しかしながら、地下には削平された古墳の周溝が残っており、平成5~8年度の三重県消防学校の建設に伴う発掘調査などによって、50基を超える多くの古墳からなる、この古墳群の姿が明らかになってきています。
古墳群は古墳時代中期~後期の小規模な方墳を中心に構成され、少数の円墳も含まれています。埋葬施設は残っていませんでしたが、周溝からは須恵器や土師器、埴輪などが多数出土しました。
中でも注目の的となったのは、63号墳から出土した、ほぼ全形が復元できた県内最大級の馬形埴輪です。首の部分に長いたてがみもしくは被り物が表現されており、全国的にみても特徴的な形態をしています。このほかにも、26号墳からは珍しい鹿形埴輪の頭部が出土しています。

馬形埴輪が出土した63号墳と埴輪の出土状況

26号墳から出土した鹿形埴輪の頭部
おもな時代:古墳時代中期から後期
遺跡の所在地:鈴鹿市石薬師町
発掘調査報告書のリンク:『石薬師東古墳群・石薬師東遺跡発掘調査報告』(2000年)
馬形埴輪について:馬形埴輪(石薬師東古墳群63号墳出土)