1 日時 令和5年8月23日(水)18時30分から20時40分まで
2 場所 県松阪庁舎 大会議室
3 概要
令和4年3月に策定された「県立高等学校活性化計画」や、令和4年度に生まれた子どもたちが中学校
を卒業する15年先までのこの地域の中学校卒業者の減少の状況をふまえ、以下の2点について協議しま
した。
①松阪地域において15年先に求められる(実現したい)学びや高校のあり方
②今後、協議を深めていくための協議会の進め方や必要な視点など
<主な意見>
(松阪地域において15年先に求められる(実現したい)学びや高校のあり方について)
【育みたい力について】
〇 生成AI技術の進歩など、急速に社会が変化する中で、複雑で予測が困難な時代に対応できる人材をい
かに育てていくかが課題となる。生徒が興味・関心のある分野を深く学び、得意分野をさらに伸ばせるよ
うにしたい。
〇 先が見えないコロナ禍を過ごした子どもたちだからこそ、自ら課題を見つけて向かっていくという「未
来を切り拓く力」が大切である。
〇 育みたい力は、(配付資料記載の)各高校のめざす学校像や学校の特色に網羅されており、それに基づ
いて教育活動が行われている。
〇 コミュニケーション能力や課題解決能力に加え、答えを見つけるだけではなく、問いを立てる能力や、
あきらめずに困難に立ち向かう力も必要である。
【求められる学びについて】
〇 多様性の時代には、一つの問題に対してさまざまな考え方ができるよう、多面的な学びが重要となる。
また、未来を切り拓く力を育むためには、多様な学びの選択肢の中から、主体的に選択できるようにする
ことも大切である。
〇 子どもたちの視点を大切にして、子どもたち一人ひとりが自分のよさを伸ばすことができる環境をつく
ることが大切である。
〇 松阪地域は、私立高校や通信制課程を含め、普通科、専門学科、総合学科がバランスよく配置されてい
る。今後、高校の配置を検討するにあたっては、近隣地域との流入・流出状況もふまえ、学びの選択肢が
保たれるよう総合的に考えていきたい。
〇 学級規模に関わらず、どの高校でも学校の特色に応じたきめ細かな教育が行われているが、生徒の社会
性を育むには、経験上一定の学級規模があったほうが望ましいと感じる。
〇 将来の進路や興味・関心より、偏差値で高校を選択する傾向も見られる。高校進学に向けた小中学校で
のキャリア教育が大切である。
〇 指示がないと意欲的に仕事ができない若手職員が年々増えている。このことから学生時代に子どもの自
主性を伸ばしていくことが重要であると感じる。
(今後、協議を深めていくための協議会の進め方や必要な視点などについて)
〇 県や松阪地域がめざす15年先の社会の姿をふまえ、どういった人材の育成が必要なのかの議論を進め
たい。
〇 子どもたちをメインとした議論を進めるためにも、アンケート調査が必要ではないか。
〇 今後の議論の参考とするため、他地域の専門高校や協議会の状況が分かる資料があるとよい。
〇 学びの環境をつくるのは大人の責任である。その際には、子どもに寄り添うことや、子どもの思いを大
切にしながら議論を進めたい。
〇 松阪地域外へ進学している現状がある中、この地域の子どもたちが、この地域で学べる状況が作られる
よう、子どもたちの思いや願いが叶えられる地域の高校の魅力をさらに高めていきたい。
〇 学科の配置については、今後進展が予想される業種や職種をふまえて議論を進めたい。
〇 ICTの発達等により働き方が多様化し、特別な支援を必要とする生徒の卒業後の受け皿が拡大してい
ることをふまえ、特別支援学校だけでなく、高校においても、特性を持った生徒が自分の得意なことを伸
ばすことのできる環境整備が必要である。
〇 不登校を経験した生徒の受け皿に加え、入学後に不登校にならないようなケアも大切である。
〇 受験生は、希望よりも学力的に入りやすい高校を選択したり、早く進路を決めたりする傾向が見られ
る。また、コロナ禍で増えた不登校の生徒の多くが、県外の通信制高校に進学する状況も見られる。これ
らの状況もふまえ、地域に根差した教育を推進する観点から、高校の魅力化について考えていきたい。
〇 松阪地域は他地域と比べて私立高校の定員の比率が高い。当地域全体の高校のあり方を検討する際に
は、県立高校だけでなく、私立高校を含めて議論すべきである。
〇 学級規模が小さくなれば教員数が減り、多様な選択科目や部活動の維持が難しくなる。高校の学びや配
置のあり方を考える上では、スケールメリットも重要な要素である。