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平成02年10月21日

第1章 トピックス

Ⅰ 森林・林業再生プランの推進(森林経営計画の樹立促進に向けて)

 平成21年度に策定された森林・林業再生プランの実現に向け、国は平成23年4月22日、森林法の改正を行いました。
 この改正により、森林所有者等が作成する現行の森林施業計画は、「森林経営計画」に改められ、①集約化を前提に、路網の整備等を含めた実効性のある計画とするほか、②森林所有者から委託を受けて長期・継続的に森林経営を行う者(森林組合等)も計画を作成することができることとなりました。
 森林経営計画は、天然林や更新困難地も含んだ、面的に一体となったエリアを計画対象としていることから、林班単位で計画を策定するとともに、計画内容についても、間伐などの施業実施計画地や森林作業路網計画の図示化も必要となります。
 さらに、将来的には、経営計画の認定を受けていることが、森林管理・環境保全直接支払制度(造林事業)の交付の要件となることから、県では、森林組合等の林業事業体や市町担当者が参加する説明会や意見交換会を実施し、経営計画の作成を促進していきます。

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Ⅱ 森林整備加速化・林業再生基金事業の取組状況について

 間伐等の森林整備の加速化と間伐材等の森林資源を活用した林業・木材産業の再生を目指して、三重県では国からの補助金により基金を造成(総額30億4千万円)し、間伐や路網の整備、製材・バイオマス利用施設の整備、公共施設等における地域材利用等を促進しています。
 平成22年度においては、間伐2,001ha、林内路網19,745m、森林境界の明確化500ha、高性能機械導入1台、木材加工流通施設等整備4施設、木造公共施設等整備4施設等を13億5千万円の基金事業費で整備・促進しました。
 基金事業の実施にあたっては、地域毎に推進協議会を設けることにより、地域の実情に応じた取組を推進しており、基金事業が終了する平成23年度においても積極的に基金を活用した事業を推進することとしています。

平成22年度加速化基金事業の事業別取組状況

事業区分

事業量
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木質ペレット製造機(名張市)
木造公共施設整備(飯盛保・迴・

間伐

2,001ha

林内路網整備

19,745m

里山再生整備

500ha

高性能機械導入

1台

木材加工流通整備

4施設

木造公共施設等整備

4施設

木質バイオマス利用設備

1施設

間伐材安定供給支援

106,639m3

流通経費支援

3,668m3

地域材利用開発

1プロジェクト

※平成23年度への繰越事業含む

Ⅲ JR名松線の復活に向けて

 JR名松線は、平成21年10月の台風18号により被災し、一部区間(家城から伊勢奥津間)では、バスによる代行輸送が現在も続いています。JR 名松線被災後、JR東海及び中部運輸局に対し、津市による名松線の存続要望や、津市自治会連合会による名松線の復旧に向けた116,119名分の署名の提出等がありました。
 このような中、JR東海から鉄道運行の安全・安定輸送のために自治体が実施すべき内容が提示され、これを受けて津市と県では対策工事の必要性などについて現地調査等を行い、JR東海、津市、県の3者で協議を重ねた結果、基本的合意に至り、平成23年5月20日に「JR名松線家城駅から伊勢奥津駅までの区間の鉄道運行再開等について」の協定を締結しました。

【協定の概要】

  • ・津市及び県は、当該区間の鉄道の安全運行を確保するよう、必要な治山事業、水路整備 事業を実施する
  • ・JR東海は、津市及び県の対策事業の完了に合わせて、鉄道施設の復旧工事を完了し、 鉄道運行を再開する
  • ・運行再開後についても、鉄道施設が被災することがないよう、対策事業を施した施設及 びその周辺の保全を継続的に行う

この協定の締結を受け、平成23年度に全体計画調査を行うとともに、早期に治山事業に着手することとしています。
 今後は、できる限り早期に事業を完了させ、一日でも早くJR名松線の運行再開ができるよう、JR東海、津市と連携を密にして取り組んでいきます。

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JR名松線 被災状況

Ⅳ 特定鳥獣保護管理計画の概要と狩猟期間の延長について

 特定鳥獣保護管理計画(ニホンジカ)は、平成14年度から第1期計画を策定して引き続き平成19年度から第2期計画を策定しています。第2期計画策定時には推定生息頭数が約53,000頭でしたが、平成21年度末の調査によると推定生息頭数が約77,000頭に増加し、個体数調整がいっこうに進んでいない事が明らかになりました。このため、次期計画の策定も視野に入れ目標生息頭数を第2期計画策定時の推定生息頭数を下回るように計画を変更しました。
 一方、イノシシについても生息数の増加や分布域の拡大により中山間地域での農林業被害が深刻化しています。このため、農林業被害の軽減を図るため、保護管理目標を設定して被害防除対策、保護管理の手段を総合的に講じる必要があるので、特定鳥獣保護管理計画を平成22年度に策定しました。
 また、個体数調整により農林業被害を軽減させるため、平成22年度から平成23年度まで、イノシシ・ニホンジカの狩猟期間を1ヶ月延長して3月15日までとし、捕獲を促進することしました。

1.特定鳥獣保護管理計画(イノシシ)の概要 

(1)計画期間
 平成22年度から平成23年度

(2)保護管理目標
 農林産物被害額を過去10年間で一番低い額である平成18年度の7千6百万円までに抑えることとします。

2.第2期特定鳥獣保護管理計画(ニホンジカ)の概要

(1)計画期間
 平成19年度から平成23年度

(2)保護管理目標
 次期計画の策定も視野に入れ、目標生息頭数を44,000頭にします。

(3)捕獲目標
 平成22、23年度それぞれ12,200頭捕獲します。

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森林内のニホンジカ ヒノキの剥皮状況

Ⅴ 高校生の林業体験活動

 林業就業者の高齢化の進行を受け、林業就業者の減少が進んできており、このままでは、森林整備や木材生産に必要な担い手が確保されず、適切な森林整備や木材生産が進まないことが懸念されてきており、新規就業者の確保が課題となっています。
 林業の将来を支えるのは若者であるとの考えから、高校生を対象として、林業への就業意識をはぐくみ、就業を促そうと、林業体験活動を実施しています。また、体験を通して、林業を超えてさまざまな立場から、将来にわたり林業を理解し林業を支援する人になってほしいという期待もあります。
 この活動への参加は、平成21年度には2校20人でしたが、平成22年度は7校40人と増加しています。林業体験活動は、林業実践者からの働きかけにより、学校における学習とはひと味違った意味で高校生の知りたい、学びたいという意欲をかき立てているようで、林業体験に参加した高校生からは、次のような声が寄せられています。
 「作業はきつかったが、楽しく体験できた、林業は自然環境を守る仕事で重要だと感じた。」
 「最初は地味なイメージしかなかったんですけど、重機を試乗させてもらったり、木の間伐をさせてもらってすごくやりがいを感じたし、林業の仕事の大切さを学ぶことができました。」
 「選木作業は斜面が滑りやすく少し怖かったが一番やりがいを感じた。今回の経験を進路に活かしていきたいと思う。」
 「すごくかっこいい、この森林組合の現場の人、全員かっこいい。林業もいいなぁ。」
 「森林組合の方々がいるから、日本の森林が守られているのを実感した。学校で行っている学習とは次元が違い、林業の大変さがわかった。」
 このようなことから、引き続き、林業実践者からの働きかけを行うこととしています。

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下草刈り作業 選木作業 枯枝払い作業

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間伐作業 林業機械操作 林業機械操作

Ⅵ 長伐期施業に対応した森林管理・中大径材利用技術の開発

 県内の人工林は近年長伐期化の傾向にあり、長伐期化に対応する森林管理技術や生産が増大すると見込まれる中大径材の利用を拡大するための技術開発が求められています。林業研究所では、長伐期化に対応する試験・研究を行い、その成果を提供しています。

■長伐期施業に対応した森林管理ツールの作成

 三重県内のスギ・ヒノキ人工林を対象とした長伐期施業対応版の林分収穫表を作成しました。また、この収穫表を利用してシステム収穫表 (LYCS)を作成しました(図-1)。

 システム収穫表は様々な状態の林分について、各種施業が行われた場合に対応して、将来の成長の変化を予測することができ、施業対象林分に応じた収穫表を作成で きます。

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">図-1.システム収穫表
■スギ平角材乾燥マニュアルの作成

 無背割りのスギ平角材(断面が長方形の角材)について表面割れや内部割れの少ない乾燥スケジュールを導き出すため、高温蒸気式乾燥による試験を実施し「スギ平角材乾燥マニュアル」(図-2)を作成しました。
 このマニュアルでは、高温低湿処理と中温乾燥または天然乾燥を組み合わせ、仕上がり含水率が20%以下で表面割れや内部割れの少ない乾燥スケジュールの例を提示しています。

  図-2.乾燥マニュアル
■ 県産スギ・ヒノキ横架材スパン表の作成

 スパン表とは、木造軸組住宅において使われる横架材(梁、桁、胴差など水平方向に使われる建築部材の総称)の断面寸法を決定するための早見表です。これにより複雑な構造計算を行わなくても、横架材のスパンと間隔から簡単に部材断面を決定することができます。

 地域により材の強度に違いがあることから、スパン表は既に十数県で作られています。本県では、県内各地で育ったスギ・ヒノキからつくられた平角材(乾燥条件は指定)を用い、(財)日本住宅・木材技術センターの「構造用木材の強度試験法」に準拠した強度性能試験を行った結果からスパン表(図-3)を作成しています。

  図-3.横架材スパン表

Ⅶ 「みえ公共建築物等木材利用方針」の策定について

 県内で整備される公共建築物、県内で実施される公共工事や調達される備品等において、県産材を主とした木材を利用することにより、県民の皆さんに対して、景観や人に配慮した安らぎとぬくもりのある健康的で快適な施設を提供するとともに、県土の保全、水源のかん養、炭素固定による地球温暖化の防止等の森林の持つ多面的機能の発揮、循環型社会の構築、さらには地域の活性化を図るため「みえ公共建築物等木材利用方針」を策定しました。

  • 地方公共団体が整備するもののほか、民間事業者が整備する学校、社会福祉施設など公共性の高い建築物を対象とします。

  • 建築材料としての木材の利用のほか、外構工事及び、机、いすなど各種製品の原材料や暖房などのエネルギーとしての木材利用を促進します。

  • 建築基準法等で耐火構造物とすることが求められていない低層の公共建築物について、積極的に木造化を促進します。ただし、災害応急対策活動、治安上の目的などから木造化になじまない施設は除外します。

  • 県が整備する公共建築物においては、

  1.  低層のものは、原則としてすべて木造化を図ります。

  2.  県民の目に触れる機会が多い部分を中心に内装等の木質化を推進します。

  3.  原則として県産材を使用するものとし、「三重の木」認証材や「あかね材」認証材を優先使用します。

大台町 宮川福祉センター 伊勢市 産業支援センター

Ⅷ 「あかね材」認証制度の誕生について

 三重県は、スギノアカネトラカミキリの生息地であり、その被害は全県に広がりつつあります。以前は、被害に遭ったスギ・ヒノキ材は、見えないところに使うなど地元の大工が工夫して使っていましたが、近年、住宅の工業化が進み、大工の工夫がいかせなくなり、被害木の商品価値が著しく低下したことから、その対策に苦慮しているところです。
 このような中、松阪地区木材協同組合が中心となり、平成16年度から、「被害材の実態調査」、被害材の性能が通常製品に比べ遜色ないことを科学的に検証した「性能評価基準の研究」や被害材に親しみやすい「あかね材」という名称を付けブランド化を進めるとともに、保育園等に実験的に提供してきました。平成 22年8月には「あかね材認証機構」を設立し、一定の規格基準に適合した製品のみを「あかね材」として認証するとともに、取組を全県下に広げ、さらに、平成23年3月、同じ課題をかかえる6県(岐阜、愛知、兵庫、奈良、和歌山、鳥取)の木材関係者と「あかね材連絡協議会・準備会」を開催し、情報の共有と協議会設置を決定しました。
 また、三重県では、平成22年12月に策定した「みえ公共建築物等木材利用方針」において、県有施設における「三重の木」認証材や「あかね材」認証材の優先使用を規定したところであり、「あかね材」の性能等を十分に説明し、利用の意義の理解を図ることで、公共建築物を中心に利用を促進していきます。

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「あかね材」を使用した住宅、H邸
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「あかね材」認証材 H邸内部
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マスコットキャラクター  

Ⅸ 生物多様性の保全に向けて

 私たちの「いのち」と「くらし」は、生物多様性を基礎として成り立っており、生物多様性が保全されなければ、持続的な社会を築くことは不可能です。このため、「生物多様性」について理解を深めてもらい、その保全に向けた活動の契機となるように「みえ生物多様性シンポジウム2010」を9月9日に開催しました。
 一方、名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を支援するため、COP10参加者を対象として県内2ヶ所(伊勢志摩地域コース・菰野町コース)でエクスカーションを実施しました。
 また、COP10会場周辺で開催された生物多様性交流フェアーに10月11日から29日まで三重県ブースを出展して三重県の生物多様性の保全や自然の豊かさの発信を行いました。

  •  「みえ生物多様性シンポジウム2010」の概要
  1.  日時 平成22年9月9日(木)
  2.  場所 津市センターパレスホール
  3.  内容
  • 基調講演「森・里・海の連環が守った生物多様性」
  • 生物多様性に係る三重県の取組
  • パネルディスカッション テーマ「生物多様性を考える ─ 次世代に向けて」
エクスカーション
  • 〈伊勢志摩地域コース〉

    日時 平成22年10月23日(土)から24日(日)

    内容 海の博物館(鳥羽市)、伊勢神宮内宮(伊勢市)、横山ビジターセンター(志摩市)、志摩自然学校(志摩市)

  • 〈菰野町コース〉     

    日時 平成22年10月23日(土)

    内容 御在所岳、三重県民の森

  シンポジウムの状況
御在所岳山頂での植物観察 シーカヤック体験

Ⅹ 「企業の森」の取組と森林CO2吸収量評価認証制度

 多様な主体による森林づくりのひとつとして、平成18年度から「企業の森」を進めています。この取組は、県が、社会貢献の一環として森林整備を考えている企業に、支援を求めている森林を紹介し、協定期間や森林整備内容をコーディネートし、双方をマッチングすることで、より多くの企業に森林づくりに参加してもらおうというものです。
 平成22年度は、新たに8カ所(約52ha)の「企業の森」が設定され、県内の契約地は26カ所(約129ha)となりました。
 また、平成22年度より、企業や団体等が整備した森林のCO2吸収量を認証する森林CO2吸収量評価認証制度を設け、森林のCO2吸収機能を「見える化」しました。平成22年度の認証は3件で、認証したCO2吸収量は約158t-co2でした。

【新たに「企業の森」に取り組み始めた企業】

企業名 フィールド 企業名 フィールド
中部電力&NPO中部リサイクル運動市民の会 菰野町 3.00ha 津商工会議所 津市  4.50ha
東海ゴム工業 松阪市 30.00ha 百五銀行 津市  0.55ha
清水建設 松阪市 5.00ha 横浜ゴム 大紀町 2.62ha
NTN 桑名市 4.50ha NTT西日本三重支店 津市  4.50ha
    52.10ha

 

【企業の森の活動】
横浜ゴムの植樹活動(大紀町) NTNの植樹活動(桑名市)
NTT西日本三重支店の間伐活動(津市) 森林CO2吸収量認証書交付式

 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 農林水産部 森林・林業経営課 森林計画班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁6階)
電話番号:059-224-2564 
ファクス番号:059-224-2070 
メールアドレス:shinrin@pref.mie.lg.jp

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