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平成27年07月20日

酸性雨の状況(2004年度)

南北に細長い三重県では南に行くと雨が多いことで有名な尾鷲があり、年間降水量として4000mmくらい降りますが、北の方では、1500~2000mm程度です。

 当研究部では、2004年度は四日市市内2カ所で降水時開放型捕集装置(W.O.法)バルク捕集装置(ろ過式)とを用い、一週間毎に降水を採取し、pHや内容成分について調査を行いました。

新正の雨

新正の雨のpH、2004年度  

 上の図は2004年度の四日市市新正の降水を一週間毎に集め、pHを測定して、月平均の推移を示したものです。(W.O.法)2004年度の年間平均pHは4.59です。 2003年度よりは上昇しましたが、平均するとpH5.6以下*の、酸性の雨が降りました。

* 一般に、大気中の二酸化炭素が溶け込んだ雨は、pHが5.6となります。このため、pH5.6以下のものを酸性雨といっています。

 
種類 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
W.O.法 4.51 4.39 4.52 4.47 4.40 4.59 4.86 4.54 5.16 5.25 4.58 4.43




新正の酸性雨の割合

 上の図は2004年度の四日市市新正の降水を、pHの値を4.6以下、4.6超~5.6、5.6を越える場合にわけたものです。(W.O.法) いわゆる酸性雨といわれるpH5.6以下の雨の割合は2003年度と殆ど同じで93%でした。

pH値の頻度(新正、W.O.法)
pH区分 4.6以下 4.6超-5.6 5.6を超える
割合 52 41 7




新正の酸性雨中のイオン成分

 上の図は2004年度の四日市市新正の降水に溶け込んでいるイオン成分を調べたものです。(W.O.法)2003年度と比べて、ナトリウムイオンや塩化物イオンの割合が高く、海塩由来の影響が大きかったと考えられます。

降水のイオン成分(新正、W.O.法)
種類 Cl NO3 SO4 H NH4 Na K Ca Mg
割合 26 7 16 10 9 22 1 3 6



新正の原因別イオン成分

上の図は2004年度の四日市市新正の降水についてイオン成分の起源に着目して表したものです。(W.O.法)   海塩成分は2003年度の41%より高く56%でした。
 

* 海塩,非海塩の起源はNa+(ナトリウムイオン)を指標として算出しました。nssの表示はnon sea salt(非海塩)を表します。

      海塩粒子の写真

降水の起源別イオン成分(新正、W.O.法)
種類 nss-
SO4
NO3 nss-
Cl
H NH4 nss-
Ca
nss-K
nss-Mg
海塩粒子
割合 13 7 1 10 9 2 2 56
 

桜町の雨

桜町の雨のpH、2004年度

 上の図は2004年度の四日市市桜町の降水を一週間毎に集め、pHを測定して、月平均の推移を示したものです。2004年度の年間平均pHは,W.O.法で4.61です。2003年度よりは上昇しましたが、平均するとpH5.6以下の、酸性の雨が降っています。

* 一般に、大気中の二酸化炭素が溶け込んだ雨は、pHが5.6となります。このため、pH5.6以下のものを酸性雨といっています。    

種類 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
W.O.法 4.60 4.55 4.82 4.44 4.58 4.53 4.84 4.49 4.81 4.59 4.43 4.36



桜町の酸性雨の割合

 上の図は2004年度の四日市市桜町の降水を、pHの値を4.6以下、4.6超~5.6、5.6を越える場合に分けたものです。(W.O.法)   いわゆる酸性雨といわれるpH5.6以下の雨の割合は2003年度と殆ど同じで98%でした。

pH値の頻度(桜町、W.O.法)
pH区分 4.6以下 4.6超-5.6 5.6を超える
割合 58 40 2




桜町の酸性雨中のイオン成分

 上の図は2004年度の四日市市桜町の降水に溶け込んでいる イオン成分を調べたものです。(W.O.法)2003年度とほぼ同じ割合です。

降水のイオン成分(桜町、W.O.法)
種類 Cl NO3 SO4 H NH4 Na K Ca Mg
割合 20 10 19 13 13 16 1 3 5



桜町の原因別イオン成分

 上の図は2004年度の四日市市桜町の降水についてイオン成分の起源に着目して表したものです。(W.O.法)    海塩成分は2003年度の35%よりは高いが新正の56%より低い43%でした。

降水の起源別イオン成分(桜町、W.O.法)
種類 nss-
SO4
NO3 nss-
Cl
H NH4 nss-
Ca
nss-K
nss-Mg
海塩粒子
割合 16 10 0 13 13 2 3 43

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