2 地方債を財源とすることができる経費
地方債を財源とすることができる経費は、原則として次のとおり地方財政法第5条に規定される経費に限定されています。
なお、これら以外の経費で、特例法で規定されているものもあります。
(1)地方財政法第5条に規定する経費
- ア 公営企業に要する経費(第1号)
地方公営企業の企業的な性格から、その経費の財源は、民間企業と同様借入金をもってまかなうことが望ましく、仮に借入金で事業を行ったとしても、その償還財源は料金収入で確保できるため、地方債の発行が認められます。 - イ 出資金・貸付金の財源とする場合(第2号)
出資金は、その出資による権利が当該団体に留保され、資本的価値(配当がある)が存在することから地方債の発行が認められます。また、貸付金は、少なくともその元金が回収されることが担保されていることから、地方債の発行が認められます。
ただし、出資金及び貸付金については、地方公共団体の行政目的に沿う公共性の高い法人等に対するものに限られています。 - ウ 地方債の借換えに要する経費(第3号)
借換えのために発行する地方債は、既に借入れ済みの地方債を償還するために借入れる地方債で、新たな債務を負うものでないという意味で発行が認められます。 - エ 災害復旧事業等に要する経費(第4号)
災害に際して、地方公共団体は、復旧事業をはじめ、突発的に多額の経費の支出を余儀なくされるため、その財源確保のため地方債の発行が認められます。 - オ 公共・公用施設の建設に要する経費(第5号)
一時に多額の財源を必要とすることと、施設建設の事業効果が後世の住民に及び、負担の年度間の調整を図ることが公平であることから、地方債の発行が認められます。
なお、施設建設のための用地費や施設整備に欠かせない備品のうち一定基準を満たす高額で長期間の使用に耐え得るものは対象経費に含められます。
(2)特例法の規定によるもの
様々な法律で規定されていますが、以下が代表的なものです。
- ア 辺地対策事業債
(辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律) - イ 過疎対策事業債
(過疎地域自立促進特別措置法) - ウ (旧)合併特例事業債
(市町村の合併の特例に関する法律) - エ 臨時財政対策債
(地方財政法第33条の5の2)