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平成16年3月24日 地域政策(防災対策)調査特別委員会 会議録


地域政策(防災対策)調査特別委員会議事録


(閉 会 中)

開催年月日   平成16年3月24日(水)  13:30 ~ 14:45 

開催場    6階 601会議室

出席委    9名

委員長 貝増 吉郎 君
副委員長 大野 秀郎 君
委員 森下 隆生 君
委員 松田 直久 君
委員 中嶋 年規 君
委員 中森 博文 君
委員 福田 慶一 君
委員 西場 信行 君
委員 杉之内 昭二 君

欠席委   1名 

委員 津田 健児 君

出席説明員

 〔地域振興部〕  地域振興部防災監    安 田 敏 春 君   

             総括マネージャー      東 地 隆 司 君   その他関係職員

傍聴議員            0 名

県政記者クラブ加入記者    6 名

TV取材            5 社

傍聴者(一般)          0 名

議題

 〔調査事項〕

1 三重県津波浸水予測図について

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣告〕

〔調査事項〕

1 三重県津波浸水予測図について

(1)資料に基づき当局説明

(安田防災監、東地総括マネージャー 説明)

(2)調査事項の質疑

○貝増委員長 それでは、ただ今の説明に対し、御質疑があればお願いいたします。

○森下委員 まず、今回の図面の見方といいますか、数値の扱いについて確認をしたいんですけど。今回示されておりますこの浸水図というのは、堤防の陸側の話、あるいは堤防の海側の話なのかということが、今の説明の中でちょっと私自身はっきり理解ができてないんですよ。多分、ご説明の意図からいくならば、陸側の話だと思うんです。違いましょうか。構造物とか考えたうえで、どれだけの浸水域があるかということを示されたと思うんです。そうすると、今ご説明いただきましたけれども、沿岸部分にこの赤い部分が、例えば熊野灘のあたりを見てみますと、沿岸部分で3m以上というのが出ているわけですね。これは海側の話ではないかと、私は思うんですけど。その辺の整理はできていますでしょうか。

○東地総括マネージャー これ冒頭ちょっと申し上げましたけれども、50mメッシュという取り方をしておりますので、部分的に堤内と堤外かかっている所ございます。それで、森下委員のおっしゃる話、いわゆるこれは基本的に堤内の浸水がどうかというのを基本的に見る図面でございまして、堤外については、基本的に居住地等が恐らくまったくないと思いますので、一応考慮はしてないということでございますけれども。ただ、前回にちょっと話もさせてもらいましたけれども、そこの堤防まで何mの津波が来ますと、こういう話については、データ上は整理をされておりますので、それについてはまたそういったいろんなところへの提供もさせていただくということでございます。

○森下委員 今の説明でいきますと、例えばこの熊野灘の何ページ見てもらったらいいのかな。例えば47ページ見ていただけますか。ここでこういったピンクの3m以上というのが出てくることが、これは堤内の話で。

○東地総括マネージャー 堤外ですね。それで、堤外についても、いわゆるGIS上、陸地いわゆる砂場ですね、砂地。その部分については、こういった形で浸水の図面ができるということでございますので、これについては堤外でございます。

○森下委員 そうしましたら、堤外については到来高というか、前にも説明がありましたけど、3m以上なんていうことで逃げないで、6mとか6m50というのがあるピッチでメッシュで出ているはずですよね。それが、堤外の場合はあってしかるべきではないかと思うんですけど、そういう扱いではないでしょうか。堤外のこういう表示というのは、何か意味がありますか、これ。

○東地総括マネージャー 意味があるないと言えばあれなんですけども、いわゆる意味のある数字というのは、先ほども言いましたように、堤防まで何m来るという数字は別途使えると思うんですよ。ただ、これについては、基本的には陸域が何m浸水しますかということを見たいというところと、もう1つは居住地に対してどういう影響があるかというのが最も大事な図面でございまして、特にこれは避難計画に有効に使う図面でございますので、そこら辺ちょっとご理解をいただきたいと思います。

○森下委員 わかりました。陸地にどれだけ浸水影響があるかということを見たいということで、理解をさせていただきます。それならば、やっぱり実際の高さが欲しいのではないでしょうか。実際の高さ、到来高というか、そういうものがやっぱりここの図面上に欲しくなる感覚、私あるんですけど、そんなことありませんでしょうか。もう3m以上になったら同じことやと、影響とすれば。人に与える影響というのは同じなので、もう逃げざるを得ないから、もうそれ以上は表示する必要がないんだというふうな捉え方ですかね、今。

○東地総括マネージャー 中央防災会議とか、いろんな浸水予測図の表記をするときに、いわゆる3m以上は居住地に与える影響はもう。

○森下委員 同じだと。

○東地総括マネージャー いえ。あまりそういうこと言うとあかんのですけども、そういうことでこういう表示になっておりまして、そこら辺ちょっと御理解をよろしくお願いいたします。

○森下委員 わかりました。でも、私どもが感覚的に欲しい数字というのは、やっぱりそちらというか、実際の到来高というのにやっぱりこだわりたいとこがあるんです、気持ちとしてはね。だから、そういうものも図面上で表していただく。数字ではこの前もらったかもわかりませんけども、図面上で表していただくことも大事なのかなというふうに思うんですけど、その辺は私たちが見るようなチャンスはありますか。見せていただくような資料なんかは、提示いただくことはできますでしょうか。

○安田防災監 到来高、津波については1波、2波も含めまして、今ここで申し上げましたように、津波シミュレーションという形で155箇所こういう形で来ますよということは、別途お示しをさせていただいておりますので、そのポイントと、今、総括から申し上げましたように、それを受けてどれだけ陸地に影響があるかというのは、これはもう3m以上は最悪のパターンということで整理をさせていただいています。それと組み合わせて、県民の方々に対しても周知をしていきたいなというふうに思っております。

○森下委員 その件は結構です。それから条件ですけど、堤防がきちんと機能すればということで、今回やっていただいたと思うんですけど、陸閘だとかあるいはいろんな通行の開削部分だとか、そういうのが堤防にあるわけですけど、そういうものがすべてきちんと閉められたという条件でありますよね。

○安田防災監 これはまさしくおっしゃっていただきましたように、陸閘等も全部閉めた状況を想定いたしております。国の方の被害想定におきましても、例えばきちっとそういった水門、陸閘が閉められた場合とそうじゃない場合ということで、死者の数も千人くらい数字が違ったように思うんですけど、そういういろんなシミュレーションといいますか、シナリオによって被害自体が変わってきますので、これはそういった意味では、人工的な施設が全部機能したということを前提にしておりますので、これよりもまだ悪い状況というのは考えられるということになろうかと思います。以上でございます。

○森下委員 ありがとうございます。結構です。

○中森委員 御説明いただきまして、ちょっと気付いたところなんですけども。御説明の中で海岸の所の堤防につきましては、こういうことで線がずっとつながっているわけで、川の所が小さな川が津波の浸水に影響を及ぼしているキーポイントかなというふうに感じているんです。これは当然そうかなというふうに思いまして。私、そういうところで要するに堤防を中心に、すべての堤防をどうするかというと大変なことですので、もうこれは避難をしていただくということを中心に考えていただくのは当然だと思うんですが、川の所については少し工夫をすればとか、少し補強すればとか、そういうようなものが見えるのがありそうな気がするんですよ。
 
そのことについては、地域できちっとどこが回避するかは別ですけれども、やはりその辺は企てる部分があるのではないかと。避難経路は避難経路で大切なことなんですけども、積極的な改修のここをすれば非常に大きくクリアできる部分が見えてくる所があれば。何か2、3、私お聞きすればあったかのように今印象を受けましたので、その辺は市町村と連携をしていただいて、何か県の方でも対策を練れる所があればということで。気が付きましたので、御所見いただけたらと思います。

○安田防災監 そのとおりでございまして、この津波浸水予測図の使い道といたしまして、1つはソフト的に各地域住民の方々の避難計画に役立てていただくというのが大きな使い道なんですけど、一方では、県なり市町村なり、あるいは国も含めまして、このデータを提供いたしまして、そういった構造物をこれからどうしていくかというところの検討にも、これを役立てていただくというようなことにしておりますので、今御指摘いただいたような部分は、そういう検討の中でこれが出てくるんじゃないかなと、このように期待しておるところでございます。

○中森委員 積極的な活用をしていただきたいと思います。以上です。

○中嶋委員 今の関連になるのですが、はっきり言いましてすごくショッキングな、特に私が住んでいる志摩郡については、片田にしても船越にしても、今、想像すると本当にお年寄りがたくさん住んでいらっしゃる所で、逃げるにも逃げようがない。内からも外からも津波が来て、3mの中に家ごと呑み込まれてしまうという、そういう恐ろしい地獄図を、今どうしても想像してしまう中で、今、防災監おっしゃられた、データを提供して、国、県、市町村でそういうインフラ整備の検討に活かしてもらうというふうなお話だったんですが。
 やっぱりこの防災を扱っていただいている防災監としては、検討してもらうじゃなくて、こういうまさに人が本当にこういう大きな地震が来たときに津波で亡くなってしまうということが、これで明らかになったわけですね。こういう箇所は検討してもらうではなくて、もっと強く重点的にここを整備するように働きかけることはできないものなのでしょうか。そこら辺、防災監としてどうお考えなのか、一度御所見をお伺いしたいのですが。

○安田防災監 申しわけございません。そういう意味では総合行政でございますので、1つの地震対策という切り口からはこういう防潮堤なり、そういったものも県あるいは国の事業も含めまして、トータルとして我々としては関与していく責任があるというふうに思っておりますので、そういう事業をどういう形で優先順位をつけて、どこをどうやっていくかというふうな協議をする場がございますので、そういった中では、きちっとこちらの意見なり主体性を持って発言もしていきたいなというふうに思います。

○中嶋委員 その協議する場というのは、例えば国とでしたらどういう場面になるわけですか。

○安田防災監 国とに対しては、定例的なものは持っておりませんけれども、その都度こういったものが出れば、そこで気がついたところがあれば、それは申し入れるという形になろうかと思いますが、県の中での組織では、こういうハード部分だけではなくて、いろんな分野で総合行政、横のつながりを持って、全体地震対策が進めていけるようにという会議といいますか、そういう場を持っておりますので、そういった中で発言をしていきたい、主張していきたいなと思っております。

○中嶋委員 そうすると、今日、年度末にこういうようなデータが出てきたわけですが、いつまず県庁の中のそういうことをされるのか。いつ、国の方の例えば中部地建へ持っていくのか、いつ、34でしたか、市町村にこういうデータをお示しするのかという、今後の対応のスケジュールというのを、ちょっと教えていただきたいのですが。

○安田防災監 随分遅れまして申しわけございません。この年度末ぎりぎりになってしまったわけですけれども、このデータそのものは、今申し上げましたように、このアウトプットだけではなくて、バックデータも含めまして、市町村に対してはもう速やかに。実際、こういう形のものは既にチェックも含めて市町村と協議しているところでございますけれど、あと国とかそういった関係機関には、直後にも速やかにこれを送付して、まず見ていただいて、その後で今申し上げたような必要が出てくれば、それはそれでまた別途要望なり要請という形で進めていきたいなというふうに思っています。
 それから、前回中嶋委員から御指摘をいただきました県民の方々への周知も、あの直後に中間報告ではありましたけれども、ホームページにも載せさせていただきましたし、今般もできるだけ速やかに、このものそのものもきちっと県の「防災みえ」のホームページの中に載せさせていただいて、できるだけ御覧いただきたいなというふうに思っております。

○中嶋委員 私としましては、ホームページに載せていただくというのは確かに若い方はいいのですが、本当にこういう情報を必要とされている方がなかなか見れないというふうな話を聞くんですね。自主防災のところとか消防団とか、そういうところにはぜひペーパーベース、この形ででもいいので配っていただけることができるならば、そうしていただきたいというふうなことを思いますし、国等にどういう形で送付するのかはわからないのですが、三重県として県民の生命、財産を守らなくてはいけないという、やはり姿勢を見せる必要もあると思うんですね。そのために、例えば防災監自らとか、年度変わりましたら防災危機管理局長とか、あるいは私は知事自身が、直接こういう状況を国の方へ御説明もしていただき、必要な予算措置を早急にしてもらうことが必要だと思うんですが、そのあたりどうお考えになられますか。

○安田防災監 まず、前段の県民の方々への周知、PRなんですけれど、おっしゃいましたように皆さんがホームページ見ていただくわけではございませんので、来年度から行います電波等を通じた啓発・広報、そういった場でもこの浸水予測図は取り上げていきたいなということで、できるだけ多くの皆さん方にこれを御覧いただけるように努力をしていきたいなというふうに思っています。
 それから、浸水予測図の使い道といいますか、もう少し専門的な使い道といたしましては、既に県の中にあります三重河川国道事務所ですか、そういう国の機関等も以前から関心を深く持っていただいておりまして、今か今かと待っていただいているような状況でございますので、単に渡すだけではなくて、今委員おっしゃいましたように、きちっと説明もして理解をいただきたいなと思います。以上でございます。

○中嶋委員 もちろん事務レベルのデータ共有ということは、もちろん最低のことであって、私申し上げているのは、こういう防災対策というのは、トップダウンで迅速に進めるべきだと思うんですね。そういう意味では、名古屋なり東京なり国の方とこれだけの整備をしようと思うと、県単独では難しいというのは、これは明らかですし、例えば起債をするにしても、いろんな起債の新しいメニューをつくっていただくなり、そういう働きかけをやっぱりトップからやるべきではないかというふうなことを思います。これはぜひとも知事にも防災監通じて、そういう意見があったということはお伝えいただきたいということをお願いしておくのと。
 それと、市町村の話で、モデル地区を決めて地域住民とともに避難経路等を検討してもらうという、その避難計画をつくるという、モデル地区とは。もう少し詳しくそこを御説明いただけませんでしょうか。

○東地総括マネージャー これは14年度に消防庁の事業で、尾鷲で1地区、そういう住民参画型で自らが避難路と避難地を見つけて、避難計画を策定するという事業を行ったんですけども、それが非常に尾鷲で有効でして。自らが避難所がない場合は、「このビルを避難ビルにしよう」とか、そういういろんな意見も出てきまして、まさに住民自らが考えてやりますので、住民がもう真剣になって避難を考えるということでございましたので、これを34沿岸市町村ですね、そこを県の事業として1市町村1地区モデル事業としてやらさせていただくと。
 
ただ、モデル事業やりましたら、他の地区へは当然これ市町村さんでやっていただくということで、とにかく1市町村1モデル地区をやらさせていただくということで。例えば、志摩の片田の話ありましたね。ちょっと海側と内陸とつながると。ここも一応モデル地区の候補に上がっておりまして、いろんな確かにハードを整備するということも大事なんですけど、ハードものすごく時間かかりますから、とにかくそういうところは避難計画を住民参画型で自ら考えていただくと。そういうことの中で、できるだけ安全な避難計画を作成していただくということでも考えております。
 
これについては、できればもう早いめにタウンウォッチングとか、そういったことも含めて16年度に入りましたら進めていきたいなというふうに考えております。以上です。

○中嶋委員 そのモデル地区を1市町村1地区でやった場合、それはどれくらいの期間かかるものなのですか、避難計画その地区でモデルをつくるのに。

○東地総括マネージャー 尾鷲の例でいきますと、10月ごろから始めて、でき上がりはだいたい2月ごろということで、実質的には4カ月程度ということでございます。

○中嶋委員 そうしますと、4カ月。4月から始まって9月くらいまでにはモデルが一応できるであろうと。そうすると、残りは市町村の努力にもよるんですが、16年度内には避難計画全市町村見直す。それくらいの形での県としては、人的なことも含めての支援をお考えなのかどうかをお聞きしたいのですが。

○東地総括マネージャー また日を9月と言われますと、よくうちの方時期がずれる場合ございまして、市町村の思いもございますので、9月という明言はできませんけれども、できるだけ速やかにモデル地区の事業を進めまして、それを市町村の他の地区へ波及させていきたいと、反映させていきたいと、こういうふうに思っております。

○中嶋委員 最後の要望をさせていただきますが、特に2m以上の浸水が予測される地区を抱えている市町村については、まさにおっしゃるように速やかにモデル地区のことを優先的に進めていただいて、年度内には各市町村で2m以上の浸水すると思われる箇所の避難計画の見直しを終わらせていただくように、ぜひとも県の方の強いリーダーシップというか、市町村に対する御支援をお願いしたいと思います。以上です。

○西場委員 前のシミュレーションは堤防がないということだったので、「こういう数字だけども、そう心配することないよ」というような説明というか、そういう話ができたんだけれど、今回はこういう前提の話ですからね。今、先ほど来のお話のように、色を塗られた地域にとってみれば大変ショックだし、住民の方々の受ける印象も大変厳しいものがあると思うんですね。私の地元もそういうような状況になっているので、意外な状況にびっくりしておるのですが。
 
これはどういう基準になるんですかね。押し寄せてくる津波高に対する既存の堤防の高さで、この色が赤くなったり黄色くなったりするんですか。その基準というのはどういうことなんでしょうかね。

○安田防災監 実際は非常に複雑な計算式があるようなんですけど、私も作業の現場へ一遍見てきたんですけれども、ほとんどはコンピュータの中でやられておりますのでよくわからないとこあるんですが。基本的には委員おっしゃいましたように、津波の高さと施設の高さの比較でございます。ただ、津波そのものが単純に押し寄せてくるだけではなくて、いろんな地形に沿って遡上したり、あるいは逆に裏から入ってきたりとか、そういう想定を全部理論的にやっておりますので、それを皆加味したうえで、あとは人工的な施設の高さとの比較で、こういうものができてくるということになろうかと思います。

○西場委員 津波高と堤体の高さ以外にも、あまり細かい話はよくわかりませんけれども、どういうものを加味されるんですって。

○安田防災監 津波高と施設の高さ以外の要素はないと思いますけれども、津波の進み方といいますか、津波の来方が一方ではなくて、いろんな地形によっていろんな角度から入ってきますよと。それも全部計算上含んだ形で、その高さが比較されていると。そういうことになると思います。

○西場委員 そうすると、伊勢湾の海岸線沿いに差がありますわな、結構。伊勢湾台風のときに大方整備されたんだと思うけれども、さほど堤防をつくる際の基準が違いないように思うんだけれども、今回のシミュレーションで襲ってくる津波の高低が鮮明になってきたものですから、こういうでこぼこができたと、こういうように理解するのですか。

○安田防災監 私もあまり専門的にわかりませんけれども、あとプラス地形が影響しているというふうに思います。同じ伊勢湾の奥の方であっても、ちょっとした地形の違いによって、津波の高さ。来る津波は同じでも、そこからの遡上の違いとか、そういったものが影響してきて、アウトプットが変わってくるということもあるかと思います。

○西場委員 例えば、堤体があるものですから、陸側から排出してくる河川が満潮時のために排水しにくいという内からの内圧が高いがために、そういった面もあって、例えばそういう所はポンプアップして湛水防除で強制排水しているような所も、地域によってあると思うけれども、そういうようなことというのは一切加味されてないのですか。

○東地総括マネージャー 河川の流出については、ある程度最大流量で加味して、それのぶつかり合いですね。ぶつかり合いで高くなってくるのも、一部考慮されております。それともう1点は、堤体自体が先生御存知のように、いわゆる高潮堤でずっとやられていますので。志摩から南は高潮堤ですので、津波高というのはまったく考慮されていないので、もうそこは越流してくる。こういうことでございます。

○西場委員 今回、堤内で3m以上あるいは2m以上、こういう大変大きな浸水が予想される所について、家のある所ね、居住地区というのか。堤内でも遊水地のような、あるいは雑地のような所はまあいいとして、家が建て込んでいるような所がどういう集落ゾーンになるのかというようなことを、この地図だとちょっと不鮮明だから、少しそういう極端にチェックしたければならない部分についてのゾーンが具体的にどこかということについて、資料もらえますか。

○東地総括マネージャー 少し時間をいただきましたら、そういうこともできますので、やらさせていただきます。ただ、その時間のスパンが、ちょっと単位がすごく長くなりますので、そこら辺はちょっと御容赦のほどよろしくお願いいたします。

○杉之内委員 今回こういうふうな形で最悪を想定して、一応印をしていただいたわけですね。それで、ここには書いてありますように、「海岸河川の防潮施設が機能している場合」と、これ強調して、全部きちっとしていることを想定したんだと、これが原則になって一応シミュレーションをしてますね。それでこの場合、満潮時とかそういった関係が少し私、今回はそれも含めて最悪を予想したんだというふうに強調していくのか。これはいろいろな意味で7mとか5mなんていうのは、どこ行っても恐らく大変な状況だと思います。

したがって、ここでどういうふうに整備するんだという議論は別として、かなりこれは深刻に我々も受け止めていかなければいけないし、またこのことによって各市町村もかなり気持ち的に緊張感に走ることにはいい資料だと、僕は思っているんです。したがって、最悪今の満潮時とかいうのは、ここにはもう既に記されておるだよということなのか。地震なんていつ来るかわからないわけですので、この点はどんなふうに考えていったらいいのですかね。

○安田防災監 今回の浸水予測図につきましては、冒頭申し上げましたように、東京湾の平均水位に加えまして、満潮時ということで1.31mを加えたものを基礎データにしております。したがって、満潮の最悪の事態ということが前提になるということでございます。

○杉之内委員 それがこのT.P+1.31と、こういう理解でいいですね。わかりました。もう1つお願いします。これは我々議会としても、各市町村とまた連携、我々も議員はとっていきたいと思っていますが、これは各市町村にはもう渡ったんですか。これどんなふうになっているのでしょうか。

○東地総括マネージャー これについては、今日発表させていただく前に、市町村と現場確認も含めて、こういう所から越流するはずがないということもございますので、市町村にすべてそこら辺も確認のうえ、こういう形で整理をさせていただいたということで、市町村の方は皆当然ながら承知しているということでございますし、今後はそういうことも含めて、そうした弱点の克服も考えていきたいと、こういうことでございます。

○杉之内委員 はい、わかりました。

○森下委員 今の市町村の今後の手順について、少し私の方からお尋ねをしたいのですが。先ほどの説明ではこのバックデータも含めて市町村に渡していきますというお話でした。今ちょっと御説明のように、既に市町村とも少し協議もしていると、全体についてわかっていらっしゃるということなんですけど。市町村は詳細シミュレーションがこの後必要なんやというようなことで、私この前伊勢市と話をしたときには、そういう感触を持ってデータの出てくるのを待っていますというようなお話も、期待しつつあったんですけど、それは任意市町村にお任せなのか、やろうとするところはやったらいいし、そうじゃなくてやっぱり一律詳細シミュレーションはみんな県下、先ほど西場さんのお話にありましたけど、危険地域といいますか、心配な地域については基本的に全部やってもらうんだというような形で、県がそういう姿勢を持つのかどうか。この辺はどんな感じでしょう。

○安田防災監 先ほど総括が申し上げましたのは、あくまでも紙ベースといいますか、アウトプットを前提にこれでどうかというふうな協議をしている。したがって、自動的にといいますか、市町村も知ってますよということなんですが。私が申し上げたのは、もう少し先になりますけれども、もっと細かいバックデータも含めて、あるいは若干時間差的なことなんかも含めたデータがございますので、それをこれから市町村がモデル地域等で、もっと詳細にこの津波浸水予測図というのを見ていくうえで、必要なデータをできるだけこちらが提供していって、市町村で活用していっていただくというようなことを考えておりますので、最終的には34市町村にそういうデータをどんどんどんどん出していくということになります。これがすべてのデータではないということでございます。

○森下委員 そうしますと、その34の市町村が34通りの使い方をしてもらって、備えられるデータについてもまたばらばらになってしまうというような取り方なんですか。そうじゃなくて、ある一律ここまでのデータは、これをもう少し細かくした、今回のこの基礎データをもう少し細かくかみ砕いたような形の地域別データみたいなものが、各市町村で持たれるというふうな感覚でおったら間違いでしょうか。

○東地総括マネージャー 要は津波のデータとしては1本なんですよね。あとは市町村の地盤データなんです。うちの場合は50mメッシュの地盤データというやつです。それを市町村がもう少しこのメッシュを滑らかにしたいといいますか、きれいにしたいということになれば、市町村の地盤高のこの50mメッシュをどんどん縮めてもらえば、より滑らかないわゆる精度も高く、そういった浸水予測図ができるということでございます。
 それともう1点は、市町村さんがやる場合、非常にそれやったら独自でやればお金かかりますよね。ところが、ほとんどのデータはうちがもうやったデータですから、それを使っていただくということと、あとちょっと余談ですけれども、総合補助金というのを予算でお認めいただけました。その総合補助金で、もし詳細にやって、はやり避難計画を立てたいという所であれば、その補助金を使っていただければ、非常にそういうことがやりやすくなるのではないかと、こういうことでございます。以上です。

○森下委員 そうすると、詳細シミュレーションを今回これからやっていくことについては、補助金等も備えながら対応はできるということですね。そのアウトプットについて、市町村がやったアウトプットについては、例えばこちらの方と一体的につながっているというような形ではなくて、市町村は市町村で独自にまたデータベースを持ってしまうわけですか。その辺はどうなんですか。一方的にこちらはもう提供する側であって、加工先でどんなふうになっているかというのは、もう県は一切かかわらないというふうな形で考えていらっしゃいますか。

○東地総括マネージャー それはそういうまったくかかわらないというのではなくて、当然仕上がったデータについては、うちで活かせるものは活かしますけれども。ただ、市町村が詳細が欲しいというのは、市町村の独自の内容でつくるということでございますので、それぞれ市町村によって思い違うと思いますので、それは違ってくると思いますけれども、仕上がったデータについては、当然こちらで活かせる内容があれば活かしていきたいというふうに思っております。

○森下委員 モデル地域をこれからやっていくときには、最低限そういった滑らかなシミュレーション、滑らかな小さいもう少しかみ砕いたデータを踏まえたうえで、モデル地域を指定していきたいとか、そこに新しいステージに踏み込みたいというような考え方であって、それをやらずに今から何かモデル地域を、これだけ非常に危ないデータが出てしまったので、すぐにやるんだということにはならなくて、そのステップを踏んでもらうという意味ですか、モデル地域として動こうとした場合にですよ。

○東地総括マネージャー モデルは、それはもう早くから選考している話で、市町村から「この地区やってくださいよ」という34市町村の1モデル地区はもう出ておりまして、それはとにかく避難計画の住民参画型のモデルをやっていただくということの中で、たまたま危ない所と重なっている地区もかなりございます。だけども、市町村によっては何地区もございますから、それは急ぎモデルを参考にして広めていただきたいと、こういうことでございます。

○森下委員 はい、わかりました。ありがとうございます。結構です。

○貝増委員長 他にないですか。なければ2点だけ、ちょっと確認させていただきます。先ほど質疑の中にもありましたけども、防災監の方から来年度電波を通じて公表、啓蒙していくと。その件ありましたけども、質疑がそこで止まったんですけど、それをもう一度少し具体的に公表できるものであれば公表していただきたいと。

○安田防災監 来年度事業で、重点プログラムの中にもお認めいただいたわけでございますけれども、約7千万の予算をいただきまして、集中的に県民の方々に対して地震対策、自らの備えを計画的に。その中でいろんなパンフレットをつくったり、あるいはCD―ROMをつくったり、ビデオをつくったりということもあるわけでございますが、メインとさせていただくのは電波。テレビを通じて、シリーズといいますか、年間を通じて繰り返し繰り返し、もちろん内容は変わっていきますけども、県民の方々に地震対策を御覧いただこうというふうなことを企画しておりまして、そういう中へこの地域モデルも材料として入れていきたい。このような感じで申し上げました。

○貝増委員長 そうなれば、この間本会議でもありましたけども、クレヨンしんちゃんみたいなくだけた形でいくのか、それとも驚愕というか。その辺は今どういうふうに考えられているか教えていただきたいです。

○安田防災監 観光PRではございませんので、ある意味では深刻なところがございますし、かと言ってあまり県民の方々がもう恐怖ばかり抱いていただくようなものも困りますので。あるいは対象も含めまして、子どもたちもいますし、お年寄りもいらっしゃるということで、そういったことを念頭に置きながら、あくまでも地震対策というところから踏み外さずにやらせていただきたいなというふうに思っております。

○貝増委員長 もう1点、総括的な要望なんですけども、これも先ほど言っていました、やっぱり1地区1箇所、これはもう各市町村から出ていると、当然ですけれども。これをやはりそういったことを啓発・啓蒙もしていくんだから、34市町村にとってはできるものなら9月をめどに、そういったモデルが公表できるように持っていっていただきたいと。ということは、頭の早いうちから、年度変わりから動ける体制をとっていただきたいと。そういうことです。以上です。

○大野副委員長 これは資料としてはいいと思うんですけども、やはりきちっとした避難対策とか、その辺と一緒にこの資料が動かないと、住民の方にやたらパニックとか、そういうものだけあおって、行政が何も対策がついていかないということになると大変ですから、その辺の対応をきちっと市町村と十分連携をとりながら、この資料を有効に、しかもパニック状態にならないような、そういうような扱いをお願いしたいと思います。

○貝増委員長 他にございませんね。なければ、三重県津波浸水予測図についての調査を終了いたします。以上で地域振興(防災対策)調査特別委員会を閉会いたします。

〔閉会の宣告〕

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成16年3月24日

地域政策(防災対策)調査特別委員長

貝 増 吉 郎
 

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