このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

三重県議会 > 県議会の活動 > 本会議 > 平成16年第3回定例会で可決された意見書(10月14日可決分)

平成16年第3回定例会で可決された意見書(10月14日可決分)

義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書

 義務教育費国庫負担制度は、都道府県の財政力の差による県費負担職員の給与の格差を防ぎ、教育の機会均等と教育水準の維持向上を目的として創設された制度であり、我が国の教育制度の根幹をなすものである。
 しかしながら、国においては、昭和60年以降、教材費、旅費、共済費追加費用等を国庫負担の対象から除外して、段階的に一般財源化を行ってきた。さらに、平成16年度予算では退職手当及び児童手当が一般財源化されたところである。
 このような中で、本年8月に地方六団体から内閣総理大臣に提出された「国庫補助負担金等に関する改革案」においては、義務教育費国庫負担金を税源移譲の対象とし、平成17、18年度に中学校教職員分を廃止し、平成19年度から21年度にかけて全額廃止することを国に対し求めていくことが決定された。
 また、財務省は、長年、学校事務職員の給与の一般財源化も検討課題としている。事務職員は学校運営に必要な基幹職員であり、子どもたちへの豊かな教育は、学校運営管理部門の充実なくして保障することはできない。
 義務教育費国庫負担制度は昭和25年に一度廃止されたが、地方の財政を圧迫し、地域の格差を生じさせるおそれのあることから昭和27年に復活した経緯がある。教育をどのように改革していくのかという議論がなされず、財政論からの見直しはこの歴史的な経過を無視するものであり、教育の機会均等と全国的な教育水準の維持向上という同制度の基本理念の否定につながり、国の責務を放棄するものである。
 よって、本県議会は、国において、義務教育の円滑な推進を期するため、現行の義務教育費国庫負担制度を堅持するよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩 名 秀 樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣




30人学級の早期実現と教育予算の増額を求める意見書

 平成14年度から完全実施されている学校週5日制の下、各学校が「ゆとり」の中で特色ある教育を展開することにより、子どもたちに基礎的かつ基本的な内容を確実に身に付けさせるとともに、自ら学び自ら考える力をはぐくむことが強く求められている。また、昨今、学校教育の現場においては、いじめ、不登校や校内暴力などの課題が山積しており、それらの克服が急務となっている。
 平成13年度から「第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画・第6次公立高等学校教職員定数改善計画」が実施され、少人数学級指導によるきめ細かく行き届いた教育を実施するため、5箇年計画で教員が配置されることとなった。
 しかし、1学級40人を基本とする学級編制には変更がなく、山積する教育課題の解決を図り、子どもたち一人一人を大切にした教育を進めていくためには、なお不十分である。基礎学力の向上と個性をいかす教育の充実や心豊かな人間の育成などを進めるためには教職員定数を改善し、学級規模を30人以下に縮小していくことが必要である。
 また、公立学校や幼稚園の施設の環境面において、子どもたちの生活する家庭の住環境との格差が大きくなってきている。
 このため、学校には、バリアフリー仕様等を採り入れた安心・安全で快適な施設の整備が求められている。例えば、快適な生活空間や「学び」に応じた学習空間の整備、耐震補強、トイレの改修、ランチルームやエアコンの設置、更に生涯学習などの地域コミュニティの拠点としての整備等である。
 よって、本県議会は、国において、豊かな教育を実現するため、30人学級編制を早期に実現するとともに、教育予算の一層の充実を図るよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣




社会福祉制度改正に関する意見書

 介護保険制度は平成12年4月に導入されたが、介護保険法附則において、法施行後5年を目途として、障害者の福祉に関する施策との整合など制度全般に関して検討し、必要な見直しを行うこととされている。その後、平成15年度から障害者の自立と社会参加を促進するため、障害者自らが福祉サービスを選択し、サービスを利用することができる支援費制度が導入されている。
 介護保険については、制度導入により社会的な要請が顕在化したことや、介護制度の周知、社会的な認識の高まりなどによって、制度導入時には約218万人であった要介護認定者が平成15年12月には約376万人へと約7割増加しており、今後も介護給付費が大幅に増加することが見込まれている。また、障害者の支援費制度についても、初年度に障害者の在宅サービスが急増するなど当初予測を大きく上回る利用があったことから2年連続の財源不足が明らかになっており、それぞれの制度の見直しは喫緊の課題となっている。
 しかし、介護保険制度等の見直しの検討状況については、保険料を支払う被保険者の年齢の引下げや、利用者負担の引上げ、給付対象の縮小、さらには介護保険制度と障害者の支援制度との統合などが断片的に伝えられ、高齢者、障害者及びその家族など国民に懸念が広がっている。
 高齢社会となった日本を今後豊かな社会とするには、介護保険を安心して利用できる制度へ改善すること、また、障害者施策については自己決定による自立可能な制度へ拡充することなど国民が生涯にわたって安心して生活することができる社会福祉制度としていくことが必要である。 よって、本県議会は、国において、社会福祉制度の改正に当たって、次の事項について早急に実現するよう強く要望する。

  1. 社会福祉制度の改正に当たっては、適切な情報開示とともに十分な議論を行うこと。
  2. 介護保険制度の改正については、保険料・利用料の低所得者向けの免除・軽減措置を講ずること。
  3. 介護保険制度の改正に当たっては、グループホーム、特別養護老人ホームをはじめとする社会福祉基盤の整備を進めること。
  4. 高齢者の自立生活を支援するため、介護予防対策を拡充すること。
  5. 障害者福祉制度の推進に当たっては、活用の利便性を拡充するとともに、財政上の措置を講ずること。
  6. 介護保険制度と障害者の支援費制度との施策の調整に当たっては、関係者の意見を十分反映し、社会福祉制度の後退をさせないこと。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣




無年金障害者の救済を求める意見書

 平成16年3月24日に東京地方裁判所において、大学在学中に事故などにより障害を負ったが、任意加入であった国民年金に未加入であったため、障害者基礎年金が支給されなかった無年金障害者に係る訴訟について、「制度の是正措置を取らずに放置していたことは、法の下の平等を定めた憲法に違反する」との判決が下された。
 この判決は、障害福祉年金が廃止された昭和60年当時から学生無年金障害者の救済を求める声があったこと、また、平成6年の年金制度改正に当たって、衆参両院において「無年金障害者に対する福祉的措置の速やかな検討」を求める附帯決議がされたにもかかわらず、国が長い間是正措置を取らず放置してきたことなどから国に賠償を命じたものであり、早急な法改正を求めるものである。
 無年金障害者は、任意加入の時期に障害を負った学生だけでなく、同様な主婦や、任意加入制度がない時期に障害を負った在外邦人、さらには国籍要件によって年金に加入ができなかった在日外国人を含めて多数存在し、制度の「はざま」で救済を受けられない状況に置かれている。
 よって、本県議会は、国において、無年金障害者を救済するため、学生無年金障害者のみならず、主婦、在外邦人等の無年金障害者に対し、現行の障害基礎年金と同水準の救済制度を創設し、早急にその実施を図るよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣




中小企業対策の充実・強化を求める意見書

 我が国の経済は全体として景気回復基調にあるが、中小企業や地場産業への広がりに欠け、まだら模様の回復にとどまっている。また、三重県においても、大企業を中心に景気回復の動きが見られるものの、中小企業においては回復の遅れが見られる。
 中小企業は地域経済の原動力であり、中小企業が再生し、活力を取り戻さなければ、我が国経済が本格的に回復することは考えられない。また、地域の雇用に大きな役割を果たしており、企業における雇用の大多数を支えている。
 このように、中小企業は、我が国経済を支える礎となっているが、国の中小企業対策予算は、平成16年度当初においても約1,738億円であり、全体の0.2%と余りにも小さな規模にとどまっている。景気回復の基調が中小・零細企業など地域経済の隅々まで及ぶよう、中小企業の活性化に資する諸施策を充実・強化することが求められている。
 よって、本県議会は、国において、中小企業対策予算の増額を図り、次の事項に重点を置いた施策を強力に推進し、中小企業対策の充実・強化を図るよう強く要望する。

  1. 創業促進と新分野への進出支援の強化
  2. 中小企業者に対する金融の円滑化
  3. 政府系金融機関における個人保証の見直し
  4. 中小企業者の経営安定化に資する税制上の措置
  5. ものづくり産業の基盤強化
  6. 商店街・中小小売店の活性化に資する対策の充実・強化
  7. 中小企業連携組織対策予算の拡充及び確実な確保

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
内閣府特命担当大臣(金融)
中小企業庁長官




「知的財産立国」の推進を求める意見書

 我が国は、従来、勤勉で良質な労働力を背景とした競争力のある工業製品を輸出することにより経済的繁栄を享受してきた。しかし、近年、我が国は、低廉な労働力と急速な技術水準の向上によるアジア諸国の急速な追い上げを受けるなどして厳しい経済状況にある。今後、我が国の経済が持続的な発展を遂げていくためには、従来の「日本型モデル」を大胆に変革していくことが求められている。
 今日の経済活動においては、知識が生み出す付加価値の重要性は以前に比べて格段に高まってきており、我が国の経済の本格的な景気回復への途を確立し、我が国の産業の国際競争力の強化を図るためには、新たな知的財産の創造及びその効果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力ある経済社会を実現するための戦略的かつ総合的な施策を推進する必要がある。そのためには、国、地方公共団体、大学、事業者等が「知的財産立国」を強力に推進していくための環境整備が不可欠である。
 よって、本県議会は、国において、「知的財産基本法」の具体的施策である「知的財産推進計画2004」の実施に取り組むに当たっては、次の事項に重点を置き、世界最高水準の「知的財産立国」の推進に努めるよう強く要望する。

  1. 各府省に散在する知的財産権関連の行政機能の整理・統合を視野に入れて相互に連携すること。
  2. 知的財産の保護に資するため、知的財産高等裁判所を一層充実すること。
  3. 特許審査の体制を強化することなどにより特許審査の迅速化及び特許取得の促進を図ること。
  4. 知的財産の価値評価手法を確立すること。
  5. 知的財産にかかわる人材育成のための教育環境及びプログラムの整備を行うこと。
  6. 職務発明制度の適正な運用について検討を行うこと。
  7. 模倣品、海賊版等による特許権侵害等への対策強化を図ること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
経済産業大臣
内閣官房長官




戦没者遺族に対する処遇の改善を求める意見書

 先の大戦が終結し、来年で60周年を迎える。この大戦において、祖国の安泰と愛する家族や故郷の平和を守るために尊い命をささげられ、今日の平和と繁栄の基礎を築かれた戦没者の方々に対し、心から追悼の意を表明するものである。
 また、この大戦において、最愛の子や夫など家族を失った戦没者遺族の苦労は計り知れぬものがあり、その悲しみは今日においても変わることはない。
 このため、政府においては、戦没者遺族を援護するため様々な施策を行っているが、尊い一命を捧げた戦没者に対する公務扶助料等は、他の公的年金とは性格を異にするものであり、あくまでも国家補償の理念に基づき実施されるものである。
 よって、本県議会は、国において、特に、平成17年度は戦後60周年を迎える節目の年であることから、「全国戦没者追悼式」に参列する遺族に対する国費負担の増額など戦没者遺族に対する処遇の改善を引き続き図るよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩 名 秀 樹

 (提 出 先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣




あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する
法律及び関係法令の整備並びに遵守に関する意見書

 現在、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師及び柔道整復師については資格免許制度が設けられている。
 しかし、昨今の規制緩和の風潮に乗って、無資格者が医療類似行為を行うといった事例が激増している。
 このことは、国民の医療に対する信用を失墜させると同時に、その健康並びに疾病の予防及び治療に関して重大な不安を抱かせるものである。
 医療に関する違法・脱法行為者の激増は、医療現場はもちろんのこと、国民福祉の全体にわたって大きな混乱を招くものである。
 よって、本県議会は、国において、国民が安心して適切な施術を受けられるよう、医療類似行為の概念を明確にするとともに、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律及び関係法令の整備並びに遵守を図られるよう強く要望する。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
国家公安委員会委員長
警察庁長官




治水、砂防及び治山事業の国庫補助負担金改革に関する意見書

 本県は、県土の約6.5割が急峻な森林であり、河川は延長が短く急流であること、また、我が国でも有数な多雨地帯を抱えていることから、集中豪雨による洪水や土砂災害の被害が発生しやすい地形的及び地理的状況にあり、過去にも幾度となく浸水被害や土砂災害が発生している。
 折しも、先日の台風21号による洪水及び土砂災害により、本県南部の宮川村、海山町、紀伊長島町、伊勢市等において死者・行方不明者10名、床上・床下浸水5,514戸の甚大な災害が発生したところである。
 一方、現在「三位一体の改革」が進められており、地方六団体による国庫補助負担金の改革案が取りまとめられ、政府に提出されたところである。
 この改革案では、河川事業の約7割、砂防事業の約9割、治山事業の約10割にあたる、治水、砂防及び治山関係事業の国庫補助負担金が廃止対象とされているが、建設国債で賄われている補助金等について、税源移譲の対象としての適否が十分に検討されていない。
 洪水や土砂災害は年ごとに地域的に大きく変動するため、その対策については個別の災害箇所に応じて機動的かつ弾力的に対応する必要があり、河川、砂防、治山等の防災事業を着実に推進していくためには、的確に対応できる制度の充実が必要である。
 よって、本県議会は、国において、次の事項について特段の配慮を行うよう強く要望する。

  1. 三位一体改革の精神を踏まえ、税財源の地方への完全な移譲を図ること。ただし、河川、砂防及び治山事業関係については、安全・安心を第一義として、国庫補助負担金の在り方を構築すること。
  2. 再度災害防止を含む災害予防は災害復旧と一体不可分であることから、適切な防災対策が可能となるよう、河川、砂防及び治山事業において機動的かつ集中的に対応できる制度を充実すること。
  3. 河川、砂防及び治山事業関係の国庫補助負担金改革については、地方の自主性及び裁量性を高めることを基本とし、地方の意見を十分反映させるよう十分議論を尽くすこと。
  4. 地方において個性豊かで活力のある地域づくりが実現できるよう、その前提となる地域の安全及び安心の確保に必要な社会資本整備を着実に推進するため、河川、砂防及び治山事業関係についてその必要額を確保すること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成16年10月14日

三重県議会議長 岩名 秀樹

(提出先)

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)




公共調達の適正化等を求める決議

 公共投資は経済への波及効果が大きく、地域経済において公共投資への依存度が極めて高くなっている。しかしながら、国の公共事業予算では平成16年度は対前年度比マイナス3.5%と3年連続の減少となっているとともに、本県の投資的経費も財政難からピーク時の約半分となっている。
 こうしたことから、県内の建設業者数についても、平成11年度の9,082社に対し、平成15年度では8,791社とわずかに減少してきている。建設業者数については、市場規模の変化に応じて、適切に自然淘汰、再編が必要となるものと考えるが、現況においては、需要と供給のバランスが大きく崩れたことに起因する過当競争による「ダンピング」が横行している。こうしたことは、優良な建設業者の経営を圧迫するばかりでなく、公共工事の品質及び安全性並びに建設労務者の賃金等にも大きく影響することが懸念されている。
 このため、政府においては、公平な競争、コストの縮減、行政の効率化が求められる中で、価格だけでなく、「技術力を適切に評価」、「民間の能力を最大限に引出す」、「発注者が責任をもって品質を確保」の3つの考えに基づき公共調達改革を進めている。
 しかしながら、優良な建設業者など企業の経営状況は極めて厳しいものがあり、公共工事の一定の品質、安全性を確保するため、一刻も早い対応が求められているところである。
 よって、本県議会は、国及び県において、公共工事等の一定の品質、安全性を確保するため、公共調達の適正化を早急に実施するよう強く求めるものである。

 以上、決議する。 

  平成16年10月14日

三重県議会




北方領土の解決促進に関する決議

 我が国固有の領土である歯舞、色丹、国後、択捉等の北方領土の返還は、長年にわたる国民の悲願である。しかしながら、戦後60年近くを経た今日においてもなお、北方領土は返還されず、日露両国間に平和友好条約が締結されていないことは誠に遺憾である。
 来年は日魯通好条約締結150周年という歴史的な節目の年にあたる。この条約で初めて日露両国の国境は、択捉島と得撫島の間に定められ、北方領土は我が国の領土であることが確認された。
 しかし、今日もなお、北方領土の返還は実現されず、日露両国間に平和条約は締結されていない。日露両国間における政治対話をはじめとする人的、物的交流を一層拡大し、北方領土問題を解決して平和条約・汲キることは、両国間の基本関係の正常化のみならず国際社会の平和と安定に大きく貢献するものと確信する。
 よって、本県議会は、国において、北方領土の返還を求める国民の総意と心情にこたえ、決意を新たにして、北方領土問題に関する我が国の基本方針に基づき、早急に北方領土問題を解決し、平和条約を締結し、日露間に真の安定的な平和友好関係を確立するよう強く要望する。

 以上、決議する。

  平成16年10月14日

三重県議会




普天間飛行場の早期返還を求める決議

 本年8月13日、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を飛び立ったCH53D大型輸送ヘリコプターが隣接する沖縄国際大学に墜落炎上し、乗務員が負傷をした。今回の事故においては民間人の負傷者は出なかったものの、一歩間違えば民間人をも巻き込んだ大惨事につながりかねない墜落事故であった。
 このような重大な事故であるにもかかわらず、米軍は、現行の日米地位協定を盾に警察等の必要な捜査を拒否するなど、主権侵害のおそれも指摘されるなか、事故原因の究明や具体的な再発防止策の説明がないまま、イラクへの作戦行動を理由に、安易に事故と同型機の飛行を再開し、住民に大きな不安を与え続けている。
 墜落機が所属していた普天間飛行場は、宜野湾市のほぼ中央部の市街地に位置することから、周辺住民に甚大な爆音被害をもたらすのみならず、住宅地上空での旋回飛行訓練は常に墜落の危険を伴うものであり、住民からもその危険性は従来から繰り返し指摘されてきている。
 よって、本県議会は、国において、普天間飛行場における事故同型機の飛行停止を米軍に求めるとともに、アジア情勢等を踏まえつつ、早急に日米地位協定の見直しを行い、米軍の在外基地の再編(トランスフォーメーション)の機会に合わせ、普天間飛行場の返還に関しては、沖縄県等の地元地方公共団体と十分協議を行いながら早期返還の実現を強く求めるものである。

 以上、決議する。

  平成16年10月14日

三重県議会


ページID:000018362
ページの先頭へ