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平成20年10月07日

知事定例記者会見

知事会見

平成17年 4月26日
於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目

  • 知事・議長の河南省訪問について

(知事)それでは河南省訪問について、ご報告申し上げたいと思いますが、その前に昨日JR西日本で起こりました事故につきまして、まだ今、事故に遭われた方の救済活動が行われている最中でありますけども、多数の死者も出ておりまして、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げたいと思いますし、相当多くのケガ人も出ております。早く回復されることをお祈り申し上げたいと思います。事故原因は調査中ということでございます。今後安全対策を図るということの上で徹底的な究明が必要であると、こういうふうに思っております。まずは事故についてちょっと触れさせていただきました。
 それでは河南省訪問につきまして、お手元に資料をお配りしておりますが、4月18日(月)から4月23日(土)までの6日間、岩名県議会議長とご一緒に中国河南省を訪問いたしたわけです。今回は、三重県と友好提携を締結している河南省からの招待を受けまして、来年2006年には友好提携締結20周年を迎えるということでございますので、これを有意義なものにし、三重県と河南省の今後の友好協力関係の発展について確認すること、また将来、河南省からたくさんの観光客が三重県へ来ていだけるように、三重県の良さを河南省に対してアピールすることを目的といたしまして訪問をいたしたところでございます。19日に、河南省の省都でございます鄭州(ていしゅう)に入りました。河南省の省長であります李成玉(りせいぎょく)氏にお目に掛かりまして、両者の間で「三重県と河南省との友好交流と協力のための確認書」に調印いたしました。そのコピーにつきましてもお手元の資料にあるとおりでございます。今回の訪中の行程につきまして、資料にもございますが、23日に鄭州の空港から北京経由で帰国いたしたところでございます。今回の訪問につきましては、皆さんもご承知のとおり、中国国内での反日デモ活動などの状況がございましたので、これを勘案しまして、日程を短縮して訪問したものでございます。訪問した感想から申し上げますと、河南省内には反日的な動きも感じられず、終始一貫して、私たちの訪問を歓迎していただきました。それから河南省そのものにつきましては、中国の最も人口の多い省ということで、人口1億人間近でございます。高速道路も大変発達をしてきておりまして、至る所でビル建設の槌音が響いているというような状況です。経済の急速な発展ぶりということについては、私の事前の予想をはるかに超えるものであったと、こう思います。それから、その一方で歴史的な遺産も大変多くありまして、そういう意味で今、近代的な都市への発展ということと古代都市の性格を併せ持った大変ダイナミックな地域であるということを感じたところでございます。河南省へは私自身も初めてであり、知事就任後こうやって初めて訪問させていただいたわけでありますが、今回の訪問によりまして、河南省と三重県の友好協力関係の確立、また今後の発展のために、より一層信頼関係を深めることができたということで、大変有意義なものであったと、こう思っております。以上、河南省の訪問の報告にさせていただきます。以上です。


2.質疑応答
(質)来年の20周年に向けて、これは抽象的というと抽象的なんですが、何か具体的なお話はお互いに提案、あるいはまとまったものというものはあるんでしょうか。
(答)まだ具体的にどういうふうな形でやるのかというようなことについては、これから詰めていくということになると思います。いずれにせよ、三重県側もそうでありますし、それから河南省側も今後もこれまでの交流連携について、その成果を確認しながら、今後もさらに一層続けていきたいと、こういうことで意見の一致をみているところでございます。そこで来年ぜひこの20周年を有意義なものに、有効なものにしていきたいと、こう思っております。その中で特に今後は行政レベルでの中心となった交流以上に、民間交流を多く深めていくということが必要だという認識を持っておりまして、これは向こうの方もそういう認識を持っているところでございます。したがって、来年はまたこういったことも勘案しながら考えていきたいと、こう思ってます。それから私どもの方からは、来年度は観光分野での研修員を三重県の方に受け入れたいということを申し上げまして、向こうもそれについては快諾をいたしているところでございます。そういう意味では、こういった研修員を受け入れるという形の中で、河南省からも将来民間関係の方々にお出でをいただくための今後への展開に大きくつながっていくようにしていきたいなと、こういうふうに思っております。一応記念事業としては5周年ごとにやっているということでございます。相互に代表団が訪問し合っているということでございまして、15周年の時には三重県から河南省を訪問しているということでありますので、今度の20周年は河南省から三重県にお出でいただくというような番になっておりますけども、ただ交流の仕方については、中身についてまだこれから詰めていくということになります。

(質)先ほど冒頭のところで、反日デモというのがあったので、日程短縮する中での訪問だったんだけども、河南省においてはそういった反日の雰囲気というのは感じられず、歓迎をされたということでしたけれども、一方で報道等では大規模なデモというのも行われているのは事実だと思うんですが、ああいったデモに象徴されるような反日の雰囲気と、あと実際に知事が河南省で感じられた歓迎の雰囲気、ここら辺の落差というのはどういうところにあるというか、どのようにその落差を感じられましたか。
(答)実は河南省へ訪れた中でも、沢田さんという四日市の方で、亀山高校の教員が今、河南師範大学へ日本語教師として派遣をされているところでございます。大学の状況を聞きました時に、一部やはり反日の雰囲気があるということも事実ということは言っておりました。しかしながら、沢田先生のお話では、一方で向こうの大学生、若い人たちは大変日本に対する憧れも持っているということが事実であるということを強調しておりました。そう考えていきますと、私は多分今回の問題については、中国という社会と、日本の社会、いろんな状況のところで共通点があると同時に違いもあるわけでありますから、そういう意味ではお互いの違いを認め合いながら、より今後の信頼関係、友情を深めていくということが大事でございまして、そういう意味ではお互いがお互いをより深く知っていくということが、まず大変大事なんではないかなと、こう思います。日本の状況も中国の若い人たちに正確に伝えていくということが大事でありましょう。そういう意味で私は今回まいりました時に、李省長さん、あるいは徐常務委員会の主任、いわゆる日本で言うところの議長さんですね、議会の議長さんに申し上げたのは、やはり民間レベルでのより一層活発な交流ということが大事ではないかと、今後の交流の中にはそういう民間レベルも含めた幅広い交流をより進めてまいりましょうということを申し上げたところでございます。そういったことについて、河南省の向こうの皆さんも、私の考えに全く同感だということをおっしゃっておられまして、そういう意味では三重県と河南省につきまして、これまでの交流の積み重ねの中でそういったことについても、デモの問題についても率直に触れながら、意思の疎通を図るということができるという、これも積み上げてきた交流の成果ではないかなと、こう思っております。そういう意味で非常に私どもの訪問についても温かく受け入れてくださったと、歓迎していただいたということでございます。

(質)正直言って、向こうに行かれた時に、もう少し厳しい空気があるんじゃないかというような危険というのはお持ちになっておりましたか、行く前ですね。
(答)外国のことでありますから、なかなか予想できるものではありませんから、河南省ではこの件について、何らかいろんな話がひょっとしたらあるやもしれないなと、情報としてお聞きすることもあるかもしれないなと、こう思って行ったんですけれども、さっき申し上げたように、唯一聞いたのは河南師範大学で一部そういった反日の雰囲気があるというものも事実だという、その点ぐらいでしたね。

(質)両者の間で具体的に日中間の現状を話し合う中で、こういう現状というお話は、今反日的な区域があるというお話は出てはいないわけですか。
(答)意見交換として、そういう話は少し私も申し上げましたし、それから岩名議長からも触れられておりました。それは河南省政府を表敬した時の私と李省長との間の話、それから今度は河南省人民代表大会常務委員会、すなわち向こうで言う議会を訪問しました時に岩名議長と、それから徐光春(じょこうしゅん)主任との話の中でも出ておりました。また私からも若干、徐主任には付け足して申し上げたところです。

(質)あらためてですけれども、知事が行かれた時にはそういうような大学の中の雰囲気とか聞かれたというだけなんでしょうけども、現実に北京なりで反日デモがあって、その原因というか、中国の方は何に対して怒ってられるのかということと、それから今度の訪中でそれを克服するものはどんなポイントに置いたか、もしくはどうしようとされたかを述べていただけませんか。
(答)やはりお互いの違いということについて、これはかつての忌まわしい戦争体験について、大変な被害を被ったという中国側の事実がありますから、したがって、そういうことについて、今の日本のいわゆる表現しているところとの落差を彼らは指摘をしているんだと思いますけれども、そこは中国社会と日本社会とでは社会における考え方の違いというものも、これはあるのかなと、こういうふうに思いますね。したがって、大事なことはやはり歴史的な事実というものについては、これをしっかり検証をして、確認をしていくということが大事だと、こう思います。そういう意味では今回両国間でそういったことについての共同作業をやっていこうという提案について、中国側も合意をしているように思いますから、そういったことに基づいて、しっかり両国でその結果を受け止めていくということをすれば、その落差はなくなっていくのではないかなと、こういうふうに思います。それと先ほども言いましたように、多くの若い青年たちは日本へ直接来て、日本の社会を見るというようなことは、今はなかなかできないわけですね。例の団体ビザの対応から言っても、河南省からまだ団体ビザが解禁になっていないというようなことがありますね。そういう意味ではやはり多くの若者たちが憧れを持っている日本でありますから、ぜひ来ていただきやすいようにして、こちらも受け入れやすいようにしていくということが大事で、こういった民間での交流をより盛んにしていくということが大事ではないかと、こう思います。根底には中国の方でも日本との関係がおかしくなったら、中国社会も経済的にも、社会的にも大変なダメージを受けるということ、このことについて中国側も認識はしっかり持っておられるんだろうと思います。それから日本側はもちろんそういった認識があります。それだけにさっき申し上げたような積み上げをして、さらに信頼関係を深めていくことが大事ではないかなと、こう思います。

(質)李さんと徐さんからは具体的に、例えば歴史認識が違うとか、あるいは教科書検定の問題とか、何かそういう具体的なことは出たんですか。
(答)そういう具体的なことまで話はしていません。ただ外務大臣も行かれて、また総理もシンガポールで胡錦濤さんと会われてというような、そういうことが言われておりましたので、あえて私どもが触れる問題ではない、だからそこまでは突っ込んで触れなかったということです。

(質)あと、上海に帰り回られておりましたね。
(答)往きです。

(質)往きですか、で、上海の感じは何かありますか。
(答)往きはもう向こうへ夜の9時過ぎでしたか、とにかくホテルに10時頃に入って、そのまま休んで朝からもう空港へ移動してという、全く乗り継ぎだけのために立ち寄ったわけですね。ですから上海の状況についてはそんなに把握できてなかったですが、泊まりました上海のホテルオークラの社長さん等と少しロビーで立ち話でお聞きした話では、マスコミ等で伝えられているような雰囲気は自分のところでは直接ないということを言われておりました。

(質)知事自身は上海に入られた時に、感じとして、そんなにに何か緊迫したような感じとか、そんなのはお感じにならなかったですか。
(答)なかったですね。私自身も空港の状況か、ホテルの状況だとか、また翌朝、これは別空港、いわゆる国内線空港ですけども、そちらの方へ行って、ロビー等でいても全く異様な状況だとか、奇異を感じる、あるいは対応について不愉快な思いをするとかも全くそういうものもありませんでした。

(質)河南省含めて警護は付いておられたんですね。
(答)河南省については、私どもこうやって公式に訪問したときには、いつも警護体制を取っていただいているようで、今回も極めて多くの警護の皆さんにお世話になりました。今回のデモの関係でということではなくて。

(質)常に。
(答)前回、北川知事がおじゃましている時にも、やはり同じような体制でやっていただいているということでした。

(質)県としては今後民間交流を進めるために、具体的に何か動き出す、そういうプログラムを検討するとか、そうした考えはお持ちですか。
(答)これから一つそういったことについても担当部局を中心に検討させていきたいなと、こう思いますね。特にさっき申し上げましたように、来年は観光関係での研修員の受け入れ等も申し出ました。具体的にどういう形でというのを今後詰めていきたいと、こう思います。

(質)21、22日の個別具体的な感想を、植林から太陽化学。
(答)はい、日程がそっちへ行っているかと思いますが。

(質)21日の植林事業はどうでしたか。
(答)まず21日ですが、三重県の日中友好協会が向こうの青年団と共同で植林事業をやっているということで、現場を見てまいりました。黄河のすぐ岸辺からずっと黄河大地へ向けての山になっていく所でありますけれども、植林がもうすでに広くされてきておりまして、そういう意味ではその成果が目の当たりに見えた感じでありました。向こうもこの木がだんだん多く生い茂ってくると、そこの所の高台からは黄河が一望に見渡せるんですね。今後そういう意味では多くの人が来てもらえるような、そういう緑地の公園にしていきたいということを言っておりました。これはまさに民間レベルでの今日までの交流の成果だと思ってます。それから、その日は太陽化学
(株)が向こうの企業と合弁でやっている太陽金明有限公司というのを見てまいりました。で、ここも三重県の会社が向こうへ工場を展開していって、極めて成功しているということでございました。中身はインスタントラーメンの乾燥ネギであるとか、それから卵のクレープに使うような、ああいうクレープの素材みたいなものを製造しているということでございます。現地で農家と契約してネギを購入したり、それから工場でも350人ほどの従業員を雇っておりまして、雇用についても貢献をしているということでございました。特に李省長からも挨拶の中で、成功している例として触れられて評価をされていたところでございました。それから20日には鄭州宇通バスという所へも行ってきました。これは日系との関連ではありませんけれども、バスを製造しているという会社でございまして、年間18,000台を生産している世界一の工場だと説明をしておりました。今キューバから大量のバスの発注を受けて、工場内の外側の通路にも随分多くのバスが所狭しと並べられているというようなことで、大変これも活気もある工場だなと思いました。それから鄭東新区にやはり同じ日に行ってきました。鄭州市の中で新しい大規模の新都市建設が行われているという所でございまして、これは黒川紀章氏がコンペで選ばれて、その設計のもとで150平方キロメートルの広さに、人口150万人の新都市を建設していこうということです。2015年の完成を目指しているということでありますけれども、その初期の工事がもうすでに始まっていると、それが広大な所にビルがニョキニョキと今建てられてきているということで、まさに中国の経済発展の鄭州におけるモデルみたいな、そんな感じで受け止めました。

(質)世界遺産関係はどうですか。龍門石窟なんかは。何をどう思って、どう三重県に取り入れようと。
(答)22日には洛陽市の方へまいりました。洛陽市では白馬寺というお寺へ行きましたけれども、ここはかつて弘法大師も訪れておりまして、そういう意味では日本の香川県の方が、民間の方が弘法大師の銅像を建てられておりまして、それも見てまいりました。弘法大師の関係するお寺は、全国至る所にあります。三重県にもあるというようなことで、日本人にとっては、この洛陽というのは本当にこういったことにも象徴されるように大変親しみを前から持ってきた都市だと、こう言われております。そこで、世界遺産の龍門石窟についても訪れてきたところでございます。龍門石窟につきましては、これは三重県も熊野古道が今、世界遺産に登録されたということで、そういう意味ではすばらしい自然、あるいは文化、こういったものを誇る世界遺産について、私ども今後、大いに参考にさせていただけるのではないかと、こういうことで見させていただいたところでございます。

(質)何が大いに参考になりましたか。
(答)特に、例えば、あそこの龍門石窟も、非常に多くに方が訪れておられるんですね。したがって、全体の施設も世界遺産の見学を受けるだけのしっかりした規模を感じたところであります。それから、多分保存とか、そういうことについては、これは龍門石窟についても、雨でだいぶ傷んできたりとかいうようなことがございますね。そういう意味では、保存だとかそういうことも、今後、私ども熊野古道についても大変重要なことだと、こういうふうに思っております。広大なすばらしい自然の中で、ああいった世界遺産というものをどう連携させながら、守り、そして継承していくのかということが、非常に大事ではないかなと、こういうふうに思います。そういう意味で、初めてああいうものを見せていただきまして、そのすばらしさと、やはり共通点を感じながら今後の参考にさせていただきたいと、こう思いました。

(質)自動車会社と言われましたね、これは日本の企業、トヨタとかホンダとか日産とか、そういうところはかんでるんですか。
(答)いえ、ここはドイツの会社と提携しているということです。ドイツのMANだったかな。

(質)ベンツ社ではないんですね。
(答)大元はどうなのか知りませんけれども、ドイツの会社と提携してやっているということです。

(質)もう1点、訪問の目的の中に、たくさんの観光客が三重県に来ていただけるよう、三重県の良さを河南省にもアピールすると、そういうところを目的としていると。三重県の良さというのはどういうところをアピールされてきたんですか。具体的に教えてください。
(答)これについては、まず三重県だけではなくて、日本と中国との民間レベルの交流をもっともっと、より盛んにしていかなければなりませんねというようなこと、それから特に三重県については、中国文のパンフレットも持ってまいりまして、担当部長もまいりましたので、石垣(農水商工部長)からも説明をさせていただいたり、そのパンフレットを見ていただいて、三重県へぜひお越しをいただきたいということを申し上げました。併せて、さっき申し上げましたように、観光分野の研修員も将来での展望を持ちながら、ぜひ受け入れさせていただきたいということで申し上げて、これを快諾していただいたというようなことです。

(質)いわゆる主に観光面ですか。そういう企業、例えばホンダ技研は鈴鹿にありますね。それとかいろんなとこがあるんですけど、富士ゼロックスとか、亀山のシャープとか、ああいう企業の工場関係とか、そういうところは、あまりPRしなかったですか。
(答)経済関係について言いますと、どちらかと言うと中国側が受け入れる方になってますね。で、私ども三重県のPRという意味では、ぜひ三重県へお出でくださいということは、主体的に申し上げました。ただ当然話の中で、シャープさんでありますとか、IT関係が集積を今しているんですよ、そういうふうなお話も申し上げて来まして、ぜひ、李省長さんと今度来られたら、そういった最先端の工場なんかもぜひご覧いただいたらどうでしょうかという話も申し上げました。ホンダさんの話もちょっと触れました。

(質)木曽岬町なんですが、選挙が終わりまして、合併について越県も含めて考えられるんじゃないかと予想されるんですけれども、多分住民の意向が出てからになりますけれども、今後についてお考えをされるところはありますでしょうか。
(答)木曽岬町については、合併という側面からはまだ今後これから町の方で町民の皆さんとどういうふうに議論をされていくのか、その考え方も承ってもおりませんし、伝えられてませんので、私どもとしては合併そのものについては、あくまでまず第一には地元の市町村の皆さんが、住民の皆さんがどういうふうに考えていくのかという、その構築をしていくということが一番大事なことだと、こういうふうに思っております。県としてはそういうふうな状況が見られましたら、積み上げられていくようでありましたら、その議論の熟度を見極めて対応していかなければいけないなと、こう思います。

(質)第一義的には、町民、町の意思でしょうけども、木曽岬干拓地を含む木曽岬町ということで、野呂知事としては、思いとしては愛知県への合併はよしとされますか。
(答)合併の方向とかいうようなことを、今後もし仮に議論を深められていくとしても、木曽岬町の立場でいきますと、新「桑名市」とも接しているというか、隣りでありますし、県境を越えたところも接しているわけですよね。でありますから、前提つけてものを言っていくということはどうかなと思いますが、もし仮に県境を越える合併というようなことについての議論がなされていくとしますと、これについてはあくまでも、もちろん地元の住民の方々の意思がまず第一でありますけれども、しかし木曽岬干拓地については、もちろん県民の尊い財産でもあります。そういう意味では県民の理解、これは木曽岬干拓地があろうとなかろうと、県境を越える場合には県民の理解ということが同時に必要でありますから、まさに県民を代表する県議会等で必要な場合にはいろいろ議論されることになるだろうと、こういうふうに思います。

(質)ということは、第一に住民の意思が第一というのはあるけれども、木曽岬干拓地とうものがある以上は、そういった県議会を含めて、そういったところの判断というのが関門になって来ざるを得ないということなんでしょうか。
(答)とにかく、木曽岬干拓地というだけではなくて、手続き上、越県した合併の場合には議会の同意、これは相手方の県も同じでありますけれどもね。議会の同意ということが必要でありまして、それは議会の同意ということは、県民全体がそ・黷x持するかどうかということについても、判断の中に入っていくということであります。ですから、県内合併のときには、手続き的には申請を受けて、知事が決定して、総務大臣に申請していくということでありますけれども、越県合併の場合には、手続き的にも県民の理解、同意が必要ですよということが、県議会の同意という形で中に仕組まれているわけですね。だからそういう中で議論もされていかなければならないということです。

(質)知事の姿勢としては県議会の議論、三重県議会ないし、相手方の愛知県議会の議論等を見守りながら、そこでのそれぞれの結論というのを重視したいということでよろしいんですか。
(答)私はそういう県境を越えた合併というような議論になるかどうかも全く分からないのに、そんな前提で今言うこと自体、少し早まり過ぎ、あるいは全く違うケースもあり得るので、それ以上、何か前提付けたようなことについてお答えすることはできませんね。

(質)町民の中には、木曽岬干拓地が県民の尊い財産だとおっしゃるんですけれども、この尊い財産を全然有効活用しようとしない県の姿勢に不満をお持ちともお聞きしてるんですけれども、その辺はいかがですか。
(答)これは、これまで長い経緯があって今日まで来ているわけであります。したがいまして、都市的、高度な利用の仕方ということも含めて、今検討してきているところでありまして、そういう意味では環境アセスも今やっているところでございます。これは三重県民にとっての、もちろん貴重な財産であるということと併せて、これは当然隣接しております岐阜県や愛知県やこの東海、中京圏の立場、あるいは環伊勢湾というような立場から見ても、有効活用されなければならないというふうに考えますから、そういったことも総合的に含めて今後一層の活用を考えていきたいと、こういうふうに思います。

(質)新町長とお会いになるとか、そういうご予定、今のところはないんですか。どうせ挨拶に来られると思うんですけど。
(答)そうですね、現在まだ、私も中国から帰って、昨日からまだそういう日程的なやりくりができるかとか、そういうことについても全然聞いてません。

(質)では、やりくりついて、あれならば話すこともあるかも知れないんですね。
(答)市町村長さん、結構頻繁に見えますけど、私はどなたであっても、市町村長から面会の申し出があるときにはできるだけ対応するようにしております。ですから当然そういう機会があればお目に掛かって、いろいろ意見交換したいと、こう思っております。

(質)留守中ですが、熊野古道の落書きが大きく報道されました。以前からあったということなんですが、県としてどう捉えてますか、それからどう対応されますか、お伺いしたいと思います。
(答)熊野古道の尾鷲における八鬼山での件につきましては、これまでの行き違いから、ああいった状況が起こっているということについては、私も非常に残念に思っております。当面、尾鷲市の方で地権者の方ともしっかり対応されていくような形で伺っているところであります。したがって、また状況を見て必要があれば市からもご相談があると思いますから、そういう中で対応してまいりたいなと思います。

(質)今、積極的に市と地権者の方の話し合いに入るとか、そういうお考えではないですか、見守るということでしょうか。
(答)当面、市の方で対応していきたいのでということを市の方でも言われているようでありますので、したがって、それをしばらく状況を見させてもらうということが大事ではないかなと思います。

(質)紀北県民局には何か特に指示を出されてるんですか、この件で。
(答)いや、紀北県民局は以前から地権者の方とも接触、その登録前後の時にはしていたかと思いますし、それから尾鷲市とも色々と情報を交換しているということであります。ただ今の状況につきましては、尾鷲市が地権者との間の話合いをしっかり進めていきたいということでありますから、県民局の方はその状況を、情報を取ってこちらに伝えてくるということで、しばらくそういった作業でいくのかなと思いますね。

(質)以前から専門家の方も指摘はされてきたことだと思うんですけれども、保全というところからいくと、やっぱりバッファゾーンの所を含めて、その周辺の所をどうやって守っていくかということが多分、今後大きく課題にはなってくると思うんですけれども、そういった場合に、事実上、今回の場合でも強制力を持って規制する手段というのはないわけですが、そういった中でそういうバッファゾーンを含めた周辺のところをどういうふうに保全をしていくかということに関して、知事のお考えは。
(答)一応、世界遺産の熊野古道については、やっぱりしっかり地元の皆さんがそういう認識の下でそれを守り伝えていくということが大前提、非常に大事なことであります。そういう意味ではこの保護については、市町村による条例によってまず保護し、いわゆる保全の義務をそこで果たしていくというようなことになっております。その条例のあり方については、例えば林業ですと、林業経営との協働を図っていかなければいけない、そういう協調をとっていくということがこれまた大事であります。そういう意味では、例えば許可制ではなくて届出制にするとかというような配慮がなされているわけであります。したがって、これは尾鷲の場合には尾鷲市とそれから地権者も含めた、林業関係の皆さんとやっぱり十分に話し合って、そして保全も含めた取り組みというものについて合意をしていくということが大事だと、こう思います。

(質)その中で県が果たす役割というのは、どのようにお考えになってますか。
(答)当面は市の方で対応されるということでありますから、その上で県の方が果たすべき役割の要請がありましたら、それは十分お聞きをして、その上で決めていきたいと、こう思いますけれども。今、どういう部分でということについて具体的に持っているわけではありません。

(質)この問題に限らず、基本的にどう保全していくかというのは、一義的には市町村の責任でやってくださいという立場ということですか。
(答)そうですね、これは平成21年には保全状況について、定期的な報告を行っていくということが必要になってまいります。したがいまして、この尾鷲市に限らず、保全状況について世界遺産に登録されたことにふさわしい、ちゃんとした保全が行われているかどうか、これも検証しながら、全体としては三重県側については県の方で把握をしていかなければいけないだろうと、こういうふうに思います。

(質)県が積極的に保全策というか、保全に関するそういう規制でも、指導でも、支援でもいいですけれど、そういうのを積極的にやっていくというお考えはあまりないんですか。
(答)これについても今後こういった林業関係も含めて、バッファゾーンをどうするだとかということについて、より具体的な話というものは今後検討されていくと思いますね。その中で県の役割も考えていきたいと、こういうふうに思います。

(質)定期的な報告というのはユネスコになるんですか。
(答)そうです。ユネスコの世界遺産委員会に定期報告を行うということになっています。ですから、これは21年ということは6年ごとに定期報告を行うということになっておりますね。

(質)さっきの条例の中身に絡むと罰則規定がないわけですよね、今のところ。例えばそういうものというのは、今回の場合も地権者のお持ちのあれだからしょうがないにしても、ただ景観条例からいうと損ねてると、ただし罰則がないんで、その辺の強化ということは何かお考えなんですか。
(答)今、尾鷲市の方でしっかり対応しようということでやっているところでありますから、そういったことを考えるよりは、まずは今、問題になっている件について、関係者がやっぱりしっかり理解をし合い、共通の認識を持つということからやっていくという努力をしていくことが必要だと思います。

(質)登録の付帯条件に保全計画をしっかり立てよと、数年後までにというのは、それは何年でしたか。
(答:県教育委員会事務局)保存管理計画を来年2月に委員会に提出ということです。

(質)
18年2月ね。
(答:県教育委員会事務局)はい。

(質)
それに差し障りはないんですか。
(答:県教育委員会事務局)現在のところは大きな問題はないというふうに考えております。

(質)保存管理計画ね。
(答:県教育委員会事務局)はい。

(質)保存管理計画を提出して、それが認証されなかったら登録を取り消される可能性もあるわけですね、可能性として。
(答:県教育委員会事務局)基本的にはすでに申請書の段階で包括的な保存管理計画が出ておりますので、その上細かな保存管理計画の提出を求められておりますので。

(質)これは落書きしていても関係ないわけですね、計画だから。
(答:県教育委員会事務局)そういう行為についても、基本的な方針をそこに明記させていただくことで、今作業を進めております。

(質)だったらこの対策もここに書くわけですか。
(答:県教育委員会事務局)具体的には、個々の対策までは及ばないとは思います。

(質)つまり尾鷲市の個別の問題は問題として、今後そういう落書きではないんでしょうけど、いろんなそういう景観を損ねるようなことがあったときに、制度としてどうやって規制なり、対応していくかというのはまた別のこととして考えなければいけないことだと思うんですけれども、その辺についてはあまり今のところはお考えはお持ちではないんですか。
(答)今回の事例は落書きといっても、これは自分の所有している山の木でありますから、いわゆる辞書でいう落書きというのでは、私のイメージからいくと、他人の、所有していないものに書いてくるというイメージがあるんですけれども、自分の持っている木に自分の意思を込めた表現をされているわけでありましょう。ですからこれは非常に特殊なケースだと、こういうふうに思っております。そうかと言いながら、現実に山はそれぞれ所有者、地権者の方が会社経営なり、事業経営なり、生活が掛かっている、そういうものでありますから、それとうまくどうやって調和しバランスを取っていくのかということでありますから、しっかり、これはこういった問題が起こっているのを、この際きちんと解決をしていく共通の認識を持っていくことが大事だと思います。それを今後のいろんな見方にも生かしていけばいいのではないかなと、こういうふうに思います。

(質)他県の方から、他県知事から問い合わせはないんですか、今のところ。
(答)私のところにはないですけどもね。事務局へ何か来ている。
(答:県教育委員会事務局)特に来ておりません。

(質)ちょっと景観つながりで、ちょっとローカルなネタになるですけれども、松阪城のある森にマンションの計画が上がってまして、地元の住民から景観を損ねるというので、反対の署名運動なんかが起こっているんですけれども、市長時代にまちづくり景観賞とか、松阪城の電柱を撤去するなど都市景観について積極的に施策を進めてきた知事にとって、都市景観、特に歴史文化の残る地域についての考え方というのはどうか聞かせてもらえませんでしょうか。
(答)それについてはちょっと私も詳しい状況は知りませんので、そのことだけについてのコメントはしにくいなと思います。ただ、やはり街の景観を残すべきをやっぱりしっかり残していくような、そういう景観を大事にしていくということは、今後のまちづくりにとっては非常に大事なことでありますから、そういう意味では今回の件については、市の方でしっかりした対応をされるということがまず第一に大事ではないかと、こういうふうに思います。
  

( 以 上 )

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 広聴広報課 報道班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2028 
ファクス番号:059-224-2032 
メールアドレス:koho@pref.mie.lg.jp

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