「女性がイキイキと働く企業」10選!
株式会社山下組
○総合建設業・油類販売業○住所:三重県志摩市
○従業員数
全従業員数:49名
うち女性従業員:8名
ポップな内装は来客者へのおもてなし。アットホームな社内で、冬にはコタツも出現するとか。
女性社員を含む全方位に"おもてなし"
「土建屋は有名な"3K"職。将来は一層の人手不足が見込まれ、公共工事の発注数は減少傾向。そんな展望の業界です」。志摩で100年続く老舗建設業の4代目社長・山下信康さんは、平成21年に就任した直後から、新しい会社のあり方を模索し始めました。熟慮の末、舵を切った方向は経営の拡大。それには女性の活躍が欠かせません。平成29年には新たな就業規則を完成させるなど、職場の環境改善に取り組みました。
例えば、育児中の時短勤務でも月給は据え置き。社員を増員し、補完し合って負担を軽減。社内清掃やお茶汲み仕事は廃止し、人の代わりにお掃除ロボットやコーヒーマシンが働いています。
女性のニーズは"パート事務" 社長のニーズは"正社員"
「地域性でしょうか。この辺りは事務のパートを希望する女性がとても多い。理由は子育てや、専門知識や資格がないなどで正社員として働くことを諦めているなどさまざま。けれど私は、ぜひ山下組の仕事にやりがいを感じてもらいたい。面接時に『正社員として、うちで定年を迎えて欲しい』と口説いています」。
工務部で2年目を迎える山本貴子さんも、パート社員だったひとり。未経験職種だったことに加え、幼い子が2人いるため、働くことに不安があったと言います。しかし3ヶ月後には正社員に。現在は時短勤務をしながら、会社の助成を受け一級土木施工管理技士の資格取得を目指しています。
「ここで働くまでは、家計の節約ばかり考えていました。自分がキャリアアップして収入を増やす方法もあったなんて」。
山本さんのほかにもパート社員として入社し、その後現場監督として活躍する女性もいます。一連の取組にかかるコストは、広告宣伝費だと社長はみなしています。
「目的は会社のイメージアップ。これからは、人が集まる魅力的な会社にしないと生き残れません。会社の居心地が良くなれば、社員が自ずと評判を広めてくれるはず。人手不足の解消に期待しています」。
工務部の山本さんは、小1 と 山下社長
幼稚園児を育てる2 児の母。 「みえの働き方改革推進企業
イノベーション賞受賞!」
画期的な取組で働き方改革の表彰も
社長のコミットメントに、こんな一文があります。「社内、社外に『おもてなし』のある経営・選択をします」。工事に従事する職人を正社員雇用し、現場への移動に時間外手当を支給。そんな画期的な取組が評価され、平成29年度「みえの働き方改革推進企業」イノベーション賞を受賞しました。また自社ビルを災害時避難施設として近隣住民に開放も。女性活躍への取組は、社長による数々の"おもてなし"の一つに過ぎません。