調査が行われたのは、居館群の西側部分です。10程度の区画が確認され、それぞれⅠ~Ⅹ郭とされました。このほか、調査地の東側にも複数の区画があります。
調査された区画のうち、最も山側のⅦ郭は居館群の中でも中心的な位置を占めると思われ、大型の礎石建物や複数の井戸などが検出されました。出土遺物にも施釉陶器の茶入、花瓶や中国産磁器といった高級品がみられます。
また、Ⅷ郭からは円筒状の石組みの中に蔵骨器を収めた納骨施設がみつかりました。他の曲輪からも五輪塔が多数出土しています。こうした墓の存在や出土遺物、文献記録などから、この居館群は寺院としての性格が強いとも考えられています。
Ⅶ郭 Ⅲ・Ⅳ郭

井戸(SE42) 納骨施設(SX93)
おもな時代:鎌倉時代から室町時代
遺跡の所在地:いなべ市大安町丹生川上
発掘調査報告書のリンク:『丹生川上城跡発掘調査報告』(1985年)