1 日時 令和4年6月7日(火)19時00分から21時00分まで
2 場所 三重県熊野庁舎 大会議室A
3 概要
令和4年3月に策定された「県立高等学校活性化計画」では、15年先までの中学校卒業者の減少の状況をふまえると、これからの時代に求められる学びを提供していくには、現行の高等学校の配置を継続していくのは難しい状況にあるとし、高等学校の学びと配置のあり方について検討を進め、1学年3学級以下の高等学校については地域協議会で統合も含めた議論も行うこととしました。当協議会においても、この地域の15年先を見据えながら、令和7年度に5学級規模となるときの、地域の高等学校の学びと配置のあり方について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪15年先までの中学校卒業者の減少を見据えたときの地域の高等学校の学びと配置のあり方について≫
〇 紀南高校では特色ある授業「地域産業とみかん」に取り組んでいるが、現在のような生産現場までの学
びに留まらず、生徒自らが商品開発に関わり、販売する機会を持つことで更なる自信の向上につながるの
ではないか。紀南高校で実施されている社会人との対話集会の際に、地域の第一次産業の魅力も伝えてい
くべきだ。
〇 産学連携による商品開発に取り組むなど、企業と共に何かを作り上げるようなことを進めるとよい。
〇 高校への進学にあたっては、部活動に力を入れたい、大学進学を望みたいなど、それぞれ希望に応じた
進路選択がなされている。人口減少問題だけで統合を考えるのではなく、子どもを第一に考え、学びたい
と思える環境、どこに生まれても誰もが学べる環境を保障していくべきである。
〇 小中学校でも同じような統廃合の課題がある。少人数の教育活動で、社会性・人間性が十分に育めてい
るのかと疑問に思う場面もある。この地域の高校がどのような形になったとしても、子どもたちが自ら学
びたいと思えるような学校を創るという視点で考えていくことが大切である。
≪令和7年度に地域の高校への入学見込み人数が5学級規模となるときの、地域の高等学校の学びと配置のあり方について≫
〇 学級減をふまえ、紀南高校、木本高校の両校に設置されている現状の学科配置をどうするのかを先に議
論するほうが良いのではないか。また紀南高校が1学級規模となった際、校舎制も含め、本来あるべき
高校教育の質が保障できるのかを検討する必要もある。さらに昨年の協議では県から設置は難しいとの見
解を得ているものの、防災の観点から安全な場所に新しい学校を設置して欲しいという地域の願いがある
ことも理解して欲しい。
〇 今後の生徒の減少を見据えると両校の統合を進めるべきだ。その際には、両校の良いところを受け継い
だ新しい学校としてスタートしてはどうか。同じ議論を毎年繰り返すのではなく、教育委員会から統合案
を提示してもらったうえで、協議を進めたい。
〇 これまでの協議をふまえると、5学級規模の配置としては5-0か4-1か3-2しかないように思
う。今年の12月までに方向性をまとめるためには、それぞれのパターンについてどのような学びが実現
できるのか、メリット・デメリットも併せて、事務局で整理してもらい議論してはどうか。
〇 前回の協議では、子どもたちには学校を選択できる環境があったほうが良いという意見もあった。地域
の進学や就職へのニーズもふまえながら、それぞれの学級数でどのような学びが用意できるのかを最優先
に、5学級の配置を考えるべきである。
〇 新しい高校のあり方を考えるにあたっては、それぞれの学校に存在する良さをより高めるという視点を
大切にしながら協議を進めたい。
〇 卒業生としては2校残したいという本音もあるが、経済的な面も考慮するべきであることも理解でき
る。子どもたちが自らの意思で高校を選択し、納得できる充実した3年間の学校生活をおくれることが何
より大切である。
〇 自分自身で高校を選び、入学者選抜の競争をくぐりぬけて入学した生徒のモチベーションは高い。地域
において高校を選択できるような配置のあり方を考えてあげたい。
〇 いずれかの高校に片寄った視点ではなく、この地域全体でどのような学びが必要なのかという視点が大
切である。1校になれば高校入試の際に地域間での学校の選択肢はなくなるが、一方では一定の集団の中
で切磋琢磨できる教育課程が生まれることも考えられる。
〇 この5年間で熊野市内の小中学校も3校が休校となった。地域の人にとって心の拠り所となる学校が無
くなることはさみしいが、本当に子どもたちの視点に立つことで、どのような配置であっても、豊かな学
びや自己有用感が持てるような環境を実現していくことができるよう議論していきたい。
〇 高校生のアンケート結果の「学びたい、または興味・関心のある内容の学習ができる」という項目の
回答が県平均に比べて低かったことをどうとらえていくのか考える必要がある。他県や他地域の状況をみ
ると、1学級規模での学びについては課題が多いようであるが、その原因やこの地域の高校にも当てはま
るのかを、県からの資料や検証も参考にしながら協議していきたい。
〇 今後の5学級の高校配置については、より議論が進むように子どもたちの学びの視点からどのような
ケースが考えられるのか、具体的な資料やデータをもとにしながら、さらに議論を深めたい。