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伊勢茶に親しむ暮らし推進条例案

議提議案第二号
   伊勢茶に親しむ暮らし推進条例案
 右提出する。
  令和八年三月四日
提出者 伊勢茶の振興に関する条例策定調査特別委員長 中瀬古 初美
   伊勢茶に親しむ暮らし推進条例
目次
 前文
 第一章 総則(第一条―第十一条)
 第二章 伊勢茶に親しむ暮らしの推進に関する計画(第十二条)
 第三章 基本的施策(第十三条―第二十二条)
 附則
 三重県におけるお茶の歴史は古く、平安時代には空海直伝の製茶法が伝わり、また、鎌倉時代には栄西が宋から持ち帰った茶樹の種を明恵みょうえが植えたとのいわれがある。その後、温暖で豊かな自然環境に恵まれた三重県はお茶の産地として知られ、室町時代には朝廷に献上され、江戸時代には伊勢商人により江戸をはじめ各地で伊勢茶が販売されたと記録されている。さらに、幕末から昭和にかけて日本茶の輸出に貢献し、「製茶王」、「茶聖」と称される大谷嘉兵衛をはじめ、三重県から我が国の茶業の発展に貢献する偉人を輩出している。
 また、伊勢茶はお伊勢参りとも関わりが深く、お伊勢参りを行う旅人に伊勢茶でもてなすとともに、御師おんしが各地で伊勢茶を土産物として配ったとされる。
 このように、豊かな自然、歴史及び文化に育まれた伊勢茶は、現代においても、県内の様々な地域において主要な農産物として生産されている。また、地域に広がる茶園はその地域の風土と合わさり、豊かな文化的景観を形成している。
 しかしながら、近年の食生活をはじめとする家庭での生活様式の変化等により、急須を用いてお茶に親しむ機会が減少している。これに伴い、国内における緑茶の消費量が減少する中で、伊勢茶を取り巻く環境は厳しい状況にある。
 一方で、和食文化の海外への広まりに伴い、抹茶をはじめとする緑茶の海外における需要が増進しているほか、国内外における新たな需要を開拓するため、和紅茶、機能性を有する緑茶等の開発又は生産が進むなど、伊勢茶の消費拡大に向けた気運の高まりもみられる。
 このような中、私たちは、将来にわたって、伊勢茶に親しむ日々の暮らし及び茶園のある景観が残るよう、和食文化及び伊賀焼、萬古焼等の茶器と併せて親しまれる伊勢茶の歴史と伝統が継承され、並びに新しい伊勢茶の親しみ方が創出されるようにしていく必要がある。そのためには、様々な場において伊勢茶に親しむことができる環境を整備し、並びに伊勢茶の価値の向上及び消費の拡大を図るとともに、歴史と伝統ある伊勢茶の知識の継承等と併せて、県民一人一人が伊勢茶に親しみ、愛着を持つことにより、伊勢茶に親しむ暮らしの推進を図っていかなければならない。
 ここに、私たちは、お茶の振興に関する法律と相まって、伊勢茶の振興のため、上記の理念の下に伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関する施策を実施することにより、伊勢茶に親しむ暮らしの推進を図ることを決意し、この条例を制定する。
   第一章 総則
 (目的)
第一条 この条例は、伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関し、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとともに、計画の策定その他の必要な事項を定めることにより、伊勢茶に親しむ暮らしの推進を図り、もって伊勢茶の振興に寄与することを目的とする。
 (定義)
第二条 この条例において「伊勢茶」とは、伊勢茶その他いかなる名称であるかを問わず、県内で生産された茶葉を用いたお茶をいう。
 (基本理念)
第三条 伊勢茶の普及の促進は、伊勢茶が県内における主要な農産物であることに鑑み、県内の飲食店、旅館、学校、家庭、地域その他の様々な場において、伊勢茶に親しむ環境を整備することを旨として行わなければならない。
2 伊勢茶の普及の促進は、県内外において、伊勢茶の価値の向上及び消費の拡大が図られることを旨として行われなければならない。
3 伊勢茶に親しむ機会の確保は、伊勢茶の伝統と文化に関する知識等の普及と併せて、県民が伊勢茶に愛着を持つことにつながることを旨として行われなければならない。
 (県の責務)
第四条 県は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
 (茶業者の役割)
第五条 伊勢茶の生産、加工又は販売の事業(以下この条において「茶業」という。)を営む者(以下「茶業者」という。)は、茶業及びこれに関連する活動を行うに当たっては、基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めるものとする。
 (茶業団体の役割)
第六条 茶業者が組織する団体(以下「茶業団体」という。)は、その行う茶業者、県民又は消費者のための活動が、基本理念の実現に重要な役割を果たすものであることに鑑み、これらの活動に積極的に取り組むよう努めるものとする。
 (飲食店営業者等の役割)
第七条 飲食店営業、旅館業等を営む者(以下「飲食店営業者等」という。)は、その事業において伊勢茶又は伊勢茶を活用した飲食物(以下「伊勢茶等」という。)を販売し、又は提供することが、伊勢茶の普及に重要な役割を果たすものであることに鑑み、これらの活動に積極的に取り組むよう努めるものとする。
 (茶業者等への支援)
第八条 県は、伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関する施策を講ずるに当たっては、茶業者、茶業団体及び飲食店営業者等がする自主的な努力を支援することを旨とするものとする。
 (県民の協力等)
第九条 県民は、基本理念にのっとり、県が実施する伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関する施策に協力するとともに、伊勢茶に親しむ機会の確保に資する活動に参加するよう努めるものとする。
 (市町との協働)
第十条 県は、市町が実施する伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関する施策又は事業について必要な協力を行うものとする。
 (県、茶業者等との相互の連携協力体制の整備)
第十一条 県は、伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関する施策を効果的に実施するため、県、市町、茶業者、茶業団体、飲食店営業者等その他の関係者相互間の連携協力体制の整備に努めるものとする。
   第二章 伊勢茶に親しむ暮らしの推進に関する計画
第十二条 県は、伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、伊勢茶に親しむ暮らしの推進に関する計画(以下この条において「推進計画」という。)を定めるものとする。
2 推進計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一 伊勢茶に親しむ暮らしの推進の基本的な方向に関する事項
 二 伊勢茶の普及の促進のための施策に関する事項
 三 伊勢茶に親しむ機会の確保のための施策に関する事項
 四 その他伊勢茶に親しむ暮らしの推進に関し必要な事項
3 推進計画は、お茶の振興に関する法律(平成二十三年法律第二十一号)第三条第一項に規定する振興計画と一体のものとして作成することができる。
4 県は、推進計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
   第三章 基本的施策
 (飲食店営業者等による伊勢茶等の販売等の促進)
第十三条 県は、飲食店営業者等による伊勢茶等の販売又は提供(以下「販売等」という。)を促進するため、必要な支援を行うよう努めるものとする。
 (伊勢茶又は伊勢茶を活用した飲料による乾杯の取組の促進)
第十四条 県は、市町、茶業者、茶業団体及び飲食店営業者等と相互に緊密な連携協力を図りながら、伊勢茶又は伊勢茶を活用した飲料による乾杯の取組を促進するよう努めるものとする。
 (伊勢茶等の普及宣伝等)
第十五条 県は、伊勢茶等の普及の促進を図るため、県内外における伊勢茶等に関する情報の提供及び普及宣伝の取組を自ら行うとともに、当該取組を行う者に対する支援を行うよう努めるものとする。
2 県は、前項の取組を自ら行い、及び同項の支援を行うに当たっては、茶器その他県内の特産物と組み合わせた伊勢茶等の販売等について適切な配慮を行うよう努めるものとする。
 (伊勢茶の新たな需要の開拓の促進)
第十六条 県は、新たな伊勢茶等の開発、生産、加工又は販売等その他の伊勢茶の新たな需要の開拓に資する取組を促進するため、必要な支援を行うよう努めるものとする。
2 県は、前項の支援を行うに当たっては、伊勢茶の新たな生産の方式の導入、伊勢茶の生産者による伊勢茶等の販売等その他の伊勢茶の生産者が行う新たな需要の開拓に資する取組について適切な配慮をしなければならない。
 (伊勢茶の輸出の促進)
第十七条 県は、海外市場の開拓等が伊勢茶の需要の増進に資することに鑑み、輸出に向けた体制の整備その他伊勢茶の輸出を促進するための措置を講ずるよう努めるものとする。
 (学校、家庭、地域等における伊勢茶に親しむ機会の確保)
第十八条 県は、学校の設置者(県を除く。)等と連携し、学校において児童、生徒等に対して、伊勢茶に関する体験活動及び学習の機会の提供その他伊勢茶に親しむ機会の確保に資する活動が行われるよう必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 県は、家庭、地域等における伊勢茶に親しむ機会の確保に資する活動を促進するため、必要な支援を行うよう努めるものとする。
 (伊勢茶学に基づく食育の推進)
第十九条 県は、伊勢茶が県内において豊かな伝統と文化を有するものであることに鑑み、伊勢茶に関する郷土の歴史、文化等についての啓発及び知識の普及その他の伊勢茶学(伊勢茶の伝統と文化に関する知見をいう。)に基づく食育の推進を図るよう努めるものとする。
 (顕彰)
第二十条 県は、伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に寄与した者の顕彰に努めるものとする。
 (伊勢茶初摘みの日)
第二十一条 県民の伊勢茶に親しむ気運を高めるため、伊勢茶初摘みの日を設ける。
2 伊勢茶初摘みの日は、八十八夜とする。
3 県は、四月二十九日から五月三十日までの期間において、伊勢茶初摘みの日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとする。
 (伊勢茶に親しむ月間)
第二十二条 伊勢茶について県民の関心と理解を深めるため、伊勢茶に親しむ月間を設ける。
2 伊勢茶に親しむ月間は、十一月とする。
3 県は、伊勢茶に親しむ月間において、その趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとする。
   附 則
 この条例は、令和八年四月一日から施行する。

提案理由
 伊勢茶に親しむ暮らしの推進を図り、もって伊勢茶の振興に寄与するため、伊勢茶の普及の促進及び伊勢茶に親しむ機会の確保に関し、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとともに、計画の策定その他の必要な事項を定める必要がある。これが、この議案を提出する理由である。
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