令和7年5月30日、本田技研工業株式会社(取締役代表執行役社長 三部 敏宏、東京都港区虎ノ門2-2-3)から、同社鈴鹿製作所の敷地の一部における土壌汚染(シアン化合物、水銀及びその化合物、鉛及びその化合物)について、その対策が完了した旨の報告がありました。
本件は三重県生活環境の保全に関する条例第72条の4第1項の規定に基づき、令和6年10月17日に事業者から土壌汚染発見の届出が行われたものです。
1 内容
事業者から提出された土壌汚染対策完了に係る報告書の内容は次のとおりです。
(1)令和6年11月26日から令和7年1月10日及び令和7年4月8日から令和7年4月16日にかけて、土壌汚染対策工事を行いました。
(2)土壌溶出量基準及び土壌含有量基準を超過した部分については、計画どおり汚染範囲を掘削除去し、必要な箇所を砕石で埋め戻しました。
(3)掘削除去した土壌は、汚染土壌処理業許可業者へ搬出され、適切に処理されました。
土壌汚染の発見時から対策完了時まで、汚染箇所には関係者以外の立入禁止措置を講じており、人の健康又は生活環境に係る被害は生じていません。
2 報告内容の問い合わせ
本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 施設管理課
電話:059-378-1212
【参考】
○三重県生活環境の保全に関する条例(関係条文)
第七十二条の四
土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第十四条の二第一項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
以下(略)
○シアン化合物
無機シアン化合物は、非常に強い毒性をもっています。これはシアン化合物が呼吸酵素の中の鉄と結合することによって、組織呼吸(内呼吸とも言われ、血液で運ばれた酸素が各組織に取り込まれ、そこで生じた二酸化炭素を取り去る過程)を抑制するためです。高濃度のシアン化合物を取り込んだ場合は短時間で死に至ります。また、低濃度のシアン化合物を取り込み続けると、頭痛、めまいなどを起こすとの報告があります。
○水銀及びその化合物
水銀は、火山活動などによって自然界に排出され、大気・水系・土壌の中に微量に含まれています。許容量以上の水銀を体に取り込むと、血液脳関門を通過して中枢神経を破壊し、運動失調、言語障害、感覚障害、運動障害、視野狭窄などを引き起こすとされています。
○鉛及びその化合物
古くから人類に利用されていた金属であり、現在でも鉛蓄電池やはんだ等に広く用いられています。地殻の表層部には、重量比で0.0015%存在し、広く分布しているため、地質等に由来するものも発見されます。そのため、人の組織等にも存在しますが、高濃度の鉛では、貧血や筋肉の虚弱などの中毒症状が現れます。また、無機鉛化合物では発ガン性があるとされています。