木育トレイン
伊賀市は、伊賀鉄道伊賀線において快適な車内空間をつくるとともに、利用者に三重県産の木材を身近に感じていただき、森林を支える社会づくりへの理解を深めるため、緑忍者列車(1編成2両)の内装を木質化し「木育トレイン」とする事業に、「みえ森と緑の県民税」を活用して伊賀鉄道への助成を行いました。また、木質化できない部分については、伊賀市の市単独事業予算とふるさと納税の寄付金が活用されました。
緑忍者列車の外観
車内木質化の概要
- 木質化の範囲
木質化の箇所 | 素材 | 備考 |
---|---|---|
壁(板材部分) | 三重県産スギ | 厚12mm・幅11mm 不燃処理 |
壁(パネル部分) | 三重県産スギ | 厚0.25mmをアルミ板(1.5mm)に貼付 不燃処理 |
吊り手(輪) | 三重県産カエデ・国産カバ |
5層の積層材 |
吊り手(カバー) | 三重県産スギ | 手裏剣の模様をレーザー刻印 |
ロングシート部ひじ掛け | 三重県産ナラ | |
車内装飾品 | 三重県産ヒノキ | 車両側扉上部に設置 伊賀上野城、俳聖殿、忍者、松尾芭蕉、みえ森と緑の県民税ロゴマークなどをレーザー刻印 |
- 工事費用および財源
財源 | 費用(円) |
---|---|
みえ森と緑の県民税市町交付金 | 18,681,000 |
伊賀市予算 (うち、ふるさと応援寄付金) |
5,719,000
(1,950,000)
|
計 | 24,400,000 |
車内の様子(クリックすると拡大します)
出発式の様子
平成28年12月11日(日)、伊賀鉄道伊賀線上野市駅において出発式が行われました。伊賀鉄道株式会社代表取締役社長、伊賀市長、伊賀市議会議長や三重県知事、多数の来賓の方が出席され、くす玉割とテープカットののち、三重県知事の出発合図により、記念列車の運行が行われました。
記念列車は上野市駅13時36分発→伊賀神戸駅14時06分着、伊賀神戸駅14時13分発→上野市駅14時43分着で運行され、多くのお客様にご乗車いただきました。また、フリー乗車券でご乗車いただいたお客様には、車内で使用されているものと同じ木を使った記念乗車証が配布されました。
三重県知事挨拶 | テープカット |
三重県知事による出発合図 | 伊賀鉄道代表取締役常務による説明 |
記念列車車内の様子 | 記念乗車証と記念入場券・フリー乗車券 |
伊賀鉄道について
伊賀鉄道伊賀線
伊賀鉄道伊賀線は、伊賀市内の伊賀上野駅から伊賀神戸駅を結ぶ延長16.6kmの路線です。平成28年(2016年)8月8日で開業100周年を迎え、8月7日には記念イベントを開催し、記念列車も運行されて、多くの人で賑わいました。その一方、伊賀線の利用者は、ピーク時の昭和41年度には約414万人であったものが、平成18年度には約220万人と半減しています。平成19年10月には、近鉄から第3セクターの新会社「伊賀鉄道株式会社」が運行を引き継ぎ、経営の効率化を図ること、またイベント列車やギャラリー列車など、様々な取組で収支の改善を図ってきましたが、残念ながら、人口減少などの影響で利用者はさらに減少傾向が続いています。
路線の存続自体が難しくなってきた伊賀線ですが、市民にとってはなくてはならないものです。また、鉄道がなくなるとまちづくりに多大な影響を及ぼすことから、来年4月からは、市が鉄道施設を保有、維持管理する「公有民営方式」に移行し、路線の維持存続を図ることとしています。
忍者列車
伊賀線を走る「忍者列車」は、上野新都市(ゆめぽりす伊賀)の街開きを記念して、平成9年に初めて登場しました。漫画家の松本零士先生がデザインした忍者列車は、伊賀市の新たなシンボルとなり、平成21~23年度には車両更新をしましたが、その外観は踏襲されています。現在、青、ピンク、緑の3種類の忍者列車が走っており、青忍者列車には、松本零士先生直筆のサインが入っています。