このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

スマートフォンサイトへ移動

令和8年定例会9月定例月会議 陳15

受付番号・件名 陳15 県立学校における集団宿泊行事(修学旅行等)に伴う教員の労務管理の適正化および学校設置者・学校長の法的リスク回避に関することについて
受付年月日 令和8年7月30日
提出された
定例月会議
令和8年定例会9月定例月会議
所管委員会 教育警察常任委員会
項目
 
(要 旨)
 本年7月23日開催の県教育委員会定例会において、当組合からの請願が審議された。この請願の中で、当組合は県立学校の修学旅行が、学校側から県教育委員会に提出された「修学旅行等実施届」上の行程表記載の通り行われていない実態を、証拠書類を用いて指摘した。引率教員の「勤務時間の割振り調整簿」を参照すると、県教育委員会が「4週間単位の変形労働時間制」による勤務時間延長上限とする4時間の勤務延長のもと修学旅行の引率を行っていることになっていたが、実際の引率で用いられる行程表では、法定休憩時間を一切付与されることなく、それよりも長時間の労務提供が求められていた。これは「公立学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例」第8条第4項に反した取り扱いであり、教員の「超過勤務を命じられない権利」「休憩する権利」を侵害しており、学校設置者である県が国家賠償法上の賠償責任を負うリスクが現実のものとなっていることを意味する。
 請願に対し、県教育委員会は「教員の勤務時間の延長上限である4時間の範囲内に収まるよう、行程の見直しや引率体制の工夫等を指導・周知する」旨の見解を示した。しかしながら、夜間交替要員の配置に必要な予算措置や実効性のある体制が整備されないまま、現場に「4時間枠内での運用」のみを強いる現状は、物理的・人為的に遵守不可能である。このまま従来通りの宿泊行事が強行された場合、①学校設置者である県の国家賠償責任、②学校長個人の虚偽公文書作成に伴う懲戒処分、さらには③国家賠償法に基づく学校長個人への求償請求(個人資産からの賠償補填)という、極めて深刻な法的・行政的リスクが生じ得る。また、「4週間単位の変形労働時間制」において勤務時間の延長幅を最大4時間とする運用は県内市町立学校にも関係してくるものであり、市町でも同様の問題が生じ得る。
 ついては、県議会においても本問題の重大性をご認識いただき、県教育委員会に対して以下の対応・指導を求めていただくよう陳情する。
 (1)県立学校における修学旅行等の実態と「修学旅行等実施届」「勤務時間の割振り調整簿」の齟齬に関する緊急点検・調査を実施させること。
 (2)宿泊行事を継続・実施する場合には、必要な交替要員配置や外部委託(看護師等)に係る十分な予算措置を講じさせること。
 (3)予算や要員の確保が困難であり、法令遵守が物理的に不可能な場合においては、学校現場の実態に即した柔軟な勤務割振りを可能とする制度上の措置を講じるとともに、学校長が法的リスクを負うことなく日帰り化・行程縮小等の柔軟な変更を行えるよう、公式かつ明確な通知・指針を策定させること。

(理 由)
1 現場の予算・人員不足を無視した「4時間枠」の物理的不可能性
 教員を通常より4時間長く勤務させるだけでは、児童生徒が活動している時間帯の対応すらカバーできず、修学旅行等の宿泊行事はまず成り立たない。交替要員や外部委託(看護師等)の予算措置がない中で、勤務延長を「4時間以内」に収めつつ、法令上の休憩時間を確保することは現実的ではない。

2 実態と異なる「修学旅行等実施届」作成による公文書の不適正運用
 従来、現場では実態と乖離した「修学旅行等実施届」や「勤務時間の割振り調整簿」を作成することで表面上の整合性を繕ってきた。しかし、客観的な行程表と実施届の齟齬は「公文書の虚偽記載」であり、教員の「超過勤務を命じられない権利」等を違法に侵害するものとして、学校設置者の国家賠償法上の違法性が認定される決定的な証拠となる。

3 責任の現場(学校長)への帰属構造
 県教育委員会が「4時間枠内に収めるよう指導・周知する」と答弁したことは、実質的に「トラブルや違法運用が発生した場合、その責任は県の指導に従わなかった学校長個人にある」とする責任転嫁の構造を作り出している。これにより、国賠訴訟で学校設置者が敗訴した場合、県教育委員会の指導違反を理由に、学校長個人が「懲戒処分」を受け、さらには国家賠償法第1条第2項に基づき、賠償金を個人で補填させられる「求償権行使」の標的とされ得る。

参考資料
1 「教育活動の適正な実施を求める請願書」(添付資料の一切を含む)
                〔2026年7月23日/県教育委員会定例会にて審議〕
2 請願文書表〔2026年7月23日/上記請願への教育長意見〕

(添付略)
 
ページID:000315504
ページの先頭へ