現在位置:
  1. トップページ >
  2. 観光・産業・しごと >
  3. 科学技術 >
  4. 保健環境研究所 >
  5. 年報・研究報告リスト >
  6.  保環研(旧、環科センター)研究報告第19号(1999)
担当所属:
  1.  県庁の組織一覧  >
  2. 医療保健部  >
  3. 保健環境研究所
  • facebook
  • facebook share
  • twitter
  • google plus
  • line
平成20年03月10日

保環研(旧、環科センター)研究報告(1999)

'99研究報告表紙
 

 

 三重県環境科学センター研究報告 第19号(1999)を発行しましたのでその概要をご紹介します。

   各研究報告、ノートの全文(PDF形式)をご希望の方は、こちら からダウンロードできます。



特別寄稿

9901 二酸化硫黄高濃度発生原因と考察 (約83KB)
   宮尻英男
 四日市市地域における、昭和53年から57年の大気中二酸化硫黄濃度の測定結果を もとに、高濃度出現時の気象変化、その他想定原因より二酸化硫黄高濃度出現時の 原因を考察した。
高濃度は、磯津測定局に偏っていた。原因として考えられる要因として例えば、 モニタリング装置のトラブル、気象条件、プラント事故を挙げ、検討した。その結 果、塩化水素が原因であり、磯津局付近の工場に特定できた。
 

研究報告


9902 河川水中のノニルフェノールおよびビスフェノールAの分析 (約170KB)
   佐来栄治、早川修二、市岡高男、加藤進
 外因性内分泌攪乱物質(いわゆる環境ホルモン)の疑いのあるノニルフェノール とビスフェノールAの固相抽出、誘導体化による同時分析の検討を行った。その 結果、ノニルフェノールの平均回収率91%、変動係数4.8%であり、ビスフェノール Aは87%と4.2%と良好な結果が得られた。
この方法を用いて三重県北部の7河川について調査を行った結果、ノニルフェ ノール、ビスフェノールAとも微量であるが検出された。

9903 フィリピンの最新水質環境 (約89KB)
   加藤 進
 フィリピンの水質環境について、環境白書、現地調査および水質保全のための Environmetal User’s Fee について紹介した。
マニラ湾に注ぐラグナ湖から唯一流れ出る Pasig川の水質は最近悪化している。 また、フィリピン最大のラグナ湖の水質も、CODおよび栄養塩類の濃度で現在と 1970-1980年代を比較すると、水質が悪化している。さらに、ラグナ湖で月間降 水量と表面塩素濃度の関係を見ると、両者には時差相関が存在し、ラグナ湖集水 域における保水機能が良好であることが伺われた。
Environmetal User’s Fee は、政府にとっての環境保全上の税収入としてき わめて重要であり、今後その資金のラグナ湖開発庁(LLDA)における活用方法 が期待される。

9904 各種焼却灰からのリン、金属等資源回収技術開発研究(第2報)
  -下水汚泥焼却灰からのリン等回収物の挙動について- (約42KB)
      高橋正昭、岩崎誠二、地主昭博、佐来栄治、市岡高男、早川修二、加藤進
 下水汚泥焼却灰からリン、アルミニウム、その他重金属等の回収技術の確立を図 るため、焼却灰に硫酸を加えてリン、金属等を溶出させ、これに各種アルカリを加 え、pH調節によりリン、重金属等を分別回収する方法について検討を行った。Run-1 はアルカリとして炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムを、Run-2はアルカリとし て炭酸カルシウム、水酸化カルシウムを使用した。
Run-1、Run-2 ともにリン、重金属を分離回収することができた。Run-1の場合に は 100gの焼却灰からリン回収物32g、重金属含有物4g、Run-2の場合にはリン回収物 55g、重金属含有物 3.5gが得られた。酸溶出した重金属の多くは重金属含有物中に 移行した。排水は、ほとんどが塩類で環境への排出が容易であり、特にRun-2の場合 には塩分濃度も低く、再利用も可能と考えられた。

9905 各種焼却灰からのリン、金属等資源回収技術開発研究(第3報)
  -RDF焼却灰からのアルミニウム、金属等回収について- (約35KB)
   高橋正昭、岩崎誠二、地主昭博、佐来栄治、市岡高男、早川修二、加藤進
 ごみ等の焼却灰から酸処理により溶出した重金属をアルカリを用いてpH調節により アルミニウム、重金属を分別回収する方法について試行した。RDF焼却灰に硫酸を用 いてアルミニウム、重金属等を溶出させ、Run-1は、この溶液に炭酸水素ナトリウム を、Run-2は炭酸カルシウムを加えてpH5としアルミニウム分をろ過、回収した。更 に、このろ液に水酸化ナトリウムを加えてpH10に調節し、重金属含有物を回収した。 Run-1の場合には焼却灰 100gからアルミニウム回収物 36gおよび重金属含有物 3.4g をそれぞれ分別回収した。Run-2 の場合にはアルミニウム回収物 50g、重金属含有 物 1.5gを回収した。回収物中のアルミニウム含量(Al2O3)はRun-1、Run-2それぞ れ 30.9%、15.8%であった。重金属含有物中には銅、亜鉛、マンガンなどが濃縮さ れていた。

9906 大気中有機化学物質実態調査 (約311KB)
   水谷博和、山川雅弘、山下晃、佐来栄治、市岡高男、山本晃道、荒木恵一
 有害大気汚染物質モニタリング調査の対象物質のうち、容器採取-GC/MS法を用い 測定を実施している9物質、並びに同時に測定可能な揮発性有機化合物33物質につい て調査を行った。
その結果、生産・使用が全廃された特定フロン等は、本調査対象地域内におけるバ ックグランド濃度が存在し、この濃度が地球全体のバックグランド濃度に近似してい ることが示唆された。特に四塩化炭素は、本調査対象地域の濃度が、0.60μg/m3 であり、文献等における他の調査地点の濃度(0.59μg/m3~0.75μg/m3 )の近傍にあった。
環境科学センターの屋上で採取した試料については、本調査対象地域内における他 の調査地点と比較して全体的に検出濃度が高い傾向を示した。特にスチレンは、環境 科学センターで特異的に高濃度で検出されており、その平均濃度は4.8μg/m3 であった。
また、3調査地点において非メタン炭化水素と・ュ性有機化合物42物質の炭素換算 濃度の合計値に相関が認められた。

9907 微生物の機能を利用した水質浄化(第3報) (約286KB)
  - 担体付着微生物群集による有機物分解および窒素除去 -
   市岡高男、佐来栄治、加藤 進、澤 智代*、木村俊夫**、菅原 庸***
      * 三重大学生物資源学部水産微生物学研究室
      ** 農学博士 三重大学生物資源学部助手
      *** 農学博士 三重大学生物資源学部教授
 有機物で汚染された水域の生物環境を微生物により改善するため,脱窒細菌を中 心とした窒素ガス化による窒素除去のための微生物系の構築を試みた。内湾から分 離した脱窒細菌C8-2株は淡水および海水環境で生育可能な脱窒能の高い菌株で, Pseudomonas であると考えられる。脱窒細菌 C8-2 株の脱窒能は 30℃付近で最大 となり,20℃でかなり活性が低下するが,10℃でも20℃のときの約 13%の活性が残 存していた。
本株による脱窒速度を種々の硝酸塩濃度のもとで測定した結果,30℃における最 大脱窒速度Vmaxは 3.74μmol/L/hr,硝酸塩に対する Km値は40.0μmol/L であっ た。
現場底泥に脱窒細菌C8-2株を散布して環境を改善するための現場小型モデル系を 設定し,底泥のみの場合とC8-2株付着担体を底泥に添加した場合の脱窒ポテンシャ ルを比較した結果,C8-2株の添加により脱窒ポテンシャルの増強が認められた。脱 窒ポテンシャルはC8-2株が 105cells/mL のレベルの場合,泥コントロールの2倍 に,107cells/mLのレベルの場合,泥コントロールの約3倍となった。
現場底泥に散布した担体中の脱窒細菌は 104~106cells/g (wet)のレベルを,また,アンモニア酸化細菌は 102~104cells/g (wet)のレベルを長期間にわたって維持していた。微生物散布による現場環境改善試 験の結果,有機物分解量は1m21日あたり,冬季で26.4g,夏季で 81.1g となり,窒素除去量は底泥表層では1m21日あたり冬季で30.7mgN,夏 季で59.4mgNとなり,微生物による有機物分解および窒素除去が確認され,環境改善 効果が認められた。
脱窒細菌が周辺に生息する生物に及ぼす影響を検討するため,他種細菌・他種プラ ンクトンとの共存条件下における挙動を調べた結果,Bacillus,Alteromonas,Gymnodinium mikimotoi,Skeletonema costatum およびHeterosigma akashiwo などは脱窒細菌の 共存下ではほとんど影響を受けていないように思われた。

9908 内湾水質環境保全に関する調査(第4報)
  - 英虞湾、五ヶ所湾および的矢湾流域調査結果のとりまとめ - (約298KB)
   地主昭博、岩崎誠二、松井孝悦
 南勢志摩地域の内湾に流入する河川で、窒素、りんの流出負荷等に関する調査を実 施したところ、その流域に市街地を有する河川では窒素、りんの濃度が高く、汚濁の 少ない河川とは異なった季節変動を示すなど、この地域でも土地利用と窒素、りんの 負荷の間に関連があることが明らかになった。一方、汚濁の少ない河川では、土地利 用と窒素、りんの流出負荷との相関はそれほど明確ではなかったが、降水からの窒素、 りんの流入負荷が無視できない程度であった。また、流量などの調査にあたっては、 通常の状態での表面流水だけでなく、大雨に伴う短期的な大量の出水や河床の伏流水 などについても考慮する必要があることが示唆された。

9909 三重県内の河川における大腸菌群の数種の培地による生育比較 (約214KB)
  岩崎誠二、地主昭博、松井孝悦
 三重県内の大腸菌群数について、河川の常時監視結果を使用して解析を試みた。そ の結果、年間平均値は横ばいまたはやや増加の傾向であり、個々の値では夏期に増 加、冬期に減少する1年周期の変動を示した。また、河川水から寒天平板培地で単離 した大腸菌群を数種の培地で培養したところ、BGLB、LB-BGLBおよび特定酵素基質培 地で70~80%が陽性を示し、m-FC、ECおよび特定酵素基質培地(蛍光)では陽性は 10~20%であった。それらの大腸菌群をコロニーの形状で3種類に分類して生育試験 を行ったところ、形状によって陽性の割合が異なっていた。
 

ノート


9910 水質簡易測定の事例 (約147KB)
  伊東 友夫、吉岡 理、山下 晃
 水質の簡易測定法は、さまざまな分野で利用されている。具体的な事例として、中 華人民共和国における環境保全技術研修時の生活用水、生活排水、河川水、工場排 水、飲用水、市販飲用水の測定、海外研修員研修時の都市河川水の測定、工場排水等 の予備測定、環境教育について述べた。
工場排水等のCODの簡易測定法による予備測定の結果と工場排水試験法による測 定の結果には高い相関が認められた。
子供たちに身の回りの環境を自ら観察、測定させることは、環境問題を単に言葉で 教えるだけでなく自分たちの問題として正しく捉えさせるのに非常に有効であり、簡 易測定法の環境教育における利用の事例を述べた。
9911 コンピュータによる環境保全支援システムの開発 (約880KB)
   山下 晃、前田 明*、吉岡 理、荒木恵一
      *紀南県民局生活環境部、熊野市井戸町371
 市町村、県民、事業者などの行う環境保全活動を情報面から支援するため、パソコ ンを用い、地球的規模の環境問題や県下の環境の現況などグラフ・マップなどにより わかりやすい形で、かつ簡単な操作で学習できる環境教育ソフト「かんきょう97」 を作成した。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 保健環境研究所 〒512-1211 
四日市市桜町3684-11
電話番号:059-329-3800 
ファクス番号:059-329-3004 
メールアドレス:hokan@pref.mie.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

ページID:000047738