1 日時 令和3年9月22日(水)19時00分から21時00分まで
2 場所 オンライン実施
3 概要
前回に引き続き、次期「県立高等学校活性化計画」の策定に向けて、今後の中学校卒業者数の減少や当地域を取り巻く高校の現状や課題をふまえ、これからの紀南地域の県立高校のあり方について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪紀南地域の高校のあり方について≫
〇 紀南PTA連合会では、これからの紀南地域を活性化するためには、高校の統合という問題だけにとど
まらず、産業の振興による雇用の拡大等により若者を地域に定着させることを目指し、SDGsの視点を
持って、小中学校、商工会、行政等が協力・連携して地域全体の活性化を図っていくべきであると考えて
いる。
〇 今後の地域の中学校卒業者の減少を考慮に入れれば、2校の統合もやむを得ないと考えるが、生徒のこ
とを考えると、高校進学時に選択肢がある方が望ましい。たとえば2校で校舎制を採用し、土日だけでも
合同で部活動をしたり、両校舎の教員が協力して学校運営にあたったりすれば、統合しても子どもたちに
選択肢を残せるのではないか。
〇 小規模化が進めばそれぞれの高校に配置できる教員数が少なくなり、それだけ学校運営は難しくなるた
め、少子化が進む現状から考えると両校を統合していくことは致し方ない。
〇 今後の中学校卒業者数の推移から考えれば両校の統合はやむを得ないが、通学について考えると、広い
紀南地域全体を考えた最適な配置を決めるのは難しい。ICTを最大限に活用した遠隔授業による学びの
保障についても検討するべきではないか。
〇 平成28年度の当協議会の中で、両校の統合に向けて熊野市と紀宝町の中間付近の高台に新校舎建設の
議論もあったが、県教育委員会からは県財政逼迫の中で現実的に難しいとの見解が示された。この状況は
現在でも変わらないのか。
⇒(事務局)現在でも県の財政状況が苦しいことに変わりはない。両校を統合する場合は現在の県施設
を活用していく方向である。
〇 木本高校が5学級規模を下回るころから、紀宝町では、大学進学をめざす生徒が、自転車でも通学でき
る近大新宮高校に進学する傾向が強まったように思う。今後さらに少子化が進む中で、生徒や保護者の
ニーズに対応していくためには、この紀南地域の県立高校2校だけでなく、新宮市内の高校も含めて生徒
に幅広い選択肢を提供する視点で考えていいのではないか。
〇 地域では子育てしやすい環境が重要となるため、近くに通える高校があることが望ましい。他県の分校
や校舎制等の事例も参考にしながら、この地域で2校舎を存続していく方策も検討できないか。また、今
後の協議の方法については、県教育委員会から協議のたたき台となるものを示して進めてもらいたい。
⇒(事務局)結論ありきの議論にならないよう、たとえばいくつかのパターンのメリット・デメリット
を示したり、課題を提示したりするなど、考えられる論点を整理することで今後の協議をスムーズに進め
るようにしていきたい。
〇 紀南高校は、これまで地域と一緒に活性化に一生懸命に取り組んできた。地域にとっても高校の存在は
大きく、その存続を望んでいる。もし2校が統合するとなった場合には、地域の子どもたちにより実社会
で役立つ教育をしてもらいたいし、通学に関しては、たとえばスクールバスの支援等も検討してもらいた
い。
〇 地域の衰退をとどめるためにも学校は必要であり、子どもたちが紀南地域の高校を選択して、地域に残
ることが地域の活性化にもつながると考える。また、令和7年度に5学級規模の学校をつくる時は、現在
の紀南高校普通科、木本高校普通科、総合学科の枠組みを再考して学科を配置してもらいたい。
〇 2校のあり方については、想定されるいくつかのパターンを全体で共有し、よりベターなものを検討し
ていくしかない。今後も小規模化が進む中、木本高校は大学進学をはじめ、地域の高校として生徒や地域
のニーズに応えるとともに、生徒の自己実現を目標に取組を進めていかなければならない。
〇 紀南地域は都会と比べて人口が少なく、子どもたちにとって他人とのコミュニケーションをとる機会も
少なくなるため、一定規模の集団生活を通じて多くの経験をさせてやりたいが、本人や保護者の負担を考
えると近くの学校への通学が可能な2つの校舎で学べる体制にもメリットを感じる。
〇 令和7年度に5学級規模となる高校の姿は、現実的には木本5学級-紀南0学級、木本4学級―紀南1
学級、木本3学級―紀南2学級が考えられるが、果たして1学級規模の学習環境で本当にこれからの時代
を生きる子どもたちに必要な教育を提供できるのか、もっと真剣に検討していく必要がある。
〇 将来2校の統合については仕方がないことと考えており、保護者の立場からは、子どもが十分に教育を
受ける体制や学習環境を整備していくことが何よりも大切と考える。