授業の最初で考古学という学問と、その方法論について解説し、それを踏まえて出土遺物の様子を観察し、遺物のグループを時代順に並べることに挑戦しました。生徒は互いに対話しながら、グループとしての順番付けを答えるべく話し合いを重ねていきます。すべての遺物を観察した後、順番付けを発表し合い、どのグループも正解を導き出すことができました。
中には順番付けの根拠として、「土器の厚みが薄くなっていくのは技術が上がった証拠。だからこの順番になる」といった発言があったり、在籍する美術工芸系列で学んだ経験を活かし、「この遺物のグループだけ器に高台がつけられている。釉薬も施されているということは新しい証」などといった、歴史の目線にこだわらないアプローチを見せたりする生徒もいました。
授業の最後では天白遺跡(松阪市)・納所遺跡(津市)・安濃津柳山遺跡(津市)・松坂城下町遺跡(松阪市)の各遺跡の特徴について解説し、学校周辺の遺跡や宮川流域の遺跡など、さらなる探究テーマについても紹介しました。
時間をかけて土器や石器を観察できたこともあって、生徒は楽しく、熱心に授業に参加してくれました。昴学園での出前授業は2年目となり、これまでの学習を生かしながら、歴史の面白さに気づく生徒が増えてもらえるのは当センターとしてもうれしいことです。この授業が、歴史や文化、さらには三重という地域への関心を深めるきっかけになれば幸いです。


授業の様子① 授業の様子②


展示遺物の様子(安濃津柳山遺跡) 展示遺物の様子(松坂城下町遺跡)