漁海況長期予報
2025年 8~12月までの予測
7月29~30日に、北海道から鹿児島県までの各都道県水産研究機関および水産研究・教育機構が海況・漁況に関する情報を持ち寄り、今後の見通しを立てましたので、その概要を紹介します。
(予測対象)海況および熊野灘のマイワシ、ウルメイワシ、さば類、マアジの漁況
海況
黒潮は大規模なC型基調で推移するものの、9~10月に一時的にA型となる可能性があります。
熊野灘沿岸の水温は「平年並~高め」で推移し、暖水波及時には「かなり高め」となる見込みです。
【解説】 8月上旬現在、黒潮は潮岬に接近した後、熊野灘~遠州灘沖を南下。140°E付近で32°N以南まで南下した後、伊豆諸島の東側を北上し、房総半島沖から北東へ流出しています(C型(大型東偏))。 |
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マイワシ
11~17cmの0歳魚を主体に、来遊量は前年を上回るでしょう。
【解説】
ウルメイワシ
【解説】
2025年1~6月の中型まき網による漁獲量は144トン(前年同期396トン、過去10年平均1,371トン )でした。2月に107トンとまとまり、漁獲主体は15~17および18~20cm(被鱗体長)でした。3~6月の大型定置網による漁獲量は1.3トン(前年同期2.6トン、過去10年平均4.6トン )でした。今期の来遊量は、大型定置網の5月,6月の漁況が0歳魚主体に前年を大幅に下回っているため、前年を下回ると見込まれます。
さば類
【解説】
2025年1~6月の中型まき網によるさば類の漁獲量は477トン(前年同期264トン、過去10年平均16,301トン)でした。4月にゴマサバが147トンとややまとまった漁獲され,34cm前後(尾叉長)が主体でした。今期の来遊量は、1~6月の中型まき網において0歳魚のサバ類を主体とした漁獲が少なく、前年に引き続き加入が極めて少ない可能性が高く、マサバ、ゴマサバとも低水準で推移すると見込まれます。
マアジ
解説
2025年1~6月の中型まき網による漁獲量は861トン(前年同期454トン、過去10年平均276トン)でした。漁獲主体は、5月は20~21cmおよび28cm前後、6月は17~20cmでした。4~6月の大型定置網による漁獲量は61トン(前年同期75トン、過去10年平均72トン)でした。漁獲主体は、5月は8~9cm、18cm、22cmおよび29cm、6月は9~10cm、16~17cm、21~23cmおよび30~33cmでした。今期の来遊量は、1歳魚は前期のまき網の漁況から前年を上回り、0歳魚は前期の定置網の漁況から前年並と予測され、総じて前年並~上回ると見込まれます。
※次回の漁海況長期予報は、12月下旬頃に2026年1~6月の予報を行う予定です。
参考サイト
我が国周辺の水産資源の現状を知るために(資源評価結果や各海域の長期予報が掲載されています)