「森の名手・名人」認定証の伝達式が行われました。
平成26年10月29日(水)尾鷲農林水産事務所内で、平成26年度「森の名手・名人」認定証の伝達式が行われ、北牟婁郡紀北町相賀の板垣功さん(鋸鍛冶)に認定証が手渡されました。
板垣さんは、紀州鋸を製作する鋸鍛冶として、終戦後、父親のもとで修業を始め、26歳の時に独立して現在の鋸製作所を開きました。
紀州鋸は、鋼を叩いて焼き入れした鋸をさらに削って薄く仕上げるため、焼き入れ作業や歪みをとることが難しく、作り手には高い技術力が求められます。
山で鋸を使う人たちの意見をよく聞きながら、その人に合わせた、よく切れる鋸を製作してきました。現在も現役の鋸鍛冶として、近隣府県からの注文を受けて鋸等の製作をしています。
かつては三重県内でも数名の鋸鍛冶が活躍されていたようですが、今では板垣さん一人となってしまいました。祖父の代から向上させてきた鋸鍛冶の技術が自分の代で途絶えてしまうことが残念でならないそうです。
板垣さんは「自分が作るものを待っていてくれる人たちがいるので、少しでも長く鋸鍛冶を続け、期待に応えていきたい。」と語っていました。
※「森の名手・名人」は、森や山に関わる生業において優れた技を極め、他の模範となっている達人たちを、(公社)国土緑化推進機構が毎年認定しているものです。
今年度は三重県内で板垣さんを含めて3名が「森の名手・名人」に認定されました。
「森の名手・名人」認定証を授与される板垣さん(左側)
認定証を手に記念撮影
鋼を炭の上で赤くなるまで熱します。 (中屋功次鋸製作所)
赤くなった鋸を金槌で叩いて薄く延ばしていきます。(中屋功次鋸製作所)
鋸を更に薄く削っていきます。(中屋功次鋸製作所)