、いよいよ財政調整基金が底をつくというようなことになってきております。市町も全国合算しましても3年ぐらい後には、これがもう底をつくということで、恐らく平成22年ごろには、全国で7.6兆円という財源不足が起こってくるということでございます。

私ども知事会の方でも、先般横浜で大変な議論をやりました。国は福田内閣が新しく組閣、閣僚を入れ替えてやり直しということになりましたが、今後の動きにつきましては、第二次地方分権改革、第二次答申、第三次答申、暮から来年の春にかけて出てまいります。その間に道州制の議論も、一定の1つの議論の方向付けというのができてくると言われています。一番気になる財政等の状況につきましては、年末に向けての政府の予算議論、税財政での議論、気になるところでございます。なかなか私どもこれまでの増税なき財政再建は破綻しておるのではないか。したがって、地方からは表現としては地方消費税の拡充、これをもっと上げろということを言っておりますが、やはり増税なき財政再建は失敗しておるのではないかという観点から、強い要請をしておるところでございます。地方六団体でもこの点、ぜひ協調してやっていかなければならないことだと思っております。

それから、先般、総務部の方から、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に関わりまして、健全化判断比率というのが出てきております。速報値で三重県の数字が少し出てまいりましたが、4指標ある中で、実質赤字比率は、これは実質が黒字でありますので、数字として上がりません。それから、連結実質赤字比率も、これも三重県の場合には黒字ということで、数字が上がりません。残るものについて、実質公債費比率は12.5%で、ちょうど早期健全化基準、いわゆるこれ以上であると警報になります25.0%からいきますと、ちょうど半分という所です。それから、将来負担比率は400%がボーダー、危険基準になっておりますが、三重県の場合には185.9%ということで、これなどは極めていい方であるということです。ただ、さっき言いましたように、三重県も最大の弱点は、ほとんど財政調整基金の方が底をついている。このことが非常に財政を硬直化させているという状況でございます。皆さんの所も今般こういうふうな形のもの、いろいろと出てまいります。お互いに大変な状況のところではないかと思います。

そんな中で、今日またいろいろと意見交換をさせていただくわけですが、それぞれの地域、大変大きな課題ありますが、津ではまさに藤堂高虎の入府400年のいろいろな事業がございます。松阪もやはり歴史、文化の息づく地域として、松阪紀勢地域あるわけでございます。伊賀は伊賀で先般、小田切先生の限界集落についてのお話を聞きましたが、伊賀市の住民自治の先進性が、小田切先生の方でも挙げておられました。名張市におかれても、そういう意味でしっかり取り組んでおられるというところでございます。それぞれ今後さらに強みを生かした取組をされていくことを期待したいと思います。

県として、少し政策課題等について触れさせていただきます。昨年、第二次戦略計画をスタートさせましたが、この中では、「文化力」と「新しい時代の公」という2つの大きな柱を取組の中心として据えております。質の行政改革として取り組んでいこうということにしておるところであります。

その「文化力」でありますが、先般、松阪市の方で県の「文化力フォーラム」を開催しましたときに、静岡県の静岡文化芸術大学学長の川勝平太先生が、その「文化力」について、京都大学の高坂先生のお話を引用されて説明されました。国には3つの大きな体系が必要である。1つ目は力の体系であり、2つ目に利益の体系であり、3つ目に価値の体系だとおっしゃっておられました。力の体系は、軍事力、国民の生命、財産を守っていく、そういう力です。2つ目の利益の体系というのは、経済力のことだと。そして、3つ目の価値の体系こそ「文化力」なんだと。こういう話でした。

戦前、わが国は力の体系、軍事力に大変力を入れて、しかし、あの忌まわしい大戦になったわけですが、戦後、その復興から立ち上がる中で、経済力、利益の体系をしっかり力を入れて取り組んできた。国にとっては3つの体系はどれも必要でありますが、そのときそのときの政治が、力の入れるポイントというのを決めて動かしていくということになります。そういう中で、わが国は、いよいよ21世紀は価値の体系をしっかりやっていかなければならない時代であると。

そういうお話をされておられましたが、私の思いからすると、むしろ戦後、経済力に力を入れてきた。しかし、そのことが価値の体系をも崩してきた面が強いのではないか。いろいろな社会で起こっている歪の問題を考えても、あるいは格差等もいろいろな形で出てきております。一体何のための経済なのか、一体何のための行政なのかというようなことを考えたときに、ワーキングプアというような、経済大国とは思われないような社会的現象も起こってきている。そういう意味で、川勝先生からも、三重県が「文化力」に力を入れるということの評価を大変していただいたところであり、三重県としてもしっかり取り組んでいきたいと思っています。

さて、そこでこの「文化力」を生かす先導的な取組といたしまして、「美(うま)し国おこし・三重」の取組をぜひこれから進めていきたいということで、昨年から皆さんにも思いをお話しているところでございます。今、ちょうど基本計画を中間案まで取りまとめてきておるところでございます。この「美(うま)し国おこし・三重」につきましては、地域の多様な主体が特色ある地域資源を生かして取り組む地域づくりを基本にいたしまして、6年間のいろいろな取組をやり、それぞれの地域を舞台にして多彩な催しを展開することによって、地域の魅力や価値を向上させ発信をさせますとともに、集客交流の拡大を図って、もって自立・持続可能な地域づくりへとつなげていくという取組でございます。今日のテーマにもさせていただいているところでありまして、このことにつきまして、ぜひ皆さん方からのご意見もいただき、活発に意見交換もさせていただきたいと思っておるところです。

それから、もう1つ、地球温暖化対策についても挙げておるところです。これは先般洞爺湖サミットでも、最大のテーマでもあったところでございます。そこで、CO2削減に向けまして、三重県も積極的に取り組んでいく必要がございます。このことついても、後ほど県の方から説明をさせますが、市町の皆さんにもご意見をいただきながら、市町でいろいろな取組をされていると思いますので、この点についても意見交換をさせていただきたいと思っておるところでございます。

私は、大変厳しい環境にある地方行政でございますが、しかし、今の時代の頑張りというものが、必ずまた新たな展開に行くのではないか。むしろ他府県と比べますと、例えばここ数年を考えても、大変経済的にも製造業中心にした産業も活発でございますし、実質経済成長率は全国で1位を、16年、17年と取っておりますし、それ以後もあるいは続いているのではないかと思っているわけでございます。そして、素晴らしい資源、自然や歴史、文化資源を持っているところでございます。これらを磨き上げることによって、さらに素晴らしい「美(うま)し国」にできるのではないか。むしろそのチャンスのときではないかと思っております。

式年遷宮の行事、これは「常若」という、常に若いという字の「常若」でよく象徴されておるところであります。私は県政も常に瑞々しく、そして、その瑞々しさを保っていく。そういう県政をぜひ展開していきたいものだと思っています。皆さんともそういう思いを一緒に持てたらと思っております。今日はぜひそういう点も含めて、ご議論をお願いしたいと思います。

最後に、御礼も申し上げたいことがございます。それは、「美(うま)し国三重市町対抗駅伝」というのを、今年3月に開催させていただきました。市長会、町村長会、いろいろご議論、事前にはいただきましたが、しかし、最終的な皆さんのご理解もいただき、成功裡に終わることができたのではないかと思っておりまして、改めて御礼申し上げたいと思います。この駅伝につきましては、今後もぜひ続けていきたいと思っておりますので、一層のまたご理解をお願い申し上げる次第でございます。

以上申し上げまして、私のご挨拶にさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

5.県の政策課題

(1)「美(うま)し国おこし・三重」

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

よろしくお願いします。時間の関係上、概略だけ申し上げます。私どもこの「美(うま)し国おこし・三重」の取組は、「文化力」を生かした自立・持続可能な地域づくりをめざすものでございます。具体的には、地域の皆様方がグループ等、あるいは団体をつくっていただき、地域づくりをしっかりと進めていただく。それができるように、私ども多様な主体でつくりました実行委員会を通じまして、いろいろなご支援をさせていただく。これが1つでございます。

もう1つは、皆さん方がせっかくやっていただいているこの地域づくりにつきまして、成果披露を毎年テーマでくくったり、あるいは来年から始まりますのでオープニングという形、あるいは最終2014年に集大成という形で、県民の皆様あるいは地域内外、国内外の皆様にご披露させていただく。こういう2つの取組で成り立っているものでございます。これを来年から6年間かけて続けていこうというものです。グループの皆様方を自立・持続可能なグループ、団体にぜひなっていただくいろいろな支援を通じまして、そして地域づくりをやっていただきまして、それが皆様方自主的に続いていっていただけるような取組を進めるものでございます。

地域あるいはグループの方々が自立・持続するためには、やはりそれ相応のいろいろなスキルとかグループとしての成り立ち、結束力等が必要だろうと思います。そのために、私ども実行委員会の方から、例えば人的な支援を行いまして、グループの自立性を高める資金調達能力とかスキルとかノウハウをつけていただくいろいろな研修の機会を通じて、そういうグループを育て上げていく、一緒になってやっていくというのが、1点の支援の内容かなと思っています。これを人的支援という形で呼ばせていただいております。こちらの支援につきましては、実行委員会が主体となって、県と一緒に各地域のグループの皆さん方にご支援を申し上げていきたいと考えております。

こういう自立・持続可能なグループを、全県域で6年の間に1,000グループぐらい育て上げていきたいと考えているところでございます。したがいまして、ざっと平均いたしますと、1市町当たり30グループ前後になろうかなと。これが5~6年かけてということになりますので、1年当たり5~6のグループが、各市町によって出てくるのではないかと思っています。もちろん市町によりまして人口規模いろいろ差がございますので、そういったところも配慮しながら、こういうグループの形成を促していきたいと思っています。


 こういうグループに対しては、先ほど申しましたようなスキルとかいろいろな人的支援については、できる限りさせていただきたいと考えております。また、このグループが自立・持続するために、財政的支援が必要であるならば、財政的支援につきましても、予算のない折でございますが、させていただきたいなと。つきましては、その際には、地域のグループでございますので、地元市町の方も実行委員会と同額のご負担を賜ればなと考えております。今、予算規模につきましては、だいたいの目安を皆さん方にご説明させていただいておりますが、現在県の中でも調整中でございまして、全体事業費等も定まっておりません。何とか6年間地域の方々が頑張っていただけるような形の支援を、今後考えていきたいと思っております。

 こういうグループの形成を促すために、私ども、この後半から地域の方にいろいろな形で入らせていただきたい。で、地域の中で座談会という形で、地域の皆様方と実行委員会の我々とお話し合いをさせていただき、地域の課題等を抽出させていただく。こういう取組を具体的に後半以降させていただければと思っております。その際には、どういう地域にどういう形で入らせていただいたらいいのかにつきましては、また市町と相談させていただきますので、市町の方でいろいろなリーダーシップを取っていただき、私ども地域の中に入れていただければありがたいなと。また、市町共々私どもと一緒になって地域に入らせていただき、グループの形成、あるいはグループの自立・持続を高めていただければありがたいと思っております。

 これまで縷々申しましたように、地域づくり、その主体はやっぱり地域のグループ、団体等でございます。こういう方々を今後ずっと地域づくりに携わっていただけるような形でいろいろな支援をしながら、自立・持続性のあるグループ、団体に育てていきたいというのが、私どもの思いでございます。それを年度、年度、1つのテーマ、県域全体で取り組みますので、テーマに沿った形で成果の披露をしていく。さらには最終2014年に集大成イベントという形で、大々的に披露していきたい。こういう取組を今後進めさせていただきたいと思っておりますので、ぜひ実行委員会、県共々、市町の皆様方におかれましては、座談会という形からテーマ型のイベント等々含めまして、今後この取組の推進につきましてはご協力、ご理解を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

大台町長

これまでも「美(うま)し国おこし」でいろいろな説明も受けたりして、私なりにおよそ理解ができているつもりなんですが。今も1,000というグループをつくってという話ですが、これは従来いろいろな活動を展開しているグループ等もございます。そういったようなものも含めながら、1つの地域の事情の中でいろいろな動きがあるわけですが、そういう形で私はいいのではないかと思っております。それでいくと、この6年間で30という目安がありますものの、無理に新しいものをつくる必要はないのではないかと思っておりますので、そこら辺の見解だけきちんとお願いしたいと思います。

知事

おっしゃるとおりだと思いますが、町の方で、もちろんかなりそういった主体的な立場あるいは調整にしっかりと関わっていただいたりということは大事だと思いますが、あえて言うならば、新しいものがなくてもいいのではないかと言わなくても、あるいはもっともっと多彩な力を発揮してくることもあろうかと思うんですね。私ども、旧来からある活動がさらにブラッシュアップして、そしてそれが力強く自立・持続する地域づくりに発展していく、その基盤になっていくということは、大いに期待できることだと思います。

松阪市長

今、尾上町長さんからもご意見ありましたが、私の所では、今地域マネジメントというマネジメントシステムというような形で、住民協議会というのを立ち上げて進めているわけです。もちろん名張市さんとか伊賀市さんで先進例があるわけですが、我々、主体性を持った住民という、そういうことを念頭に置いておりますので、意欲が出てくるように仕向けるけれども、だからと言って、我々が引っ張るような形ではつくらない。そういう形で今まで臨んできました。

 随分これ時間がかかりまして、今までで5年、6年と時間かけまして、実際に動いてきたのが18年からなんですね。やっと10地区できました。全部で予定していますのは43地区なんですが、この中でやっと10地区できた。しかも、実は飯高の管内が4つの地域に分かれていますが、これに4つの住民協議会ができたということで、ここで実験的な扱いと言いますか、実験的なこともやれるなということで、今動かしているのですが、この住民協議会を立ち上げるのに随分エネルギーを使っているということから、「もうこれ以上の取組、市長やめてくれ」というようなことを言うわけですね。「いやいや、そうではないぞ」ということを、今地域懇談会ということで、地域回りをしながら説得もし、「じゃあまあやろか」というところまでは来ました。随分これ時間がかかるんですね。

 それからいきますと、今、お話がありまして、もちろん地域住民協議会というのは非常に地域づくり全体のことを言っていますから、いろいろな取組が行われるわけですが、今、この「美(うま)し国おこし・三重」の取組の中でのグループというのは、それぞれの切り口を明確にしたような印象で聞かせていただきました。例えば、街道文化であるとか、あるいは景観の問題であるとか、いろいろな切り口を持ったグループ。比較的性格のすっきりしたものなのかなという印象がありました。それにしても、これ今年度中にこのグループを育てていって、来年度からと言いますと、今知事さんのお話ですと、少し切り口が違うので新しい取組としてどうだろうと。こういうご提案のように聞こえたのですが、時間的には難しいのではないかという危惧感を持ちます。

 どちらかと言えば、我々の住民協議会から言えば、この住民協議会というものを母体にしながら、そういう切り口、県の「美(うま)し国おこし・三重」に向かっての取組をやる意欲をそこからまた発信した方がやりいいのではないか。例えば、朝見住民協議会では1つここで例に挙がっているところを言えば、健康福祉への取組をやろうか。この「美(うま)し国おこし・三重」については、健康福祉づくりをテーマとして積極的に取り組もうかと。こういう形に持っていくのなら、幾らかできてくるかなと。こんなふうに思いますが、まったく新しいものをつくり出していこうということになると、相当時間的には難しい、エネルギーも大変いるのではないかと思います。

知事

今の話で、何も新しいものをどうしても出さないといけないとか、つくらなければいけないとか、そういうふうなことではなくて、私は一昨日旧宮川村の方へ行っていまして、人口減少社会をテーマの「本音でトーク」をやっていました。地域、地域でいろいろかなり危機意識を持って、どうやったらいいのか、いろいろな工夫も始めていますね。それから、先般市長さんも来られましたけど、小田切先生のお話も、市長さんはちょっと後から見えたけれども、ポイントはズラさずにちゃんとすぐ質問されていましたから、さすがだなと思ったんだけど、非常にそういう意味では、今地域でいろいろな課題を抱えていますね。それを私ども一番最初に、まずは地域の皆さんで座談会みたいな形でやっていく。実は今、一人一人は意外とどうやったらいいのか、考えがまとめにくいものであっても、ああいう座談会をやっていると、かなりテーマが共通する認識として出てきて、そしてそれに向けた取組の意欲というようなものも焦点が定まりますから、出てくるんですね。そういう意味で、座談会の手法をやっていくということは、非常に意義があるのではないかと思っています。

 私ども、今、中間案を提示したところで、皆さんからもご意見いただき、県民の皆さん、そして県議会ももちろん9月には、そういった県議会からいただいている意見も踏まえながら、最終案をご提示申し上げていって、できれば今年末、秋深まるころには、この座談会等、今でも実際には展開していますけど、よりきちっとした取組としてもやっていこうかと思っているところです。そういう意味では、総合プロデューサーのほか地域プロデューサーにもフルに回転していただくようにしまして、そういう中でいろいろやっていると、多分いろいろな形のものが出てくるのではないかと思っています。

 それから、例えば今、松阪市でいうところの地域マネジメントシステム、地域協議会ですか。こういうものはかなり市の行政も加わって形づくっているものですね、形としては。多分、この「美(うま)し国おこし・三重」の場合には、市町ごとに、できたら市町ごとの推進母体をつくっていただきたい。それが必要なのではないかと思っておりますが、その中で、市の行政の深い関わりのあるようなもの。これは旧来のやつをさらにブラッシュアップしていくというものもあるかと思います。それから、多分そういうものをやっていこうとしたときには、民間のNPOであるとか、市民団体、市民の皆さんが思いを強く持って、多分、新たに是非やりたいというようなものもできてくるのではないかと思います。したがって、座談会なんかもできるだけ広い形でもっていった方がいいんだろうなと。その中で、2~3人のグループがこういうものをやるというのが立ち上がってくるということもあり得るのではないかと思います。

 そんなので、今年の11月以降ぐらいになりましょうか。そういったところも進めながら、来年はそのスタートになるような年でありますから、さらに準備を積み重ねて、来年1年ぐらいかけて、大体いろいろなグループが実際に動き出すという形になっていけばありがたいな、良いのではないかなと思っています。

 テーマ性とか中身については、やっぱり地域の主体性が必要です。あるいは、グループの方々の主体性が必要です。私どもとしては最低条件、県の方の実行委員会からお金の支援等もやる際には、最低限こういうことでなければという、一応県民への説明責任つくようなハードルはつけさせていただきますけど、内容とか活動の具体的な方向については、これはもう地域の主体性に一番お任せしていかなければならないことだと思っています。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

今、知事の方から申し上げましたけれども、今、成り立っている市の協議会、この協議会も座談会のいわば対象という言い方は失礼な話になりますが、話し合いの1つの組織にはなるんだろうなと思っています。この後半から、旧の69市町村さんに対して、できれば1回あるいは2回ぐらい頑張って入っていきたいなと思っていますので、そういう方々にお集まりいただき、話し合いをしていきたい。その中から、具体的なテーマというのが、また結果として出てくるのではないかと思っています。それはまた来年、再来年に向かって育てていくということができるんだろうと考えています。

松阪市長

今、知事さんのお話を聞いて、少し見えたかなという感じがするのですが、松阪の場合、どこでもそうですが、合併によって随分範囲が広がりました。旧4町と旧松阪市、しかも旧松阪市の中でも市街地と中山間、かなりズレがあるんですね。地域の声をというふうに聞いてしまったものですから、いろいろ私の方の取り違いも若干あったなという感じが、今しているわけです。中心部では、多分今住民協議会を我々つくろうとしていますけど、これなかなかのことで進まないと思うんですね。そういった所では、むしろ小グループであるとか、そういったものが市民活動のような形で動いているのが現実ですから、そこら辺の活用というのが、また一口あるかなという思いをいたしました。考えてみます。

多気町長

市と違って町の場合は小さい組織ですので、地域振興策というのはいろいろとってきたつもりですが、これからも含めて地域振興策自体は、1つの町おこしも含めてですが、地域の振興は私たちの大きな課題ですので、取り組んでいくつもりです。今、一番問題になっておりますのは、いろいろな地域振興策をしても、今、知事も言われましたように、持続可能なずっと続けた形の振興をしていこうとしますと、それに関わっていただいている組織、団体、また個人もそうですが、所得面とか生産面が向上するような形にならないと、なかなか持続できるような形にはなりにくいのかなと。初めのいろいろな仕掛けは、行政も含めてするにしましても、ずっと継続して続けていこうとしますと、やっぱりそれぞれ関わっている人たちの所得面とか、いろいろなプラス面が出てこないと、現実的にはなかなか難しいのかなと、実は常日頃思っております。

 そんなことから、今回の「美(うま)し国おこし・三重」の中で、振興策の問題についてのいろいろな支援はできるかなとは思っていますが、今申し上げましたように、生産面とか所得が向上できるような策の形に対するいろいろな支援というのは、いかがなことなのかどうかということ。

 そして併せてもう1点。今まで私どもの町にも、地域それぞれにおきまして、町村合併を2つの町村はしたのですが、2つの町村なりに振興を含めたいろいろな組織、団体もできておりまして、今も引き続いてやっているのですが、既設の形も1つの団体、組織として、この「美(うま)し国おこし・三重」の中に関わりを入れていただけるような形になるのかどうかということも含めて、お聞かせいただきたいと思います。

知事

最初の方は、大変大事なところであります。基本計画の中間案でも、まず「美(うま)し国おこし・三重」を何のためにやるのかということでありますが、ここにも書いてあるように、地域にはいろいろな自然とか歴史、文化というものがある。これをもう一度さらに磨きをかけて、地域の魅力を増していく。それをぜひ情報発信する。そのことで、やはり地域への誇りだとか自信ということも増えてきますけど、結果としてそういう持続した地域づくりをやっていくためには、経済という側面がついていかないといけないわけですね。

 そういう意味では、集客交流の拡大をもって図るとか、あるいは集客交流という表現でなくても、例えば地域コミュニティとしてやっていくとか、そういう形をぜひ取れるようなものが望ましいわけであります。多分、多気町には勢和村丹生にある「まめや」さん。ああいったもう既に我々から言えば、「美(うま)し国おこし・三重」で言えば、1つのこれまでに既にあるモデルみたいなものもあるわけですね。やっぱりああいうふうな形で地元へお金を落とす仕組みを持ちながら続けていくことができるということが、非常に大事なことだと思います。

 したがって、今後基本計画を詰めていく中で、目指すべきもの、これはアウトプット的に目指すべき数字、いろいろなものを出しますけど、最後のアウトカムとして、やっぱりこういうものをイメージしたいということを、まだちょっと今検討中、最終案に向けて検討しているところですが、しっかりそういうものを出していきたい。その中には、そういう経済的な側面というのは、やっぱり1つ我々のねらいの中にきちんと置いていきたいと思っています。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

いろいろなグループ活動の出口というのが、各グループによって、活動の内容によってはあろうかと思います。今、知事が申し上げましたけど、最終的に地域が元気になっていくことが1つの目標なのかなと。その場合、元気というのは、町長さんおっしゃったように、あるグループの取組がビジネス化していくと。私どもコミュニティビジネスと呼んでいますけど、こういうふうなものを育てていくというのも1つだろうと思いますし、あるいはビジネスにはなかなか行かないけれども元気になる素になると。みんながワイワイ頑張っているんだと。そういうものが地域にどの程度貢献しているとか、そんなところも測るようなものも考えながら、活動によって持続できるような出口を見つけながらいきたいなと。その出口へ行くことができるように支援をしていくと。人的な派遣とか、ノウハウ提供とか。財政的支援というのは、ある意味最後の支援でございます。

 したがいまして、もう1つおっしゃった既存のグループについてどうかという話ですが、既存のグループも私ども支援はさせていただきたいと思っています。ただ、財政的支援につきましては、同じ取組であれば、もう皆さんやっていらっしゃるので、そこまでは面倒見なくてもいいじゃないかと。そうじゃなくてバージョンアップとか、もう1つ違うことをやるんだという取組で、一回こっきりしかない財政的支援ですので、これを投入したら持続性が高まるというものであれば、支援の対象にさせていただけるかなと考えています。

多気町長

今、言われましたように、バージョンアップとか人的支援とか、そういうようなことに期待をしていますので、そこら辺を含めてぜひひとつ、我々の末端行政としては経済面のそういう関わりというのは、非常に弱い所がありますので、そういう面に対する支援を、ぜひひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

伊賀市長

実行委員会のあり方ですが、私思うのに、もう実行委員会主導型で何かやってしまう、要するに、市町抜きでプログラムから組織化から、実行委員会だけでやってしまうと、事業が終わったらもう一過性で終わってしまうと思います、過去からの経験で。相当実行委員会に対して、私たち名張市さんも含めてお金を出して、県とのお金を足して、「生誕360年 芭蕉さんがゆく 秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」ということで3年でやったんですね。いろいろな楽しい時期には計画をやって実行してもらったけども、終わって今もう何もないと。

 ですから、県レベルでの実行委員会は当然必要なんでしょうけど、それぞれの市町で資源を使っていろいろなことをやる。資源というのは、いろいろな資源を使ってやるということになったら、ぜひとも市町の実行委員会、県の下部組織の中でつくってもらって、どちらかと言えば、そこへ市町の職員も入って、県の実行委員会レベルで考えた市町での事業を展開するという方法でやってもらわないと。多分県全体の実行委員会にそれぞれの市町から1人か2人入って、全体計画つくって、それをそれぞれの市町でと言っても、恐らくそんな、さっき長谷川町長さんおっしゃいますような経済的なコミュニティビジネスにつなげるとか、そういうことはやっぱり市町の行政と市町に住んでいる人たちが中心的になってこないと、私は後へ残る持続可能な、そういう表現はたくさんありますけど、事業としてはちょっと難しいかなと。一過性のイベントならそれでもいいと思いますけど、目指すところはそういうことではどうやらないようでありますので。

 なぜ消えていくかと言いますと、実行委員会で、例えば伊賀市なら伊賀市でこうこうこういうことを「美(うま)し国おこし」でやりますというので、新しいグループが乗っていったと。一定のことをやった。そのやることについては、市も県も含めて一定の財政支援があります。しかし、それが終わってしまうと、永久に財政支援が続くわけじゃないですから、その財政支援が止まると、何かをやりかけたグループが、多分解散せざるを得ないとなると思いますので、その辺は十分注意してお願いします。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

先ほども少し申し上げましたが、財政的支援というのは、ある意味この取組では最後の手段だと思っておりまして、むしろグループ活動が持続できるような形で、いろいろな財政的支援でないものをさせていただければと思っております。だから、当然私ども座談会も含め、市町の皆様方と相談しながら一緒に入っていきたいという思いでございますので、市町抜きということはまず考えておりません。今、市長さんおっしゃったような形で、むしろ市町に実行委員会組織をつくっていただくのは大変ありがたいことだと思いますし、そこを通じて私どもと一緒にさせていただければ、非常にありがたいと思っております。

 例えば、この私どもの取組のモデルが愛媛県にあるのですが、愛媛県では同じようなやり方で、地域が愛媛の南の方の一地域に限っておりましたし、観光振興という1つのテーマでやっていたわけですが、やっぱり100ぐらいのグループを立ち上げまして、その取組が終わった段階では、8割ぐらいは残って、今現在ではさらにまた100幾つかのグループに増えているという状況でございまして、そのグループを自立支援できるような形で、いろいろなプロデューサーあるいはコーディネーター等入れて支援をしてきたというのが実態でございます。財政的支援も1回こっきりで、やはり持続できるようなものにだけ財政支援をさせていただいたと。

 例えば、1つの例で言いますと、町並みに人が訪れたときに乗っていただくバスを、あるグループがバス路線つくって走らせたと。これがレトロのバスでございまして、300万ぐらいしたそうなんですが、この取組の中で、愛媛県さんは100万円を出していただいて、残りはグループの方々が出してそれを購入されたと。今現在は、3台目のバスを自らが購入されて持続されているということも聞いております。

 こういうふうに、きっかけになって持続ができるような支援であれば、最初の1回ですけどさせていただきたいと考えています。

伊賀市長

ぜひともお願いしたいのと、それから、69市町村それぞれで座談会をというお考えのようですが、地域によってもこれ違うと思います。伊賀市の場合は、できるだけ早く旧市町村のいろいろな因習に囚われず、一体化を求めて今やっておりますので、したがって職員の人事なんかでも現在50%以上ガラガラポンでやりました。ですから、そこのところは旧市町にお入りいただくのは悪いという話ではないですが、そこで旧市町だけで、例えば昔の祭りごとを復活するとか、そういうことを推進されますと、ちょっと現在の行き方とうまくいかない。我々の考えている1つの伊賀市の一体性の醸成というのと、矛盾するところがもし出てくると辛いので。それも「座談会をしなさんな」とは言いませんが、ひとつ入られる前にぜひとも相談していただきたいのをお願いしておきます。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

十分相談させていただきたいと思いますし、69と申しましたが、これは今年の後半部分でございまして、最終的には市町に1つ、1回とかと思っておりませんので、何回もいろいろなグループの方と話したいと考えていますので、またぜひそういったところもご案内していただければありがたいなと思います。

知事

私からは、特に市町ごとに推進組織をぜひ立ち上げていただきますと、我々はやっぱりそこの判断というものが一番大きなものになってくるのではないかと思っています。ですから、伊賀も旧市町村単位ではなくて、伊賀市としての1つのまとまった推進母体というところを持っていただいておけば、今のような問題はクリアできるのではないかと思います。

名張市長

関連もございますので、ちょっとご意見等申し上げたいと存じます。私は、かねてからこの「美(うま)し国おこし・三重」の取組、これによって三重の「文化力」を発信するんだという試みは、非常に素晴らしい切り口でいいなと、こういうことでご支持を申し上げてきたところでございます。また、今まで県政がいろいろやってきたその集大成にもなると思ってます。これは田川さんが「文化の風おこし」に始まって、そして北川さんが「生活創造圏」、地域の力をつけるんだと。そんな中で、今、それらを集約した、まさに「文化力」というものを発信していく。これを「美(うま)し国」のイベントとして発信していくんだと。非常に切り口がいいと、私は支持をさせていただいたところでございます。

 これやりようによっては非常におもしろいイベントになるんだろうと思います。ただ、先ほどから今岡市長さんもおっしゃったけど、各地区で実行委員会をつくってというのは、これは要するに、最終的に行政批判になって終わるんですよ。ですから、本部の実行委員会をつくって、それはやらざるを得ないですけど、各地域ごとにとなりますと、非常に難しい。ただ、先ほどから聞かせていただいているのは、そういうふうなニュアンスではないというふうに、私は理解をさせていただいております。

 もう1つは、県のファンドが非常に使いにくかったら困るなと、こういうふうに思っているのですが、これもそんなことではないなと。「こんなことやらな、こんなんやらへんぜ」という、そういう事業でもないと、今ずっと聞かせていただいて理解をさせていただきましたので、これもいいなと思わせていただいています。

 私ども名張市は、いかようの対応でもさせていただきたいと思っています。これは地域としてでもいいし、それぞれの目的団体としての取組でも、いかような取組でもさせていただけるのかなと思っております。

 地域としては、平成15年から「地域づくり委員会」というのを公民館単位、小学校区単位でつくりまして、いろいろそこへ出されていた補助金というものを全廃して、交付金に変えまして、そしてその地域のテーマに沿った事業を展開してくださいと、こういうことで6年がたったわけでございますが、そんな中でかなり事業も、今までできる事業しかやらなかったけれども、必要な事業へどんどんどんどん3年目ぐらいから転換されてくるわけですね。それで、事業の進化もどんどんしてきておりますので、今ではもう各地域ともにコミュニティビジネスなんかも始まってきていますから、かなり扱うお金が何千万単位にもなってきていまして、もう法人化していかないといけないと、こういうふうになってきておりますので、これから法人化していこうとしているわけでございます。

 それと目的別、ここでもいろいろなもので受け入れていくことはできると。もう1つ目的別団体でございますが、これはそれぞれいろいろな団体ありますが、福祉の団体、環境の団体、歴史文化の団体、健康づくりの団体、いろいろな団体があります。こういう団体の活動を活性化していくために、上限わずか20万ですが決めまして、そしてプレゼンテーションをしまして、今年のテーマはこれとこれだということの中でやって、もう1つはテーマを設けないでやる。そういうのをプレゼンテーションしまして、だいたい今年も35団体ぐらい来まして、18団体が選ばれました。プレゼンテーションだけで、審査して1日がかりなんですが、そんな中でこの「美(うま)し国」の1つを入れていくということも可能です。

 また、今ちょっとこういうことの試みもしていこうと思っているのですが、地域団体と目的別団体のコラボレーションをさせる。これをやっていくことも可能であろうと。こんなふうにも思っておりますので、そのファンドの使い方もお任せいただいたら、テーマも我々でつくっていくこともできますので、実行委員会の考え方に沿ったそんな活動は協働でやっていけるのと違うかと、私どもは思っておりますので、あまり縛りのあるようなことは考えていただかなくてもいいのではないかと思っています。

知事

今のお考え、ぜひ積極的なお取組の姿勢と受け止め、それに我々も資するように。むしろ亀井市長おっしゃるように、我々からいけば、今回のこの取組については、それぞれの地域がもう既に地域づくり、町づくり、いろいろな形で取り組んでいるわけですね。したがって、それぞれの地域が県の今度の「美(うま)し国」、これはさらに地域をPRするためにも、さらに利用できるものは利用していこうという積極的なそういう捉え方で、むしろ地元からこれに臨んでいただくということは、大変好ましいことだと思っています。

 我々、あと1つは、当然いろいろなお金も放り込んでいくわけですから、私どもとして県民への説明責任がちゃんと果たせる、その基準、ルールはつくっておかなければならないと思っています。それから、もう1つは、あまり今度は地域づくりということになりますと、拡散しすぎてもいけないのではないか。したがって、県の方が対象とする部分については、ある程度さっきの経済面とかそういうことも含めて、そのルールの中で、より有効に展開できるように考えていかなければならない。仔細についてはまだ今最後の詰め、これからやるところです。

名張市長

いみじくも今知事さん申されましたけど、私ちょっと藤本さんとかの話を聞かせてもらっていたら、1,000とかいう中で、あまりちまちましたものになってしまう可能性もあるわけですね。ですから、ある1つの何かのテーマ、これは本部の実行委員会で決めたらいいと思うのですが、その中で各自治体としての売りの部分を1つずつ、これを育てていくという。育てるというか、発信をしていくという、そんなのも入れてもちょっとようけ使うというか、そんなのも入れてもいいのと違うかなというふうには思うんです。また考えて。

知事

そういうものは、例えば名張市さんの方で、県の方の今回つくっている多様な主体による実行委員会に呼応して、名張市の方で対応される推進母体になるもの。ここらがそういう色をちゃんと出していただきながら対応していただいたら、うまくいくのではないかなと思っているところです。

明和町長

ほぼお話は出ているように思うのですが、私の所で今困っているのは、やはり地域ビジネスの話が今お話として出ていましたけど、そこら辺へどのように結びつけていくのかなというのが、一番の課題かなと思っています。ご案内のように、既存の組織については、実は私の所は今年50周年記念ということで、各種団体に呼びかけまして、なにか1つ変わったこと、いわゆる50年を記念してという部分で、そういう切り口でいろいろなアイデアを募集しますという形で募集をしました。ところが、やはりソフト的な遊びとか、レジャーとか、交流とか、いろいろな形のものは出てくるのですが、いかに地域ビジネスの方に結び付けていくかという部分のアイデアというのがなかなか難しくて、そして今ある既存の20数団体を、今の話で新たにこの「美(うま)し国おこし・三重」の事業に乗っけていこうとする場合でも、非常にどこまでそこへ結び付けられるのかな、というのが実はあります。

 その中で、1つだけ、私の所、特産物というのはあまりありません。あってもひじきとか海苔とか、海産物の一次産業の部分だけでして、それらをつくって何かできないかということで、商工会の若手の皆さん方に寄っていただいて、いろいろと創意工夫をしていまして、ひじきを入れたかまぼことか煎餅とか、いろいろな形の試みを今やりながら、祭りとかそういった所で販売をし、土産物という形にまではまだ行っていないのですが、そういう取組をやっています。

 したがって、仕掛けるのはいいのですが、先ほどから出ていますように、持続するためと、地域経済に何とか寄与していける、そういう取組というのをどんなふうに仕掛けていったらいいのかなというのが、ちょっといろいろ悩んでいるところでございまして、そこら辺これからいろいろなお知恵をお借りするという部分の中で、1つだけそこにはやはり人だと思います。人が引っ張っていく部分がないと、なかなか地域づくり、いろんな部分で難しいと思いますので、ぜひ人材の部分の手立てといいますか、そこら辺をよろしくお願いしたいと思っています。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

先ほど愛媛の話をちょっとさせていただきましたが、あれはバスの話ですが、例えば地域でレストランをしたいという農家の主婦の方々が集まってという事例もありまして、続いている例もございます。ですから、今のお話の中でビジネスというのは、非常に我々も大事だと思っていまして、そこへどういうふうに結び付けていくかというのを、活動の種類によって、例えば物販であれば、どこか物販関係の専門の所とネットワークを組むとか、今ひじき、かまぼことありましたけど思い出したのは、かまぼこの中に昆布を入れてつくっているそういう商品もありますので、そういったものも踏まえながら、いろいろなアイデアを出して協力させていただきたいなと。まず、どのようなことをやっていらっしゃるかという悩みを聞かせていただくことが一番だと思いますので、地域に入らせていただいて、そういう方々とお話し合いをしながら、ほかの事例もご紹介しながら一緒になって進めさせていただければありがたいなと思っています。

知事

県の方で、特に実行委員会の方で地域と連携しながらやっていく中で、まず座談会でいろいろとやっていきますね。そうすると、座談会そのものもファシリテーターの役割が最近非常に大事だと言われていますね。そういう意味では、かなりプロ的な技も入れ込みながらやっていくと、かなりまた違ったものが見えてくる。その中で、これはというところについては、我々は総力を挙げて、例えば東京あたりでのいろいろ広い情報のもとに、これに資するものがないかということを探させたり、そういう専門家の人をこちらへ連れてきて、さらに何か工夫を積み重ねるとか、いろいろな展開が考えられると思うので、そこはさっき名張市さんにも言ったように、地元で今回のこの県の取組については、したたかに県を利用してやって、明和町として何か住民の自発的な動きをさらに力を引き出してやろうと。そういうふうにぜひ積極的に県の、県と言うよりもこの実行委員会全体の力の引き出しを考えていただけたらありがたいと思います。

津市長

今日はどうもありがとうございました。大体地域の事情というのは一緒なんだなと、改めて確認をしておりました。私どもは、10カ市町村合併ということで、一体感の醸成に取り組んでいるところでございます。総合計画も3月に完成し、お示しをすることができました。地域それぞれの特徴、特性を生かす「地域かがやきプログラム」により、それぞれの地域を輝かそうと、今、進めさせていただいております。例えば、美杉ですと森林セラピーとか、一身田ですと寺内町のまちづくりということもさせていただいておりまして、今、名張市長さんも申されましたが、私どもの方においても、市民活動推進事業交付金という形で、市民のそれぞれの皆さんの活動を、もちろんプレゼンもしていただいた上で、支援させていただいております。

 私は、今回の「美(うま)し国おこし」というのは、1つの仕掛けとして、先ほど知事もおっしゃいましたように、我々が利用させていただくというか、そういう形なんだろうなと思っております。いろいろあるのですが、1つだけ私の方からお願いをさせていただきますと、やっぱりそれぞれのグループをつくるのに、それぞれ共通した問題があると思うんです。少子高齢化とか、いつも同じメンバーの方々がグループの構成員になってしまうとか、いろいろな共通した悩みというのがあると思います。

 藤本さんが、それぞれ旧の69市町村と言われまして、伊賀の市長さんも、一体感の醸成しているからそれはという。逆に我々からすれば、一体感の醸成は一体感の醸成で、それぞれの特色を生かしてという、上手いことそれをミックスさせるようなのが一番好ましいのかなと思います。10カ市町村が一体感を醸成すると言っても、なかなか難しい。考え方によったら、一体感を醸成できる部分とできない部分が、あっていいんじゃないかなと、僕は思っております。ですから、そういう面でいくと、またこれも「美(うま)し国」をうまいこと利用させてもらって、私の所とすれば、ちょうど仕掛けのきっかけにさせていただければと思います。

 そこで、最後ちょっと意見なんですが、それぞれの共通する点は、上手いこと県も時間をつくっていただいて、例えばそれぞれの勉強会だったら勉強会で、それぞれの共通する勉強会へ我々も行かせてもらえればいいと思っているんです。そして、行かないといけない部分、来てもらわなければいけない部分というのは、たっぷり時間を取っていただければいいと思います。メリハリを効かせてもらって、何でもかんでも例えば行ってどうということじゃなくて、僕の個人的な考えですが、そういう時間の使い方をさせていただいた方が、スケジュールも結構タイトになっていると思いますので、そういうふうなことは遠慮なしにお互いが言っていくことだろうと思っております。最初が肝心だと思っていますので、できることはできる、できないことはできない、だからどうするというようなことを、最初に議論を深めておきたいなと思っています。私からは以上です。

政策部理事(「美(うま)し国おこし・三重」担当)

今、おっしゃっていただいたように、市町の皆さんと私ども意見交換、これからどんどんさせていただいて、できる限り市町の意見も聞きながら、そして地域の方々の意見を反映できるような取組を、一緒になってやっていきたいと思っています。近々市町の方々には説明会をまた開かせていただき、意見交換会をさせていただきたいと思っております。

(2)県と市町の連携によって取り組む地球温暖化対策

環境森林部長

小山でございます。よろしくお願いします。まず、温暖化問題、資料の方で簡単に説明させていただきますので、よろしくお願いします。お手元の資料の「県と市町の連携によって取り組む地球温暖化対策」という所でございます。地球温暖化問題は、待ったなしと言われながら、なかなか個人レベルになると認識が薄くなってしまうというところが、非常に辛い問題ですが、先日開催されました洞爺湖サミットで、2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも50%までに抑えるという認識で合意されました。この地球温暖化問題を県民の皆さんに理解していただいて、さらに一人一人の積極的な取組につなげていただくということが、行政として大事なことでございまして、そのために私ども県としてもしっかり取り組んでいく必要があると考えています。

 既に各市町さんにおきましても、いろいろ取組をしていただいていると思いますので、皆様の取組についてご紹介いただきたいと思いますし、まず、県の取組のご紹介をさせていただきたいと思います。お手元の資料の2ページをご覧いただきたいのですが。こちら下の方に、県内の温室効果ガス排出量の推移をグラフにしております。三重県の地球温暖化対策推進計画、これにおきましては、温室効果ガスの削減目標を2010年度、一番右ですが、これに一番左の1990年度に比較しまして3%減にしたいと。これは緑の部分が3%なんですが、この部分を削減したいと考えております。しかし、2005年度の数値を見ていただきますと、基準年に対して逆に9.4%増加しているという傾向にございます。全国では6.2%でございますので、三重県は特に増えているということなんですが、こういう状況にございます。

 それで、県の対策といいますか、取り組む施策ですが、3ページの方をご覧ください。こちらに取組方向が3つございまして、温室効果ガスの削減につきまして、家庭、事業所の取組を効果的に進めるということで、県が市町の皆さんと連携して地域の取組をサポートしていくことが重要と考えています。

 そこで、県では「県民しあわせプラン」の第二次戦略計画におきまして、「みんなで取り組む地球温暖化対策プログラム」というのをつくっております。ここで皆様と連携して取り組んでいきたいと考えています。取組方向の1つ目、左の上ですが、産業・業務部門の取組ということで、大規模事業者が地球温暖化対策計画を策定してもらいまして、その計画の成果に対するフォローアップを行っていくということと、中小事業者への省エネ診断。また、今年の新しい取組としまして、企業グループや企業間のネットワークを活用しまして、企業連携によってCO2排出量の削減を進めるという「企業連携によるCO2排出量削減促進事業」を展開しているところでございます。これは特に四日市のコンビナートの方で進めていただいています。

 2つ目が、右肩の方の取組方向2、家庭部門での対策でございます。家庭において省エネの取組を着実に進めていくために、エコポイントという制度を進めております。それと、地球温暖化防止活動推進センターの活動の支援ということで、特に活動推進員の方々に地域で活動を行っていただくということが重要と考えています。関連としまして、レジ袋有料化によるレジ袋の削減と書いてございますが、これはあとから説明させていただきたいと思います。

 取組方向の3つ目が、左下の方で新エネルギーの導入でございます。太陽光発電などの新エネルギーの導入につきまして、新エネルギービジョンに基づき、新エネルギーの導入支援や啓発を行っているということと、もう1つ、取組方向3つの外でございますが、森林吸収源対策ということで、この温暖化防止には森林が持つCO2の吸収源としての機能というのが非常に大切になってまいります。このため、森林整備を積極的に進めているということでございます。それとともに、かけがえのない森林でございますので、これを地域、社会全体で支える森林ということで、里山等も含んだ森林づくりに取り組んでいるところでございます。

 そのほか、資料1から8まで多く付けておりますが、特に資料5について説明をさせていただきたいと思います。この資料5でございますが、まず「ごみゼロ社会の実現」についてということで、ごみの減量化を進めるところでございますが、その中におきまして、特に3ページをご覧いただきたいのですが、ごみの減量化に効果があります有料化でございますが、ごみ処理の有料化につきまして、県内市町にどんどん広がっている状況でございます。かなり成果を上げておりますが、さらなる導入に向けまして、県としても支援していきたいと考えています。

 さらに、一般廃棄物の処理事業につきましては、コスト面や会計面から分析をしていただくということも有効でございますので、廃棄物会計の導入をお願いしておりまして、19年度には県内で13市町に導入していただいております。

 レジ袋有料化の関係でございますが、4ページをご覧ください。4ページの「ごみゼロ社会実現プラン」のモデル事業の1つとしまして、伊勢市の方で全国に先駆けて取り組んでいただきましたレジ袋有料化でございますが、下のグラフにございますように、マイバッグの持参率が90%程度となっているところでございます。県ではこのモデル事業の成果をもとにしまして、レジ袋削減運動の県全域への展開を進めているところでございます。

 5ページをお開きいただきますと、参考としまして表を付けております。この7月から伊賀市さん、名張市さんでレジ袋の有料化を導入していただきまして、さらに9月の予定ですが鈴鹿市さん、亀山市さんの方で。また、10月の予定としまして、いなべ市さん、桑名市さん、東員町さん、木曽岬町さんの方で検討を進めていただいております。また、黄色で塗っている所につきましても、今検討を進めていただいているというところでございます。レジ袋の問題は身近な問題ですが、このレジ袋の削減をきっかけにしまして、県内の皆さんの意識をさらに変えて行動に移していただくということが、地球温暖化防止や、あるいはごみの減量化へつながっていくものと考えております。

 そこで地球温暖化対策でございますが、これを市町の皆さんと一緒になって進めていくためには、例えば、地球温暖化対策推進計画というものを各市町の方で策定していただき、数値目標を設定していただくということや、あるいは、家庭の省エネの取組であります「みえのエコポイント」、これを地域単位で取り組んでいただくと。あるいは、レジ袋の有料化等によるごみの減量や、あるいは森林づくりに取り組んでいただくということが考えられますので、県としましても市町の皆さんとともにこういう取組を進めていきたいと思っておりますので、どうぞご協力いただきますようよろしくお願いしたいと思います。また、独自の取組をいろいろしていただいていると思いますので、そのご紹介をいただければありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

知事

ちょっと私から先に。伊賀の両市長さんにはちょっとお聞きできればと思います。レジ袋の有料化ということとごみの有料化は、これは別のことなんですね。したがって、伊賀市と名張市はごみの有料化にもう既に取り組まれたということなので、それでごみの量にかなり違いが出てきておるのかどうか。そこら辺も含めてお話、ご紹介あればありがたいと思うので。事前にすいません。

名張市長

私、「名張市における地球温暖化防止対策の取組について」という資料を今日持ってきたのですが、これ初めに送っておかないといけなかったのかなと思ったのですが。ここに書いてあるのですが、「名張市地球温暖化対策実行計画」。これはご案内のとおり国の方で計画つくりなさいということで言ってきておりましたが、12年から16年、6%以内に削減しないといけない。今、名張は16%削減なったんです。新たに3%削減また付加していこうということの計画をつくったわけです。

 名張市は何でこんなに削減できたかと言うと、知事さんの初めのお話で財政難の話がございましたが、私の所はもう私が市政担当したときから基金がなかったわけで、そのときから苦労しておりますから、これが非常にチャンスになっているわけです、環境面では。もったいないというのが非常に、ピンチの裏には必ずチャンスがあるもので、この部分は非常にもったいないということが徹底しておりますから、16%の削減になったということでございます。

 それと、環境マネジメントISO14000シリーズ、これはもう返上しました。私も何回も審査を受けたのですが、「こんなあほらしいことようやっているわ」と思って。自分らで設定して、それに対して指導してもらってって、こんなんだったら自分らで設定したものを、市民の方々とか大学教授も含めてですが、それで毎年していってもらった方が、もっともっとできていくのと違うかと。それで返上しまして、名張市版のEMSを19年4月からスタートさせたところでございます。

 低炭素社会、これは新聞でも報道されましたけど、7月7日にこういうのを取り組んだということです。これはあとに資料付けてありますので、また見ておいていただいたらと思います。家庭用新エネルギー、これはどこでも取り組んでおいでだと思います。

 次、裏側ですが、名張のエコ取扱店の登録をして、これは市民団体さん、商店街連合会さんなんかが積極的にやっていこう、やっていこうと言われて、そこへ乗らせてもらったということでございます。環境家計簿についても、消費協さん。市民の皆さんがものすごく意識高いんです。それで、背中押されてやりかけたという、こういう家計簿をつけることですが、市民にお願いしています。

 レジ袋の有料化も、伊賀市長さんも、「もう伊賀盆地でやっていこうやないか」ということでおっしゃっていただいて、これの署名も知事さんにいただいてスタートしました。1週間で87%削減になっている。今度8月7日に1カ月分の実績の報告をさせていただくということになっておりますが、90%ぐらいになっているだろうと。これ何でこんなに早いこと高く削減ができるのかということですが、これもかなり市民の皆様方から「やっていこう、やっていこう」という、いろいろな団体さんからそういう声が強うございまして、まさに市民主導ですわ。そこに押されて行政が乗ったという感じですので、これだけの実績が上がっているということです。

 今、小山さんからごみゼロの話もあって、私の所は伊賀市さんとちょっと違うごみ袋の料金なんですが、うちは20?68円なんです。かなり高いんです。ただ、分別を徹底して、「容リ法」に基づく対象物と分けていただいたら、そこは「容リ法」に基づくものについては無料で持っていきます。だから、分別を徹底してくださいと。こういうことにしたのですが、ごみの量は4月からやっているのですが、25%削減になっています。リバウンドあるかなと。今もってリバウンドないです。ですから、これをもっと徹底してやっていきたいと思っています。

 先進の自治体においては、例えば徳島県の上勝町なんていうのは、パッカー車が走らない町になっているわけです。それはごみが徹底して減ってしまって、燃やすごみ、結局のところ生ごみに集約されてくるわけです。生ごみを農業と一緒に活用するということが徹底してなされていったら、本当に燃やすごみがなくなってきたわけです。和歌山県の葛城町も、清掃工場をもう閉鎖したわけです。分別を徹底していったら、そうなってくると。ものすごく燃やすごみが減ってきたもので、もうこんな程度だったら事業者に頼もうと。産業廃棄物事業者に頼んで処理してもらっている。清掃工場は閉鎖だと。こういうことにされたわけで、名張も10年後、15年先には、生ごみが一番ポイントなんです。草木類は今ちょっとやりかけているのですが、生ごみをどうしていくかと。これができてきたら、まさに清掃工場は閉鎖していけるのかなと思っておりまして、それにこれから挑戦をしていきたいと思っています。

伊賀市長

いやいや、亀井市長さんの所の後姿を眺めながら。なかなか遠い所に見えているものですから。それなりに庁内で推進計画やら職員で立てて、8月は私もですが、バスで通勤しているのですが、そんなことぐらいがぼつぼつ始まっている。そんな状況です。強い先進的なのが隣町にあるものですから。

名張市長

ただ、処分代高いと言って、私、訴えられています。

多気町長

ここに温暖化の取組の方向に書いてもらっておりますように、新エネルギーの導入ですね。これについて、省エネ、創エネということも含めてですが、私の場合は太陽光発電に対しまして町からも支援を実はしているのですが、当初2年ぐらいはキロ当たり25万ということで、最高100万という形でやっていたのですが、いろいろな形で財政的にも続きませんので、棒が折れまして、今はキロ10万ということでしているのですが、お陰さんでずっと順調に予算化している部分については予定どおりずっと進みながら、年によってはなかなか消化しきれないというか、追加補正という形も出てきたりしていますが、ちょっと最近見ていますと、停滞ぎみなところがございます。いろいろなことがあるのかわかりませんが、やっぱり地区それぞれ住民の皆さん方の意向を聞いていますと、経費が非常にかかるということが、一番大きな問題ではないかなと思っています。

 そういうようなことから、ここにも書いてもらってありますように、普及導入についての支援を上げていただいていますので、これは国の関係の支援がちょっと切れましたので、何とかわずかでも結構ですから、県も関わっていただいているということも含めてですが、町も単独でやっていますので、それにプラスどれだけかでもしていただくという姿勢をとっていただくと、よりこれからも普及が進むのではないかと思っておりますので、その点ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

大台町長

この3ページなんですが、右端に森林吸収源対策ということで、「三重の森林づくり」と出てきております。今度、間伐の関係の特別措置法が出たのですが、私もあれにはかなり期待はしておったんですが、国の補助が1/2ということなんですね。今、未整備森林の整備で、あれは100%国がもちますよと、こういうふうなことなんです。今年、洞爺湖サミットも行われたということもあって、あるいはCO2を50年先に半減していこうということの中、私は国の取組が弱すぎるんじゃないかと思います。3.8%まで森林で吸収源を求めていきましょうということがありますので、それを国としては姿勢が弱いんじゃないかと思うんです。いくらあかんでも8割、森林の所有者には負担を持たせないよというような程度にまで、国はやるべきじゃないかと思っております。そういうことで、たまたま長官に会ったことありましたので、そのことは申し上げておいたのですが。今後も国が公的資金でもって森林を整備していくということを、もっと訴え続けていかなければいけないんじゃないかと思っていますので、その点ひとつよろしくお願いしたいと思います。

名張市長

これちょっと関連して。毎回言わせてもらってよろしいですか。ちょっと関連あるので言わせていただきます。三重県の一番の売りというのは森林なんですよね。それで、光合成を活性化させてCO2を吸収していくということもですが、先般のトップセミナーでも私申し上げましたけど、限界集落の問題等もあるんです。それで、人間性を回復させていく。人間力をより強化していく。そんな中で、これは絶対に必要なものですから、これは三重県の中でも、税の再分配のその制度というものは、私はきちっと環境先進県、森林を持つ先進県として、是が非でもそういう制度はつくっていただかなければならないと思っていますので、どうかよろしくお願いします。

知事

また、部長の方からも少し後ほど補足させたいと思います。感想めいたことをちょっと申し上げたいと思います。多気町長さんの方でおっしゃった太陽電池の、いわゆる新エネに対するより促進策。今年は洞爺湖サミットもありましたから、特に注目されるところでありますし、国の方も検討しておるやに思っておるのですが。と言うのは、シャープの社長とも少し話をしましたら、シャープもあれには相当力を入れて、今度大阪工場の所も液晶と一緒にあれもやるんだと言っているんですね。ところが、今、全体景気が悪くなってきたところへ、政府が何らかの形で支援してくるのではないかと言うので、今ちょっと期待感で止まっているそうなんですね。そういうふうな状況で、むしろそれを早く出さないと、景気の悪いときに余計消費も抑えているというところがあると言っていました。多分、この辺ひとつ国の動きとして注目していかなければいけないところがあるかと思います。

 それから、もうひとつは、今まではそうは言え補助がないと相当進まない、高いものだというのがあったのですが、最近の技術ではだいぶコスト削減が製造そのものでもできる、かなり低価格でできるような形にもなりつつあるということも聞いております。そういう意味で、だいぶ状況が変わってくるのかなと。県の方もそういうのも注視しながら考えていったらいいと思っています。

 それから、森林対策について大台町長さんおっしゃったのは、もう本当にそのとおり、我々ももっともっと環境問題から森林、森づくり、特に間伐対策だとかそういうのもそうですし、一昨日も宮川でいろいろと議論になりましたけど、いわゆる緑の循環。循環を阻害している所、滞っている所へやはりきちっと手当をしていくということが大事なのではないかなと思います。税の再配分とかいう話については、後段でまた話題にも上るということでありましたので、そこで申し上げます。

環境森林部長

名張市長おっしゃっていただいたごみの有料化で、25%上げられたというのは、コストや、市の財政面から考えても非常に大きいのではないかと思います。今、ごみの有料化をどんどん進めていただいている所が多くなってまいりました。ただ、1点、やっぱり有料化の額の問題で大きく進む所とちょっとしか進まない所という、この分岐点があるような感じがございまして、68円というのは、かなり進む方の額に近いということで、その成果は出たのかなと思います。ごみはあまり気づかないところでかなりコストがかかっているというのが、各市町の問題だと思います。これは今一般会計の中でやられているのが多いのですが、やっぱりここは十分廃棄物会計を見て、コストを見て、それで次どう手を打つかというのは、ごみ対策、これも温暖化対策そのものですので、私の方は非常に重要かなと考えております。

 それと、森林について知事も申し上げましたけど、国費でもってできるだけ整備できるような未整備モデル事業を国も何とか続けるように努力していただいておりますし、特措法の関係も県の単独事業の環境林対策とともに上手く進めればと考えていますので、またその辺はよろしくお願いしたいと思います。後ほどのときにまた。

知事

新エネルギー助成は、国の方どうなっているの。

政策部長

先ほど知事が申されたように、来年度経産省の方で新しい制度が出るという新聞報道もあって、一時ニーズがちょっと弱いかなと思っていましたら、最近、原油の高騰によりまして電気代が上がるということがあって、また各市町村から追加で認められないかということもありまして、予算額ぎりぎりでまた厳しい調整をしなければならないという嬉しい状況が出てきていますので、来年度に向けて国の動きも注視しながら、そういった取組を考えていきたいと思います。

多気町長

知事も今言われましたように、今ちょっと環境がそういういろいろな問題、燃料のことも含めてですけど、太陽光についてのシステムについての風向きは、追い風になっていると思うんです。ですから、今宣伝するというか、県民の皆さん方に対して、若干県もこうするんだという形をPRしていただくと、より以上普及が進むのではないかと思っています。金額の大小に関わらず僅かでもいいですから、こういうような形で対応するという形を打ち出していただいて、PRをしていただくということが大きいのではないかと思っていますので、ぜひひとついい時期だと思っていますので、その点も含めてよろしくお願い申し上げたいと思います。

(休 憩)

6.市町の地域課題

「県と市町の地域づくり支援会議(ブロック会議)」

津市長

地域の活性化ということですが、知事も前の知事会でいろいろお話をしていただきました。やはり地方分権については、さらに進めていかなくてはいけないということで、確か発言をされておられたと思います。やはり、私どもの市域は710k㎡あるのですが、いわゆる琵琶湖より一回り大きいまちなんですね。その中の40%が森林ということでございます。美杉なんかを1つの例にとりますと、高齢化率が市内全体では23%なんですが、美杉は2倍の47%ということなんです。ただ、やっぱりこれだけ広いエリアでありますと、それぞれの地域が元気でなければいけない。それぞれが持続可能でなければいけないと思っています。

 1つの例を言いますと、例えば今合併しまして、津市の中で盆踊りが、ご案内いただかないのも入れますと400箇所ぐらいございます。ただ、盆踊りというのも1つずつがそれぞれ地域おこしと言いましょうか、やぐらを組んだり、その中で会議を開いていただいたり、それぞれが協賛してもらうために皆さん歩いてもらう。1つやぐらを建てるのと一緒の意味で、地域のコミュニティも建てていただいているという形なんですが、だんだん過疎化が進んでまいりますと、このやぐらを建てる人がいない。計画は立てる人がいるけれども、やぐらを建てる人はいない。そうしたら、過疎と言いましょうか、例えば美杉の方へ若い人が応援に行くとか、何かいろいろな形の新しいコミュニケーションを考えていかなくてはならない。

 先ほど申しました地方分権、これはやはり我々の市1つにとっても、それぞれ文化を持って今まで来ていただいたわけですから、そこで人情、人のつきあい、また環境を守ってくるという意味では、私は美杉なんかでも過疎化、中山間地帯は美杉だけではなくて、例えば美里にしても芸濃にしてもあるわけでございまして、やはり環境を守るためにはやはり人、マンパワーというのがいるわけでして、人数が少なければいい、高齢化になったらいいよということでは絶対いけないと思うんですね。そういった中で、新しい過疎化に向けてどうするんだろうというようなことを、やはり県の皆さんとともに考えていきたいなと思っております。

 取組においては、この「美(うま)し国」というのも、私は1つのきっかけになるのかなということも思っておりまして、現在「県と市町の新しい関係づくり協議会」等々でもこういう問題について話し合っております。どこでも持っている問題でありますが、実は非常に大事な問題であろうと思っております。いろいろな市の取組、問題、もっともっとたくさんあるのですが、今日はこれ1点に絞らせていただきまして、地域の持続可能なというか、状況をお話させていただいたところです。よろしくお願いします。

知事

実は、県政で今現在も大きな課題でありますし、今後ますます人口減少社会に向けてということが、大変大きな課題になってくるということで、私も去年あたりからいろいろな所での議論もやっておるところであります。実は、県の方では、昨年、県内の13箇所で人口減少社会をテーマに現地調査をやろうということで、これは市街地ではどうだ、あるいは住宅地ではどうだ、それから農山漁村等ではどうだということで、13箇所で調査をやったところであります。

 その現地調査では、大体2030年を見据えまして、人口減少というのがどういうふうに地域社会に影響が出てくるのであろうか。どういうふうな方向を目指していくのかという、まず取っ掛かりを持とうということだったんですね。そのときに調査した結果を、あれは坂野部長の所でやってもらったんやな。坂野部長の方からの報告で、非常に特色的であったのは、実は、その地域で地域そのものが大幅に担う人たちが少なくなってくるという自らの認識というのは、あまりきちんと持っていない。それが大変なことだという認識が、調査の中では直接伝わってこないというようなところも、1つの驚きの部分でした。そして、現実には、地域の助け合いとか共同作業、こういったコミュニティを維持するそういうことが、非常にだんだん難しくなってきているという厳しい側面があったということであります。

 しかし、そうは言いながら逆に、例えば津でも美杉あたりに象徴されるように、こういう所というのは本当に多面的な国土保全もそうでありますし、そういう意味での大変重要な役割を持っている所でありますから、そういう公益的な機能を何とか維持させていくためにどうするのかということも、一方であるわけです。

 そこで、去年そういう現地調査をやったので、今年は高齢化比率が50%を超える、いわゆる限界集落と言われていますが、この間小田切先生の話では、限界集落という言葉はあまり使いたくないと。限界集落というのは、その地域が誇りを持てなくなりあきらめてきた、その限界点を突破したら、いわゆるそういうことになってくるんだろうけど、ただ、50%を超えても集落として立派に成り立っている所もあるんだと。こういうこともおっしゃっていました。

 そこで、三重県ではそういう数字として50%を超えている高齢化率の所、これを超高齢化地域と言い、そこを対象にしたアンケート調査等やってみようかというので、実は美杉地区も入れた中で、県内15地域で現地ヒアリング調査をやろうということで、これは美杉の場合には津市さんとも協働してということですが、それぞれの市町と協働してやっておる。そういう中から、今後の対応策などについても、1つきちんとつかんでいきたいとしております。

 実は、私は、いろいろな県民の意見を把握するためのチャンネルも使って、本音でトークや、この膝づめミーティングもそうですが、やっているわけですが、同時に東京会議、三重会議という2つの県政の懇談会も持っておりまして、ここには学者の方々等にもお出でいただいてやっているところであります。その中でもいろいろ議論しながら、今後の最大のテーマとして、県政の中でどう捉えていくかということで、県として真剣に取り組んでいこうとしておるところです。

 なお、地域の活性化で美杉地域では、「美杉木友会」という、これは地元の素材生産業とか製材業、あるいは森林組合、こういったところで組織をしているのがあるそうでございます。そこと例えば市県の職員が、昨年9月から今年4月まで4回ぐらい意見交換をやったと。そこで森林所有者による林業活動グループ、これが不可欠であるということで、「美杉木友会」が中心となって、林業を研究する「美杉林業研究会」、これがこの7月の半ばに発足したそうであります。

 こういう取組が、さらに展開、発展していけばということで、今後三重県もそういう中で具体的な取組をやりながら進めていきたいと思っているところです。特に、マンパワーということがご指摘のとおり大変重要なところであろうと思います。

津市長

ありがとうございます。「木友会」さんの話が出まして、先だっても森林に携わる方との市との懇談会、移動市長室という形で、県も入っていただきまして、いろいろ議論を高めさせていただきました。やはり非常にやる気のある皆さん方、やっぱりこの地域を何とかしないといけないという思いというのが、私は非常に感じさせていただきました。今、美杉の話題ばかり出ましたけど、例えば森林セラピーなんか、先だっても認定を受けたところですし、二地域居住等々も進めてと、いろいろなことを今考えております。

 ただ、やはり、これは県だけでも市だけでもなかなか解決できない問題なんだろうと思っています。ただ、我々も真剣になって取り組まなくてはいけませんけど、なかなか県と市町だけでは解決できないことなんだろうと思っています。ぜひ分権という形でさらに進めていただく、そして地方を大切にしていただくということが、絶対必要だと思いますし、来年、知事会が三重県で開催されると聞いております。ぜひ私ども市町が一丸となって、この問題については意見申し上げて、それをまた知事がお聞きをいただいて、それに向かって、これだけ三重県だけでもこういう意見があるという形で、ぜひ我々も応援団としていろいろなご意見を申し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。

知事

県議会の方も、今度「地域づくり推進条例」、これが議提条例でできまして、これは我々ああいう条例に従ってさらにしっかり地域づくりに取り組まなければいけないと思っています。「美(うま)し国おこし」なんかは、その1つの具体例として、条例の角度から見てもいいモデルになるように取り組んでいかなければならないと思います。

 それから、実は今日のこの会も膝づめミーティングでありながら、同時に市町との地域づくり支援会議、それの合同みたいな今年は持ち方をやっているわけですが、条例の中で地域づくりに向けて県がどういう役割を果たして、どういうふうにやっていくんだということは、仕組みづくりの中にもきちんとやらなければいけないということが謳われていまして、私ども今年はこういう試行もやりながら、県の条例で言うところの仕組みづくりにぜひ生かしていきたいと思っています。ご指摘ありましたように、ますます市町と県との連携を、その中で有効なものにしていきたいと思っています。

松阪市長

私の方からもお願いしていますのは、松田市長さんと大きくダブっていると言いますか、重なっているわけですが、この過疎の問題なんですね。松阪の半分以上が過疎地域と、面積的にはそういう状況が合併後出てきております。そこに住む住民の皆さんは、一様に自分たちは水源を守ってきた。そして、洪水の調整機能も果たしてきた。十分国土を保全するために頑張ってやってきたという誇りを、ずっと持ち続けているんですね。ですけど、現実はどうか。この間の小田切先生の限界集落の話の中にありましたが、本当に今、意欲と言いますか、頑張っていこうという意欲がくじけかけてきている。そういう実態があります。

 この過疎対策という法の期限が、22年3月で終わるわけですが、今までやってきたことの反省と言いますか、見直し、振り返ってみると、そういうことで解決できたわけではないなと。やっぱりもっと住民の皆さんが取り組もうとしていたことの本質に迫った投資がされてきたかどうかというあたりには、僕は疑問があると思います。ですから、単純に法の延長ということではなくて、受け皿的に地域のあり方も変えておく必要があると。その上に立って、国あるいは県の支援も求めていかなければいけない。こういうふうに思うわけです。

 財政というものに対しても、かつては住民の皆さん、山間部に住む人たち、自力でやれるという自信を持っていたと思うんですね。ところが、林業そのものが衰退していくに従って、「たまらん。これではどうにもならん」というところから、どんどんどんどん落ち込んでいったと。私も松阪市の70%が森林ですから、何とかしてこれを生かすことが松阪市の生きる道と思いながら、一生懸命林業振興に力を入れているわけですが、これはなかなか一市の力でどうするということもできません。だけど、私が力を入れるだけでも、彼らが「市長は力を入れてくれている。林業に目を向けてくれている」ということで、若干の力添えはできているのかなと。そういう中で、小学校の机、椅子を木造化するとか、木造の体育館をつくるとか、とにかく人の目につくように、木が目につくようにというようなことを取り組んでおりますが、本当に彼らの力になるのは、彼らが進もうとしているところへ支援をしていくということを、これからしっかりやっていかなければいけない。

 そういう意味では、意欲を高めるための住民協議会でもあると考えながら、彼らとの対話を今やっておりますが、そういった点で、特別措置法もお金という意味では大きな力ですから、単純な継続ではなくて、将来へ向かって生かせるような形で、ぜひこれの存続に力を貸していただきたいと思っています。

知事

本当に過疎の問題、限界集落と言われるような超高齢化地域の問題、本当に大変なことだと思います。さっきからもあれしているように、公益的機能、こういったものをやっぱり担っている、環境問題から言っても森林等は、まさに大きな重要なポイントのところでもあります。

 それから、都市と比べますと生活環境も随分遅れている面もあります。ちょっと私の持っている手持ちのデータを見てみますと、生活環境の整備については、例えば水洗化率とかそういうものは、本当に都市と比べても随分もちろん遅れているわけですね。これなんかは全国の過疎地域と並べると、三重県の過疎地域はあまり変わらないんですね。ところが、例えば道路の改良率を見てみますと、全国の過疎の地域の道路改良率が51.3%という数字からいくと、三重県の過疎地域では37.3%。全国の水準よりもかなり低いわけです。低いばっかりかと思うと、例えば水道普及率でいくと、全国の過疎地域では未だに90%でありますが、三重県の過疎地域は水道については98.7%。ほぼ過疎の所も行っていると。こういうところもあります。だけど、かなりいろいろな意味で、全国全体が遅れている。あるいは、三重県はその中でも特に道路みたいに遅れているところもあるというようなことでございます。こういった地域に対する事柄についてはどうしていくのかということについては、今、県の取組、津市長さんのお話にお答え申し上げたようなところであります。

 それから、過疎法の今後の話でありますが、そういう中でどうしていくかということですが、実は21年度末に切れるということで、昨年、これについてどうしていくんだということで、皆さんと一緒に協議をしていこうということで、三重県内で過疎地域を持っている市町で構成する「三重県ふるさと振興協議会」というのがあって、ここと県とで三重県過疎地域の対策協議会というのをつくりまして、そこで協議、検討してもらってきましたのが、4月30日に報告書をまとめたところであります。

 ここに多分、今後現行の過疎法が失効していくと同時にどうしたらいいのかということが、大体出ておるのかなと。もちろんまず総論的には新たな法律が継続しているぞということが指摘をされているのと、それから、あと具体的中身で3つぐらいの観点が見えております。それは、今下村市長も触れられたところでありますが、旧来の過疎法だけではない。新たな視点がやっぱりいるぞということ。それは、いわゆる集落機能を再生するとか、移住あるいは交流施策。こういったこれまでの過疎対策以上の新たな視点によるところの支援措置が必要だというところが1つ。それから、もう1つは、過疎地域が今度市町村合併やそういうのになって、地域の指定がどうなるのかとか、こういった問題もありますから、やはりいわゆる旧来の過疎地域というのはより厳しくなっていますから、現行の過疎市町については指定を継続維持していくということが、どうしても必要ではないかということ。それから、3つ目には、財源を安定的に確保するという、いわゆる財政支援措置の拡充。これがどうしても必要ではないかと。これは特別措置だとか過疎債の対象事業を拡大するとか、そういった財政支援の拡大。この3つの視点を盛り込んで報告が出ているところであります。

 私ども県としては、この中身はまったくそのとおりだと思っておりますので、県としての国への要請については、これに従ってやっているところで、5月に既に国家予算要望をやりまして、そういった要請を出してきました。それから、県議会もそれに呼応する形で意見書を6月会議で出しまして、関係省庁への要望を出しておるというところです。今後もぜひ連携しながらやらせていただきたいなと思っています。

大台町長

今、お二人の市長さんからも、過疎地域におけるところの、とりわけ森林や林業のことについて提案等があったわけですが、私の方からもこの森林環境税の導入について、何とか進めていただきたいという趣旨で申し上げたいと思います。

 「森づくり条例」が平成17年に制定されまして、それを受けて県の「森づくり基本計画」というのができております。4つの基本方針があるわけですが、それを推進していくためには、やはり県民みんなでこの森づくり等を支えていく必要があるということの中で、とにかく新しい財源を求めていくための検討会ということで、私も名張の市長さんもそうなんですが、検討委員ということで加えていただく中で、この3月に知事の方にその答申もさせていただきました。

 ご案内のように、水源の涵養なり県土の保全、そして地球温暖化の防止対策ということで、本当に公益的な多様な機能を森林は持っているということですが、先ほど来からの話の中で、森林を抱える山村はもう限界集落ということが出てきておりますし、「これから森づくりどうするの」ということが出てきております。そういう中で、やはり貴重な森林を次世代に引き継いでいくという使命が、当然我々にはあるわけでもございますので、その森林を支えてつくっていくのには、森林所有者あるいは地域の自治体だけではもうできていかないというようなことでして、県民なり、NPOなり、企業なり、そういった全体で支えていくという、そういう仕組みが大事ではないかと思っているところです。

 そういうことで、この森の活性化ということを、現在県が検討しております森林環境税、この税の導入を早期にやっていただきたいなと思っております。そういうことで、地域の活性化なり、あるいは森林環境教育等の推進にもつながっていくのではないか。多くの方が水、空気等の享受を受けていくということの中で、ぜひとも早期に導入をお願いいたしたいと思います。

 20世紀は石油の世紀と言われておりました。21世紀は水の世紀じゃないかなと思っておりますし、森林は地球のエアクリーナーの役割を果たすものだと思っておりますので、ぜひとも、できたら9月あるいは12月あたりには表明いただいて、次へ進めていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。以上です。

知事

今、大台町長さんの方からだいたい今の取組、総括して県の取組言っていただいたと思います。実は、17年の9月に「森づくり条例」が県議会の方でできて、私どもの方、それに従って18年3月に「三重の森林づくり基本計画」というのを立てたわけですね。その柱になっているのが4つあって、1つは、今いろいろお話がありました森林の持つ多面的機能、これを維持していくためにいろいろやっていくということ。2つ目には、そのためにはそれを支えている林業、森林の関係者、こういったところが持続的にきちんとできることでなければならない。そういう意味で、間伐等も支援をするとか、いろいろな形でやろうとしているわけですね。それから、3つ目には、そういう森を環境とかそういう面から考えたときにも、まさにこれは森林文化として、あるいは森林環境として教育やそういうところにもしっかりやっていかなければいけない。4つ目には、そういう森づくりというものについては、県民に参画してもらって、みんなで支える森なんだと。こういう展開をしていかなければいけない。そういうことで、その基本計画に基づいて、今、県の森林施策は進められているということです。

 ただ、そうは言いながら、なかなか財源的には非常に厳しい中でやっております。そういうときに、もっと県民全体でつくる森づくりについて、しっかりいろいろな議論、検討をやってもらおうということで、町長さんにも入っていただいた、昨年秋からの森林づくり検討委員会ができたところであります。ここでは、よりもっと具体的な新たな施策、こういったものも提案いただきました。そういう中では、人家や道路沿いの荒廃した森林、こういった所をかなりプライオリティ高いものとして森林の整備やるべきではないかとか、あるいは、公共施設での木造木質化の推進といったことを含めた緑の循環、これをより強調されたということ。あるいは、里山の再生利用。こういったことも含まれておりますし、さっき少し触れました森林学習とか文化教育振興。こういった点もあったところであります。併せて、それを支える、担っていくためには、税についても大事ではないか、必要ではないか。こういうふうなご指摘をいただいたところです。

 私ども、今は県議会でもいろいろなご議論、この6月にもご意見もいただいておりますし、県民の皆さんや市町におけるところのいろいろなご意見もいただきながら、この税のことについてもその導入の必要性について、詰めをやっているというところでございます。そういう意味では、私どももこれについて一定の判断をしなければいけないと思っています。

大台町長

私どもは、できればもう21年度あたりから導入いただけるようなことに何とかしていただきたいなと切望しておりますので、当然林業団体の皆さんもそのような思いが強くあるわけです。そういうようなことで、何とか早期に導入に向けて強いお取組をいただきたいなと思います。

知事

今まで、古くは北川県政のときの環境林という考え方という、大きな県の林業政策の転換のときであるとか、それから、条例ができたときも、1つの転換点にも結び付くところであったかと思います。ただ、それが税の議論とは結び付かずに、今までは展開されてきたというところがあります。今日的な状況でいけば、やはり新たな税というのは、新たな県民への負担を求めるということになるわけでありますから、そのところは慎重でなければなりません。併せて国の動きが、環境税の議論が相当いろいろそのときそのときで話題に上がり検討されてきたところがあります。今日的な課題でいけば、道路の特定財源について、環境税等との関連も出ておるところでありまして、そういう意味では、私どもも国のそういった動きにも影響されるところもあるわけですね。そんなところも見ながら、県としてはどうするのかという一定の判断はしていかなければいけないと思っています。

名張市長

「生涯現役のまち」をつくっていこうということで取り組んでいるのですが、まちづくりは名張市、今2つの柱を持ってまちづくりを進めています。その1つが、都市内分権ということでございまして、市民主権のまちをつくっていこうということです。市民の皆様方が自己決定、自己責任、そして自己実現を図れる、そんな環境をつくっていく。つまり、市役所が持っている権限、財源を、地域へあるいは市民団体へ託していこうという作業を、今どんどんどんどん進めているわけでございます。

 これは先ほどからもちょっとご紹介申し上げましたので、これはちょっと置いておきますが、もう1つが、「生涯現役のまち」をつくっていく。名張市というのは、40年前の人口は30,000人だったんです。それで、人口のピークが平成12年に85,300人という人口になりました。それから、この8年間で、今年の4月1日の人口が83,300人。2,000人もう減少しているんです。一番人口がピークだったときの世帯数というのは27,800世帯。今年4月1日が31,100世帯ですから、人口が2,000人減っているのに、世帯数が3,000増えている。こういう高齢化してどんどんどんどん核家族化が進んでいっているというまちです。

 65歳以上の人口が16,400人です。これは全人口に占める割合20%。これ今、ほぼ全国の平均です。ところが、子どもの人口、これは15歳未満を言っておりますが、これが10,600人です。全人口に占める割合というのは12.8%。全国平均が13.5%ですから、子どもの数が極端に少ないんです。ですから、これから直下型の高齢化がやってくるという、そういうまちです。同世代の方が一挙に入居いただいて、その方々が一挙に今リタイアされて、そして一挙に高齢化する。そこへ税がどんと減ってきていると。その方々に扶助費がどんと行っている。こういうまちです。「大変でしょう」と言われますが、「いや、我々は生涯現役のまちをつくっていくので大丈夫ですよ」と申し上げているのですが、要するに、支える人口というのは60あるいは65までと違いますよ。生涯支える人口になってくださいと。こういうことであるわけです。

 そのために、私が最初に申し上げた都市内分権とも関連してくるわけですが、健康であり続けなければならないということで、今、各公民館に「まちの保健室」と言って、看護師さんや保健師さんを2人ずつ配置して、健康相談であったりそんなものができる、そういうことをやりました。それで、もう1つは、「夢づくり広場」と言いまして、「居場所づくり」です。これは全市100箇所それをつくっていこうということで、集議所を改造したり、空き家を改造したり、そんなことをやっているわけです。今、94か95までなっています。この2つ、今申し上げた事業というのは、厚生労働省が「それおもしろい。乗りますわ」と言って全額出してもらって今やったわけでございますが、「居場所づくり」と「まちの保健室」でございます。

 それと、やっぱり生きがいづくりというのはいるわけで、これが市民活動をより活性化していく、地域活動をより活性化していく、都市内分権を進めていくということに通じるわけです。それで、今まで補助金なんかを交付金に変えてというお話を申し上げましたが、その次としていろいろ市が担っておった仕事を、地域が担っていただくということも出てきましたし、本来市がしないといけないことを、それ以上に市よりも長けている団体が担っていこうと。こういうことでも目的別団体とのコラボレーションでできてきているわけです。

 今度名張市は、第2弾の官と民の役割分担を変えていくということで、今それ取りまとめをいたしているところでございまして、第2弾として今度は今市が直にしているけれども、それ以上によくやっていただく団体に託していくという作業をしています。それで、三重県と基礎自治体の間で、その作業が一応1回目は終わりました。続いて、三重県さんも市ともっとコラボできるものがないのかという勉強を始めてほしい。そういう提案をさせていただいたということでございます。

知事

名張市さんの取組は、今ご指摘あった都市内分権、地域内分権については、合併のいろいろな議論の中で、どこもかも大きな課題になっておりますが、最も進んだ取組をやっていただいているのではないかと思います。そういう意味では、今後私ども「美(うま)し国おこし・三重」の中でも、県はぜひ今後の展開のモデルにしていきたいと思っていますので、より連携しながら取組が進められればと思います。

 それで、中身は「生涯現役のまちづくり」という取組、これもなかなかネーミングもおもしろいと思いますし、いろいろな成果がそこで出てくることをぜひ期待したいと思います。私ども市町とのいろいろなそういった地域課題でお取組いただいていること、県の役割をもっともっと追求しながら、うまいコラボレーションのもとでやらせていただきたいと思っているのは、さっきも「地域づくり推進条例」ができて、その中で我々の県の役割ということも強く求められており、我々も今まで追及をやってきたところであります。

 そういう意味で、今後の展開については、まず組織のあり方だとか、県の行政運営の中での形としてどういうふうにやっていくのかということについては、仕組みづくりを近いうちに県の方としても、こういう仕組みでやっていくんだというのをご提示していきたいと思っています。この「膝づめミーティング」なんかも、今まではそういう中の一環の1つであろうと思いますし、「県と市町の関係づくり協議会」、これもありますし、幾つかチャンネルあるやつをもう一遍まとめ上げながら、有効な組織にしていけばと思っております。

 それから、具体的な取組についても、私は「美(うま)し国おこし」の中で、随分我々取り組むべき課題がいろいろあるのではないか、また新しくも見つかるのではないか。こういうふうに思っております。国の方でも名張市さんが活用されているいろいろな高齢化した人たちの意欲を高めていく、その人たちの社会的貢献活動も含めた活動をいろいろ支援していこうという取組もあるところです。私もその中で三重県らしい取組が、それぞれの地域らしい取組が展開できれば、よりいいなと思っています。ともにそれに向けて研究していきたい、取組を強めていきたいと思います。

名張市長

県と市町の新しい関係というのは、第1弾が出されて、ある程度ユニットで提示されて、それを受けていろいろやっています。これから第2弾については、小出しでもよろしいですので、いろいろ提案をしていただいたら、我々としてもまた受けてやれる部分も出てくるのではないかと思っていますので。

知事

今、第二次分権改革、国の方でも進められておりますが、国では、この間の第一次答申でも最も大事なのは基礎自治体だということが強く言われています。したがって、私どももその基礎自治体がやっぱりこれから地域主権の社会の中でこうあるべきだ、こういうことに向けて県の役割あるいは県との関係、これもぜひより併せて追及していきたいと思います。

伊賀市長

関西線の活性化につきましてと、伊賀鉄道の関係を話させていただきます。これ特に関西線問題は古くて新しい問題でして、県と市町の連携も去ることながら、もう1つは持続可能な地域づくりという面から言っても、私は伊賀市の立場で関西線と挙げていますけど、県内全域の鉄道の利用促進というのは、非常に今日的な大きなインパクトを与えることでもありますし、県民の待ち望んでいることではないかと思っています。地球環境の問題からいきましても。

 さて、関西線の話ですが、ご案内のように亀山から西側がJR西日本、亀山以東はJR東海と。東海の名古屋支社が三重県の管轄になるのかなと思います。西日本で関西本線は大阪支社です。草津線は京都支社なんですね。ですから、伊賀としては大変複雑なことで、同じ西日本でも京都支社と大阪支社の管轄の路線になっていまして、西日本の管轄の加茂駅から西は電化されております。そして、京都支社の管轄の柘植から草津線が出ております。これ電化されております。亀山から東のJR東海名古屋支社の管轄は電化されている。ちょうど電化された間の60kmが非電化区間ということでありまして、そういう意味では、電化をやかましく言っている。電化だけが利用率を高めるとか何とかということだけではないのでありますが、電車走りませんので車両が違うわけで、いちいち車両と乗務員が同じ会社内でも別の陣容で対応せざるを得ないということの中では、大変矛盾といいますか。

 近年、1つは、東海の方も相当地位の高い方がおっしゃっているようですが、三重県の鉄道の活性化に向けての1つのポイントは、変な話ですが、関西線の問題と、もう1つは、県内の問題を進める1つの目安としまして、遷宮を1つの目標時期に捉えてやっていくことが必要ではないんでしょうかと。東海さんから言えば、西日本がどう動くかによって、変な話ですが、東海も動けると。しかし、県内のJRの線路の長さから言いますと、圧倒的に東海さんの線路が長いんですね。ですから、今、紀州方面の道路が一段落したということの中では、ぼちぼち三重県さんも県内の鉄道の、近鉄がありますから、近鉄沿線のことはそれはそれなりに利便性がありますのでいいのですが、やっぱり昔からあるJRの活性化に向けて、とりわけ関西線については、東海と西日本の話し合いの仲人役を知事さんにしてほしいなと。県も入っていただいて、我々沿線の市町と。沿線の市町と申しましても、三重県は亀山市と伊賀市です。そして、京都の見解は、京都府内の加茂から京都の山城の方までは僅かですから、それをやると京都は電化100%になりますが、やっぱり三重県内の方が関西線につきまして非電化区間が長いということでは、なかなか京都の行政としても踏ん切りがつかないと。

 現在の状況はそんな状況になっていまして、ぜひとも亀山市長さんとも話をしているのですが、合併特例債の期間のうちに何とかうまくいけば、そんなに県にお金をたくさん出してくれという話でもないし、特例債を使えば30%の返済でいいわけですから。しかし、せめて東海が「うん」と、「うん」って変な話ですが、東海と西日本とがある程度合意できないと、その狭間で西日本も動かないと。東海も動かないと。言ってみれば、ジャッキに挟まれたみたいな状況になっていますので、もう長年同じことばかり申し上げて恐縮でありますが、ぜひとも知事さんの決断と申しますか、話し合いの場所のきっかかりをおつくりいただきたいというのが1点です。

 もう1つ、去年の秋に新しい会社にしました上下分離方式、旧来の近鉄伊賀線の話です。線路の保全、安全確保については、現在も近鉄が守っておりますが、運営会社が伊賀鉄道という別会社になりました。廃線問題が出て、名張市さんから約800人が旧上野市を中心とした高等学校への通学生、逆に、旧上野市から名張市方面への通学の高校生がいるということでありまして、これがなくなったらもう子どもたちの通学が大変厳しいということになるものですから、名張市長さんとかとも相談しまして、若干伊賀広域ということで支援をいたしております。これは地域のことだから地域でして当たり前の話なんですが、その辺のところも県も少しご理解をいただきたいと思いますので。お金をどんと出してくれとか、そんなことではなく、そういう努力も地域としてはやっているということも1つご理解いただきたいというのが、今回のお出しした内容でございます。よろしくお願いします。

知事

この件は、もう私知事になりましてからも、市長さんと何度かお話させていただいたことであります。私ども、地域の振興のためにも、あるいは今電化というような意味からいけば、環境問題から言っても、重要な意味を持っているんだろうと思っております。しかし、これまでも私ども県の方でもJR各社については、その感触を受け止めている限りにおいては、採算性をかなり重視した、もちろん西日本なんかは事故だとかそういうのも大きく左右したという点もあったかもしれませんが、JR東海も今とにかくリニアの方に非常に力を入れてやっているところでありまして、そういう意味では、それ以外の大規模な投資ということについては、極めて慎重な姿勢であり、私どもとしては、当面早い時期に一定の成果をこれで上げていくということについては、なかなか厳しいなというのを率直に感じているというところです。

 一方で、利用率の問題もあるところであります。私どもとしては、そういう意味では、会社側がそういう気になってもらえるように、何とか利用をもっともっと喚起するような、そういった努力をしていくことができないかというところです。

 電化の問題についても、私もちょっと個人的にいろいろ話を聞いてみましたが、例えば今はディーゼルでも、昔と比べると非常に性能もいいものであり、鉄道会社としては決して電化しなければならないということ、メカニックの上からも昔ほどその有用性を見ていないというところあります。もちろんご指摘ありましたように、電化になればいろいろなタイプの電車がそこへ投入できるという、そういう多用できるという部分は当然あるわけであります。私ども、これは地元の方でも今度は電化ということに特に重点を置いた転換をされているところでありますので、そういう意味では、会社に対する訴え方というところも、もっともっと工夫も考えていかなければならないのではないかと思っております。

 伊賀線については、私ども北勢の方で北勢線の例もあります。地元でいろいろなお取組をされて、伊賀線についても地元でのお取組をやっておられるということには、敬意を表したいと思います。

 実は、伊賀線も上下分離方式で、近鉄が施設等についてしっかり取り組んでいただいておりますが、ああいう大手の鉄道会社に対する国の助成制度というものが十分でありませんので、実は一昨年からああいう大手であっても民鉄の支線を含めた鉄道助成制度について、ぜひ拡充してもらいたいという要請を国にも強くいたしておるところでございます。県としてもいろいろとまた適切な支援のあり方について検討していきたいと思っております。直接的な赤字補てんを含むような運営経費への補助ということについては、県としては行わないという基本を持っておりますから、そういう意味で、今後鉄道利用の促進等を進めていただく中で、支援のあり方についても検討していきたいと思っております。

伊賀市長

特に関西線の立場から、今さっき言いましたように、前後、要するに東・西が一定の距離は電車走っていまして、中間で、ディーゼルだから決して電車より遅いと、そんな話ではなくて、車両も乗り換えて、乗務員も別の人ということになる。したがって、乗り換えのダイヤなんかが非常に便利が悪いからますます乗らないと。これが名古屋発、例えば大阪とか、大阪発名古屋で一本の電車で行けますと、途中の乗り換えというのはないわけですので、例えば亀山から紀勢線の時間をうまく合わせばいいものですから。そういう意味で、長年言っていますので。JRさんにとりまして初期投資はいると思います。しかし、この時期沿線も相当お金出しますので、そういうふうな利便性の向上を図れば、私はさっき言いました利用の向上にもつながってくるのかな。

 特に、亀山さん今シャープ効果で、大変たくさんの人が必要になってきているというお話もありまして、現在のところからいくと、鉄道を利用される方は、東からが多いと。西からですとなかなか便利悪いですから。伊賀あたりからは行くんでしょうけど、それよりもっと西から亀山シャープさんへと言ったら、なかなか待ち時間とかそんなの長いという話も聞いていますので。亀山市長もいつも言ってくれているのですが、頑張ってやりましょうと。そんなことをご理解ください。

多気町長

いろいろ話聞かせていただきますので、重複することが非常に多いと思いますので、違う立場からお話を申し上げていきたいと思います。私も行政経験非常に長いので、いろいろな部署で、いろいろな立場で来たわけですけど、このような首長という立場になってから、行政のいろいろな進め方といいますか、行財政改革を通しながら、もちろん合併という経過も通しながら今来ているわけですが、行財政改革を進める以上に、行政を取り巻いているスピードの動きが非常に激しいということを、本当に実感として感じています。

 知事も言われましたけど、財政的な問題にしてもそう。また、行政の人的な問題にしてもそうなんですが、財政的なことでいきましても、うちは小さい町ですので、一般会計約70億ぐらいの予算規模なんですが、確かに税収は合併前と比べて、合併をした18年と合併前の12年と比べてみたデータがあるのですが、実際のこと言いまして、地方税は倍以上になっています。ところが、それ以上に交付税が減額されているということで、差し引きしますと、70億の一般会計の約1割ぐらい地方交付税は減っているんです。ですから、表面的には非常に自主財源の比率は増えていますけど、内面はなかなかいい感じではないということが、分析の中で出てきます。そんな形で財政的にも非常に厳しいということがあります。

 それと併せまして、合併という1つの経過を通してきたのですが、職員につきましても、今だいたい合併前の職員と現在の状況を比較しますと、約15%ぐらい人員を減らしております。もうあと4~5%減らさないと、なかなかこれから難しくなるかなと思っております。したがって、人的にも大変な時代に入っています。

 それと比べて今もいろいろ出ていますけど、地方分権の時代に入っているという形で、仕事がだんだん増えてきているということで、これから新しい事業を取り組むということが非常に難しいといいますか、現実についてそんな状況です。私が職員をしていた当時と比べて、随分仕事ができにくいような形になってきた。これは現実の話と思います。何をすべきなのかということで、いろいろ職員とも議論をするのですが、まずとにかく職員も地方分権時代に見合ったような形で、職員の体質を変えていく必要があると思いながら、職員と議論をする中で出てきたのが、地域担当制の問題です。

 職員は、それぞれの仕事の職務は持っていますけれど、それとは別に地域担当制を決めて、地域の住民の皆さんとお互いにコラボレーションをしながら、これからの地域振興策を図るといいますか、地域づくりを図っていくというか、そういう形になって、できることならばそれぞれの地域の担い手になれるような、職員であろうと地域の担い手になるという形の進め方で、今議論を進めています。そういうことをするという形の方で、トップダウンではありますが、職員にも話をしながら進めているのですが、そのやり方に対しては、やっぱりあまりトップダウンの形で極端なことをしては無理かと。どういう形でうまく地域に入り込むようにした・轤「いのかということで、議論をさせながら今来ています。一応目標としては、盆明けぐらいに決めて、職員として地域担当制を決めながら入っていくようにしたい。そして、地域とより信頼できる形の仕組みづくりをつくっていきたい。

 こういうような形で実は今進めさせていただいているのですが、これと同じことがもう少し、例えば県と市町との関係づくり協議会の中の話ではないですが、県の職員という立場から、今我々が進めている地域担当制ではないですけど、いい関係ができないかどうか。職員としての県と市町との、いわゆる県民という同じ1つの立場としての、基礎自治体としての考え方で、地域の課題をいろいろ取り組めるような体制ができないかどうか。そこら辺を実務的な、我々から言いましたら副町長的な立場の幹部職員と、県のそういう関わっていただいている幹部職員の皆様方の1つの組織体制をつくる中で、地域課題を取り組みながら、どういうふうな形で取り組んでいくか。

 そういうことの実務的な体制づくりがこれからますます必要になってくるのかと思いますので、それぞれの首長さんからいろいろ話出ましたけど、あまり重複したことは触れたくないのですが、私から1つお願いをしておきたいのは、そういうふうな体制をつくれるような推進する組織づくりというのも、「県と市町との関係づくり協議会」の中でも結構ですから、つくっていただけるとありがたいかなと思っております。以上です。

知事

1つの後の課題で言えば、提案も含めたものだと思います。ただ、県の方が、例えば市町村の行政にどうやった形で関わっていくのか。あるいは、ご支援申し上げていくのか。主体はやっぱり市町でありますので、関わり方が中半あるいは入りすぎたら、主体性も侵すことになるのではないかと思います。

 大台町さんとは、例えば昨年なんかは「地元学」という点では、県の職員と町の職員とが一緒になって町へ入ってやった。そういう意味では、かなり成果も得てきたのではないか。それを今度はどう発展させていくかということがあります。そういう意味で、市町と県との人事交流。これも行われていますし、もちろん地方自治法の制約ある中でも、しかし、その許される中で大いにこれはやっていったらいいと思いますし、私どもも積極的にやっていったらいいと思います。

 そういう人事交流であるとか、それから、今私どもが地域づくりに対する支援の新しい仕組みとしてどういうものを考えていくのか。今、県と市町との関係づくり協議会といった、こういった組織も、一番レベルの高いのが支援会議、その次に地域会議。それぞれのレベル、レベルで1つの課題の解決に向けた協働の取組できないかという、そういう今展開していますね。そういう形のあり方についても今後協議していきたいと思いますし、地域担当制なんていうのは、非常におもしろいと思うのですが、私どもからいけば、県の役割からそれをどう考えるのか。前、県民局というのは、それを相当強化した組織でありましたけど、これは逆に皆さんからも少し二重行政的な面があるとか、市町、基礎自治体の自主性からいったら、少し県民局制度も時代遅れではないか。いろいろなご議論をいただいて、今のような形になったのですが、さらにこういうあり方については追求していきたいなと思っております。これからの大きな課題だと思って受け止めております。

多気町長

ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。それと、私はどっちかと言いますと農政の方の関係を中心にしたことがあるのですが、昔、改良普及員制度が、今もありますけど、ああいう制度というのは、これからもっと重要になってくるのかなと思います。今の状況の中では、だんだんだんだん縮小されたような形になってきているのですが、ああいう農業改良普及制度なり、農協で言いますと営農指導員の制度というのが、もっと必要ではないかと率直に思っていますので、そこら辺も含めながら、同じ県民という目線の中で、県の職員、そして市町の職員、そこら辺がうまく稼動できるような体制づくりというのを議論するについてよろしくお願い申し上げたいと思うのですが、そのときに私の町から実務者の責任者いますね、副町長的な立場の。その構成でいろいろ議論していただくという形の方が、よりうまくいき、よく実務をわかってくれていますので、そこら辺の関係の1つの組織体みたいなものをつくっていただいて、議論していただく場をつくっていただけるとありがたいと思っていますので、その点も参考にひとつお願いしたいと思います。

政策部理事(地域支援担当)

これまでの会議設定の中では、特段副町長さん、実務の責任者になられる方々を前提とはしておりませんですが、そういうご要請ございましたら、そういう課題に応じた設定というのも検討していきたいと思います。

明和町長

最後ですので、簡単に現状とお願いをしたいと思います。知事の方も安全・安心のまちづくりということで、特に地震対策に力を入れてもらっております。三重県の方ではアクションプログラムをつくっていただいて、それに基づいて我々も避難場所やら、あるいは学校の耐震化を含めて、いろいろな事業を行っております。特に、私どもでは海岸を持っておりますので、伊勢湾西南海岸、これ松阪市さん、伊勢市に至る所で今事業を進めていただいておるところですが、1つの問題としては、漁港の問題がございます。これは県の漁港と市町が管理する漁港がございまして、そこら辺の話もこれからやっていかなければならないわけですが、実はちょっと思っているのですが、ここ10年ぐらいの阪神淡路大震災以降の地震の形態を見てみますと、直下型の地震が非常に多いわけでして、三重県が想定する地震というのは、ご承知のように、東海・南海の3つの地震含めて海溝型の地震でありまして、私が言うまでもなく、この細長い三重県の中で、どのように県民の方が捉えているのかなと、ときどき考えるわけです。

 その中で一番心配なのは、今すぐにいろいろな対応がなされて、自衛隊にしろ、警察にしろ、消防にしろ、助けに来てくれるという、そういうニュアンス的なものが非常に強くなってきていると、実は思っています。先ほども言いましたように、三重県の対応は、細長い部分の中で、地形からいっても一極集中みたいな形の対応策というのは、多分無理ではないかなと思っております。その中で、アクションプログラムの中に、広域の防災拠点をつくるという形の中で、東紀州の方は広域の防災拠点を設けるという話が確かあったと思います。計画の中にも複数設けるという話がありましたけど、今まだ東紀州以外の所については、そういう形の部分というのはまだ姿が見えてこないという思いがあります。

 わが町を考えてみますと、宮川と櫛田川に挟まれた間の町でありまして、櫛田橋と宮川の橋全部落ちたら、孤立せざるを得ないという部分があります。したがって、今、町民の人らに何を言っているかというと、3日から10日もしくは2週間ぐらいは、自分らで生き延びられるその対応策というのを考えないといけないという話の中で、実は自衛隊のOBの方とか、消防団のOBを集めまして、実は「防災ネットワーク」という組織も立ち上げまして、いろいろと緊急の場合の対応策を考えております。また、災害用の要援護者リストというのも取り組みまして、対象者約3,200人ぐらいいるのですが、約800人ぐらいの登録を今のところ実は進めてきております。

 そういう意味で、どうしても我々行政職員あるいは消防、警察の関係の職員だけで、いざという場合の対応というのは、絶対にできないと我々も理解しておりますので、なるべく自主防災組織あるいは民間の部分に相当入っていただかなければならない。そういう意味で、私としては、できればじゃなしに、三重県圏域いろいろな地域性が、先ほど来いろいろな場面で出てきております。したがって、少なくとも北勢、中勢、伊勢志摩、東紀州。そういった形の中で、ぜひ県民局単位になるのかどうかよくわかりませんが、地域防災拠点を早急に整備していただいて、その関係市町の中で防災体制をどう構築していくか。そこら辺のところをぜひ取組をお願いしたいと思っております。以上です。

知事

防災面からいろいろご指摘ありました。実は、直下型の地震についても、県内で幾つかの断層があります。それから、最近調査の中で新たにこれも断層とすべきではないかという検討を加えている所もあります。これはあくまで専門の先生方にもいろいろご意見をお聞きしながら。ただ、その直下型の場合には、千年に1回あるのか、何万年に1回あるのか。確率は非常に小さいと言われつつも、実はいろいろ直下型の地震が発生しております。直下型の地震の起こり方も、その地震、その地震でかなり旧来のものとは違った分析もされていますね。今度の岩手宮城の直下型の地震も、そういう側面も1つ指摘されておったんじゃないかと思います。

 したがって、私どもも直下型のことについて、今後さらにしっかり研究しながら取り組んでいきたいと思います。例えば、地震計とかの計器類についても、今、整備をいろいろしておるのは、直下型の地震が起こりやすい活断層という地形も睨みながら、今の合併した市町の中にあっても、旧の市町のポイントであるとか、あるいは新たな必要なポイントについてどうしていくのかということも、今検討して整備をやろうとしています。直下型について、あと何かあれば追加してくださいね。後で。

 それから、防災拠点については、これは三重県で5つぐらい整備していこうと。まずは、鈴鹿に消防学校があって、これは1つ県の中央的な機能を持たせながら、1つ拠点として展開しているわけです。そして、昨年東紀州の方ができました。熊野に拠点を設け、サブを尾鷲に設け、これは実際機能できるようになっているわけです。今年からかかりましたのが南勢地域でありまして、サンアリーナのそばに南勢地域の災害拠点を整備していくということにしております。もちろんあと伊賀地域であるとか、北勢の方をどうするんだということも含めて、今後この拠点については順次しっかり展開してできるようにしたい。ここではヘリコプターの活動ができるようなヘリポートであるとか、あるいは、食料やいざというときの資機材の備蓄の基点にもなりますし、自衛隊等に要請したときに、その活動の拠点にもなると。そういった機能を持たせながら、ぜひ整備をしていきたいと考えているところです。

 それから、地元でもいろいろな取組やっていただいておりまして、私どもはまず県民の皆さんには、自ら自分の命は自分で守るんだという「自助」、「共助」、これは非常に大事でありますから、そういった住民に対する取組については、町とも連携しながらぜひより進めていきたいと思っております。そして、市町においてもいろいろな防災訓練をやるとか、避難路、避難計画をどうするかとか、あるいは台帳作成を含めた災害時の要援護者対策であるとか、そういうのがあるかと思います。県としてそういう取組に対する支援もやっていくと同時に「公助」として、広域的には災害拠点を整備するということがありますが、冒頭、少し海岸堤防の問題等も言われました。漁港の問題も含めて言われました。いろいろと優先度の高い所から調査をやり、そして事業を実施していくという形でやっております。ただ、実際にはなかなかハードの面では巨額なものが必要ということになりますので、なかなか地元の期待の進め方ではないかもしれませんが、国にはしっかり、特に明和町の所は直轄海岸事業としてやっておりますので、私ども国にも強く要請もしておるところであります。

防災危機管理部副部長兼総括室長

それでは、活断層について補足をさせていただきます。県の地域防災計画の中にも、東海・東南海・南海地震の発生に併せて、別途活断層に関しても被害想定を掲載しておりまして、特に、県内ですと主要な活断層が6つあるわけですが、その他の細かい活断層についても被害想定をして、対策に取り組んでいるところです。実際には耐震化であるとか、津波の避難であるとか、活断層による地震に対する対策というのは、ある程度海溝型地震と重なるということはあります。

 それと、さらに詳細調査につきましては、17年度から3カ年進めてきまして、知事が申し上げましたとおり、専門の先生に調べていただいたものを、県の防災のホームページの方にも掲載したりしております。また、これは17年度だったと思いますが、県内全戸に地図を啓発用に配布した例もございますので、県民の皆さんにもまた見ていただけたらと思います。以上です。

明和町長

昨日は松阪県民センターの皆さん方にお世話になりまして、私ども防災講演会ということでやらせていただきました。約300人近くの方、聞いていただきました。その中で、どうもちょっと誤解してみえますのは、すぐに自衛隊なり何なりが来てくれると。映画もありましたように、何か地震が起こってもそう大したことないのと違うのかという雰囲気が、だいぶ充満してきているのかなと思います。したがいまして、先ほど言われましたように、もうちょっと「自助・共助」の考え方を県民の方にアピールしていく必要があるのかなと思いましたので、あえて申し上げました。ありがとうございました。

7.閉会

(新型インフルエンザ対策について)

知事

時間も超過しているところでありますが、最後に私の方から大事なことでありますので、少し新型インフルエンザ対策について触れさせていただきたいと思います。

 今、新型インフルエンザについては、社会関心が急速に高まってきておるところであります。県としましても、早急に全庁的な体制を整えていくということが大事でありますし、実際に起こりますと相当パニック的な状況にも発展しかねない大変な状況でありますので、私どもこういう機会に市町ともしっかり連携できるように、共通の認識を持っていけたらと思っているところです。

 まず、現状について申し上げたいと思います。資料をご覧いただきたいと思います。その最後の資料の所に「新型インフルエンザ対策について」というのがございます。資料の概要と現状の欄を見ていただきたいと思います。世界的に今流行しているわけでありますが、今はフェーズ3という、要するに人と鳥とが濃厚に接触することによって感染するということがあるということで、現在、世界では感染者が382名、死亡者は241名、死亡率は実に63%という非常に高い数字になっているところです。

 こういう状況が、今フェーズ3がフェーズ4、すなわち人から人にうつるということに変異しますと、これがフェーズ5、フェーズ6というふうに進んでいって、パンデミックと言われる大流行に変化をしていくということであります。人から人への感染が発生しているこれがフェーズ4。それから、人から人への感染が大規模に発生していく段階がフェーズ5。世界的な大流行、すなわちパンデミックな段階がフェーズ6と、こういうことになっておるということです。

 ここに過去の世界的大流行の数字が上がっておりますが、1918年のスペインインフルエンザでは、実に4,000万人が亡くなったと。人によっては実際にはもっと死んでいったのではないか。1億人近かったのではないかというようなことを言う人もおりますが、大変な死亡者でございました。それから、1957年にはアジアインフルエンザ、これが200万人。それから、1968年の香港インフルエンザでは100万人が死亡したと言われています。

 今回、被害想定としては、新型インフルエンザの大流行の欄を見ていただきたいと思いますが、H5N1型ウイルスでありますが、これによるわが国の被害想定では、国民の2,500万人が感染する。最大で64万人が死亡するということです。これを三重県の数字に置き換えますと、368,000人が感染して、9,400人が死亡するという、非常に深刻な被害推計が出ています。大規模地震が同時発生したときの被害死亡者数が、推定で4,800人ですから、実にその倍の死亡者数が、この数字でも出ているということです。ただ、死亡率が日本の数字はまだ低いのではないかという指摘さえあるということです。

 次に、裏ページを見ていただきたいと思います。こういう事態に対応して、被害を最小限に食い止めるというために、国の方で、これは内閣総理大臣を本部長とする対策本部を設置して対応するということですが、三重県においては、早急にマニュアルを整備するように、指示を先般からしているところであります。と言うのは、これいつ起こるかわからないということは、ひょっとするとこの秋とか今度の冬に発生してきたときには、国もまだ十分な対応がきちっとできていないという状況にもあります。そういう場合にもどうするのかということも含めて、今県の方マニュアル等整備するように言ったところであります。県としては私を本部長とする対策本部を設置していくということになります。

 マスクとか、防護服、ゴーグルなどの資材の備蓄も今県でやっておりまして、計画的にこれからも増やしていきたいと思っております。あるいは、実地訓練、研修も実施をしたいと思います。それから、タミフルについては、三重県では152,000人分を備蓄いたしました。国の備蓄分と合わせますと、三重県では304,000人分になるということになるわけです。

 それから、プレパンデミックワクチン。いわゆるタミフルは罹ったときの治療薬みたいなものですが、予防するワクチンですね。これは今、国の方でも何万人分でしたか備蓄を持っているというところです。国の方の今いろいろな対策が動き出しておりますので、そういうのを注視しながら、県としても対応したいと思いますが、あまりにもこのことの影響は大きいわけでありますから、市町と連携して対応していきたいと思っております。

 特に、もしもこれが発生してまいりますと、かなりこれは国民の一人一人が正しい知識を持って、的確に対応していただかないといけないと思います。そして、被害を最小限に食い止める。そのためには、事業者や職場の対応、あるいは一般家庭、情報提供、多数の死者が出ますから埋火葬等についてもどうするんだと。こういうガイドラインを策定して、これは国の方でも策定してきておるところであります。

 今後、地元では食糧の配達をどうするんだ、水道水の供給をどう確保するんだ、市や町の施設の感染防護、あるいは学校の休校措置をどうするんだ。考えればもう本当にたくさんの課題があろうかと思います。しかし、県民にはぜひいろいろ啓発をしながら、正しい知識を持って冷静に行動してもらう。あるいは、県と市町の協力がどうしても必要だと思いますので、今後皆さんと連携して、その対応準備をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。極めて大きな問題でありますので、最後にまた時間をとりましたけれども申し上げたところです。

津市長

1点だけいいですか。すると、具体的な打合せとかいうのは、これから各市町と入るのですか。

知事

一応、私の方から指示をしておりますのは、今県にある対応について、整備をもう一度しながら、この秋ぐらいには、早ければこの夏中にも、一応どういうふうな形でやるのがいいのかというのを取りまとめていきたいと思います。その上で、市町との協力のあり方、協働のあり方、これを相談していきたいと思います。当然市町とこのことについて十分に話し合いをしていきたいと思います。

津市長

例えば、タミフル、ワクチン、マスク等は、市町では用意しなくてもいいということでしょうか。

知事

今、具体的にそういうことまで申し上げられませんが、実際にこれが起こったときには、例えば警察官であるとか自衛隊であるとか、そして実は行政の私たちも、例えばいざというときに、市役所の職員がバタバタこれで倒れていく、県庁の職員がバタバタ倒れていく。いわゆる行政が体をなさないような、そういう事態も起こり得るので、少なくともそういう所へはプレパンデミックワクチンは投与しなければなりません。タミフルはもう罹ってしまってからですね。罹ってしまった人たちについては、かなりこれは厳しい見方でありますが、もう助けられない者はやっぱり後回しにして、拡大を阻止する。そういうかなり相当非情な行政判断もあるいは必要になってくるかもしれませんね。もちろんこれは医療関係の人たちが、専門的な立場で判断してもらうところになります。そういう医療的な対応のあり方と、それからもう1つは社会対応のあり方。これがもう下手しますと、いわゆる本当にとんでもない大騒動になってしまう。こういうことでありますので、県の方で考え方整理できましたら、順次市町と連携を取って相談したいと思います。

津市長

どうぞよろしくお願いします。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 地域連携・交通部 地域づくり推進課 地域づくり推進班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁2階)
電話番号:059-224-2351 
ファクス番号:059-224-2219 
メールアドレス:chiiki@pref.mie.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

ページID:000042929