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知事定例記者会見

知事定例会見録

平成18年11月14日
       於 プレゼンテーションルーム

1.発表項目

  • 障害者施設の影響実態調査の結果について(発表)
  • 「国際貢献フェスタinみえ2006」の開催について(報告)
(知事)

それでは発表項目を申し上げますその前に、先週11月9日、本県職員が殺人等の容疑で逮捕されたところでございます。それについて少し申し述べておきたいと思います。飲酒運転など職員の不祥事が続いている中で、今回のような事件が発生いたしましたことは誠に遺憾なことでございます。県民の皆さんの信頼を損なったということに対しまして、改めて深くお詫びを申し上げます。県といたしましては、今回の件につきましては捜査の状況も見ながら厳正に対処してまいりますとともに、全職員が県政の置かれている状況及び県職員の立場を十分認識し、業務の適切な執行を通じて、県民の信頼回復に全力を挙げてまいります。なお、このような危機的状況を全職員に周知徹底をさせるため、私の考えを職員あてにメッセージとして、本日発信をいたしたいと、こう思っております。

障害者施設の影響実態調査の結果について申し述べます。障害者自立支援法につきましては、先の県議会での一般質問でもお答えをいたしましたとおり、利用者の原則1割負担導入によります利用者や保護者の不安の声を聞いているところでございます。また、施設事業者からも、日払い方式の導入によります減収で施設経営が不安定になったという声など、様々な指摘をいただいているところであります。そこで、自立支援法の施行に伴います影響につきまして、現場の実態をさらに把握するために、10月に県内の障害者施設に対しましてアンケート調査を行いました。その結果がまとまりましたので、お手元にもお配りをいたしておりますような別紙調査結果概要をまとめているところでございます。それについて報告をいたしたいと思います。この調査結果からも、障害者の方の施設利用の手控え、また施設経営への影響というものが明らかになりましたことから、今月16日、あさってでございますが、「国の予算編成に関する要望」の際に、現場の実態を私から国に伝えまして、制度改善の要望を行いたいと考えているところでございます。

次に「国際貢献フェスタinみえ2006」の開催について申し述べます。既に資料を提供させていただいておりますが、11月18日(土)・19日(日)に、津市の「アスト津」におきまして「国際貢献フェスタinみえ2006」を開催をいたします。このイベントは2004年から始まりまして、今年で3年目を迎えるわけであります。1年目は「知る」というテーマで、2年目は「考える」ということをテーマに実施をしてまいりましたが、3年目の今年は「行動する」ということがテーマになっています。私たちは、およそ50億人の人々と地球の資源を共有し、同じ時代を生きているところであります。一つの世界の、そして日本の、そしてまたその中の三重県という場所に住み、日々生活を送っている私どもでございますけれども、着ているものや食べるもの、これは今、世界中のあらゆるところから、いろいろな人々の手を経て私たちの元に届いているものでございます。こうしたことから、私たち三重県民は、一つの地球を共有し、私たちの生活を支えている世界の人々に目を向けていかなければなりません。世界で災害や紛争などが発生をし、人々が困難な状況にあれば、それを私たち自身の問題としても考え、より良い世界の実現を目指して一人ひとりが努力していく責任がございます。この「国際貢献フェスタinみえ2006」におきましては、世界の音楽と踊りを披露するステージや、参加型の講習会「ワークショップ」の開催をはじめ、購入することで途上国の貧困層の人々を支援できる「フェアトレード商品」の販売、また写真展なども予定をいたしております。たくさんの皆さんにご来場をいただきたいと、こう思っておりまして、マスコミの皆さんにもよろしくPRの程、お願い申し上げたいと思います。

2.質疑応答

(質)

障害者自立支援法の関係ですが、これは調査の対象は県内全施設ということでいいんでしょうか。

(答)

県内の入所及び通所障害者福祉施設86施設を調査対象にいたしました。回答率は資料にありますように90%ということでございます。

(質)

これは「%」で書いてありますけど、入所者数とか実数は分かりますでしょうか。

(答)

通所施設の利用者数は総計で1,135名、それから入所は1,684名です。

(質)

国への要望の際に制度改正も言われるということですが、前回の会見の時に県としても独自の支援策を検討中ということでしたが、それの方は固まっているんでしょうか。

(答)

私ども、春の時点から、これはなかなか大変だなということを予想してまいりました。それで10月からの本格施行という状況の中で、取りあえず私どもとしては地域で暮らす場でありますグループホームにつきましては、利用者に対しまして家賃の一部助成を既に実施をいたしているところでございますけれども、今現在、緊急的な追加支援策というものについては、これを検討しているところでございます。また今、次期戦略計画について、その策定準備をしておりますが、この中でも対応方針について検討をいたしていこうということにしております。そのほか、さっき申しましたように、国に対しましてこういう実態をいろいろ申し上げ、そして制度につきましての改善等を要請していきたいと、こう考えております。

(質)

この結果をご覧になられた率直な感想というのはいかがですか。

(答)

実は私ども、春にざっとした概要状況について県の方で調べました時には、もっと影響が大きいというふうに感じておりましたが、少し時期を経てまいりまして今の時点の調査ということになりますと、その春の時よりは障害者の皆さんにかかる影響は少し数字が低いのかなと、しかし実は国が言っております数字と比べますと、はるかに大きな数字であり、国としての把握はまだ十分されていないのではないかというふうに感じたのが一つでございます。それから調査結果で、実は施設等への影響ということについても付けてございますけれども、この調査の結果をみますと、通所施設で約11%の減収、入所施設で約5%の減収、これは施設経営者としては大変大きな、本当に施設経営に多大な影響を与える数字ではないかなと、こう思っておりまして、この辺もかなり深刻な部分があるというふうには思っております。

(質)

国際貢献フェスタは、外国の方も参加されるんでしょうか。

(答:生活部)

外国の方も参加してもらいます。特に国内での国際貢献というわけではありませんが、在留外国人の団体等のシンポジウムも予定されておりまして外国人の方も参加してもらうことになっています。

(質)

事業予算は。

(答)

今回の事業費におきます県の支出ございますけれど、県の方で242万円、それからJICA中部からの共催費というものが50万円、それから(財)東海テレビの方から基金助成金で10万円いただきまして、それで事業を行うということになっております。

(質)

不祥事のことですが、本日メッセージを、というのはどんな内容になってくるんですか。

(答)

必要があれば、後でお渡しするようにいたしましょうか。

(答:政策部)

後でお渡しします。

(質)

研修等をやってきて、その直後というか、一部ではまだ職場研修も終わっていない所もあったんですよね。この前、部長会議でそれをまた職場に伝えるということでしたけれども、新たに研修的なものとか、再発防止策というのは考えていることがあるんでしょうか。

(答)

私ども、例えば飲酒運転、酒気帯び運転等、こういったものについて、全職員に服務上の注意と併せてそのことを指摘し、言ってきたところでございます。今回起こりました殺人事件につきましては、そういったこと以前のことでございます。しかし現実として、こういうことが起こったということで、改めて、県民の信頼を損ねたことを極めて残念に思っております。したがってこの際、職員の動揺もございますし、そしてまた、私どもは、やはり職員一人ひとりが、自らの使命である、県の業務の中でしっかりと県民に顔を向けて仕事をしていく、そのことで、地道にまた県民の信頼を回復していく、得ていくということしかございません。そういう意味ではこんな事件まで起こりましたので、非常に危機的な状況の中でありますが、職員に対しても、一方で励まさなければなりませんし、一方ではこういうことが繰り返し起こらないように、しっかりとこの際、職員に対して呼びかけていきたいと、こういうふうに思っております。

(質)

この頃、公務員にしても学校の先生も含めてですけども、モラル以前に人間としての部分で問われるケースが全国でちらほら出てきている、警察官に至っても出てきています。世の中の変化もあるかと思うんですけども、例えば職場の中での働きにくさとか、あるいは風通しの悪さ、相談したくても相談できないみたいな部分でのストレスがあるところで、少しでも職場環境を変えることによって職員の人たちが動きやすくなる、あるいは仕事がしやすくなる、あるいは仕事に対して前向きに取り組めるみたいな、そういった部分での検討、改善方法というのを、知事は何かお考えなんでしょうか。

(答)

冒頭おっしゃいました、今日の社会的な、そういった現象でありますけれども、社会が今、非常にいろんな意味で歪みもたくさん出ておりますし、またこういう忌まわしい事件、あるいは痛ましい事件も至る所で起こっております。これはあえて言うならばマスコミの皆さんの関係の所でも、そういったことが起こったりしておりますね。私は、「文化力」ということを申し上げている中で、やはりもう一度、社会全体の体質なり、あるいは社会の健康さ、こういったものを取り戻す努力を、これは行政だけではありません、国民皆で考えていく必要があるのではないかと思います。少なくとも行政でできること、これはいろんな面からあろうかと思います。職員の意識高揚、士気高揚を図ってまいるということからいけば、そういった職場環境等の問題もいろいろありましょう。ただ、社会全体のそういった体質を向上させる、改善していく、あるいは社会の健康さを取り戻す、そういった意味合いからは、県の行っている施策について、ややもすれば経済的な価値、経済的な側面だけに少しこだわりすぎたこれまでの世の中のあり方を、もう少し私たちの暮らしというようなものに視点を押し当てて、改善していくことができないか、そういう意味で、全ての政策のベースに「文化力」という考え方を置こうということにしているところでございます。

(質)

「文化力」を推し進めていけば、ある程度改善できると、今お考えなんでしょうか。

(答)

いや、そんな簡単なことではありません。しかし、私たちは常にそういったことを考え、やっていかなければ、もう対症療法的に考えていくということだけでは、本質的な解決にまでなかなか結び付かないことがあるということが、少なくともここずっとしばらく、今いろんな議論を行っている中で感じられることではないかなと思います。また、そういうことの大切さというものを、今これから見直そうとしていく時代に入ってきているんではないか、21世紀はそういう意味で、哲学の時代であるとか、あるいは宗教の時代と言われておりますが、私たちの生き方というものに、もっと焦点が当てはめられていかなければならない時代になっていくんではないかと、こう思ってます。

(質)

知事になられてから特に聞かされた「行政経営品質向上」、その中での職員の関連もあると思うんですけど、「経営品質向上」そのものをテコ入れするのか、それとも「経営品質向上」の考え方自身の中に、やっぱりまだ足らずの部分があるのか、その辺はどういうふうにお考えですか。

(答)

「経営品質向上活動」、これは北川県政の中で取り入れられ、もう既に8年程経ってきているものでございます。これは、県民を顧客として捉え、県政そのものをまさに県民の視点から考えなければダメですよ、ということを言っているわけですが、一方でやはり、私がこのことに注目をしましたのは、そのことが実は職員の意識改革、意識高揚に極めて有用な、優れたツールだということを感じたところでございまして、そういう意味でこれを未来永劫、活動としてずっとやっていくべきではないかと考えているところであります。したがって、これは私もマネジメントのシステムの中で、マネジメントのツールとして用いているところであります。個々の職員それぞれの受け止め方、またそれぞれの取り組み方、こういった差異があるのでしょうが、マネジメントツールとすることで全体の中で揃えてやっていこうということでございます。多分、それだけではありません、今後いろいろ考えていかなければなりませんが、旧来の行政改革の中で、あまりにも結果としてのコストであるとか、経済合理性とか、こういったことを強調するあまり、私たちはお金で幸せになれるのか、というようなことについても疑問を感じている社会であります。したがって、もっと内面的な質の面の、そういったやり方というものを今後追求していかなければならないだろうと思います。マネジメントにおいても、そうであります。また、政策の面でも、そうであります。そういう中で、マネジメントについては「新しい時代の公」、ガバナンスという考え方を今、県としても大きく前面に押し出そうとしております。また、「文化力」ということについても政策のベースにしようと、こう考えているところであります。

(質)

ただ、「経営品質向上」も「文化力」もそうなんですけど、基本となる職員個人のやる気であるとか、あるいは倫理観とか、そこに頼ってる部分があるじゃないですか。そこの部分自身が改善されていかないと、いくら「品質向上」を、QC(品質管理活動)をやっても成果が挙がらないという部分がありますよね。その辺は、今後何かお考えはありますか。

(答)

いろいろ研修だとか、いろんなことをやりながら、組織としても全体のレベル向上を図ろうということであります。ただ、個人的な資質の差だとか、そういうのはいろいろあります。ですから、例えばそういう状況の中で、県職員にふさわしくない、あるいは県職員としてやっていることがその人の人生にとっても有益なのかどうなのか、そういったことについても見ていくということが大事でありますので、そういった制度についても今、整備を図ってきているところでございます。

(質)

実際に図ったものが、降任の申し入れ制度のようなことを指しているんでしょうか。

(答)

いや、不適格職員の特別研修等、正式名称は何というんでしたか。

(答:総務部)

職務遂行能力不足等職員に対する特別研修です。

(答)

特別研修は今年から運用を始めてますし、それから教員については、既に3~4年前から教育委員会がやっているところでございます。

(質)

メッセージは、今回の件じゃなくて、今まで行動基軸とかで何度か出されていると思うんですけども、その一連の流れの中にあると考えてよろしいんでしょうか。

(答)

そうですね、今回の私からのメッセージは、後で資料として皆さんにお配りいたしますけれども、そのメッセージに、今年の4月にも行動基軸としてお示しをしております、その文書を付けて、職員あてに発送したいと、こう思ってます。

(質)

先週、フェロシルトの件で、石原産業の元副工場長の逮捕があったんですが、改めてそれについてのご感想をお願いしたいんですが。

(答)

石原産業の問題については、私ども県としては、結果的に虚偽の申請に基づいて、平成15年の秋に製品として認定したという経緯がございました。このことについては、また改めていろいろ近県も含め、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げたいと思います。今回の逮捕等によります事案を見ておりまして、実はフェロシルトの認定前に、私どもがこのリサイクル製品に認定する前に既に捨てられていた関連の廃棄物が、全量の中で7割以上を占めているというようなことで、改めてそういったものについて見抜けなかったということを、残念に思っているところでございます。いずれにしましても、私どもは今回の事件について、捜査当局による全容解明を強く望んでおりまして、県としても、今後とも全面的に捜査に対しては協力をしていきたいと、こう思ってます。また、製品の回収につきましては、今後もさらに早期に着実に回収ができますように、県としても指導監督をいたしてまいりたいと、このように考えております。

(質)

大矢知産廃問題ですが、先日の説明会の時に住民の方からは依然として全量撤去と、それから知事ご自身との会談を求める意見が出て、県とは考え方で相違の部分があると思うんですが、それについて知事の思いとか、知事自身が面談するというお気持ちはあるのでしょうか。

(答)

この大矢知事案等につきましては、私が知事になりまして、指示をいたしまして調査をさせました結果、全国最大規模の、ああいった事案だということが判明したところであります。私としては、こういった過去の遺産が手を付けられずに、あるいは解決に向けての取り組みがなされずに、私が知事になるまでずっとあったということについては、極めて残念に思います。私としては、やっぱりこういったことは三重の将来にとりまして足を引っ張ることにしかなりませんし、正面から受け止めると、まさに巨大な負の遺産の一つでもございます。したがいまして、調査をいたしました結果を受けて、やはり県としての責任を果たしていかなければならないと、こう思っております。そういった観点から、県としては、当時の県に与えられていた権限、そして今現在、こういった事案に対する国の対応、そして私ども県として現実的にどういう方法をとるのか、というようなことについて、これまで検討してきたところでございます。そうしたことについて、担当部局の方で各事案にかかります、まずは安全性確認調査の結果でありますとか、それに基づいた対処方針あるいは対策、こういったことについていろいろ報告を受けておりますし、また担当部の方でも必要な対応をやっているところでございます。したがいまして、今後もこれにつきましては、しっかり担当部の方で対応をさせていただくということが必要であろうと、こう思っております。

(質)

担当部で対応して、知事が今、出ていかれるというお考えはないということですね?

(答)

私自身が今、出ていかなければならないというものではない、担当部の方で対応している範囲というものは、私もそういう対応というのが今、現実的に県として取れる対応であり、また住民の皆さんとは、そういったことについて、これは住民の皆さんの感情的なものというのはいろいろありましょうけれども、しっかり対応させていただくということが必要であろうと、こう思っております。

(質)

今、措置命令が随分遅れてますけれども、それに関してはどういうご感想をお持ちですか。

(答)

住民の皆さんからも、いろいろご意見がございます。先般のああいったこともありますので、やはり住民の皆さんにもっとご理解をいただくような形でご説明申し上げていくということがまず大事だと、こう思っております。

(質)

住民から理解されなければ措置命令はかけない、というような認識でよろしいでしょうか。

(答)

私どもとしては、どう対応するかについては、大矢知の皆さんに対する説明だけではなくて、県民全体に対する説明責任もございますから、そういう中で、当時の県に与えられていた権限、責任、それに基づく、県としてでき得ること、こういったことも十分考えながら、対応について今日まで考えてきたということでございます。したがいまして、住民の皆さんには十分にご理解をいただけるように努力を続けていきたいと、こう考えております。

(質)

和歌山県の知事の問題なんですけれども、最近、報道では知事も立件へというような報道もされていまして、土木工事をめぐる談合事件でいろんな疑惑が噴出しているということなんですが、知事自身には前回までで、そういういろんな働きかけのようなものはないとおっしゃいましたが、知事自身は和歌山県のことについてどう思うかということと、ご自身としてそういう疑惑を持たれないような、気をつけているようなことというか、そういうのがあればお考えをお聞きしたいんですが。

(答)

まだ捜査が知事自身に関わることで進行中でありますので、この段階で私がどう申し上げていいのか分かりませんが、伝えられている報道の中身等を考えますと、あまりにも自らの、やはり知事という公職の公正あるいはコンプライアンスということについて、あまりにも何といいますか、ずさんといいますか、だらしない状況があったのではないかと言わざるを得ません。捜査中でありますから確定的に申し上げていいのかどうか分かりません。

(質)

三県知事会議等で木村さんとは何度かお会いになっているんですけれども、その評価というか知事自身の木村さんに対してのお考えというのはどんなものですか。

(答)

改革派を標榜する方は、得てしてああいう性格の人が多いのかと誤解されないように受け止めなければいけないと、こう思います。まあ個人的な評価については申し上げたくありません。私自身は一番残念なのは、地方分権がとりわけ大事だという議論をしている時に、福島県や和歌山県等こういった不祥事が明らかになってくるということで、地方分権に対する見方というものが歪んでしまうということに影響があるとすれば、極めて残念なことであり、これを理由に分権はどうのこうのということは、これは時代に逆行するものだと、こういうふうに思っております。極めてそういう意味で、残念だと思っています。

(質)

これがきっかけで道州制推進論みたいな形が持ち上がるという危険性はお感じになりますか。

(答)

今のこととどう結びつくのかというのは議論の中にいろいろあるのでしょうけど、とにかく国と地方との役割を思い切って見直して、そしてできるだけ住民に近いところで生活に関わることについては、自分たちが考え自分たちが決められる、そういう地方分権の基本的な理念そのものを進めようとしているわけでございます。そういったものに逆行するような形になるということを心配しているということです。

(質)

岐阜県の梶原さん、和歌山県の木村さん、それと国松さんは選挙で敗れられましたけれど、そして福島県。ある程度、改革手法を進めた人たちというのはそういう形で、増田さんは引退表明してますし、一つの端境期のような感じなんですけど、その辺は知事もそういうお考え、何か地方分権の転換期というものを感じられますか。

(答)

私も自らは改革すべきを改革する、これは必要なことであり時代の要請としてもそういう時でありますから、それをしっかりやらなければならないということは同じであります。ただ、私には私流のやり方を考えているところであります。自ら改革を人気取りの材料にするという手法は、私としては取りたくありません。私自身は改革というものは人気取りで出すよりも、地道に気がついた時にはそれが既に変わっていたというようなものがマネジメントにとっては一番有効な道ではないかなと、こう思ってます。そのために私は自らこちらがトップダウン的にやるよりも、皆に議論させ気づかせ、気づきと納得ということがこの改革を、変えなければならない部分を、最も早く効果的に効率的に変えていくことだと、こう思っています。もちろんなかなか理屈どおりに行かないところ、これはトップダウン方式でやらなければならない場合もあるかもしれません。しかし長年染み付いた社会のあり様、あるいは組織のあり様、こういったものを変えていくということは、それほど口先で人気取りで言うような形の簡単なものではありません。それからやはりマネジメントというのはリスクマネジメントが大事であります。企業においてはそのリスクというのは会社の倒産というものに結びつきますから、なお一層厳しさがあります。しかしながら行政についてもやはり時代の変革期でありますから、リスクということを十分に考えていかなければなりません。したがって全国で初めてだとか、そういったことを競うよりも、少し検証されながら2番目・3番目以降、やはり新しい効果的なものはそれへ向けて取り組んでいくということが大事でありましょう。それからもう一つ言えることは、やはりこの時代に全体の背景にあります時代をしっかり捉えてどうやっていくかという、哲学的な考察も必要だろうと、こういうふうに思います。

(質)

あさっての国家予算の関係の要望で、先程も自立支援法の関係で話をしてましたけど、重点項目で6項目あるのですけれども、知事個人の考えとしては特にこれだけは何としてもという思いがあればお願いします。

(答)

実は重点項目以外でもいくつかの項目がありまして、いずれも今後の県政推進にとりまして大事な事柄ばかりであります。したがいまして、ここに重点項目として6項目挙げておりますけれども、どれが一番重要なのだとかいうような順序立てを考えているというわけではありません。特に重要点としてこの中で整理をしました項目につきましては、6項目とも極めて大事なものであると、こう思っております。その他にも実は大事な問題が非常にたくさんございます。特に重点提言に入ってませんけれども、例えば地方税財源の確保といったものは、今の時代、地方分権改革でもこれも最重要の問題だと、こういうふうに思っております。

(質)

教育基本法の関係なのですが、タウンミーティングとかでも今、やらせとかが発覚しまして、それについてとか、改正問題について知事のお考えをお聞きしたいのですが。

(答)

教育議論が今、非常に国の方で活発に行われているということ、これにつきましてはかねてから随分いろいろ議論がございましたので、しっかり議論をしていただくということは大事なことではないかなと、こう思っております。特に教育基本法の問題につきましては、法ができましてからもう60年から経ってきているところでございます。戦後すぐの状況から今日の時代、あまりにも時代環境、時代背景が違ってきております。そういう意味では、この教育基本法について、私はしっかり議論をしていくということは大事なことだというふうに思っているところであります。しかしながら、これまでの教育基本法の議論は、この国会へ出てくる前が、割と密室的に自民党、与党の方で行われておりまして、これがきちっと国民にオープンに議論をされてきたと、こう思ってはおりません。それだけにこうやって国会で議論をされる、しかも政府・与党案だけではなくて民主党案も出されて議論をする、そしてそれに国民のいろんな意見も出されて議論が進められていくということは非常に大事なことだと思っております。ただ、タウンミーティングが全部で174回、これは小泉内閣時に開かれているそうでありますが、その半数近くがやらせであったというようなことについては、ちょっとあ然といたしているところでございます。したがって、私は本当にやはり国民の意見もきちっと聞いた上で議論をやるべきでありますし、それから先般の義務教育国庫負担の議論でもいろいろありましたけれども、私は教育そのものの基本は国がしっかり持ってやっていくべきだと思っておりますが、一方では、やはり具体的に子供たちにその教育を実践していくのは現場でありますから、そういう意味では教育の現場では先生はもちろんですが、保護者の皆さん、それから今は例えば外国人の子弟の日本語教育などにボランティアの方、地域の方といった方も参画をされて教育現場では地域も参画をする中で進められているところでありますから、そういう教育の現場との乖離ということも十分考えていかなければならないことだと、こう思います。併せて言うならば、安倍内閣そのものについては、教育の再生ということを強く打ち出しております。それに基づいて教育再生会議が議論を始めているところでございます。私は、この議論も今後極めて大事な議論でございますので、これらについてもやはり現場との乖離がないように、あるいは有識者を含め広く意見を求め、また国民の意見を広く参加させながらやはりやっていただきたいと、このように思っています。なお、本質的な面でいきますと、そういった教育基本法や教育再生会議で議論されていることだけで教育が、あるいは子供たちの環境が良くなるのかといえばそうでありません。やはり、社会全体が体質を変え、健康さを取り戻していくことが大事であります。私は、国においてもそういった意識というものがより全面に出て、国政全般に関わる課題について、全てにそういったものの考え方を底辺に持っていただきたい、まさに「文化力」の考え方を国でも持つ時代に今きているのではないかと、こう思っております。

(質)

まずちょっと基本的な話で、そもそも教育といういうのはどういうものかということが、あまり議論として聞こえてこないので、知事なりのお考えを聞きたいというのが一つと、あと最近、教育委員会の話題というのが、権限強化する方がいいとか、あるいは首長の方にも権限を与えたほうがいいとか、そういう議論が出てますけれども、地方の行政を預かる者として、この教育委員会についてどういうふうなお考えを持っているのかというのを聞かせてもらえませんか。

(答)

私も教育そのものについて、どうだということについては、きちっと申し上げるというようなことを、特になかなかできないのかなと、こう思います。しかし、人間そのものの尊厳に基づいてそれぞれの個人がしっかり生きていく、そのためのまず基本になる人間の育成、それに関わる知識あるいは豊かな個性というものを伸ばしていく、そういったことをやっていくということではないかなと思います。教育基本法のまさに一番最初のスタートの議論でありますから、そういったいろんな意見、私もほぼ基本においては言い方としてはそう違いがないのではないかな、そんなところではないかなと、こういうふうに思います。それから教育委員会制度についてのいろいろ疑問も出ているところでございます。教育委員会制度そのものは、私ども今の教育委員会制度で、知事部局との関連からいけばいろいろ文化政策だとかいうような部分になりますと、必ずしも教育委員会でなくても、むしろ知事部局でそういった関連のものを一括してやってもいいような部分も日常の中で感じたりします。ただ、教育委員会制度ができたこれまでのいきさつがございます。沿革がございますから、そういったことも十分議論をしていただいていくということが大事なのかなと、こう思います。やはりアメリカの教育制度やそういうものと比較いたしますと、行政との分離度が日本ではあまり分離度は高くない、アメリカなどの方ではそういう意味では非常に分離されている、制度として他の行政と独立している面が強いわけです。ただ、アメリカのやり方が必ずしも良いというわけではないと思いますから、そういったことも踏まえて十分議論していただきたいと、こう思います。大事なことは、やはり地域、地域で実践をしていく、その教育について、地域の人たち、特色、こういったものが十分反映もされる中で迅速にまた対応できるということも大事であります。また、特定の政治というものからやはりきちっと影響されない、そういう教育の独立性、こういったものも一方で担保できるようにしていく必要があるのかなと思います。

(質)

愛国心のことについては、どういうお考えなのでしょうか。

(答)

私は今、この社会のあり様を考える時に、いろんな事件が起こっています。子供たちに関してもそうであります。最近の自殺等の頻繁な痛ましい事件を見ましても、やはりまずは自分の命を大事にするということ、このことが何よりも大事なことです。自分を大事にするということだからこそ、実は兄弟、父母、家族を愛する気持ちというものが大事だということになってまいりますし、また、であるからこそ隣人を愛し、地域を愛するということが大事であります。私はやはり、そういった気持ちが地域を愛する、そして例えば三重県であれば三重県人が「みえけん愛」というものも育んでいく、このことが極めて大事だと思います。そうした延長のもとで、やはりこの国を表現はいろいろありましょうけれども、愛する気持ち、大事にする気持ち、その気持ちがあってこそ実は多様な世界の人々を理解し、この地球全体をまた大事にする、そういう気持ちにつながっていくのではないかなと、こう思っています。そういう中で、国を愛する気持ちをしっかり議論していただきたいし、表現していただきたいと、こう思っています。

(質)

その愛国心の強制につながる懸念というのが言われていますけでど、それについては。

(答)

何の懸念ですか。

(質)

愛国心を強制するという話が言われていますが、そういったことに関してはどうお考えですか。

(答)

人の心は強制されて本物になるというわけではありません。したがって、どういう議論、どういう表現であれ、それを具体的にどういうふうな実際の場面の中で適用し、やっていくのか、これについては十分まだ議論が必要であります。

(質)

もう1点、教育の問題で未履修、単位不足問題でありますけれども、県内でも私学2校でそういう単位不足があって、あと公立高校でも履修漏れとは言えないまでも、不適切な所があったのですが、それについてのお考えと、そういった所にペナルティを行うお考えはあるかお尋ねしたいのですが。

(答)

今回、三重県においても、私学2校で履修不足のそういった問題が発生しているということが判りました。県の方では、何度も念を押しながら調査をしてまいりましたが、その際の報告ではそういった事実は報告されなかったところは極めて遺憾でございます。そういう意味で、そういう事実が判りましたことを受けまして、国の方でも対応についていろいろ国での考え方が出てきている、あるいは今、検討されているところであります。私どもとしても、そういった対応の中で指導をしていかなければならないと思っています。基本的には私学でございますので、それぞれその学校法人そのものが、この経営についての責任を持っているということであります。したがいまして、そういったところで今回の事態をどういうふうに対応されるのか、これは一つの見守るべきところがあろうかと思います。それから、県としての対応ということでございますけれども、県の方は今、私学に対して助成金、補助金等を出しているところでございますけれども、これにつきましては、目的そのものがやはり子どもたち、要するに県の助成目的としては、教育の現場に対して子どもたちに教育をやっていることに資するために、あるいは保護者の教育費負担を軽減させるというようなことから、これまで私学に対する助成というものをやってきたところでございます。したがいまして、法人の経営を、という観点よりも、教育を受けている子供たちというものに焦点を当てて対応をしているということから、県がペナルティを科す場合には、そういったことも十分慎重に判断をしていかなければならないと、こういうふうに思っております。なお、今年の私学、これは2校でございますけれども、既にその助成金を支給しておりますが、これは全額ではございませんでして、2回に分けて支給をしておりますが、後半の支給につきましては、2校から自粛するというお話がございまして、したがいまして後半については、県からの助成は今のところ執行しないという考え方で対応したいと思います。

(質)

間もなく28日から県議会が開会ですが、次期知事選について、12月議会で何らかの意思を表明されるお考えはあるのでしょうか。

(答)

第4回定例会につきましては、来年以降の次期戦略計画につきまして、既にお示しをしている素案を、さらにいろんないただいているご意見を基に検討を積み重ねてきているところでありまして、中間案という形でお示しをしていきたいと、こう思っております。したがいまして、12月議会では来年度以降のことについて、県議会の方でも活発に議論を行っていただくことになるのではないかなと、大変大事な定例会になると、こう思っております。私としては、自分の与えられました任務、責務をその中でしっかり果たしてまいりたいと、こう思っております。時期についてどうかということについては、今も皆さんにお話申し上げることはございません。

( 以 上 )

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 広聴広報課 報道班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2028 
ファクス番号:059-224-2032 
メールアドレス:koho@pref.mie.lg.jp

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