1 日時 令和3年8月25日(水)19時00分から21時00分まで
2 場所 オンライン開催
3 概要
地域の中学校卒業者数の減少が進む中で、当協議会の「令和元・2年度の協議のまとめ」や、あけぼの学園高校の活性化取組の総括的な検証をふまえて、これからの伊賀地域において、近い将来に想定される現在の5校の再編を検討する上で大切にすべきことや、昼間定時制の併置を含めた定時制課程のあり方や通信制課程の機能を取り入れた学習形態についてどのように検討を進めるかについて協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪再編を検討するうえで大切にすべきことについて≫
○ 伊賀北部で中学校卒業者数が減る中で高等学校の再編は避けられない。当協議会において、過去に、学
校数を保ったまま地域の高校の特色化・魅力化を図り、域外への流出を減らすとともに他地域から通う生
徒を増やそうという議論があったが、他地域でも同様に活性化に取り組んでいる中では難しい。あけぼの
学園高校は小規模校として親切な指導で生徒が安心できる学校づくりをめざす、上野高校は大学進学を中
心に自己実現をめざす、伊賀白鳳高校は地域を担う人材を育成するという役割があるが、小規模化が進む
と、上野高校で進学に必要な科目の講座を開設することが難しくなったり、伊賀白鳳高校で多様なコース
を設置することができなくなり、その結果、伊賀市内の3校とも活性化できなくなることを危惧してい
る。
○ あけぼの学園高校は伊賀地域で重要な役割を担っているので、再編を考える際は、その役割を他の学校
が担えるのかを考える必要がある。来年度開校する英心高校桔梗が丘校以外にも、伊賀地域には近大高
専、桜丘高校、神村学園高校、愛農学園高校があり、これらの私立学校と県立高校との連携や役割分担が
ポイントになる。
○ あけぼの学園高校のニーズはあるが、伊賀地域には総合学科が2校あることから、再編にあたっては、
総合的・包括的に考えることが大切である。
○ あけぼの学園高校には、特別な支援を必要とするが、本人や保護者の意向から全日制高校を卒業したい
という思いのもと入学する生徒がいる。2学級は適正規模ではなく、大規模校を学級減することによって
活性化が図られなくなるという考えはもっともだが、小規模だからこそ通える生徒が一定数いることにも
留意してほしい。
○ 将来何をやりたいかがわからないから総合学科を選ぶという中学生もいるので、現状の学科だけでニー
ズをとらえるべきではない。再編活性化を考える際は、配慮を必要とする子どもたちのことを考え、行き
場がない子どもをつくらないということを、公立学校の役割として大切にすべきである。
○ 学校や学級数を減らすことありきではなく、伊賀地域をどのように活性化していくのかという視点を忘
れてはならない。
≪交通網に係る課題について≫
○ 伊賀市内の高校は伊賀北部の中学校出身者、名張市内の高校は南部の中学校出身者が多くを占めてお
り、地域全体で教育の機会均等が図られているとは言えない。再編を考えるうえでも、交通の便がよくな
いことに対する解決策を考える必要がある。
○ 各学校が魅力化の努力をしている中でも伊賀地域からの流出が増えているのは、伊賀鉄道の運賃が高い
ことにも要因があるので、何らかの条件整備ができないか。
○ 名張市内の中学校では、市内の学校へ進学する生徒の割合が増えている。お金と時間をかけて伊賀鉄道
で上野高校や伊賀白鳳高校まで通わなくても、名張青峰高校で大学進学ができるし、名張高校や近大高専
で就職ができるというように、子どもたちや保護者の意識が変わってきたためである。
○ 保護者の立場としては選択肢が減るのは避けたい。北部と南部の行き来が少ない要因の1つは伊賀鉄道
だが、あけぼの学園高校は、直通バスにより南部からの進学者が増えた可能性がある。
○ 山辺高校山添分校の入学者が増えたのは、名張市内からのコミュニティバスの運行が大きな要因であ
る。地域の均衡を図るためには、地元自治体を巻き込んだ交通の整備も重要な課題である。
○ あけぼの学園高校の通学バスの年間定期パスについても保護者の経済的負担は大きいので、近鉄沿線の
学校を選んでいる生徒はいると思われる。
○ 仮に伊賀地域の5校が協力して通学バスを走らせれば、利便性は上がるし、費用も安く済むかもしれな
いが、一方でもっと大切なインフラ(伊賀鉄道)の経営を圧迫することになりかねない。
≪昼間定時制等の検討について≫
○ 山辺高校山添分校や英心高校に通っている生徒が多いのは、地元の学校が学びの多様化に対応できてお
らず、地域外へ出ていかざるを得ないためである。昼間定時制については、英心高校桔梗が丘校の定員を
上回るニーズがあると考えている。
○ 定時制、通信制については、第1希望ではなく、伊賀地域の全日制高校が定員を充足していて入れな
かったから入学したという生徒も多いのではないか。昼間定時制や通信制を卒業した後、地元企業へ就職
できるのかも検討材料の1つである。
○ N高校やS高校への進学者が増えているのは、新しい学び方のニーズの表れだと考えている。