1 日時 令和7年7月28日(月)19時00分から21時00分まで
2 場所 伊勢市生涯学習センターいせトピア 3階 研修室1・2
3 概要
令和10年度に想定される3学級程度の学級減への具体的な対応方針について、今年度中に方向性をまとめる必要があることから、これまでの協議を整理した「学びと配置のあり方の方向性」をふまえつつ、1学年あたりの総学級数が11~14学級程度となる「15年先の学びと配置の将来像(案)」について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
<主な意見>
(学びのあり方について)
○ 人間関係を構築する力を身につけるためには人数が多い方が望ましいと思う一方で、中学校で不登校だった生徒や学習でつまずいた生徒が小規模の高校に入学し、生き生きと学校生活を送っている姿を見ると、小規模の高校も必要ではないかと感じる。(作野委員)
○ 地元で活躍する人材を育成する観点も含め、子どもたちの将来の夢の実現のためにも多様な選択肢があり、その中から自ら選び学べる環境があることが大切である。そのためにも地域の高校の存続は必要である。(黒坂委員)
○ 地域の学びの選択肢をできる限り維持するために、総合学科の今後のあり方について検討していく必要がある。(奥山委員)
○ 子どもが進学や就職など多様な進路を自ら考え、選択していけるような新しい時代の学びにふさわしい学級編制のあり方も考えながら議論を進める必要がある。(中村委員)
○ 職業高校において、ICTを活用してオンラインによる座学と対面による実習を組み合わせるなどすれば、通学時間に関する課題をカバーできるのではないか。(西尾委員)
○ 高校の特色化・魅力化を進めるうえでは、地域の子どもたちから選ばれるという観点に加え、地域の産業界から求められるという観点も必要ではないかと感じている。(奥山委員)
○ 雇用する側は、コミュニケーションがとれる人材、やる気のある人材を求めており、その2つをもっている生徒は就職してからの伸びも大きいと感じている。このことは学校教育においても重要な観点となるのではないか。(西尾委員)
○ これだけ広い地域で3校程度に集約するとなると、通学時間や費用の課題が大きくなると考えられる。また、どの業界も人材不足が大きな問題となっており、15年先はより厳しくなることが予測される。こうした中、地域学習の一環として、高校生と地域の事業者との交流会を実施するなど、産業界としても高校生が地域に根付くような活動により一層、注力していきたい。(山本委員)
○ 県外の大学へ進学すると地元へ戻らない生徒も多い中、工業高校を卒業した生徒は地元に定着してくれる貴重な人材として、企業側も年数をかけて大切に育成している。鳥羽商船高専にある学びとの重なりも意識して工業系の学びを配置する必要がある。一方、商業高校については、約6割が四年制大学へ進学していることから、今後普通科に集約されるのではないかと感じている。こうしたことから将来的に14学級で3校に集約されるというのは、現実的な姿だと理解している。(清水委員)
(配置のあり方について)
○ 誰一人取り残さない教育の実現のためにも、一人ひとりのニーズにあった学校の配置が必要である。(黒坂委員)
○ 統合は合理化のためではなく、子どもたちにとって魅力ある学校としていくために進めることが大切である。また、既存の高校のあり方をベースに考えるのではなく、例えば目指すべき教育が25人や30人であれば実現可能ではないかという視点で考えてみてもよいのではないか。(劒山委員)
○ 私立高校の授業料無償化による影響をふまえ、校舎の新設や改修などにより、県立高校の魅力を高める必要がある。特に工業科では、基本的な知識・技術が身についていても、就職後に最新の設備の取扱いでつまずくこともあるため、施設・設備の更新が一刻も早く実現することを望んでいる。(奥山委員)
○ 協働的な学びと個別最適な学びを高校生に提供していくためには、校舎制を採用したり、複数校を教員が行き来して授業を行ったりするなど、フレキシブルに考えていくことが必要である。(劒山委員)
○ 15年先の配置については3校に絞るといった発想ではなく、市町を越えたエリアでどのような学びを提供していくのかを中心に置きながら、校舎制を採用したり、老朽化が進んでいるのであればどこかに集約して新築したりするなど、フレキシブルに考えていきたい。(中村委員)
○ 令和22年度の将来像を3校程度と想定すると議論はしやすくなるが、3校に集約するという話が独り歩きすると、これまで大切にしてきた「伊勢市内の高等学校の再編」と「小規模校のあり方」についての議論が意味をなさなくなってしまうのではないか。(舟戸委員)
○ 私立高校普通科の学級数を勘案しながら、今後、県立高校が14学級程度となったときに必要な学科が一体何なのかや、学科をどのように集約させていくのか等について、もっと高校現場の意見を聞きながら協議を進めていきたい。(舟戸委員)
○ 配置を考える上では、通学時間や費用の観点から、通学する子どもだけでなく保護者の思いにも配慮する必要がある。(黒坂委員)
○ 中学校では部活動の地域展開や生徒減により学校における活動が縮小している。こうした中、部活動は生徒のニーズが高く、輝く場ではあるものの、「部活動の活性化の観点から、1学年4学級以上が望ましい」として高校の再編を考えるのは厳しいのではないか。(作野委員)
○ 15年先を見据えて、そこから逆算しながら、令和10年度やその先に想定される学級減への対応を考える手法は正しいが、その15年先の高校配置のグランドデザインを県が主導して打ち出していく必要があるのではないか。(奥山委員)
(今後の協議会の進め方について)
○ 次回は、これまでの意見をふまえた当協議会のまとめ案を事務局から提示してもらい、令和10年度やその先に想定される学級減への対応について、さらに協議を進めていきたい。(田中会長)