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平成30年11月02日

平成30年度三重県保健環境研究所調査研究評価委員会(環境分野)

研究課題の目的

  事前評価

不法投棄等現場における迅速な安全性確認技術等に関する調査研究

  廃棄物の不法投棄および不適正処理(以下「不法投棄等」という。)の現場の調査については、これまで廃棄物監視・指導課、地域機関環境室および関係機関が連携し、対応にあたってきた。不法投棄等現場が発見された場合には、どのような廃棄物が不法投棄等されたのか調査することが必要とされるとともに、周辺住民の不安を考慮し、迅速に周辺環境(浸出水による公共用水域の汚染、悪臭、硫化水素ガス発生の有無等)を調査し安全性の確認を行うことが重要となる。
 不法投棄等現場では、事前の情報が限られており、安全性の確認のための環境調査を行うには技術、知識および経験が求められるところであるが、保環研等には課題に適した技術の検証、情報の蓄積が十分になされておらず、担当者の経験と既存の分析方法に頼った対応がなされているため、安全性の確認に時間がかかってしまう場合が発生している。また、調査手順書が整備されていないため、貴重な経験の共有化が図られていない状況がある。
 本研究では、行政が利用するメニューとして、不法投棄等現場における迅速かつ的確な調査手法を確立するため、分析手法と現場での調査方法を検討し検証する。これらを取り纏め、さらに現場の経験の蓄積を図るため手順書の整備を目指す。

 中間評価

工場排水等のふっ素測定精度の向上に関する研究

 資源循環研究課では、水質汚濁防止法に係る行政検査として工場・事業場排水の測定をする際、公定法(告示法)により測定を実施している。ふっ素は、規制強化の一環で平成13年に新たに「人の健康に係る項目(有害物質)」に追加された項目である。工場・事業場排水のふっ素の公定法には、日本工業規格K0102 34.1(以下「規格」という。)に規定する、「ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法」があり、当課ではこの方法によりふっ素の測定をしている。この測定操作の中に水蒸気蒸留操作(以下「蒸留操作」という。)があるが、ふっ素の蒸留操作は、145±5℃という高温状態を維持して行う必要があり、数ある測定方法の中でも測定条件が特別厳しいため、安定した測定結果を得るには、知識と熟練した技術が必要である。
 また、器具の洗浄を含めた1回の蒸留操作の所要時間は2時間以上と長い上、当課で所有する蒸留装置の台数が3基と少ないため、結果として一日に測定できるふっ素の検体数には限りがあるのが現状である。
 そこで本研究では、ふっ素測定における蒸留操作等の条件を見直すことで、迅速かつ精度良く測定できる手順の確立を目的とする。
 

リサイクル材の環境リスク評価に関する調査研究

  廃棄物のリサイクルについては、廃棄物の性状に応じた適正な処理及び使用用途のもと安全・安心が確保される必要があるが、リサイクルを装った不適正処理や安易なリサイクルが実施され、有害ガスや汚水が発生する等の周辺環境に影響を及ぼす事案も発生している。
 また、廃棄物・リサイクル課が実施した「平成27年度未利用廃棄物利活用検討調査」において、三重県下での排出状況やリサイクルの推進に対する課題等について調査したところ、バイオマスボイラー焼却灰、無機性汚泥、塩ビ管等の廃プラスチック、廃石膏ボード、タイル・レンガくず、鋳物砂、スラグが、リサイクルにおける課題として環境リスク等を把握する必要があるとされた。
 このようなことから、本研究では、廃棄物の適正処理及びリサイクルの安全・安心の確保のため、環境リスクを把握することが急務であるバイオマスボイラー焼却灰等の廃棄物の潜在的な環境リスク評価を実施するとともに、有効利用方法の方向性を検討することを目的とする。
 

  事後評価

廃棄物溶出試験における重金属類測定手法の確立に関する研究

 資源循環研究課では、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45 年12 月25日)に基づく行政検査として産業廃棄物(以後「産廃」という。)の溶出試験を行う際、「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」(昭和48年2月17日「環境庁告示第13号」)により実施している。
 産廃とは、事業活動において発生した不要物の総称であるが、一口に産廃といっても、燃え殻、汚泥、廃プラスチック類等20品目に渡る種類があり、かつ発生する状況を考慮すれば同一の性状は存在しないと言って良い。また、産廃の中には、有害・無害を問わず様々な物質が高濃度で含まれている場合も多く、産廃の試験をする際は、その都度それぞれの性状に応じた適切な前処理が必要となる。したがって、産廃溶出試験は、前処理や測定装置に関する知識や技術、そして経験を要し、時間や手間がかかる測定法である。そこで本研究では、産廃の重金属等の測定について、できるだけ多様な産廃に適用可能な測定方法を確立することを目的とする。
 

大気中のオゾンとホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの挙動に関する研究

 光化学オキシダントの主成分であるオゾンの測定法を確立し、オゾンと同様に光化学反応で2次生成されると考えられるホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドとの挙動について明らかにする。
 

ジカルボン酸類を利用した微小粒子状物質(PM2.5)の発生源寄与解析に関する研究

 近年、大気中の有機化合物であるジカルボン酸類が、燃焼物の指標として注目されつつある。本調査研究では、まず大気中のジカルボン酸類の実態を把握するため、PM2.5等の大気中粒子状物質に含まれるジカルボン酸類の分析法を検討する。また、当所では、これまでに、陰イオン、金属類等を指標として、PM2.5の発生源等の解析を試みてきている。本調査研究では、陰イオン等の項目に、ジカルボン酸類を追加することで、PM2.5の発生源寄与、高濃度予測等の解析精度の向上を目的とする。
 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 保健環境研究所 〒512-1211 
四日市市桜町3684-11
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